【監察医朝顔/特別篇】ネタバレ感想や視聴率:【夏の終わりそして/上野樹里主演ドラマ】

2019年9月30日のフジテレビ系列で『監察医朝顔/特別篇~夏の終わり、そして~』が放送されます。

2019年夏ドラマとして放送された本編では、結婚し、家族になった万木朝顔と桑原真也。支え合う2人の姿に、理想の夫婦像を重ねた視聴者も多かったようです。

特別篇では、過去にさかのぼり、2人の出会いが描かれます。

こちらの記事では『監察医朝顔/特別篇~夏の終わり、そして~』のネタバレや感想とあらすじ、視聴率を紹介していきます!

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2019.07.08

「監察医朝顔/特別篇~夏の終わり、そして~」あらすじや感想とネタバレ

 

「監察医朝顔/特別篇~夏の終わり、そして~」あらすじ

朝顔(上野樹里)は平(時任三郎)、桑原(風間俊介)、娘のつぐみ(加藤柚凪)とともに、震災以来、行くことができなくなっていた母・里子(石田ひかり)の生まれ故郷を訪れて祖父の嶋田浩之(柄本明)とも再会し、新たな1歩を踏み出す。

そんな朝顔が、ある日、興雲大学法医学教室に出勤すると光子(志田未来)、高橋(中尾明慶)、熊田(田川隼嗣)、丸屋(杉本哲太)、絵美(平岩紙)、藤堂(板尾創路)らがミーティングの準備をしていた。

この日、運ばれてきたのは推定70歳から80歳の高齢者の遺体で、外傷もなく、身元につながる物は一切身につけていなかった。また、指紋を調べても何も出ず、歯も1本もない状態だった。山倉(戸次重幸)、森本(森本慎太郎)、江梨花(坂ノ上茜)ら野毛山署強行犯係は、少しでも遺体について何か分かるよう、解剖に一縷の望みをかけていた。

主任教授の茶子(山口智子)が不在のため、朝顔と藤堂が解剖にあたった。あまりにも手がかりの無い遺体を前に、朝顔が思い出したのはあの事件だった……。

果たして、朝顔たちは遺体の身元を究明できるのか?そして、遺体に秘められた悲しすぎる真実とは?さらに、朝顔と桑原が出会うこととなった、事件とは?

 

「監察医朝顔/特別篇~夏の終わり、そして~」感想やネタバレ

 

「監察医朝顔/特別篇~夏の終わり、そして~」感想

 

山倉係長のとっておきのごはんのおともが判明しました(笑)気になっていた視聴者も多かったはず!

 

桑原が朝顔に恋する瞬間を見ちゃいましたね~~~

 

 

 

 

特別篇のエンドロールは、みんなで仙ノ浦へ行った時のホームビデオで、ほのぼのしながら夢中で見てしまいました。

 

 

平さんがひっくり返す前からキレイに焼けているホットケーキが気になります(笑)

 

 

 

 

朝顔と桑原の会話をこっそりと聞いていた平さんってば、おちゃめ!そして、娘婿をいじるという…(笑)

 

 

 

こうきたか!という感じで、監察医チーム勢揃いがなにやら嬉しい。

 

「監察医朝顔/特別篇~夏の終わり、そして~」ネタバレ

 

興雲大学の法医学教室では、丸屋の呼びかけで、解剖前にミーティングを行うことに。現場に遺留品はなく、老人男性の死因は不明。遺体には歯が一本もなく、身元確認もできない。解剖しても何も見つからず、丸屋が解剖室に籠って思案していると、現在は山梨県警の検視官・伊東がやってきて、神奈川県警に戻りたいから丸屋に山梨県警へ行ってほしいと頼み込むのだった。そこへ検事の石田がやって来る。今回の死因不明の遺体が、石田が担当する裁判に関わっているかもしれないと言うが、血液検査の結果、石田が探していた人物ではなかった。

なんの手がかりもないため、朝顔たちは再解剖に踏み切る。結果、骨髄の造血機能が失われており、手足の筋肉が萎縮していたことから、老人男性は長い期間、栄養失調状態だったことがわかる。このことから、朝顔は、老人男性が虐待されていた可能性を疑う。朝顔は、虐待とは暴力だけではなく、見殺しにすることも含まれると考えていた。かつて似た事件があったのだ。それは、2017年、幼い兄妹・たつやと渚に日常的に虐待されていた形跡が見つかった。朝顔は、食事をしようにも食べられないでいる渚の方が深刻であり、ネグレクトによって親から歯を磨くことすら教えてもらえず、渚の歯が虫歯でボロボロによるものだと予想する。このまま放置すれば低栄養から感染症になり、死に至る危険がある。検査の結果、渚は低栄養状態であり、虫歯によって顎骨炎から敗血症になっており、一刻も早い保護が必要とされた。この件と同様に、今回の死因不明の老人男性もネグレクトを受けていたと思われる。そのため、独居老人ではなく、ごく普通の家庭を探せば身元が判明する可能性が出てきた。

帰宅した朝顔は、桑原と出会うきっかけになった事件を思い出したと、桑原に話した。たつやと渚を保護するため、迎えにきた警察官が、桑原だったのだ。事情を知り、たつやと渚が不憫で泣いていた桑原に、朝顔はハンカチを差し出した。その時、朝顔と桑原はお似合いだと茶子に言われたことを、朝顔は覚えていた。桑原は初めて聞いた茶子の言葉に驚いたが、朝顔との出会いから半年間、朝顔にアタックして交際に至ったのだった。その後、桑原が朝顔にプロポーズして2人は結婚することに。そんな中、朝顔に妊娠が発覚し、つぐみが誕生する。桑原は、つらいことも悲しいこともあったかもしれないけど、全部楽しいと話す。

一方、平は東日本大震災で行方不明になった妻・里子を捜し続けるため、東北の町・仙ノ浦で部屋探しを始めていた。朝顔は、里子の捜索に向かうため荷作りをしている平に声をかける。「先日、みんなで行った仙ノ浦、楽しかったね」と。東日本大震災以降、仙ノ浦へ足を踏み入れられずにいた朝顔は、平、桑原、つぐみの存在に助けられ、ようやく仙ノ浦を訪れることができたのだった。朝顔と平がビールを飲みながら、先日みんなで仙ノ浦へ行った時に撮影した動画を見ていると、桑原とつぐみが2階から下りてきて、一緒に動画を見るのだった。万木・桑原家では、賑やかな笑い声が響いているのだった。

 

      はーい。

   (つぐみ・桑原)1 2…。

 
(浩之)浴衣 よく似合ってたよ。

今日 孫とデートをしてきました。

   2人で 手をつないで
   かき氷 食べて。

   幸せすぎて
  
   里子に申し訳ないです。

    (里子・朝顔)中2!

 お母さんの手袋が見つかった。

   妻がしていた手袋で
   間違いありません。

でも やっぱり会いたい 里子に。

     お母さん

 最後まで 優しい人だったね。

      そうだな。

   (桑原)朝顔。
   我慢しなくていいから。

   
   (茶子)自分が ホントに
   やりたいことって

    何なんでしょうね。

  もし 私の手が震えたら

 茶子先生 代わってください。

 
 藤堂先生 代わってください。

 
 光子先生 代わってください。

  皆さん 助けてください。

   私 執刀できました。

  朝顔さんが
  解剖してくださらないと

私は 旅にも出られませんからね。

    教えてください。
    お願いします。

   はい じゃあ かばんと。

    水筒もね。 はい。

桑原君は?
夜中に出てった。 張り込みだって。

   へぇ。
   はい お帽子。 完璧。

  (つぐみ)ママ
  今日 保育園 お休みだけど。

    えっ?
    プリントあるよ。

       嘘…。

   ホントだ!
   振り替え休日だって。

 どうしよう
 今日 朝から解剖なのにな…。

  じゃあ 俺が
  つぐみと一緒にいようか?

  ホントにいいの? 仕事は?

  大丈夫。 みんないるから。

   ホントに 大丈夫?
   心配しなくていいよ。

   つぐみ 今日は 一日
   じいじと一緒に遊ぼう。

     やった!

じゃあ お願いね。
じゃあ ママ 行ってくるからね。

(平・つぐみ)いってらっしゃい。
いってら… いってきます。

   おはようございます。

(高橋)おはよう。
   
(光子・熊田)おはようございます。

どうしたの?
(高橋)ん? いや 丸屋さんが

解剖前にミーティングしようって。

(光子)ご遺体 ちょっと 現場だと
死因が よく分かんないみたいで。

     そうなんだ。

  
  (絵美)おはようございます。
  (一同)おはようございます。

どうしたの?
(高橋)ん? いや 丸屋さんが

解剖前にミーティングしようって。

(光子)ご遺体 ちょっと 現場だと
死因が よく分かんないみたいで。

     そうなんだ。

  (藤堂)おはよう。
  (一同)おはようございます。

    ん? どないした?

    ちょ もう 聞いて。

    いや… 教えて。

 
 (森本)解剖
 これから始まるみたいですね。

  
  (山倉)現場に遺留品は?

  (江梨花)
  何も残っていませんでした。

 (山倉)解剖だけが頼りだな…。

  (丸屋)ご遺体は
  推定 70歳から80歳の男性。

外傷もなく 検視の外部所見では
死因は 見つかりませんでした。

(岡島)また 身元につながるものは一切 身に着けておらず

   指紋を調べても
   何にも出てきません。

(岡島)念のため 県内の独居老人のリストと照会したのですが

 まったく一致しませんでした。

大丈夫や。 絵美が歯型 調べたら
すぐに身元が割れる。

   それが ご遺体には
   歯が一本もないんです。

 それじゃあ
 デンタルチャートが作れない。

 死因も不明。 身元も不明。
 おまけに 歯もないなんて…。

(光子)ご遺体
いったい どこの誰なんでしょう。

    (つぐみ)じいじ。
    ん?

   (つぐみ)ここ?
   うん 気持ちいいよ。

    もうちょっと強く
    たたいてもいいよ。

どう?
思いっ切り たたいてもいいよ。

   いい感じ いい感じ。
   じいじ どう? ここ?

あっ それぐらい強いのもいいな。

  ご遺体が倒れていた場所は
  どちらですか?

鶴屋町に近い
汽水域の護岸で発見されました。

 汽水域… 朝顔先生 それって。

   うん。 あの場所に近い。
   (熊田)あの場所?

前にも その近くで亡くなった
ご遺体を解剖したことがある。

最初 倉庫で発見されたけど
解剖したら 溺死だと分かって。

   そうだったんですか。

ご遺体が 水を飲んでいた形跡は?ありません。

  薬毒物検査で
  何か出ませんでしたか?

例えば テトロドトキシンとか。

   え… でも それって
   フグの毒ですよね?

   そんなので亡くなる人
   いるんですか?

    実際にあったの。

まだ テトロドトキシンの検査は
していません。

じゃあ すぐ調べてもらいます。
お願いします。

     まいります。

  はっ!
  すごーい! おいしそう!

  ハハハ… もう一枚 いくよ。

  よいしょ。
  すごーい! おいしそう!

    早く食べたーい!
    早く食べたいね。

とにかく 検視で分かってることはこれぐらいです。

  何としてでも 解剖で
  死因を突き止めてください。

     分かりました。

  茶子先生 おれへんから

   朝顔先生と俺でやるか。
   はい。

   よいしょ。 たっぷり。
   たっぷり。

     たっぷり。

 はい じゃあ
 奇麗に焼けた方が じいじで

ちょっと焦げた方が つぐみね。

 違う!
 えっ? 違う? 違ったっけ?

じゃあ 奇麗に焼けた方が つぐみ。ちょっと焦げた方が じいじ。

     いただきます。
     いただきます。

    食べにくいかな?
    切っちゃおうか。

     ありがとう。

     どうですか?
     おいしいね。

  おいしいですか。 よいしょ。

 うん おいしい。 おいしい!
 おいしい!

   (熊田)お疲れさまです。

 何も分からないっていうのは
 どういうことですか?

   いや せやから
   心臓も 胃も 肺も

内臓 どこも悪いとこないねん。
(丸屋)そんなバカな…。

丸屋さん あした以降
脳と組織を お調べしますので

   今日は いったん
   お引き取りください。

   いや 納得できない。
   せめて 身元だけでも

  突き止められませんか?
  (絵美)歯がないんじゃ

調べようがないんです。
 
(沖田)丸屋さん 帰りましょう。

 
 (渡辺)迷惑ですよ。
 (丸屋)だったら 君らは帰れ。

  私は 残って 先生たちと
  解剖結果を精査する!

   (岡島)検視官殿が
   こう言ってんだから

    俺たちは 帰ろう。

さあ 先生方
何なりと お申し付けください。

 先ほどの解剖所見の資料です。
 (丸屋)はい。

   あのう ホントに
   ここで いいんですか?

  いえ むしろ ここがいい。

  ご遺体の気持ちになって
  静かに思案させていただく。

    教えてください。

     お願いしま…。

  
  (三郎)焼けたよ
  どんどん 食べてください。

  
  (小野)お待たせしました。
  (一同)いただきます。

おいしそう。 お餅が入ってるよ。

ん! めちゃくちゃおいしい。

 
  明太餅もんじゃ 最高だね。

まだまだ お代わりありますんで。

どうです? うちの出張もんじゃ。
これ ビジネスになるかな?

 いや 三郎君 これ ありやで。
 (三郎)ホントですか?

大阪でやったら はやるんちゃう?

 子供にも 受けよさそうだよ。

  そう言ってもらえるだけで
  励みになります。

私 今 いろんなイベント会社に
営業かけてるんです。

   小野ちゃん やるね。

ほんなら 三郎君 これから毎週
出張もんじゃ 頼んだるわ。

  (小野・三郎)
  ありがとうございます!

 お小遣いから引いとくからね。

  マジで?
  (絵美)そうなるでしょ。

  もんじゃも食べよう。
  (高橋)おいしい おいしい。

  丸屋さんが
  解剖室に閉じこもってる!?

   どうしても
   はっきりさせたいって。

  何考えてんだ あの人…。

   まあ 死因の方は
   法医学教室に任せて

われわれが できることをやろう。
(一同)はい。

    まずは 昼飯だな。
    (一同)はい。

     (鍵があく音)

     みんな 集合。

  秘蔵のあれが
  何か分かるチャンスです。

  いや それ
  相当しょうもないからね。

 秘蔵だって言ってんだからさ
 やめた方がいいって。

   開けよう。
   (一同)開けんのかよ!

     いきますよ。

      開けろよ。

    うっ… 開けろよ。

   じゃあ いきますよ。

    せーの… ほい!

  (山倉)なーにをしてる!

   お前ら! 人の机で!

      てえっ!

  おい 昼飯 10分しかないぞ。

      うーん。

    ナイスブレンド。

  かつお のりたま しゃけ。
  神ブレンド。

   (丸屋)教えてください。

     お願いします。

   お願いします。 おっ…。

  何してるんですか?
  (丸屋)腰が ちょっと…。

   ああ…。 お客さまです。
   (丸屋)お客?

   
   (伊東)あっ 丸屋さん。

伊東検視官。 山梨県警のあなたが
どうして ここへ?

   ちょっと 丸屋さんに
   相談がありまして。

      相談?

 私の代わりに 山梨県警に
 異動していただけませんか?

   はあ?
   (伊東)いや あのう

  山梨も いい所なんですが

私 もう 神奈川が大好きなんです。

  お願いします!
  (丸屋)お願いしますって

 そんな簡単に
 異動できるわけないでしょ。

 警察組織を何だと思ってる…。
 (伊東)だけど

 神奈川は 事件が多いんです。

     
  特に 野毛山署管内は
  変わった事案が多くて

優秀な私が必要だと思うんですよ。

(丸屋)優秀?
あなたの どこが優秀なんですか?

     フフフフ…。

  (伊東)屋外で発見された
  ご遺体の最後を

 解き明かしたこともあります。

    先生 これって…。

     (茶子)平さん。
     はい。

(茶子)
彼女… 溺死かもしれませんよ。

      溺死?

      
     (早紀)私…。

お母さんに ひどいこと言った…。

(早紀)《ここから先 一人で行く》

 
(恵子)
《お母さんも一緒に行くって》

 《いい。 一緒にいたくない…。
 もう行って》

     《分かった》

《あっ! 早紀 早紀! お弁当》

   《後で 中で食べて》

 《恥ずかしいから いらない》

   《友達に言われたの》

  《早紀ちゃんのお弁当箱
  おじさんみたいって》

 《そんなの気にしなくたって
 いいじゃない。 ほら》

      《嫌!》

  これ 恵子さんの手のひらの
  擦過傷なんですけど

 何か この両はじの傷って
 何か向きが違ってませんか?

トートバッグ以外に 何か
持ってたんじゃないんですかね?

    (子供たちの声援)

   平さん! ありました!

   (子供たち)イェーイ!

  お母さん ごめんなさい…。

    ひどいこと言って
    ごめんなさい…。

     早紀ちゃん。

     お母さん

  きっと楽しかったと思うよ。

早紀ちゃんのお弁当箱 選ぶの。

     お母さん…。

     ありがとう。

      (泣き声)

  (伊東)真夏に凍死された
  ご遺体のときも…。

 (伊東)えっ!?
 (藤堂)左右の心臓内血液の

   色が違う。
   (伊東)今日 外の気温

   33℃もあるんですよ。

     凍死してる…。

    (高橋)朝顔先生。
    (藤堂)いてて!

  ご遺体が 亡くなる直前に
  食べたものが判明しました。

    えっ? 何でした?

      それが…。

      フグ?

(伊東)体内から フグ毒の成分
テトロドトキシンを見つけました。

(伊東)ヒガンフグの卵巣を食べて
自殺したことが分かったんです。

 (伊東)全国で
 青酸カリ中毒死が多発して

それが
野毛山署管内で起きたときも

 犯人の真意に気付いたんです。

   内容物 確認します。
   (桑原)はい。

   息 止めて! 外 出て!
   (桑原)えっ?

     青酸ガス!

     (藤堂)急げ!

   (光子)あっ スマホ!
   ちょっと…。

 光子ちゃん! 何やってんの!?
 (桑原)朝顔!

      早く!

    (桑原)朝顔!
    (高橋)朝顔先生!

 (伊東)急いで!
 (沖田)気を付けてください!

    (伊東)早く 早く!

    (医者)万木さん!
    大丈夫ですか!?

  分かりますか!?
  聞こえますか!? 万木さん!

 (伊東)以前 心霊スポットで
 ご遺体が見つかったんですが。

      (悲鳴)

(伊東)すでに白骨化していて
身元も死因も分かりませんでした。

   (藤堂)骨だけやと
   死因の特定は難しい。

    不詳の死になるな。

     不詳の死?
     (藤堂)うん。

 どんな理由で亡くなったのか
 分からない

ただ亡くなったという
事実しか残らない死因のことだよ。

 白骨化しちゃうと どうしても
 そうなっちゃうんだよね。

      なるほど。

  何か 身元につながるもの
  見つけられませんか?

 (藤堂)やってみるしかないな。

  確かに
  骨だけだと難しそうですね。

(伊東)それを ひたすら一本ずつ
根気よく並べながら

身元と死因を調べていきました。

 これ 全部 並べるんですか?

   汚れた骨は われわれが
   泥を落としていきます。

ねっ? 岡島さん。
(岡島)はいはい やってますよ。

   (伊東)その結果
   ご遺族が見つかって

 そして 死因も特定することが
 できました。

  えっ… 伊東さん
  骨 磨いてただけですよね。

それなら 私の方が
難解な事件を扱ったことがある。

  茶子先生 野毛山署からで
  誰か現場に来れないかって。

      朝顔さん。
      えっ?

   
   (鈴木)お疲れさまです。
   自転車 預かります。

     お願いします。

  (江梨花)車の中で
  お話 聞いてもいいですか?

  (丸屋)当初は 夫婦の
  心中事件に見えたんですが。

  (山倉)こちらが奥さまの
  
  黒岩 多江さん。

 居間で首をつっていた男性が
      
 旦那さんの雅樹さんです。

(丸屋)調べを進めていくうちに

   捜査線上に その夫婦の
   娘姉妹が挙がりました。

暑いかな? 温度 下げようか?

  
 (美咲)私が 父を殺しました。

  (沖田)ああ! ちょっと…。
  (スイッチを押す音)

  (丸屋)しかし 現場で
  エアコンの温度を使って

 死亡推定時刻を
 調整していることを見抜き…。

  私たちは 大きな勘違いを
  していたかもしれません。

   お母さん ごめんね。

私が もっと早く
一人前の看護師になってれば…。

    2人を あの家から
    連れ出してれば…。

 (美咲)ホントに ごめんね…。

    
   (友里・美咲の泣き声)

(丸屋)その結果 真相に
たどりつくことができたんです。

   それも 朝顔先生が
   見つけたんですよね?

とにかく 私は
神奈川県警に戻りたいんです!

   代わってください!
   (丸屋)お断りし…。

  何やってんだ?
  (伊東)脱ぎなさい… これ。

  これ 私の制服!
  (丸屋)これは 私の制服…。

   返せ!
   (丸屋)私の責任じゃ…。

(伊東)返せ!
(丸屋)あんたの制服か!? これ。

   代わってください!

   (里子)《何?》
   《里子 前に言ったろ》

  《謝るときは 花の一つでも
  買ってこいって》

(里子)《ホントに買ったの?》

  《冗談で言ったのに…》
  《冗談?》

    《フフ… でも

 仕方ないから 許してあげる》

     《ごめん》

  (里子)《うん…
  朝顔 これ どう思う?》

     《えっ?》

  《あ… あしたが限界》
  《だよね》

 《卵と牛乳 見てもらえる?》
 《はい》

     《卵は…》
     《うん》

     《3月12日》
     《3月12日》

   《はい》
   《牛乳が 3月11日》

      《おお》

  《何それ?》
  《ん? 帰ってくるまでに

 ちゃんと食べといてね》
 《そんなに食べきれないよ》

     《頑張れ》

    《いってきます》

(朝顔・里子)《いってらっしゃい》

  さっきから 何読んでんの?

           
『シャーロック・ホームズの冒険』や。

 この中に 死因のヒントが
 隠されてるかも分からんやろ。

  (高橋)さっきのご遺体
  血液検査の結果 出ました。

   あれ? 朝顔先生は?

    会議? 講習会?

  さすがに もう
  丸屋さんたち帰ったよね?

      それが…。

  私なんかね 警察功績章
  3つも持ってるんですよ。

   私はね 警察庁長官賞
   もらったことがある!

     フフフフ…。

   
   (石田)あっ 丸屋さん。

   (伊東・丸屋)石田検事!

  (石田)あら 伊東さんも。
  (伊東)あ どうも

  お久しぶりでございます。

 (丸屋)
 お二人は お知り合いですか!?

 石田検事を知らない検視官は
 もぐりです!

 確かに…。
 今日は どうされたんですか?

 いや 実は
 今日 発見された ご遺体が

私が担当してる裁判に
関係しているかもしれないんです。

   本当ですか!?
   (石田)以前 行った

 水銀中毒死の裁判
 覚えていらっしゃいますか?

      もちろん。

  (石田)再婚するたび
  夫が不審な死を遂げる。

   女性が手にした資産は
   10億円でした。

(伊東)知ってる! 10億の美魔女!

  (石田)私は 検察官として
  彼女と法廷で争いました。

  その再鑑定を
  引き受けてくれたのが

 
  興雲大学の万木先生でした。

《誘導結合プラズマ法によって
調べた結果

  各臓器から
  水銀が検出されました》

  (石田)万木先生が
  慢性水銀中毒を指摘し…。

   《神奈川県警 検視官
     
   丸屋 大作です》

  丸屋さんが 決定的な証拠を
  提出してくれたおかげで

   裁判に勝てたんです。

   いやいや 全ては
   石田検事の実力ですよ。

  急に デレデレしちゃって。

   それで 今回のご遺体と
   あの裁判と

  どう関係があるんですか?

   あのときの被告人が

もう一人 夫を
殺害していた可能性があるんです。

   (伊東・丸屋)ええ!?
   (石田)その夫に

  今回 発見されたご遺体と
  特徴が似ているらしくて。

   これは 一大事だ…。

  (伊東)どこ行くんですか!?
  (丸屋)離しなさい!

(神崎)あっ いた。
丸屋さん あんた 何してるんだ!?

     神崎警部補。

  (神崎)あんたが こんな所で
  油を売ってるから

  いろんな現場の
  検視が止まってるんだよ!

   そ… そうでしたか。

 そうでしたかじゃねえんだよ。
 早く現場に戻りなさい!

    ほら!
    (神崎)まったく

  何を考えてるんだよ。
  ったく もう ホントに…。

   あっ…。
   (石田)あっ 神崎さん。

  石田検事じゃないですか。

   いや 相変わらず

    お奇麗ですね!

  (伊東・丸屋)あんたもか!

  それより 血液検査の結果
  分かりましたけど。

     (石田)えっ?

  フゥ… 今日は なかなか
  寝付かなかったな。

   昼寝させすぎたかな。

  お父さん 今日
  つぐみのこと ありがとね。

   いやいや 楽しかった。

  そう。
  それで 何か分かったか?

   今日 血液検査したけど
   分かんなかった。

  石田検事が探してた人とも
  違ったみたい。

      そっか…。

  このままだと 不詳の死か。

できれば 不詳の死にしたくない。

 何とかして 亡くなった理由を
 明らかにしたい。

     (絵美)どう?

 駄目です。
 全ての臓器 異常ありません。

   再解剖 してみるか。

   (光子)するべきです。

このままじゃ お名前も 死因も
何も分からないまま

  無縁仏になってしまいます。

      朝顔先生。

  でも 茶子先生がいないのに
  勝手なことは…。

   茶子先生なら
   きっと言うと思うよ。

 「朝顔先生が決めなさい」って。

   やりましょう。 再解剖。

    (一同)1 2 3。

     (一同)せーの。

全然 見えないじゃないですか。

   2人もいると大変だね。

 毎日 ワーワー ギャーギャー
 大騒ぎで。

   おかげで 寝不足だよ。

  
  (結衣)でも 楽しいけどね。
  (三郎)ね。

       
     なあ 陽斗。

  そうだ スイカ!
  スイカ 切りましょうよ。

   平さん ちょっと
   手伝っていただけます。

   あっ ちょっと!
   つぐみ ここに描いた?

  ごめんね。 消えるかな?

    取れないじゃん。
    油性で描いたの?

     (光子)先生。

   (茶子)代わります。

あなたのためではなくて
結衣さんのために言ってるんです。

    (茶子)邪魔です。
    外に出てなさい。

   (茶子)出てなさい!

   おはようございます。
   朝顔先生。

   皆さん 大変 ご迷惑を
   お掛けしました。

朝顔さん おはようございます。

   おはようございます。

   手は 震えませんか?

朝顔さん あなたにできますか?

     分かりません。

     分からない?

       はい。

でも… もし 私の手が震えたら

 茶子先生 代わってください。

 藤堂先生 代わってください。

 光子先生 代わってください。

  皆さん 助けてください。

     お願いします。

  (熊田)すいませんでした。

    (光子)朝顔先生。

    (光子)朝顔先生。

 午前9時14分
 N674番 再解剖を開始します。

もう一度だけ 教えてください。

     お願いします。

   (光子)どうしました?

  (丸屋)朝顔先生
  何か分かったんですね?

 再解剖で
 骨髄を抽出して調べた結果

    骨髄の造血機能が
    失われていました。

  また 手足の筋肉が
  相当 萎縮していました。

   これらのことから
   かなりの長い期間

   栄養失調状態だったと
   思われます。

     栄養失調?

  まだ確証は持てませんが
  もしかしたら このご遺体

虐待を受けていたかもしれません。

      虐待…。

    高齢者への虐待は
    増えてますからね。

       はい。

  体に傷はなかったのに…。

暴力で
体に傷を負わせることだけが

 虐待じゃないの。
 育児放棄とか 介護放棄とか

  どう見ても
  助けが必要な状態なのに

 見殺しにするように
 放置することも虐待行為なの。

    これは ゆっくりと
    時間をかけて

 殺されていくようなものです。

 朝顔先生。 確か 前にも
 似たような症例があったよね。

     ありましたね。

   えっと… これかな。

     あっ これだ。

     (ノック)

     おいしい?

  ここの学食
  まあまあ 味はいいんだよ。

    フォーク 使って。

       
   たつや君 渚ちゃん。

  ご飯 食べ終わったら
  ケガ 見てあげるからね。

    どうぞ。
    (藤堂)ありがとう。

     失礼します。

   どやった? 朝顔先生。
   えっ?

いいかげん 先生って呼ばれるの
慣れなよ。

    あ… そうでした。

 何か
 自分のことじゃないみたいで。

   あ… で どうだった?
   あの子たち。

 やっぱり 虐待だと思います。

 せやな。
 腕に たばこの火傷痕あるし。

 それに 時期の違う打撲痕も。

  日常的に
  虐待されてた可能性がある。

    お兄ちゃんの方も
    そうなんですが

    むしろ 深刻なのは
    妹さんの方かと。

  でも 傷はなかったけど。

うん… 体に傷はないんですが

おそらく 歯が虫歯で
ボロボロなんじゃないでしょうか。

   朝顔先生も気付いた?

 はい。
 きっと ネグレクトによって

    歯を磨くことすら
    教えてもらえず

 放置され かなり重症な状態に
 なってると思います。

  このまま放置すれば
  低栄養から感染症になり

死につながる危険性があります。

     そうだね…。

朝顔先生 ほな その子 連れてきたお巡りさんに伝えて

保護するように頼んでくれるか?
分かりました。

  その妹さんは
  その後 病院で検査をして

  低栄養状態だということが
  分かりました。

          
さらに 虫歯によって 顎骨炎から
敗血症になっていました。

  あの老人のご遺体も
  意図的に介護を放棄され

  ネグレクトを受けていたと
  思われます。

   あの方の身元は
   独居老人ではなく

  ごく普通の家庭を探せば
  見つかるかもしれません。

   すぐに調べてみます。

   お子さんと老人
   全然 年齢が違うのに

 同じような虐待で
 苦しんでる方がいるんですね。

      ただいま。

    (桑原)はーい。

      おかえり。
      ただいま。

(桑原)
こっちね やっと捜査 一段落した。

   私の方も終わった。
   (桑原)そっか お疲れ。

    つぐみは?
    じいじとお風呂。

   (つぐみと平の声)

   ご飯 できてるよ。
   ありがとう。 わぁ。

   あ おなか減った。
   注ぐよ。

     ありがとう。
     うん。

   いただきます。
   はーい 召し上がれ。

   焼き加減 うまいね。
   フフ ありがとう。

   おいしい。 脂のってる。
   うん。

 今日ね
 久しぶりに思い出しちゃった。

      何を?

  桑原君と
  初めて出会ったときのこと。

  初めてって もしかして…。

朝顔先生 ほな その子 連れてきたお巡りさんに伝えて

保護するように頼んでくれるか?
分かりました。

      あのう…。

       はい。

   大丈夫ですか?
   あっ… ごめんなさい。

あの子 虐待されてるんですよね?

      おそらく。

    あんな小さいのに
    かわいそうに…。

なので
保護していただきたいんですけど。

     分かりました。

      あっ…。

   こっちです。
   (桑原)あっ そっち。

 ありがとうございます。
 よかったら 使ってください。

      どうぞ。

(絵美)朝顔先生 ちょっと来て。

       はい。

      じゃあ。

     朝顔… 先生。

      じゃあ。

     朝顔… 先生。

    あ 懐かしいね。

あの後 茶子先生に言われたんだ。

     (ノック)

      はい。

     失礼します。
     はい。

先ほどの解剖の写真のまとめです。はい ご苦労さまです。

     失礼します。
     先ほどの彼

     いい方ですね。
     えっ?

   泣き虫のお巡りさん。

   あ… そうですね。

      朝顔さん。
      はい。

    (舌を鳴らす音)

  お似合いですよ あの方と。

       私?
       うん。

     急に何ですか。

     あめちゃん。

   おいしいよ。
   ありがとうございます。

 あ そうですか…。 うん。

   冗談だと思ってたけど。

    初めて聞いた…。

  やっぱり あの人 すごいね。
  うん。

  その後 半年間
  俺がアタックし続けて

  朝顔 やっと
  「うん」って言ってくれて。

     そうだっけ?
     そうだよ。

何か
すごい昔のことみたいな気がする。

  まあ 色々あったもんね。
  うん。

    (桑原)失礼します。
    野毛山署です。

   あっ 桑原君。
   (高橋)ご苦労さまです。

     お父さん!?
     (一同)えっ?

 おと…
 おおおおお… お父さんなの!?

彼女のお父さんと
朝から ずっとコンビ組んでれば

 
疲労困憊にもなりますよ。
そんなの気にしなくていいのに。

   気にするでしょ 普通。

 下手なこと言って
 嫌われたら どうしようとか

  こいつ使えないやつだって
  思われたら まずいとか

  色々考えて 俺 必死だもん。

あっ…。
そうだ 桑原刑事って どんな人?

     何だよ 急に。

    いや… 何となく。

    お父さんから見た
    印象っていうか。

 何で?
 だって お父さん 異動して

初めてコンビ組んだ人でしょ?
どんな感じなのかなって。

      普通。
      えっ?

     極めて普通。
     普通?

   何で そんなこと聞く?
   いや 別に…。

  「お父さん 桑原君のこと
  『ふつう』だって」

      フフ…。

      ハァ。

     「おやすみ」

  (メッセージを送る音)

      よいしょ。

    万木 朝顔さん。
    はい?

      僕と

    結婚してください。

      えっ?

   いやいやいやいや…。
   えっ?

   いやいやいやいや…。
   駄目なの!?

  駄目っていうか…
  ここでプロポーズするかね。

  えっ?
  壁にソースのにおいが

染み込んだ
こんなB級もんじゃ焼き屋で

  愛の誓いすると思うかね。

    万木 朝顔さん。

      はい?

   僕と結婚してください。

      えっ?

いや… ここじゃないでしょうよ。

こんな道で 自転車 押しながら

  涙とか鼻水で
  ぐちゃぐちゃの状態で

言うことじゃないでしょうよ!

      ごめん…。

どうしても 今 言いたくなった…。

   絶対に 幸せにします。

      だから

   僕と結婚してください。

       はい。

    フフフ…。
    何笑ってるの?

     いや 別に。

 あ…
 あのこと思い出してるでしょ。

    えっ? あのこと?

    お姫さま抱っこ。

      ああ。

      やっぱり。

      ただいま。

      おっ…。

     何? その顔。

    まだ怒ってんの?

       あ…。

      ハァ…。

      桑原君。

   桑原君 起きて 朝だよ。

    朝顔 おはよ。

  ちょっと 何やってんの。

起きて ここ お父さんの部屋!

   起きた? おはよう。

     おはよう…。

    ホントに ごめん。

 お父さん
 桑原君のこと抱きかかえて

  布団まで連れてったんだよ。

      マジか…。

  私の気持ち分かる?
  目の前で 下着姿の彼氏が

父親に
お姫さま抱っこされてるのを

  ただただ 見てるしかない
  切ない気持ち。

   お姫さま抱っこ…。
   ホント 情けなかった。

    ホントに ごめん。

       私…。

      妊娠した。

    赤ちゃんができた。

     2カ月だって。

    (桑原の泣き声)

      えっ?

      朝顔!
      おお…。

    (桑原の泣き声)

    桑原君。 終わった。

(医者)お掛けください。
赤ちゃんの心音が確認できました。

 順調ですよ。
 (桑原)ありがとうございます。

   次回 母子手帳
   もらってきてください。

     分かりました。
     先生。

   はい。
   (桑原)もう仕事とか

 休んだ方がいいでしょうか?
 えっ?

 といいますのも
 彼女 仕事になると 周りが

見えなくなるといいましょうか。
ちょっと!

 
 猪突猛進といいましょうか。
 (医者)落ち着いてください

お父さん。 お仕事は 無理のない
程度で 続けて構いません。

   今後の体調を見ながら
   判断していきましょう。

   ありがとうございます。

    初めて呼ばれた…。

      えっ?

初めて 「お父さん」って呼ばれた。

ああ… 何だ そんなこと?
そんなの これから いくらでも…。

      朝顔!
      はい?

 俺 頑張るよ。 頑張るからな。

 うん。 ちょっと 声 大きい…。

    よーし 頑張ろう!

   お父さん やるぞー!

    ねっ? お母さん。

       はい。

    朝顔が結婚する。

   俺たちの孫も生まれる。

     うれしいね。

   あのう…。
   家のことなんだけどさ。

      えっ?

 朝顔んちに
 みんなで一緒に暮らさない?

  平さんが生まれ育って
  朝顔が生まれ育った家に

     俺も住みたい。

   朝顔と俺と平さんと
   生まれてくる子供。

みんなで住んで 楽しくやろうよ。

      ねっ?

夏は 縁側に座って スイカ食べて
冬は こたつで鍋やって。

      楽しそう。

   私 本当に 桑原君と

   2人で住みたいって
   思ってたんだよ。

       うん。

   新しいおうちだってさ。

       うん。

     家具とかもさ。

       うん。

      でも…。

  桑原君が
  そう言ってくれるなら…。

  大丈夫。 だって 俺
  朝顔のこと大好きだもん。

      あーん。
      えっ?

   溶けちゃうよ。
   絶対 やんないから。

  一回 やってみたかったの。
  いい 自分で食べる。

   じゃあ これ あげる。
   はい あーん。

    フフフ。
    ん! フフフ。

    おいしい!
    もっと食べる?

      あーん…。

      ハハハ…。

   ただいま お父さん。

   お父さんは 反対だ。

   こんな狭いうちに
   大人3人で暮らせない。

   でも お母さんと3人で
   住んでたじゃん。

  それとこれは 話が別だ。

      何で?
      何でもだ。

いいから 2人で暮らしなさい。

でも お金だって節約になるし。

      駄目だ。

子供が生まれたら
お父さんに面倒見てもらえるし。

     甘えるな!

  俺に気を使わなくていい。

   俺は 一人で大丈夫だ。
   心配するな。

  とにかく 出ていきなさい!

    何? その言い方。

  何で そんなに駄目なの?

    別に いいでしょ。
    一緒に住んだって。

 気ぃ使ったり 心配してるから
 言ってるんじゃないよ。

今まで 一緒に住んできたでしょ。

      朝顔…。

   気ぃ使ってんのは
   お父さんの方でしょ!

結婚したら
別々に住まなきゃいけないの?

  そんな決まり ないでしょ。

私がさみしいから
ここに 一緒に住みたいんだよ。

    みんなで一緒に
    暮らしたいんだよ。

お母さん きっと
喜んでくれると思うんだけど…。

      お父さん。

 あした 婚姻届 出してくるね。

 戸籍上 桑原さんになるけど。

  あしたで
  万木じゃなくなるけど…。

      お父さん。

      お母さん。

     もういいから。

    ちゃんと言わせて。

    今まで 30年間

  大切に育ててくれて
  ありがとうございました。

お父さんと お母さんみたいな

   いい夫婦になります。

    みんなで ここに
    住んでいいよね?

      もう…。

   好きにしていいから。

   はい 拭いた。 OK。
   (桑原)はい つぐみ

みんなで いただきます するよ。
座ってください。

はい じいじも座ってください。
はーい。

   せーの。
   (3人)いただきます。

   パンパン 食べて。
   (つぐみ)ジャムは?

  ジャムはね 今日 ないの。

  パン おいしいぞ。 ほら。

  うまい うまい うまい…。

ジャムは?
(桑原)ジャムはね 今日 ないの。

あるよ。
じゃあ つぐみ 自分で見てごらん。

    見に行ってごらん。

 おいで。 ほら。 どう? これ。

   よいしょ。
   冷蔵庫 どう? ある?

(桑原)つぐみ パン おいしいよ。
チーズがね 星型なんだよ。

   あっ 朝顔 今日 朝一で
   取り調べになった。

 あたしも 朝から解剖。
 つぐみ 食べないんだったら

  ママ もらっちゃうよ。
  じいじも食べちゃうぞ。

  取り調べって 例のあれか?
  そうです。

  大変 ママとじいじが
  食べちゃうって どうする?

  つぐみの食べちゃ駄目。
  (桑原)食べちゃ駄目だよね。

  よいしょ。 いただきます。
  はい どうぞ。

    お 偉い 偉い。

  俺 午後から聞き込みだから
  保育園 連れてくよ。

  ああ じゃあ お父さんに
  お願いしようかな。

お父さん ありがとうございます。
つぐみ

じいじと一緒に保育園 行こうな。

    やった!
    (3人)やった!

     (桑原)朝顔。

   俺 死ぬかと思ったよ。

  土砂に埋もれて 苦しくて。

      ああ…。

  自分は
  もう死ぬんだなって思った。

     行ったんだ。

     遺体安置所。

     そのとき…。

      中も見た。

   (桑原)もしかしたら…。

  あそこに並んでたのは
  自分だったかもしれない。

 たまたま生き残っただけで

    あっちにいても

  全然 おかしくなかった。

    生きててよかった。

      俺も…。

    朝顔も つぐみも。

      みんな。

  本当に 生きててよかった。

一緒に住んで つぐみが生まれて。

  それからも
  いろんなことがあったね。

       うん。

     全部 楽しい。

  つらいことも 苦しいことも
  あったかもしれないけど

    ずーっと楽しい。

       朝顔。

     ありがとう。

   私こそ ありがとう。

    (戸の開く音)
    おかえり。

  ママ おかえり!
  ただいま。 わ つぐみ。

 2人で 何の話 してたんだ?
 えっ? 色々。

色々ね。 俺の悪口でも
言ってたんじゃないだろうな?

     言いませんよ。
     言ってないよ。

    お姫さま抱っこ。

  (桑原)刑事の勘ですか?
  全部 聞こえてたんだよ。

  聞こえてたのか。
  お姫さま抱っこ。 ハハハ…。

      《朝顔》

 《お父さん
 お母さんを捜すの やめない》

  《お母さん 見つかるまで
  捜すことにした》

  《いずれは 向こうに住んで
  捜すことになると思う》

     《分かった》

  《お父さんのやりたいこと
  やってほしい》

    (電車の走行音)

    着いた。
    (里子)着いたよ。

     寒!
     わっ! 寒い。

      さすがだ。
      ねっ。

  ちょっと それ古くない?

   あったかいよ。
   スキー教室のだっけ?

   それ あたしが たぶん
   中学のときの?

    そうよ。
    (里子・朝顔)中2!

 古っ。 あたしさ
 新しいの買ってあげるから

    もう それ捨てて。
    これがいいの!

    朝顔 早く 早く!
    早く 早く!

   実家 行くだけなのに
   何? そのテンション。

   楽しみにしてたから。

なのに お父さん 来れないとか
あり得ないね。

 仕事だもん しょうがないよ。

 でもね この旅行から帰ったら
 絶対 お花 飾ってあるよ。

      お花?
      うん。

   お父さんね 昔から
   お母さんに謝るとき

  絶対 お花 買ってくるの。

    似合わないよね。

   
   (瑞枝)里子ちゃん!
   帰ってたんかい?

うん。
(瑞枝)朝顔 でっかくなったな。

  瑞枝さん 脚の具合 どう?
  (瑞枝)相変わらずだ。

    大事にしてね。
    (瑞枝)ありがとう。

    夕方 また来るね。
    (瑞枝)はいよ。

      (地鳴り)

   (ガラスの割れる音)
   (里子)わっ!

      えっ?

      キャー!

      あっ!

     何? 今の。

    家 行こう。 家。

 あっ 瑞枝さん 大丈夫かな?

  あっ… ちょっと見てくる。

   私 行くよ!
   大丈夫 すぐ戻るから。

    おじいちゃんとこ
    行ってあげて。

    朝顔 あと頼むね。

     (サイレン)

大きな地震が起きています。

落ち着いて
身の安全を確保してください。

周りから落ちてくる物がないかを
確認してください。

  沿岸付近にいる方は
  津波の恐れがあるので

沿岸付近から離れてください。

  運転中の方は
  車を ゆっくりと止めて

ハザードランプをつけてください。

    じいちゃん!
    大津波警報…。

 (浩之)朝顔! 無事だったか。
 うん。

    大丈夫?
    大丈夫だ 里子は?

  今 瑞枝さん 見に行った。

 まずい… 津波警報が出とる。

      待て!
      えっ!?

 俺が行く! お前 ここにいろ。
 じゃあ 一緒に…。

    (浩之)いいから!
    でも…。

     じいちゃん!

   (リポーター)
   こちら 現場上空です!

 (アナウンス)
 用件は 録音されていません。

(アナウンス)お掛けになった電話は
電源が入って…。

   (ボタンを押す音)

(アナウンス)お掛けになった電話は
電源が入っていないか

    電波の届かない…。

(アナウンス)お掛けになった電話は
電源が入って…。

      (地鳴り)

  (アナウンス)
  お掛けになった電話は…。

    (浩之)朝顔!
    あっ じいちゃん。

   里子と連絡とれたか!?

(アナウンス)お掛けになった電話は
電源が入っていないか…。

      おーい!

(アナウンス)お掛けになった電話は…。(浩之)おーい!

(アナウンス)お掛けになった電話は
電源が入っていないか

電波の届かない場所にあるため
かかりません。

  (一同)おーい! おーい!
  おーい! おーい!

  (女性)あ! 生きてたの?
  よかった…。

    (赤ん坊の泣き声)

     お母さん!

     (泣き声)

      (泣き声)

   (男性)法医の先生が
   到着されました!

  ちょっと ごめんなさい。

      朝顔!

   よかった… 生きてた!

     よかった…。

     お母さんは?

     お父さん…。

      ごめん…。

     お母さん…。

   お母さん どうした?

   お母さん どうした!?

お… お母さん 帰ってこないの。

 ごめん… 私のせい…。
 私が余計なこと言ったから…。

  大丈夫。 大丈夫 大丈夫。

  大丈夫。 お母さん
  絶対 どっかにいるから。

    大丈夫 大丈夫。

      ごめん…。

      (泣き声)

   (隊員たち)通ります。

  (隊員)すいません
  ストレッチャー 通ります。

     大丈夫か?

     いなかった。
     そっか。

  (男性)ちょっと通して。

   《朝顔 あと頼むね》

     お母さん!

     お母さん!

  すいませんでした。
  すいません。 すいません。

     大丈夫か?

     (一同)あっ!

      大丈夫?

       これ。

    あっ… お父さん。

   食料 少ないし
   僕らより 皆さんで。

   米だけなら余裕ある。
   食っとけ。

   あ… すいません。
   ありがとうございます。

      食べよう。

     食べなきゃ。

     食べなきゃ。

   (茶子)頭部 顔面…。
   はい 脚いきます。

  あっ そっち お願いします。
  (男性)はい。

(茶子)
背中。 はい 背面。 こっちも。

  全身 明らかな損傷 骨折
  ありません。

   怖かったですね。
   よく頑張りました。

 次は
 歯を調べてもらいましょうね。

   (茶子)お願いします。

       朝顔。

    ご苦労さまです。

  順番にさ 手渡ししてこう
  少し間隔 空けて。

  順番に。 はい 受け取った。
  はい。

   重いよ これ。
   (男性)分かりました。

(茶子)ねえ そこの立ってる方も
ちょっと手伝って。

      ねえ!

  あなた 生きてるのよね。

   (茶子)はい… はい。

  何やればいいですか?
  こっち入って。 そこ入って。

   おっきい人 こっち。
   (男性)はい。

    はい ありがとう。
    お願いします。

《でもね この旅行から帰ったら
絶対 お花 飾ってあるよ》

     《お花?》
     《うん》

   《お父さんね 昔から
   お母さんに謝るとき

  絶対 お花 買ってくるの》

   《似合わないよね》

   《朝顔 あと頼むね》

  《あなた 生きてるのよね》

  お父さん あした行くの?

 うん。
 3日間ぐらい 泊まりがけで。

       そう。

      お父さん。
      ん?

     楽しかったね。

    
    仙ノ浦。
    ああ そうだな。

      カモメ。

     メンチカツ。

      つぐみ。

     ハハハ…。
     みずたまり。

     り? リンゴ。

      ゴリラ。

     ラッカセイ。

      イカ。
      カメ?

   メンチカツ。
   じいじ それ 言った!

    言ったか。 そうか。
    ありがとう。

じいじ おなか すいてんのかな?
おなか すいちゃったなぁ。

  (桑原)気を付けてね。 はい。

    (サイレン)
    《私 駄目だ…》

     《無理…》

 自分のこと 責めなくていい。

 朝顔が
 法医になるって言ったとき

  お父さん うれしかった。

 でも それは
 法医だからとかじゃなくて

  朝顔が 一生懸命
  生きようとしてることが

     うれしかった。

    だから お父さん

朝顔が 生きてさえいてくれれば
それでいい。

     それでいい。

   ありがとう お父さん。

      私も…。

  つぐみが生きててくれれば
  それでいい。

     ママ 早く!

      海だ!

    ね 奇麗でしょ?

    (桑原)おいで。
    (つぐみ)わぁ!

   (つぐみ)カメモは?
   (桑原)カメモ?

    カモメ いないね。

    カモメ。
    フフフ… カメモ。

  お父さん ビールでも飲む?

      いいね。
      よし。

  何か つまみ あったっけ?

  えっ? いいのがあるよ。

       よし。

       はい。

   じいちゃん この間
   つぐみに会ってから

  写真じゃ満足できなくて
  動画 送ってくれって。

 動画?
 うん。 スマホ 買ったみたい。

    え そうなんだ。
    うん。

 だから 最近の つぐみの映像
 編集してみた。

       最高。

   じゃあ 見るよ。
   あっ ちょっと待って。

  えっ?
  ちょっと待ってくださいね。

    よいしょ。 いいよ。
    じゃあ いくよ。

       うん。

       はい。

   何それ?
   つぐみ どうしたの?

     つぐみ。
     つぐみだ。

   (桑原)変な顔してる。

 (桑原)なかなか
 上がってこないと思ったら

やっぱり ママ 起きてますね。

  あっ…。
  ごめん 起こしちゃった?

ごめんな つぐみ。
あっ これ この間 撮ったやつ?

  見たい。
  (つぐみ)見たい 見たい!

  じゃあ ちょっとだけな。
  見る?

   こっち おいで。
   じゃあ 一緒に見よう。

   見終わったら寝るよ。

      あっ。
      (笑い声)

     見ないで。
     変な顔して。

    (桑原)カワイイよ。

    (笑い声)
    (つぐみ)見ないで。

パパは 6時に起きて
お弁当 作りました。

おいしくできました。
ハハハ。

ママと つぐみは
6時半に起きました。

(つぐみ)6時半に
起きました。

つぐみ 絵 描いたの

ちゃんと持ってきたね?
(つぐみ)うん。

(桑原)どうですか?
つぐみがくれたオレンジ。

おいしいでちゅ。
(笑い声)

(桑原)大じいじと
じいじと

ママです。
はい。

(桑原)で パパです。

どっちがおいしい?
ママとパパ。

どっちがおいしい?
つぐみ。

パパ。
(浩之)ハハハハ。

ママ ショックだな。

ママ ショックだって。
じゃあ これから

パパに作ってもらおう。
(桑原)え。 でもね

カレーは お父さんが
うまいんですよ。

そうだね。
おいしいよ。

つぐみ 前 ママのカレー
食べたもんね。

    ちょっとだけね。

(桑原)これから
どっちがいい?

甘いカレーと
辛いカレー。

甘いカレー。

(桑原)今日は
お遊戯会です。

これ カワイイね。
(桑原)尻尾がね。

これ… これで
リスになる。

(桑原)せーの。

眠り姫さん
眠り姫さん

起きてください。

(桑原)カワイイ。
いいね。

セリフが
自然になったね。

(桑原)完全に 役を
ものにしましたよね。

ひゅ。
(平・桑原)ひゅ。

(桑原)あ。 いいね。
つぐみさ

セリフ 一つしか
ないんだけど

でも 一番いいとこで
出てくるからね。

 リスのみんなで
 眠り姫さん 助けてあげてね。

  うん!
  (桑原)あっ 出掛ける前に

   写真 撮りましょう。
   ああ。

  (桑原)こういうのはね…。
  タイマー?

   (カメラのタイマー音)

    (シャッター音)

   私自身 法医である前に
   一人の人間ですし。

    どんなときも

    どんなご遺体も

  解剖できると
  言いきることはできません。

  それでも 法医をやってきて
  言えることは。

     法医学者は

もう
命を救うことはできませんが

ご遺体に 耳を傾けることができる唯一の存在だということです。

    亡くなられた方の
    最期に寄り添い

  その方が生きている間に
  伝えたかったことや

  法医学者にしか
  読み解くことのできない

  その証しを
  一つでも見つけようとする。

 それが 人間が 人間の手で

  亡くなられた方の魂を

  弔うことに
  つながっていくと思います。

 

「監察医朝顔/特別篇~夏の終わり、そして~」の視聴率

視聴率は11.9%でした。

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【監察医朝顔/特別篇~夏の終わり、そして~】動画を無料で見逃し視聴!pandoraとdailymotionも【9月30日/上野樹里主演ドラマ】

2019.09.30

 

「監察医朝顔/特別篇~夏の終わり、そして~」ネタバレ感想やあらすじと視聴率の紹介まとめ

 

以上、『監察医朝顔/特別篇~夏の終わり、そして~』のネタバレや感想とあらすじ、視聴率を紹介しました。

娘・万木朝顔は法医学者として、父・万木平は刑事として死者の声に耳を傾けながら、東日本大震災で行方不明となった万木里子を捜し続けてきました。朝顔が法医学者の道を選んだのは、母・里子の存在が影響しています。『不詳の死』にならないよう、ご遺体の最後の声を聴き洩らすことのないよう、目の前のご遺体とその家族に真摯に向き合う朝顔。

朝顔を演じる上野樹里さんをはじめ、脇を固める出演者の確かな演技がキラリと光り、本編の視聴率は10.2%~14.4%を記録しました。

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2019.09.30

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