【大誘拐2018】ドラマネタバレ感想やあらすじの紹介【岡田将生主演スペシャルドラマ】

【アライブがん専門医のカルテ】動画を無料で見逃し視聴!pandoraとdailymotionも【松下奈緒主演ドラマ】

2020.02.07

【念唱/病室で念仏を唱えないでください】動画を無料で見逃し視聴!pandoraとdailymotionも【伊藤英明主演ドラマ】

2020.02.06

【テセウスの船/ドラマ】動画を無料で見逃し視聴!pandoraとdailymotionも【竹内涼真主演ドラマ】

2020.02.01

【10の秘密】動画を無料で見逃し視聴!pandoraとdailymotionも【向井理主演ドラマ】

2020.01.30

【知らなくていいコト】動画を1話から全話をフル動画を無料で見逃し視聴!【吉高由里子主演ドラマ】

2020.01.29

2018年12月14日、天藤 真さんの小説『大誘拐』が、岡田将生さん主演で舞台を新たに東海地方に移し、フジテレビ系列でスペシャルドラマ化されます!

こちらの記事では『大誘拐』の原作(小説)と映画『大誘拐 RAINBOW KIDS』のネタバレを簡潔に紹介してスペシャルドラマ『大誘拐2018』のネタバレや感想とあらすじを紹介していきます!

スポンサーリンク

『大誘拐』の原作について

 

原作(小説)『大誘拐』のあらすじ

紀州随一の大富豪、柳川家の女主人「とし子」刀自82歳が誘拐された。身代金は100億円。地元民に圧倒的な人気を誇る刀自の誘拐は大騒動に!

 

原作(小説)『大誘拐』のネタバレ

戸並健次は刑務所を出た後、新生活を始めるために資金稼ぎを計画。仲間の秋葉と三宅を誘い、紀州一の富豪の老女・柳川とし子を誘拐することに。とし子を張り込み始めて1ヶ月が経過していた。ある日とし子が山歩きをしているところに、戸並たちが誘拐し成功する。だが3人は喜びも束の間、とし子に計画を見破られ困惑する。3人はとし子に助けを求め、集落から離れた中村くらの家へ連れていく。中村は柳川家の元・女中頭で、信頼するとし子の為にしばらく住ませてもらうことになった。とし子直筆の手紙を警察と柳川家に出すことにし、とし子は身代金を100億要求するように指示する。3人は困惑し、誘拐事件の主導権はとし子が握っていくことに。3人を「虹の童子」と名付けたとし子。一方、柳川家にとし子の手紙が届き、警察の元にも通報が入る。虹の童子は身代金について生放送で和歌山県警本部長・井狩が回答するように指示。だが井狩はテレビでとし子の姿を見せるように訴えかけ、とし子は手紙でそれに応じることに。放送当日とし子が生放送に現れ、家族に100億の調達方法を告げた。後日受け渡し方法が伝えられ、向かったヘリが柳川家上空で「100億円の領収書」と記された紙が降ってきた。4日後、とし子は柳川家に戻る。事件の1か月後、井狩はとし子が誘拐の指揮を取っていたのではないかと聞く。とし子は認め、税金対策だったと話した。また秋葉は中村の養子に、三宅は1000万円を貰って病気の母親の元へ。そして戸並はとし子の元で雑用係をしていると続けた。それらを知った井狩は秘密を胸におさめる。残りの99億9000万円は庭のお堂の下に眠らせていた。

【大誘拐2018】原作(小説)映画ネタバレ感想やあらすじ【岡田将生主演ドラマ】

2018.12.14

映画『大誘拐 RAINBOW KIDS』について

 

映画『大誘拐 RAINBOW KIDS』のネタバレ

戸並健次は軽犯罪による服役を繰り返すうちに、足を洗って新生活を始める決意をする。そのためにはお金が必要なため、和歌山に住むお金持ちの老女・柳川とし子を誘拐しようと計画。同じく刑務所にいた秋葉と三宅を誘い、無事誘拐することに成功する。だがとし子に全て見破られた3人は困惑し、その後の主導権をとし子に握られてしまう。とし子は自分に忠実な元女中頭・中村くらの元に行き、その家を誘拐中の潜伏先とした。戸並たちを“虹の童子”と命名し、100億円の身代金を要求する内容の脅迫文を自ら書いた。一方の警察には通報が入り、とし子を慕う本部長の井狩大五郎が捜査の指揮を取っていた。そこに脅迫文が届き、身代金の額に驚いた井狩はテレビ放送にて、とし子の安全を証明するよう訴えかける。とし子は再び筆をとり、生中継で姿を現すことを警察と家族に伝えた。誘拐事件は全世界が注目するまでとなり、身代金受け渡し日には皆が固唾を飲んで見届けた。だがとし子の見事な計画により100億円は、虹の童子の手に渡った。数日後、とし子は柳川家に帰ってきた。無事が分かり、事件は一件落着。だが井狩はとし子が事件の指示を出していたのではと気づき、1か月後に事の真相を本人に聞く。とし子は認め、税金対策のための国への復讐だったと話した。事件後、秋葉は中村の元へ養子に、三宅は1000万円を受け取り病気の母親の元へ行った。そして戸並はとし子の元で大工をしている。それらを知った井狩は、事件の秘密を胸におさめた。99億9000万円は庭のお堂の下に眠っている。

【大誘拐2018】原作(小説)映画ネタバレ感想やあらすじ【岡田将生主演ドラマ】

2018.12.14

スポンサーリンク

ドラマ「大誘拐2018」あらすじと感想やネタバレ

 

ドラマ「大誘拐2018」のあらすじ

愛知県に住む、日本有数の大富豪・柳川とし子(富司純子)が誘拐された。
誘拐犯は3人組。リーダー格は元ヤクザで刑務所から出所したばかりの若者、戸並健一(岡田将生)だ。メンツをかけて捜査に乗り出す愛知県警。たたき上げの刑事、井狩大五郎(渡部篤郎)に陣頭指揮が任された。
届いた犯人側の要求は「身代金100億円」。さらに「記者会見を開いて身代金への返答をしろ」。記者会見に臨んだ井狩は毅然とした態度で告げる、「100億円の要求は法外だ」と。前代未聞の金額に、誘拐された大富豪・とし子の親族はうろたえ、記者会見によって、事件は広く世間に知れ渡ってしまう。凶悪な犯罪者による大胆不敵な誘拐事件。日本中の誰もがそう思い注目した。まさに空前の「大誘拐」だ。

そして犯人側の要求は続く。「とし子の全財産を整理して、100億円はすべて現金で用意しろ」、「100億円の引き渡しをテレビで生中継せよ」。SNSやメディアを活用した“劇場型”だ。

井狩を筆頭に、現代のハイテクを駆使して捜査する警察組織。一方、その裏で繰り広げられるのは、健一をリーダーとする誘拐犯3人組と大富豪・とし子との知られざるストーリー。

手に汗握る駆け引きの末に迎える、衝撃の結末! 刑事・井狩が最後に見たモノとは!?
そして、健一率いる誘拐犯たちがたどり着く場所とは!?

 

ドラマ「大誘拐2018」の感想

ネットにあがっていたドラマ『大誘拐2018』への感想の声をひろってみました。

 

ドラマ「大誘拐2018」のネタバレ

「谷底 見ればヨー」
(とし子・紀美)ハハハ…。
(とし子・紀美)
「瓜やなすびの 花ざかりヨー」
(とし子・紀美)ハハハ…。
(とし子)紀美ちゃん
あんた 恋人おらんの?
(紀美)いないんですよ 彼氏。
どんな人が タイプだん?
例えば 有名人だと 誰?
あ~ 有名人だと…。
鼠小僧次郎吉!
えっ!? ハハッ。
この状況で その名前って
マジ卍だで。
(とし子・紀美)ハハハッ。
大奥さま マジ卍って 超ウケる。
でも うちの息子ね
何だか どこかで見た
鼠小僧に似とるなって
思ったときもあったで。
(紀美)
えっ 大作さんの若いころですか?
国二郎さん!?
違う 違う。
もう一人おってな 長男が。
若いころに
亡くなっちゃっとるもんで。
えっ…。
≪(足音)
何じゃね あんたたち。
(男性)柳川家の大奥さまだな。
(男性)あんたやろ!
三河の マザー・テレサって。
何の用かん!
(男性)誘拐だよ 誘拐!
(紀美)キャー!
大奥さまが!
(井狩)柳川財閥の 柳川とし子が
誘拐されましたわ。
(刀禰)何だと?
あっ あの柳川家の?
(井狩)
奥三河の 柳川家の山の中で
午前9時ごろ 3人組の男に
連れ去られとったんですわ。
犯人からの要求は?
(井狩)まだ 何も。
マスコミには?
(井狩)まだ 漏れとらんのですが
時間の問題きゃと思います。
すぐに 報道規制 要請。
(幹部たち)はっ。
近隣の所轄にも
応援 頼んどるもんで。
まずは 連れ去っとる
現場付近を中心に
聞き込みを始めて
主要道路のあっちゃこっちゃで
大規模な検問も行っております。
井狩警視正。 君が 全責任を持って対処するように。
はっ。
(刀禰)失敗は 許されんからな。
(井狩)はっ。
(英子)大丈夫なんでしょうか?
こんなに あからさまに
警察が 動いて。
犯人は 通報されることを前提に
お手伝いさんの 紀美さんを
解放したようですわ。
(国二郎)それは
宣戦布告ってことですか?
(井狩)犯人は なかなか
手ごわい相手かもしれんわ。
(可奈子)柳川家の財産を
狙うくらいだから
素人ってことはないでしょ。
(大作)紀美ちゃんが
峠道で 見つかったとき…。
(大作)ケガをして
どこにも助けを呼びに行かず…。
(安西)
《どうしたん! 紀美さん》
《紀美さん どうしただ?》
(大作)震えてたって。
(英子)決まってるじゃない
そんなの。
(国二郎)
恐怖のどん底に陥ったんだよ。
ショックで
口が 利けなくなるくらいの。
紀美ちゃん
よっぽど ひどい目に 遭ったのね。
(国二郎)相当な金額の身代金を
要求してきそうだな。
(可奈子)
血も涙もない連中だもんね。
どなたか
犯人に お心当たりありゃせんか?
(鎌田)お母さまに恨みを抱く
この柳川家と もめていた。
または 皆さんの周りで
そういった人物いませんか?
母は 三河の マザー・テレサ
って呼ばれるとおりの
ああいう人ですから
感謝されることはあっても
恨まれることは。
国二郎兄さんの会社の
取引先とかで いるんじゃない?
兄さん 社長になってから
評判 悪いじゃない。
強引な経営だって。
(国二郎)バカをこけ!
それを言うなら
お前の旦那の店だろ。
ぼったくりまくってるくせに。
ぼったくってなんかないわよ!
それなりに高いお酒
出してるんだから。
お通しに 3,000円も取る店が
どこにあるんだよ!
ちょちょちょ…。
2人とも ちょっと落ち着けよ。
刑事さんも見てるだろ。
みっともねえな。
みっともないのは
大作 あなたの方でしょ!
いい年して いつまで ママに
パラサイトしてるのよ!
パラサイトって何だよ!
援助してもらってんだよ。
芸術には
パトロンが 必要なんだよ!
あんな歌は 芸術って呼べない。
芸術とは そういうもんじゃない。
鶏を締め上げたみたいな声で。
フッ。
(大作)何だと こら!
(英子)やめてよ!
(鎌田)誰も マザーのこと
心配しよらんですよ あれ。
心配しとるのは
身代金の金額かや。
(井狩)え~ これより
柳川とし子さん誘拐事件の
捜査会議を始めさせてもらいます。
(井狩)まずは 目撃証言だて。
(原口)はい。
犯行の1週間前くらいから
付近では 見慣れない車が 数回
何人かの人間に
目撃されとります。
シルバーのワンボックス
名古屋ナンバー。
車種は
イプサムとの証言を得ています。
(塚本)犯行の前日ですが
柳川家の運転手 安西さんが
日課の山歩きに行った
柳川とし子さんと
吉村 紀美さんを乗せて 走行中
停車している シルバーのイプサムと
擦れ違ったそうです。
(一同)えっ?
(井狩)実行犯は
銀のイプサムの3人組とみとって
間違いないがや。
犯行当日までの行動から
どえりゃあ 綿密な下見を
しとったものと思うが
ほうなると 現在 人質と一緒に
犯人が 潜伏しとるとこだが
検問や Nシステムにも
引っ掛かっとらんもんで
奥三河の山の中に
アジトを構えとると
推測するのが 妥当だわ。
ほいでも やっこさんらのような
頭脳犯は 裏をかいて
街の中に潜伏しとる可能性が
高いと思うんだがね。
犯人と接触しとる お手伝いさんの吉村 紀美さんの証言だと
犯人のうちの 一人は
関西弁をしゃべっとる。
ようは
地の人間じゃないわけだがね。
名古屋市にゃあ
岐阜市にゃあなどの街の中で
ここ三月で
賃貸契約を結んどる物件
借り主を
片っ端から当たってみい。
一緒に 足がつかんような
中古車ディーラーを中心に
銀色のイプサムを買ったやつを
捜してみいや。
まだ 犯人から
何の連絡もないもんでよ。
犯行の目的も
よう分かっとらん。
ほいでも
日本でも指折りの資産家である
柳川家の当主の誘拐事件とて
日本犯罪史上 類を見ん
どえりゃあ犯行であるっちゅうことは間違っとらんわ。
これは 法治国家の安全を
つかさどっとる
警察組織に対する挑戦と
受け止め
それぞれが よう 心して
捜査に当たってちょ。
(一同)はっ。
(塚本)
怪しい人物が 浮上しました。
3週間前に 中古の
シルバーの イプサムを買った
若い男たちが 見つかりました。
(塚本)サングラスを
一度も外すことがなかったので
人相は 不明です。
(原口)ここだ。
(原口)こっ これは…。
鑑識! 鑑識要請!
井狩警視正 犯人たち どえりゃあ
挑戦状 残しとります!
挑戦状?
それは どんなもんだで?
(鎌田)何!? 警視正。
柳川家に 脅迫状とみられる
不審な封書が 届いたそうです。
「われわれが 柳川とし子女史を
誘拐した 誘拐グループであり…」
母の字です。
これ 間違いなく 母の字です。
犯人が ママに書かせたのよ。
そうですよね?
たぶん ほうかと。
母は… 母の身は
安全なんでしょうか?
無事なんでしょうか?
(刀禰)で 犯人からの要求は?
身代金 100億円ですわ。
100億だと!?
そんな法外な金 要求するって…。
(原口)もしかして
テロ組織じゃないですか?
テロのための資金調達とか。
(鎌田)あり得るな。
にしたって 100億って。
(可奈子)
用意できるわけないじゃない!
でも 用意しないと
お母さま どうなると思う?
じゃあ 値下げしろって
お願いするのか?
そんなのありか!
(国二郎)ない ない ない!
そんなことしたら
柳川家は 世間の笑いものだ!
(刀禰)ちょっと待て。
世間の笑いものって
どういうことだ。
犯人は 100億円の身代金要求を
のませるかどうかを
愛知県警の責任者が
記者会見をして
回答しろと 要求しとります。
ほんで その答えを聞いて
受け渡しの指示を出しあすと。
俺は やらんぞ そんな記者会見は。
犯人の 言いなりになるような
まねは 絶対やらんぞ。
本部長
人命が 懸かっとるんですよ?
(刀禰)井狩
俺が 恥をかくんだぞ?
そうだ お前 やれ。
で 払うのか?
っていうか 払えるのか?
100億もの金を。
払いません。
(ざわめき)
(井狩)もちろん
身代金は 回ししてでも
お母さまを助けたいと
ご家族の皆さんは
思ってらっしゃる。
ほやけど
金額が 現実的じゃにゃあもんで
考え直してほしいんだわ。
ふざけるな!!


(主任)バカヤロー!
何やってんだ! おら!
(健一)すいません。
(工員)新人のあいつ
前科者だってよ。
えっ マジ!?
(工員)元組員で
出所したばかりだってよ。
(工員)ハッ。 まともに
暮らしてけるわけねえよな。
(工員)なっ。
(工員たち)ハハハ…。
くそ!

(作業員)邪魔だよ バカ!
(正義)ごめんなさい。
(作業員)
遊んでんじゃねえぞ こら!
(正義)すいません。
あっ!
(作業員)ふざけてんじゃねえぞ。
(正義)ごめんなさい。
ごめんなさい。
(作業員)おい。 悪いんだけどよ
金 貸してくんねえか?
えっ?
(作業員)いいから 見してみ。
いいね? これ借りて。
(正義)でも!
(作業員)何だよ お前 痛っ。
この!
健ちゃん!
(平太)ありがとうございました~。
(男性)三宅 平太さ~ん。
(男性)取り立てに来ましたで。
すいません。
ここじゃ 何なんで。
何で ここやったら
あかんのじゃ こら!
(男性)借りた物は 返す!
当たり前のことやろうが!
せやかて…。
(男性)おい!
お前の妹な ホンマに
風俗で 働くことになってまうで!?
(男性)うっ…。
(男性)おいおい…。
何じゃ われ こら!
あん!?
あっ… お前 宏正会の。
健ちゃん?
(男性)宏正会やぞ。
ヤバいぞ 逃げろ。
覚えとけ。
(平太)まだ 足 洗うてないん?
ムショから出たら
組 抜ける 言うてたやん。
(正義)やめたってよ ヤクザ。
ねっ? 健ちゃん。
ああ。
(平太)ホンマに?
偉いやん。 有言実行やん。
(正義)そう そう 有言実行。
って 何だっけ?
で 仕事は どないしてんの?
今は。
それがさ 元ヤクザは
大変なんだってさ。
ねっ? 健ちゃん。
平太 お前 借金 幾らなんだよ。
あいつら 闇金だよな?
うん。 結構 あるみたいやわ。
ハハッ。
返せないのか?
あいつら 妹が どうのって
言ってたけど。
うん。
結構 ヤバいねん ホンマに。
妹ちゃん 琴子ちゃん
まだ 高校生なんだっけ?
うん。
まだ 何も知らんねん あいつは。
やっぱ やるしかねえな。
だろ?
やるって?
えっ? 何を?
誘拐だよ。 大誘拐。
(正義・平太)はっ!?
(正義)マジで!?
ああ 大マジだよ。
(平太)いやいやいや…。
でも 誰を誘拐すんねん。
三河の マザー・テレサって
知らねえ?
(平太・正義)
三河の マザー・テレサ?
(正義)紀州の ドン・ファンなら
知ってるよ。
美女 4,000人に 30億やろ?
(正義)うん。
三河の マザーは
恵まれない子に
50億。
(正義・平太)はぁ~。
超いい人だね この人。
いい人でも何でもねえよ。
あんな嘘つきババア。
いや 嘘つきでも何でもええから
俺らにも恵んでほしいわ。
だから ある意味
恵んでもらうんだよ。
つうか 三河って どこ?
(平太)いや せやから
愛知県の この辺りやろ。
そう そう。 この辺り一帯
全部 マザーの持ってる土地。
(平太・正義)へえ~。
あっ この部屋には 常に
常に 髪の毛一本 残すなよ。
DNA鑑定で 一発だぞ
俺たち 前科者は。
あっ ちなみに…。
この辺り一帯の山も
全部 マザーのもんだよ。
ホンマか。 すごいな!
(正義)うん。
(クラクション)
で あれが マザーの家。
(平太)お~ めっちゃ でかいやん。
へえ~。
さすが 恵まれない子に 50億だね。
(平太)ホンマやな。
あっ!
えっ 何 何 何…。
あれ? マザー 出てきた。
おっ!
(正義)ちょっと 見せて 見せて。
お~!
後ろに 2人 乗ってんで!
よし 追い掛けるぞ!
(平太)よっしゃ!
(正義)来るよ 来るよ 来るよ
あれでしょ? あの車。
あっ!
みんな 眼鏡 眼鏡 眼鏡!
眼鏡 眼鏡って
お前は やっさんかって。
マスク マスク…!
健ちゃん。
マスク マスク!
(平太)
お前 いつまで 笑うとんねん。
(正義)だって…。
ごめんなさい。
この時間に マザーたちは
車で 山の中腹まで行って
降りるんだ。 分かるか?
分かりません。
(平太)全然 分からへん。
毎日 マザーたちは
山歩きしてるんだよ。
へえ~。
よし。 あした イチかバチか
賭けてみるか。
ほら これ かぶれ。
(正義)うん。
あっ 健ちゃん どれにするの?
俺? 俺は 猿。
何でよ 俺 猿がいい。
豚とカッパ 嫌だ。
(平太)それやったら
もう 俺 猿にしとくわ。
いやいや リーダーの俺が豚とか
おかしいじゃん。 俺が 猿でしょ。
ずるいよ 健ちゃん。
俺 猿がいい…。
分かったよ。
じゃんけんに すっか。
えっ マジ?
(一同)じゃんけん ぽい。
やった!
シーッ!
やった~。
(平太)はい じゃんけん…。
(健一・平太)ぽい。
あっ…。
じゃあ 健ちゃん 豚な。
俺 カッパがええわ。
はぁ…。
≪(とし子・紀美)ハハハ…。
シッ! 来た。
≪どんな人が タイプだん?
例えば 有名人だと 誰?
(正義)マザーだよね?
間違いなく マザーだよね?
行くぞ!
何の用かん!
誘拐だよ 誘拐!
おとなしくしてりゃ
危害は 加えねえから。
はっ!
お嬢さんに 用はないんだけど
即行 通報されても困るから
ついてきて。
そりゃ 駄目だで。
(健一たち)はっ?
この子だけは 巻き込まんどいて。
(平太)せやから 通報されたら…。
あんたら 人殺しに
なりたいわけじゃないんだら?
もし 指一本でも
この子に触れたら
わしは この場で
舌 かみ切って 死にます。
そしたら あんたら
立派な殺人犯だで!
ちょちょちょ…。
わしは 何されても構わん。
この子だけは 逃がしてやって。
(正義)でも 俺たちのこと
しゃべられたら ヤベえから。
しゃべらんよな?
(紀美)しゃべりません!
いや 分かんねえだろ
ここでは そう言っても!
それに もし 大奥さまを誘拐する
っていうんだったら
私が 舌 かんで 死にます!
(健一たち)はっ?
大奥さまは 渡しません!
(平太)お~!
キャ!
(紀美)いや~! 大奥さまが!
どこ行くだん?
うるせえ 黙ってろ!
もしかして 名古屋市内かん?
山奥に潜むと見せ掛けて ようけ
人のおる 都市部に潜入する。
まあ ちいと 気の利いとる
刑事さんなら そう推理するわな。
不動産会社に
一斉に連絡すりゃ
怪しい人間が 浮かび上がるのが
すぐだが。
まさか
名古屋市内じゃないでしょ?
隠れ家。
止めろ!
(平太)どないする?
ん~!
さて どうするだね。
あっ あめ 食べる?
うん?
どれがいい?
あっ。 よいしょ。
はい。
あっ いいの? 悪いね。
(正義)だって
見えないと選べないでしょ。
あっ あんた サングラスせんと。
あっ 健ちゃんに怒られちゃう。
はい はい はい…。
ありがとさん。
あんた 優しいな。
ヘヘヘ…。
あっ 健ちゃん 戻ってきた。
おっ じゃあ
目隠し しとかんとな。
やるしかねえんだよ。
それしかねえよ。
(平太)え~。
(正義)どうするか決まった?
おう。 ちょっと出てて ま…。
じゃなくて 猿田。
分かった け… ブタオ君。
あんたら 変な名前だね。
うるせえ!
(正義)ねえねえ
どうすることにしたの?
いや もう マジで あり得へん。
いや マジで あり得へんわ。
ばあさん 俺らの言うこと
何でも聞くって言ったよな?
はいよ。 柳川とし子に
二言は ありゃせんわ。
じゃあさ 隠れ家 紹介しろ。
誰にも見つからねえ 隠れ家。
あんたは アホか。
もしくは すっげえ天才だわ。

≪くーちゃーん!
(くら)んっ?
くーちゃーん!
(くら)あっ! 大奥さま!
はい はい はい!
いいか。
絶対 余計なこと しゃべんなよ。
チッ。
(くら)ほりゃあ もう
1週間でも 2週間でも。
何なら 半年でも 1年でも。
ハハッ。
で この子らは?
警備の人? ガードマン?
みたいなもんだで。
一緒に置いてもらっていいか?
ほりゃあ もちろん。
っちゅうか あしたから 収穫で。
男手 欲しいもんで。
1人ぐらい
誰か手伝ってくれんか?
君たち お名前は…。
猿! 猿田。
緑川っていいます。
君は?
ブタオ君だったね。
(平太・正義)フッ。
笑ってんじゃねえよ。
(くら)珍しいね。
あんたら おなか すいとらん?
(正義)すいてる!
ハハハ…。 ほいじゃあ
夕飯の準備しよまい。
あ~ 久々に にぎやかになるわ。
ねえ ここは 電気も通っとらんし
水道もないじゃんね。
でも くーちゃん 畑 耕して
自給自足で 暮らしとるんだわ。
(平太)いやいや 電気あるやん。
自分で 風力発電 造ったんだわ。
旦那さんと一緒にね
都会の生活が 嫌になって
ここに移り住んだんだわ。
でも 去年 亡くなったんだわ
旦那さん。
用事で 街に出て
交通事故に遭ったんだわ。
だから くーちゃん
ここを 絶対 離れんって。
ホントに信用できるんだろうな?
くーちゃんは
恩をあだで返すような人じゃ
ないもんで。
わしとの約束は
必ず 守ってくれるんだわ。
ホンマかいな。
で これから どうするだん?
ここは 電話もテレビもない。
インターネットやらもない。
電波もありゃせんわ。
(平太)え~!
えっ どないしよ 健ちゃん。
うるせえよ。 なれなれしく
しゃべってんじゃねえよ。
(平太)どないしよ…。
(正義)腹 減った。

《何で?
何で ナイフが欲しいかん?》
(健一)《自分を守るため》
《健ちゃん》
《これから 1人で生きていくのに自分の身を守るため》
《ナイフだけは 駄目だで》
《嘘つき》
《何でも買ってくれるって
言ったのに》
《マザーの嘘つき!》
ハァ…。
おい 平太 平太!
正義いねえ。 あいつ どこ行った?
えっ!
おはよう。
おっ! あの まさ…。
じゃなくて えっと
猿田は? 猿田。
正義か? 正義なら
畑仕事 行っとる くーちゃんと。
ちょちょちょ…
何で 名前 知ってるん?
あっ あんたらも眼鏡。
黒眼鏡せんで?
(平太・健一)あ~!
健ちゃん もういいじゃん。
何で 俺の名前。
もしかして 正義?
違うわ。
あんたら同士 呼んどるの
ちょこちょこ聞こえとった。
ホントに 畑仕事かよ。
くーちゃん 正義 連れて
警察 行ったりしてねえだろうな?
さあ どうだいやあ。
あっ へい… へいじゃなくて
カッパじゃなくて 緑川。
ここで ババア 見張っといて。
だから もう 名前バレとるって。
なあ 平太?
ホンマやね。
あっ いた。
って あれ?
あっ 健ちゃん!
マジで バレまくってる。
(くら)おはよう。
(正義)おはよう。
(ミナ)おはよう。
ああ… どうも。
こちら ミナちゃん。
近くに住んでるんだって。
近くっていっても
自転車で 30分じゃんねぇ。
(ミナ)あっ。 よいしょ。
はい どうぞ 食べて。
うちで採れたの。
(ミナ)おいしいよ。
(くら)早 食べりぃ。
(正義)おいしいってさ。 いいな。
(平太)琴子のやつ
ちゃんと 学校 行ってるかな?
妹のこと考えると
早く 身代金 要求しないとな。
(平太)いや せやけど
ここ 何もないやん。
どないすんの?
使い捨ての携帯とか
まったく 役に立たんしやな。
通信手段もねえし
テレビもねえから
相手の出方も分からねえしな。
ん~。
せめて ラジオとか買い行っとく?そうだな。
そのときに電話するか 身代金の。
ほんでも マザー本人 出せ
声 聞かせろと言われたら
どうするだん?
あ~ ホンマやな。
いたずら電話だと思われたら
アウトだで。
せやな。
うわぁ びっくりした!
いたのかよ!
何で 気付かんの?
つうか 聞いてたのかよ。
聞いとった。
(平太)いや 聞いてんなや。
じゃあ 聞かん?
聞かねえよ。
って 何をだよ!
すっげえ いい案
思い付いたのに。
教えろよ。
教えたれや。
聞かんのでしょ?
聞いてやるよ。
聞かせてほしいな。
フフッ。 フフフ…。
ヒヒヒ…。
何なんだよ 気持ち悪いな。
わしが書くもんで 脅迫状。
ラジオを買いに行ったついでに
それを ポストに投函すればいい。
マザー直筆の
身代金要求ってこと?
電波とかも使わんもんだし
逆探知もされん。
指紋も
わしのもんだけしか残らんし
何より わしが生きとる
証拠になるもんで。
ええ案でしょ?
天才やん。
ほんで 身代金は
幾ら 要求するん?
ちゃんと考えとるんだら?
まあ 一応 3億とか。
3億?
1人 1億ずつで 3億や。
ねっ。
あんたら 何を言うとるの!
何だよ 多過ぎっか?
少な過ぎだわ!
(平太・健一)えっ?
あんたら
わしを 何だと思っとるん。
痩せても 枯れても
大柳川家の当主だで。
三河の マザー・テレサっちゅうて
見損なってもらったら困るわ!
いや あの… すいません。
あんたら
1人 たった1億のために
わしを さらったんか。
ハァ…。
わしの死んだ旦那さんも
天国で聞いて あきれとるわ。
ほな 幾らなら
納得してくれるん?
こういうもんは
中途半端は いかんわ。
切りよく 100億!
(3人)100億!?
って 頭おかしいぞ このババア。
いや 現実的 ちゃうやん。
いくら何でも 現実的ちゃう。
何 言うとるん。
いいかん?
日本が アメリカから買っとる
オスプレイっちゅう軍用機
あれが 1機 100億ぐらいだで。
世界中で
ちょこちょこ墜落しとるわ。
そのたんびに 100億が
パーになっとるわ。
マジで?
うわっ もったいな~。
健ちゃん ひゃ 100億って?
スケール でか過ぎて
分かんねえよ。
あんたらの 3億なんか
オスプレイの 片っぽの翼
買うだけが せいぜいだわ。
んなこと言われても分かるかよ!
俺ら
せいぜい 1日 500円のラーメン
どんだけ食えるかぐらいの
単位でしか
生きてきてねえんだよ!
500円も100億円も 同じお金だわ。
お金を考えるのに
ラーメン単位もあれば
オスプレイ単位もある。
そう考えたら 100億も現実的だで。
よし!
じゃあ 100億で決まりだわ!
(平太)あっ! あ~!
何? どうした?
部屋にな…
あの借りてたアパートあったやん。
あそこに置いてきてる。
何を?
地図! ほら 作った地図!
マザーの家の付近の地図!
あ~ 今 書いてんの見て
思い出した。
バカ! 嘘だろ?
指紋とか調べられたら。
手袋しとったし
大丈夫や思うけど。
他にも
何か 残しといてねえだろうな?
手紙 出すついでに 見てくるわ。
堪忍な。

(正義)「与作は 木をきる」
「ヘイヘイホー」
(ミナ)「ヘイヘイホー」
(正義)「ヘイヘイホー」
(ミナ)「ヘイヘイホー」
(正義)「こだまは かえるよ」
ハハッ! すごい!
まー君 力持ち!
いや それほどでも。
力持ち!
(正義)よいしょ!
(ミナ)キャッ。 ハハハ…。
(正義)軽い 軽い。
あいつ 完全に 人生の優先順位が
あの子になってるわ。
(平太)何や…。
(原口)鑑識! 鑑識要請!
井狩警視正 犯人たち どえりゃあ
挑戦状 残しとります!
(平太)もう突き止められてたわ。
あ~ 名古屋のアパート
帰らんでよかった。
マザーのおかげで 助かったわ。
まあな。
でもさ 健ちゃん。
んっ?
マザーって ホント いい人だよね。
ねっ 平ちゃん。
(平太)せやな。
(正義)
くーちゃんも ミナちゃんも
みんな いい人だよね。
けど 何で マザーは
あんな協力してくれるんやろな。
(くら)
あの子たちおると助かるわ。
ホント ずっと おってくれて
いいですからね。
くーちゃん あんねえ…。
何も言わんで。
やだ 何も言わんで。
ミナちゃんにも
外で言わんように…。
大丈夫 心配せんで
うまく やっときますから。
くーちゃん…。
私は
世界で 一番の
大奥さまのファンだで。
ありがとね。
(記者)身代金は
どうするんですか?
払いません。
(ざわめき)
(井狩)もちろん
身代金は 回ししてでも
お母さまを助けたいと
ご家族の皆さんは
思ってらっしゃる。
ほやけど
金額が 現実的じゃにゃあもんで。
外(井狩)考え直してほしいんだわ。
ふざけるな!!
払えんだと?
100億が 高過ぎるだと?
予想どおりだよな。
結構まともな人たちやんな
息子さんたちな。
何 言うとる!
柳川家の者が
当主のために 100億 出せんとは
ご先祖さまに笑われるわ!
やっぱ 3億くらいにしとこ。
なっ。
あっ ほうだ。
あんたら スマホ 持っとるだら?
持ってるけど 電波 入らんし
入っても 困るしな 今どき。
ほんでも ビデオは撮れるだら?
警視正!
犯人から 返事が届きました。
(井狩)何!?
(塚本)「100億は 絶対に譲らん!
100億は 絶対に譲らん!」
「100億は 絶対に譲らん!」
≪「それから すぐに
名古屋城の南遊園へ行け」
≪「そこに ピンクの封筒を
置いてあるので 取りに行け」
≪「と こちらの 皆さまは
申しております」
≪「代筆 柳川とし子」

すいません ちょっと この封筒…。(女性)何ですか やめてください!
(男性)どうぞ。
メリークリスマス。
おい! このピンクの封筒は何だ!
いやいや うちの店で
クリスマスイベント やるんで
その招待状ですよ。
(鎌田)何?
紛らわしい!
(塚本)防犯カメラも
確認しましたが
ピンクの封筒だらけで
犯人の特定は できませんでした。
(鎌田)犯人たちは
イベントの日程と
封筒のことまで
あらかじめ 調べてたんですね。
(可奈子)この封筒は どうやって?
(鎌田)加藤 清正像の足元に
置かれてました。
石で 重しがしてあったので
不自然に思い 中身を確認すると
このようなメッセージが。
(国二郎)何ですか? これは。
(大作)SNSのアカウント。
(原口)そうです。
このために作ったと思われます。
使い捨ての携帯で
アカウントを作ったようで
名古屋市内で アップされたことは確認できたんですが
その後の追跡は
できませんでした。
ほんで ここに こんな動画が。
外国二郎 大作 可奈子 英子
元気ですか?
元気よ お母さま!
お母さまは 大丈夫!?
ちょちょちょ 英子さん
動画だもんで 落ち着きや。
ああ… ごめんなさい。
外皆さん 私のために
ご迷惑を お掛けして
本当に すいません。
私は 犯人の方々が
怖くて しかたが ありません。
お願いですから…。
恐怖で 顔が引きつってる…。
外犯人の要求の 100億円ですが
わが柳川家の山林を含む土地
今の固定資産の評価額では
全部 売れば
186億には なるはずです。
柳川家の資産を
全て 譲るってことか。
外100億もの大金は
国が 肩代わりするしかないというご意見もあるみたいですが
私ごとき命のために
お国の貴重な お金を
使うことなんか 考えられません!
(大作)いつも 国に対して
権力に対して
文句ばっかり言っとったのに。
外私の資産管理の委任状は
金庫に入っています。
すぐ 資産を処分しなさい。
現金の受け渡し方法は
後で また お手紙で
お知らせするそうです。
(井狩)で どうしますか? 皆さん。
お母さま…。
(国二郎)われわれは
犯人の要求に従います。
(ざわめき)
母は われわれの父である 夫と
われわれの兄である 長男を
阪神大震災で亡くし
古くは 自分の両親を
伊勢湾台風で亡くしております。
おっ。
(大作)さらには こんな形で
母の命が 奪われるなんてこと
あっては ならないと
思っております!
私たちは 資産の全てを…。
外(英子)整理することにしました。
よ~し!
本当に 100億 用意するって
バカなの?
マザーの子供たち バカなの!?
いや 現実的ちゃうやん。
あり得へんやん。
(正義)無理だよね。
あんたら ホント 若いのに
根性ない子たちだで。
根性とか そういう問題じゃない!
これ 逆に
成功の確率 下がってんだろ!
チッ。
あ~!
(平太)つうかさ マザーって
旦那さんと子供
震災で亡くしたん?
うん。
建物の がれきの下敷きになって
救助が 遅れたじゃんねえ。
震災の日っていやぁ
健ちゃんの誕生日と一緒やねん。
えっ?
≪(くら・ミナ)ただいま~。

ああ えらかったね。
(くら)あ~ みんな
いてくれるもんで 助かる。
みんな いい子たちですわ。
ほうだね。
あ~あ あんなに汗だくで。
上着 脱ぎゃいいに。
何で 平太は いつも
上着 脱がんで?
ったく。
あの子ね…。
平ちゃんの体
あざと傷痕で すごいじゃんねえ
もう 体中。
それを見られたくないみたいだわ。
(正義)平ちゃん 平ちゃん
嗅いでみて これ。
嗅いで 嗅いで 嗅いで。
(平太)うわ!
平太。
≪(平太)うん?
湯加減 どうかん?
≪(平太)最高やで マザー。
(平太)ん~!
(くら)《親に
虐待されとったんだって》
《小さいころから ず~っと》
《まー君が
教えてくれたんだわ》
《親の借金が すごくて
それ 払わんと
妹さんが 風俗で
働かされるかもしれんって》
平太。
≪(平太)何?
成功させるでな 絶対!
ハハッ。
どないしたん? 突然。
金持ちにならんとな。
マザー。
うん?
いったい どの立場で
けしかけてんねん。
(平太・とし子の笑い声)
(原口)よろしいでしょうか?
(井狩)んっ? 何だて?
(原口)動画の中で
ちょっと気になることが。
外現金の受け渡し方法は…。
外(牛の鳴き声)
(原口)この部分
よく聞いてください。
外現金の受け渡し方法は…。
外(牛の鳴き声)
こりゃ…。
牛の鳴き声ですね。
確か 誘拐現場の近くに 酪農家…
酪農家があったはずです。
もしかして 誘拐現場から
そう遠くない所に隠れてるんじゃ?
連れ去っとる現場から
半径10km圏内の家
片っ端から当たってちょ。
すいません。
(くら)はい。
われわれ
愛知県警の者なんですが。
(塚本)すいません。 ちょっと
お伺いしてもいいですか?
すいません。
(原口)すいませんね。
お忙しいのにね。 ホントに。
ようやっと来たか。
ほんでも
私が 知らんぷりしとったら
何の疑いもせず
帰っていかしたわ。
ありがとね くーちゃん。
いえいえ。
ねえ 私 分かったんだわ。
大奥さまの 本当の狙いは
お目の黒いうちに
柳川家の将来を きちっと
決めておくことなんだら?
お子さんたちは
温室育ちの世間知らずで
普通に相続しとったら
どんな うまい話に乗せられるか。
だから 要は…
遺産相続の脱税なんだら?
盗まれたことにして
こっちで 現金キープしときゃ
一円も 税金 払わんで
済みますもんね。
ほうだわ。
ハハ~。 さすが 大奥さまだわ!
さすがだわ!
あ~ すごいや。 さすがだわ。
さて 最大の難問じゃんねえ。
現金 100億の 引き渡しが。
だから 多過ぎなんだよ。
夢があるじゃん。
健ちゃんは 何に使う?
100億あったら。
生活のため。
生活って…
夢がない男だね。
あのな 現金がないと
生きてけねえんだよ。
元ヤクザだって このご時世じゃ。
でも 足 洗ったんだら?
まあ ヤクザじゃないんだろ?
あのね
現役ヤクザは もちろんだけど
元ヤクザも
5年ルールっつうのがあって
その間は銀行口座もカードも
作れねえし 保険も入れねえの。
そもそも 元組員だっつうと
雇ってくれねえとこばっかなのに。
真面目に働きたくても
働けんのか。
罪 償ってもな。
しばらく 我慢しててもな。
正直 意味ないねん。
確かにな。
この国は
金持ちにばっかり優しくて
貧乏人や はぐれ者は
ほったらかしじゃんねえ。
マザーが言うなよ!
俺のことなんか何も…。
なあ 健ちゃん。
何だよ。
間違っとったら ごめんな。
あんた 愛育園って施設におった
健ちゃんじゃない?
えっ?
あんた 常滑にある
愛育園って施設におったでしょ?
何で…。
ほうか!
やっぱり ほうか!
よかった。
健ちゃん
ちゃんと生きててよかった。
よかった。
生きててよかった。
よかった。
あんた ほら 中学生のときに
突然 行方くらますもんだで
当時は かなり捜したじゃんねえ。
あの後 どこおっただん?
名古屋で
しばらく ホームレスみたいな
生活してたんだけど
半年くらいして
住むとこないなら来いって
言われて ついてったら
飯 食わしてもらって
泊めてもらって。
そこが
ヤクザの事務所だったんか。
うん。
大変だったな。
見つけてやれんで ごめんな。
ごめんな。
(くら)何で 俺のこと
覚えとるんだって思っとるんだら。
うん。
健ちゃん
誕生日 阪神大震災の日なんだら?
≪そう。
マザーの
震災で亡くなった ご長男
健一君っていうんだわ。
えっ? 同じ名前。
≪(くら)そう。
で 健ちゃんの誕生日が
震災の日
マザーの息子さんが
亡くなった日。
ほだからね
あんたが 愛育園にやって来た日
生まれ変わりだって
思ったんだって。
ほいでも 健ちゃん
覚えとらんだろうけど…。
あんたが 欲しいって言った物
買ってあげられんかったんだって。
《何で?
何で ナイフが欲しいかん?》
《自分を守るため》
《これから 1人で生きていくのに自分の身を守るため》
(くら)「こんな小さな子に
こんな思いをさせるための
ナイフは 買ってあげられん」
「私は お金を渡すばっかで
何もしとらん」
(くら)「この子たちの何も
救えとらん」って。
≪(くら)ずっと ずっと 心に
引っ掛かっとったんだって。
んだよ それ。


あっ 健ちゃん。
いい方法 思い付いたで。
フッ。
おっ。 気持ちいいわ。
んっ?
フッ。
すごい作戦だな。
ハッ。
みんな びっくりこくわ。
フフッ。
フフフ…。
(井狩)けさ 柳川家の郵便受けに
消印のにゃあ手紙が
投函されておりました。
それが 次の
犯人からの要求ですわ。
手紙は これまでどおり
柳川とし子さんの直筆で
あらっせる。
内容は 現金の
受け渡しの方法についてですわ。
100億の現金の輸送は
柳川家のヘリコプターを
使やあとの指示ですわ。
(一同)ヘリコプター?
(井狩)ほんでもって
現金の袋詰めと
ヘリに積み込んどるとこ
ほんで ヘリでの移動と
現金の受け渡しまで
全部 テレビキャメラで
生中継しやぁとのことだわ。
(一同)生中継…。
(井狩)ほんで
ヘリコプターの操縦士の他に
テレビ局のキャメラマンを
1名 搭乗させやあと。
(記者)
言うとおりにするんですか?
(記者)本当に それやるんですか?(記者)犯人からの この要求を
警察および柳川家の皆さんは
丸ごと のむ おつもりですか?
要求を…。
外(井狩)のみます。
外(国二郎)母の命を考えたら
当然の選択だと思っております。
(3人)よっしゃ~!!
(刀禰)バカヤロー!
犯人の言いなりになって
金が テロ組織にでも流れたら
どう 責任 取るんだ?
100億だぞ… 100億。
目いっぱい やりますわ。
(刀禰)テロには
屈しないというのが
国際社会の常識なんだよ。
私自身の見解っちゃなんですが
テロをする側の論理も
じゅうぶん 踏まえとった上で
対処しとくべきかと。
お前の能書きなんか
どうでも いいんだ。
日本中 世界中が 注目する中で
生中継されて 金だけ奪われて
逃げられたら
何もかも おしまいだぞ。
たった 一人だろ。
たった 一人の 老い先短い
ばあさんのために
ここまで われわれの人生が
振り回されることはないんだ。
ほんなら 人質の命は
捨てらっせろちゅうことですか?
それは…。
私は 国民の命を 一番 大事に
するべきだと思っとります。
国民の命を
国民の幸せを守るのが
私んたち 警察の
職務だと 思っとります。
甘っちょろいこと 抜かすな。
私は 私自身の名誉のために
警察官を
やっとるんじゃありゃせん。
別に 100億くれてやると
言っとるんじゃないんですわ。
まずは 人質の確保を第一に。
100億だって
ほう やすやすと取られるつもりはありゃしませんって。
失礼します。
(ドアの開閉音)
(鎌田)警視正!
アジトをローラー作戦した中で
怪しい家が あるそうなんですが。
以前 マザーの家で
お手伝いをしていて
現在は 柳川邸の近くに
住んでるんですが
中村くらという 女性です。
(井狩)中村…。
(井狩)くらさんで
間違っとらんかや?
はい。
こないだも やってみえてね。
(井狩)あの お前さん 確か
マザーの お知り合いの…。
(くら)はい。
大奥さまは 大恩人だわ。
(塚本)すいませんが
もう一度 こちらのおうち
見せていただいても
構いませんか?
どうぞ どうぞ。
こっちゃには 今 親戚の男性と
お手伝いさんにみえてる
近所の女性が 出入りしとると…。
≪(牛の鳴き声)
牛も 飼っとるんだねえ。
(くら)出産間近で 大変なんだわ。
(井狩)せわしいとこ 悪いね。
(くら)いいえ。
(井狩)あっ 中 ええかや?
(くら)どうぞ どうぞ。
(井狩)ほいじゃ
ちいと お邪魔させてもらうわ。
(くら)どうぞ。


(くら)悪いね。
ほこりだらけだもんで。

(くら)テレビも なけりゃ
携帯の電波も 届かん。
これじゃ テレビ中継しても
確認のしようがないじゃんねえ。
(井狩)ほうだね。
(くら)マザーは 私の大恩人だで
心配で 心配で。
(井狩)ほうだよな。
行こまいか。
(原口)はい。 失礼します。
(くら)もう大丈夫?
何のお構いもせんで。
何としても!
助けたってね 刑事さん。
(原口)このまま 署に戻りますか?
あっ…。
ちいと 知多半島の方まで行って
降ろしてくれ。
ほんだら あんたら
そのまま 戻っていいもんで。
分かりました。




≪(戸の開く音)
(戸の閉まる音)
(あくび)
(平太)おい こら!
(キャスター)ここからは
特別番組を お送りします。
今 世間を震撼させている
三河の マザー・テレサ誘拐事件。
とうとう
犯人グループが 指定した
身代金 受け渡しの日が
やってまいりました。
(リポーター)はい こちら
現金の 積み込み場所です。
そして これが 犯人指定の
柳川家の ヘリコプターと
操縦士の 安西さんです。
(安西)わ… 私 大奥さまに
お仕えして 38年になります。
大奥さまの 移動の際は
車の運転 ヘリの運転
全てを任されとったじゃんね。
そして 別室では 身代金の
包装作業も 始まりました。
このように
決められた数の 札束を
透明な ビニール袋に
入れていくことで
偽物での かさ増しが
できないように
テレビで 見張っているというのが犯人グループの狙いのようです。
(国二郎)ほら…。
外(キャスター)きっと 犯人は
この様子を
テレビで チェックしていると
思われます。
ラジオじゃ
チェックできねえじゃん。
ホンマやね。
わしらが せんでも
世界中の人が してくれとる。
(くら)誰かに見られとると
思ったら ずるできんもんねえ。
マザー 頭いい。
さあ じゃあ 俺らも
そろそろ 出発だ。

外(アナウンサー)ご覧のように
身代金が 袋詰めされていきます。
ほいじゃ 本日のヘリのルートを
確認しようまい。
間もなく 現金の包装が終わるで
積み込まったら
15時に ヘリが飛び立つ。
(リポーター)さあ これが
現金 100億円の包みです。
(井狩)テレビ局から 奥三河の
飛行ルートに到着するまで
およそ 20分。
犯人が指定しとる 飛行ルートは
奥三河の 山の中を中心に
岐阜 静岡の県境と ジグザグに
でっかく 回ってくもんで
ハァ… 地上からの追跡は
ほぼ 不可能だが
この圏内からの 脱出が
できんように
大規模な
検問の範囲網を張っとる。
(井狩)ルートを飛行中に 犯人が
指定しとる周波数に無線が入るわ。
ほんで その後は
無線の指示に従って
飛行することになっとる。
外(アナウンサー)ヘリは
奥三河の山間部を飛行中です。


無線! 無線 入りました。
ヘリの現在地を確認しいや。
(塚本)はい。
周辺で 待機しとる車は
飛んどる方向に行けや。
はい!
現在 ヘリは この地点です。
(井狩)何?
ほぼ 柳川邸の
真上じゃありゃせんか。
(アナウンサー)あっ 今 ヘリが
無線で 指定された地点へ
降りていきます。
そこは いったい
どの辺りになるんでしょうか?
あっ…。
ここって…。
(大作)羽染川だ!
うちの近くを流れてる
羽染川よ。
川の近くの道を封鎖しや。
着陸地点は 柳川邸のそばだがや。
この地点には 近辺からの
舗装された道では
アクセスできません。
車一台通るのに やっとです。
ほれでも いいもんで
ぶっ飛ばせや!

外(アナウンサー)あっ 柳川家近くの
河原に ヘリが着陸しました。
外(キャスター)
そちら 降り立った先に
犯人の姿は
確認できるんでしょうか?
外(アナウンサー)あっ 見えました。
人影が 見えました。
(国二郎)あっ…。
外(アナウンサー)カメラが
犯人たちの元へ 向かいます。
ヘリを降りて 向かっています。
外(キャスター)犯人グループが
現れました。
お分かりになるでしょうか。
奇妙な かぶり物をした
3人組が 姿を現しました。
猿 豚 カッパだあ?
『西遊記』?
≪(爆発音)
追うんだ…
ヘリに無線送って 追ってけや!
(一同)はい!
いや…。
(大作)お母さん…。
100億が…。
(英子)お母さん どこ?
(原口)聞こえますか?
聞こえますか?
駄目です。
操縦士 応答しません。
乗り込んだ 犯人に
無線 切られたようです。
諦めたら あかん。
残ってる2人も 追やぁ!
(鎌田)急行します。 おい!
外(キャスター)
お分かりになるでしょうか。
奇妙な かぶり物をした
3人組が 姿を現しました。
(正義・健一・平太)ああ…。
あと ちょっと!
帰ってきた!
(くら)大奥さま!
終わった!
(平太)あ~ 疲れた!
(くら)お疲れさまです。
(正義)あっ ねえねえ
明るくなってきたよ。
(くら)みんな 飲もまい。
これから 飲もまい。
祝杯 挙げますか。 大奥さま。
飲もう 飲もう。 ねえ マザー。
ああ!
(一同)乾杯!
(正義)すごいね!
すげえな。
100億。
正真正銘 あんたらのお金だで。
好きに使いん。
やったー!
ハハハ…。
うわ~!
よいしょ~ よいしょ~!
よいしょ~!
ねえ マザー。
うん?
この 100億円さ
脱税が 目的なんだろ?
くーちゃんが 言ってた。
うん。 まあ 確かにな
この国に
お金 払いたくないなって
最近 思うのは ホントだで。
あんな マザー。
税金払うのは 国民の義務やで。
偉そうに。
この 生意気坊主が。
マザーは もう 今まで
嫌っていうほど
払ってきたんだろ。
そりゃ これ以上
払いたくなんかねえよな。
そうじゃないんだわ… そうじゃ。
うん? そうじゃないって
どういうことよ?
いや この前のな
ことし起こった 西日本の豪雨。
あっただら?
俺 まだ ムショにいたけど。
すごかった。
すごかった。 ホントに。
見とって 胸が きりきりしてな。
この国は 自然災害に
ホントに弱い。
でも それは
そういう気候の国だもんで
しかたがないことでも
あるんだわ。
そうは 思っとっても…。
この国は まだまだ 駄目だ。
いつまでたっても 変わっとらん。
そう 思ったんだで。
えっ? どういうこと?
わしの人生はな
神様が ご機嫌損ねたおかげで
まあ 色々 翻弄されて。
泣かされて 泣かされてな。
ここに嫁いでくるまでは
知多半島に住んどってな。
あんたは もう知らんだら。
伊勢湾台風って えらい 台風でね。
わしが まだ 高校生だったもんで
もう 60年も前だで。
その 伊勢湾台風で まあ
5,000人もの人が
亡くなったんだけど
わしのお父さんと お母さんも
堤防が 決壊して
濁流に のみ込まれたんだわ。
わしは 不自由な避難所で
一人 それは それは
怖い夜を過ごしてな。
結局 親戚も誰も おらんくなって
こっちに嫁に来たのは いいけど
今度は 震災。 阪神の。
長男が 神戸にある
頭のいい大学に行っとってね
わしの旦那さんは 息子の所に
遊びに行っとったんだわ。
でも 2人は 地震で 建物の中
生き埋めになってね。
救助が 遅くて
火事に巻き込まれたって。
もう ちいと…。
もう ちいとだけでも
対応が 早けりゃね。
ことしも 同じだわ。
あのときの教訓は
まったく 生かされとらん。
災害は いつ来るか分からん。
でも そのために
税金は ちゃんと
使われとるのかって。
お国の方々が
ちゃんと 税金払えって言うなら
じゃあ
ちゃんと 税金使えって話でしょ。
そりゃ そうやな。
親に捨てられた 子供。
虐待を受けとる 子供。
障害を抱えとる みんな。
そういう人たちを
助けてあげられる 仕組み。
生きていきやすい 社会のために。
使うべき お金が
あるんじゃないかって。
だから あんたらが思うように
思う存分 あのお金 使いなさい。
ありがとう マザー。
でもさ…。
みんな 金 いらないって。
えっ? 何で?
なあ 正義。
お前 ミナちゃんと
付き合ってるんだろ?
《ありがとう》
《まー君 このまま ずっと
このうちに残らん?》
(正義)《えっ?》
(ミナ)《えっ?》
《まー君 おらんと
困ること いっぱい あるもんで》
《まー君 力持ちだもんね》
《うん! 残りなよ!
ねえ 残りなよ!》
《えっ? えっ…》
ここでの 暮らしには
お金は 必要ないからさ。
だから 俺 お金 いらないんだ。
平太は?
平ちゃんは
大変だろ? 妹のこと。
なあ マザー。
お願いやねんけど。
借金の分だけ
お金 貸してくれへんかな?
うちの おとんと おかんが…。
家族がつくった 借金やねん。
マザーの 子供たち見てて
母親のために
あそこまでしたことに
駄目な 親のために頑張ってる
子供たちに感動したんだって。
え~… じゃあ わしが
駄目な 母親ってことか?
子供たち だまして
日本中 だまして
ほんで 遺産 全部
こっち 回してんねんから
ある意味
相当 最低な 母親やろ。
ままま ほうだわ。
その代わり 利子だけは
勘弁してもらえませんか?
すいません。
あとは 一生懸命 働いて
返しますから。
返さんでも ええって。
返したいねん。
マザーに 色々 助けてもらった
今回の人生。
きちんと 一から奇麗に
やり直したいねん。
平ちゃん…。
まあ でも どっかで
ギブアップしてもうて
あ~ もう あとは
チャラにしてってなったら
そんときは 堪忍な。
うわっ やりそう。
(正義)堪忍なって…。
で 健ちゃん あんたは?
うん?
現金ないと 生きていかんだら?
うん…。
まあ でも それも これも
自分がまいた 種だしさ。
それより マザーから 金より
すてきなもん もらったからさ。
えっ?
俺は あのとき
ナイフより 大事なものを
マザーから もらってたのに
気が付かなかったんだよな。
だから 金は
マザーの 好きなようにして。
ていうかさ そもそも マザーは
いつから 俺たちに乗るって
思ったの?
どの時点から こっち側に来てた?
最初っからだわ。
最初?
わしを誘拐したとき
あんたらが 紀美ちゃん
連れてくって 聞かんもんで。
(紀美)《もし 大奥さまを
誘拐するって言うんだったら
私が 舌 かんで 死にます!》
(平太)《お~!》
《キャ!》
(平太)《ああ…》
《おい! 大丈夫か?》
《ケガしてるじゃねえか》
《大した 傷じゃ…》
《人は 傷つけねえって
言ったろ!》
(平太)
《だって 俺… すまんかった》
(正義)《ど… どうする?
やっぱり この子も連れてく?》
《もう いいよ。
山 一人で 下りれるな?》
《でも…》
《この子 逃がせば
あんた 何でも言うこと
聞くんだよな?》
《もちろん》
《わしは 大丈夫だで
紀美ちゃんは 帰り》
《さっ。 よっ》
あのとき あんたらは
本気で 紀美ちゃんのこと
心配しとった。
それを見とって
悪い子らじゃないなって
思ったんだわ。
だって ほら
あの子 かわいかったから。
いい勉強になるわ。
いい勉強さしてもらいました。
えっ? 何の話?
まだまだ 死ねんわ。
死にたくないわ。
あんたらみたいな
アホな子と 一緒におると。
何だよ それ。
ありがとう。
ああ そうだ。 マザーさ
やっぱり 100億 俺にくれる?
そりゃあ もちろん いいけど。
(警察官)どうしました?
(安西)ヘリは 犯人に命令されて
志摩半島まで 飛んだんだわ。
これが 発見された ヘリです。
志摩半島の先ということは
これだけの距離を
夜中に飛んだと
いうわけなんですね。
(安西)ヘリが着陸すると
待っとった クルーザーに
金が どんどん運び込まれて
私は 睡眠薬で
眠らされとったようです。
そして 昨日 目を覚ました
安西さんの傍らに
この手紙があったそうです。
(アナウンサー)「私は 大作の
別荘におります。 とし子」
(安西)
大作さんの別荘というのは
南知多にあるんだわ。
いました!
マザー 発見しました!
母さん!
(可奈子)ママ!
母さん!
(英子)お母さま!
ハァ…。
お母さま よかった。
外(キャスター)どうやって
人の目を盗んで
人質を そこまで
運ぶことができたのか。
多くの謎が 残ったままです。
これは もう 何もかも
お前のせいだぞ。
ほうかもしれんけんど…。
(刀禰)何?
人質の大奥さまが
無事 無傷で帰れたのは
私のおかげに
他ありは しませんもんね。
バカか! あんな ババアのこと
どうだっていいんだよ。
県警は 今
赤っ恥の 崖っぷちだろうが!
どう 責任 取るんだ! 井狩!
責任も くそも あらせんて!
自分らが どういうふうに
見られてるとか
そんなんばっか 考えやがって。
あんたらみたいな人間がよ
ちいとでも 人を思いやる気持ちを持ってりゃあな
世の中 まあっと まあっと
平和になるわ。
(アナウンサー)さあ そんな中
心を明るく照らすような
ニュースも 入ってきました。
熊本 福島をはじめ
西日本豪雨の被災地
さらには
全国の 様々な福祉施設に
匿名で 巨額の寄付金が
届いているということです。
(紀美)大奥さま。
お茶 お持ちしました。
ありがとう。
あれ? 何か最近 紀美ちゃん
奇麗になっとる気がする。
(紀美)えっ?
もしかして 彼氏 できただら?
何よ? 早く 教えりん。
鼠小僧に似とるの?
似てないっていうか
あの 新しい 住み込みの彼で。
ええ?
できたら 結婚したいななんて
思ってます。
え~!
ああ 内緒ですよ。
彼には 内緒ですよ。
うん。
≪(安西)大奥さま。
お客さまです。
その節は お世話になりました。
いやいや
実に お見事でしたがね。
さすが マザーだが。
こちらこそ
色々 手心 加えてもらって。
途中から 気付いとったんだら?
まあ 何となくだがね。
くーちゃんの家でも
色々 知らんぷりしてもらって。
(井狩)入った途端によ 墨の香りがぷーんとしとったもんで。
ご子息さんらは まったく
気付いとらんかったんですが。
でもね 子供たちは
今回の件で 遺産がなくなって
ケンカの材料がなくなったからか
むしろ 仲良くなってね。
お金っていうもんは
おかしなもんだで。
いや ほいでも ご子息さんらは
マザーを
助けてあっちゅう気持ちで
一つになってましたわ。
(井狩)あっこでは
見れんかったかもしれんけんど
あの顔は あの目は
ホントに 心から 母を愛してる
子供らのもんでしたわ。
いいんだわ。
そんなに気遣ってくれんで。
いやいや ほれでも
あの しまいの現金
ありゃあ どうしても
分からんのですわ。
あの後よ ホントに
船に積み込んどったんですか?
あんたも まだまだだで。
(井狩)ありゃ~。
そもそも
あのとき あそこに おったんは…。
《大奥さま!》
《早く 出し!》
《飛んで 飛んで!》
《はい!》
領収書の横断幕は
カメラマンの気を
そっちに向かせるため。
《いいから こげ!》
(正義)《健ちゃん はやいって》
《はやくねえ!
おめえが 遅えんだよ!》
《やっほー!》
でも それからが 大変だったわ。
井狩さんも 分かっとるように
さんざ ジグザグ飛行して
行く先を かく乱して。
《大奥さま お気を付けて》
《よっしゃー!》
くーちゃんの家に着陸すると
バレるだろうからって
上空から 池に現金を落として。
最後は 私も パラシュートでね。
《あ~れ~!》
《助けて~》
《助けて~!》
《そこから
くーちゃんの家まで 運んでね》
《終わった~!》
運び終わるころには
明るくなっとった。
いやぁ お見それしましたわ。
あとは 操縦士の安西に
一芝居 お願いしたんだわ。
見事な お芝居でしたがね。
あの人 昔
演劇やっとったらしいもんで。
ハハハ… ほうでしたか。
で いいの?
この事実を 全部 知っとって
それでも このままで?
ええんですわ。
マザーが無事なら ほんで。
≪(紀美)失礼いたします。
その節は
色々 お世話になりました。
あっ そうだ。
ちょっと 紀美ちゃん
彼氏 呼んできてくれん?
はい?
お願い。
分かりました。
そういや あんた
今 愛育園に勤めとるって?
やっとかめに マザーの本気の魂とぶつかったもんで
ホントの自分を取り戻しましたわ。
もう 警察では
収まりきんのですわ この情熱は。
ホントは 私のせいで
責任 取らされたんだら。
マザーは 何でもかんでも
自分のせいにしたがるもんで。
いやいや ほいでも 今
すげえんだわ 愛育園も。
匿名の人からの 寄付で
規模が でら大きくなって
設備も ようなって
職員も 増えましたわ。
ほうか。
そりゃあ よかった。
ありがとうございます。
わしじゃないんだわ… これが。
うん?
≪(紀美)失礼いたします。
≪(男性)失礼します。
あんたの後輩を紹介するわ。
最近 ここに勤め始めた
戸並 健一君。
どうも 初めまして。
こちら 井狩さん。
わしの誘拐事件を
担当してくだすった
刑事さんなんだわ。
えっ?
(井狩)井狩 大五郎です。
元刑事なんだわ。
今は 愛育園に勤めとって。
そうですか。
僕は 中学の途中で 愛育園
ばっくれちゃったんですけど。
ほんなら お前さん
小学校の卒業発表会は
やっとらせる?
やりましたよ。
伝統の 『西遊記』
うん。 何の役 やっとらしたよ?
俺はよ 主人公
孫 悟空 やったんだがや。
え~ 俺
悟空 やりたかったんですよね。
でも 猪 八戒だったんです。
ハハッ ほうか。 ほいでも…。
見事なもんだったわ。 猪 八戒。

 

ドラマ「大誘拐2018」ネタバレ感想やあらすじまとめ

 

名作のドラマ化で注目を集めた『大誘拐』。1991年の映画では北林谷栄さん、スペシャルドラマ『大誘拐2018』では岡田将生さんが熱演しました!

そんな、ドラマ『大誘拐2018』の原作小説、映画のあらすじやネタバレを簡潔にドラマ『大誘拐2018』を詳細に掲載していますので、ぜひご覧くださいね。

【アライブがん専門医のカルテ】動画を無料で見逃し視聴!pandoraとdailymotionも【松下奈緒主演ドラマ】

2020.02.07

【念唱/病室で念仏を唱えないでください】動画を無料で見逃し視聴!pandoraとdailymotionも【伊藤英明主演ドラマ】

2020.02.06

【テセウスの船/ドラマ】動画を無料で見逃し視聴!pandoraとdailymotionも【竹内涼真主演ドラマ】

2020.02.01

【10の秘密】動画を無料で見逃し視聴!pandoraとdailymotionも【向井理主演ドラマ】

2020.01.30

【知らなくていいコト】動画を1話から全話をフル動画を無料で見逃し視聴!【吉高由里子主演ドラマ】

2020.01.29

スポンサーリンク