2019年の大河ドラマは、宮藤官九郎オリジナル脚本の「いだてん~東京オリムピック噺」です。
「いだてん」は、1912年のオリンピック初参加から、1964年の「オリンピック」開催までの激動の52年間を、歴史に翻弄されたスポーツマンたちの姿を通して描く「東京&オリンピック」の物語。
2020年の東京オリンピックを目前に控えた2019年の大河ドラマにふさわしい題材ですね。
こちらの記事ではドラマ『いだてん~東京オリムピック噺』の第13話と次回の第14話のネタバレや感想とあらすじを紹介していきます!
Contents
「いだてん~東京オリムピック噺」第13話あらすじや感想とネタバレ
第13話あらすじ
意識がないままホテルに運ばれていた四三(中村勘九郎)は、日射病だった。いつもお世話をしてくれてきたダニエルに案内され、自分がコースからはずれてペトレ一家に助けられた行程を改めてたどる四三。そして、マラソンを共に戦ったポルトガルのラザロ選手も日射病で死去した事実を弥彦(生田斗真)に聞かされる。命を懸けて監督を全うした大森兵蔵(竹野内 豊)や安仁子(シャーロット・ケイト・フォックス)の「頑張れ」の思いを胸に、四三は再び走りだす。同じ様に、孝蔵(森山未來)は緊張と戦いながら、落語「富久」を演じ、完走はできないまでも目を見張る才を見せる。
第13話の感想やネタバレ
第13話の感想
もし四三が幼い四三くんに間違ったコースに導かれなかったら…もしラザロの呼び掛けに応えてラザロについていってしまったら…四三はラザロと同じ運命になっていたかもしれない…。マラソンコースの分岐点が生と死の境になるとは…。#いだてん pic.twitter.com/SQVksOiWk6
— chamong-tea (@TeaChamong) 2019年3月31日
17マイルの地点、練習中によく四三が間違えていた場所ですね。こういう結果になるとは…
よく見返すと小梅ちゃん、美川君のためか、孝蔵のためなのか、おめかししとるやないけ( ゚д゚) #いだてん pic.twitter.com/xhypiJwd6B
— エルコン@国語教室 (@hidelcondorpasa) 2019年3月31日
どうやら、美川くんですね!
最初、自分を見る客の目にびびっていた孝蔵が、車を牽きながら脚で覚えた落語を話し出すシーンが無茶苦茶荒削りだけど勢いがあって、何だか分からないけどワクワクするような疾走感があって痺れました。これから孝蔵が成長してどんな落語をするのか楽しみです☺#いだてん pic.twitter.com/keaDpHL9Dy
— chamong-tea (@TeaChamong) 2019年3月31日
勢いに圧倒され、見入ってしまいました!
燃え尽きた #孝蔵 😄
「頭が痛いんで、今日はここまで」
これが初高座😆www#いだてん pic.twitter.com/HqeC2ZH7rU— エクソシストZ (@shinmikuriya) 2019年3月31日
そんなとこで???(笑)しかし、その後の円喬の表情…何かを感じたようですね!
グチグチ言ったあげく咳き込んでたら怒られて…プクーってする竹野内さん何事!!!!かわいいかよ!!!!え!!!!#いだてん pic.twitter.com/QppXgRlCoh
— 👶💉みぃたん🏥👧 (@candy_magic617) 2019年3月31日
時間が行き来して分かりづらいとの視聴者の声を考慮したと感じる最近の「いだてん」。今日の『2週間遅れの手紙』が時軸を無視した本来の「いだてん」が描きたかった本来の姿だったのでは…。 #いだてん pic.twitter.com/XlpLTh0puS
— 柏 (@Atro1967) 2019年3月31日
そして、今回は日本人が大好きになったポルトガル人のフランシスコ・ラザロの大切なエピでも有りました。
どんな国にもラザロのような方がいます。
外に出ないとそんな当たり前のことすら今の私たち日本人は忘れそうになっている気がします。#いだてん pic.twitter.com/JlVvufoiJt— Dark Knight (@DarkKnight_jp) 2019年3月31日
この話がなければ、ラザロ選手のことを知りもしなかったです。色んな歴史があるのですね。
涙なしには見れないシーンだった。特にラザロさんのためにもマラソンを4年後もやろうとなったシーン、号泣。国籍が違う選手や関係者がひとつになるって、これがスポーツだとスポーツマンシップだと思った。#いだてん pic.twitter.com/qT6W0WGlWz
— A.T.A (@__a__t__a__y) 2019年3月31日
嘉納治五郎先生の借金ネタまで無事にこんなカタチで回収されましたw
クドカン脚本スゴ過ぎますw#いだてん pic.twitter.com/oubXjn5fuf— Dark Knight (@DarkKnight_jp) 2019年3月31日
シャロやんこれで終わり? #いだてん pic.twitter.com/Yyw2zkRH90
— 兼業カメラマン (@qpdbo0o) 2019年3月31日
別れの時です
Missing Japanese(消えた日本人)がスウェーデンでお世話になった皆さんにご挨拶。白夜よさらば。#いだてん pic.twitter.com/jrVaoBRdAj
— Dark Knight (@DarkKnight_jp) 2019年3月31日
弥彦さんも、流石です!
おぼっちゃまくんの真骨頂ですw
新しいの買ったから、もう旧いのはいらないもんねー。ハハハハハ。#いだてん pic.twitter.com/TM7yFTt2P1— Dark Knight (@DarkKnight_jp) 2019年3月31日
いつもの弥彦に戻って良かったです!!
辛い日々も苦しみもいつか思い出に変わります。
だったら爽やかに別れを告げた方が勝ちですね。
そして、次も有りますし。
そんな素敵なことを教えてくれましたこのドラマは(まだ序盤なのにw)
しかし、日本の何も知らない奴らはきっと帰ったらガタガタうるせーだろうなぁw#いだてん pic.twitter.com/20lXcgIJIk— Dark Knight (@DarkKnight_jp) 2019年3月31日
ストックホルム編、完結。
別れがたくさんある回でした。印象に残ったところをピックアップ。#いだてん #いだてん絵 #いだてん東京オリムピック噺 pic.twitter.com/j60LA8Tkgi— 珠州木リナ@マンガ・DTPやります (@bungeisuki) 2019年3月31日
今回、サブタイが「復活」という事で、四三と孝蔵がレースと高座との違いはあれ、共に挫折から立ち上がろうとする姿が印象的だった。もっとも、孝蔵の場合はほとんど自業自得だけど。(笑 ところで来週は休みらしいが、もしかして「西郷どん」よろしく、特番でもやるのかな? #いだてん pic.twitter.com/8tJjVr4MFc
— つかさ ゆう (@tsukasa_u) 2019年3月31日
ストックホルム篇、完結ですね!結果はさておき、色々考えさせられることが多かったです!様々な別れ、特に兵蔵との永遠の別れは悲しいですが、四三は次を見据えていて、安心しました!!
第13話のネタバレ
四三のマラソン
東京高等師範学校に四三の敗退が伝えられた。
四三はダニエルとマラソンコースを歩いてみるが、記憶がなかった。ダニエルはあの時の様子を知る限り、四三に話す。四三は「雨が降っていた」と言うが、ダニエルは雨は降っていないと言う。ひどく混乱する四三だが、道を間違えた地点でやっと思い出し始める。コースを外れた四三は幼い四三に導かれ、ペトレの家に行き着く。迷い込んだ四三にレモネードを与え、パンを食べさせ、家に入るよう勧めるペトレだが、動けない四三はそのまま木陰で眠った。そこにダニエルがやって来て、駅まで連れていき、汽車でホテルへ戻ったのだ。
翌日、四三は新聞でラザロが意識不明と書かれているが、その後亡くなったと知る。その頃、金栗家には2週間前に書いた四三からの手紙が届き、四三の意気込みと実際の結果に複雑な気持ちの実次たちだった。
朝太の初高座
さて、朝太の初高座の日、ワニラという牛めしの安いのを食べていると、清さんがやって来る。清さんは播磨屋で仕立ててもらった着物を朝太に渡し、がんばれよと励ました。寄せに行った清さんは、小梅と待ち合わせていた。小梅は美川と一緒に来ていた。いよいよ出囃子がなるが、朝太が出てこない。なんと朝太は清さんにもらった着物を質屋に入れ、酒を飲んでいしまった。それでも円喬は朝太を出した。酔っ払ったまま高座へ上がる朝太。客を見た途端頭が真っ白になったが、円喬の「落語は足で覚えるんだ」という言葉を思い出し、何とか勢いよく「富久」を話し出す。しかし急に「頭が痛い」と舞台を降りてしまった。
ラザロに誓う
その頃、四三は元気を取り戻し、また走っていた。その途中、ラザロの墓標を見つけ、他国の選手とともに、手を合わせた。治五郎は、ラザロの件でマラソンの継続は厳しいかもしれないと兵蔵に話す。兵蔵は4年後は自分はいないと言い、今回の大会についても監督らしいことができず、むしろ四三と弥彦にいらぬストレスを与えたと後悔していた。治五郎は兵蔵こそ立派な監督だったと言い、何より兵蔵のまとめた「オリンピック式陸上競技練習法」という偉大な遺産を残したのだと言う。兵蔵は今はまだ日本人の肉体が劣っていようとも、50年後、100年後に繋がればいいと言う。治五郎は大きくうなずき、安仁子は目を潤ませた。IOC総会が開かれ、死者が出たマラソンを継続すべきか議論される。そこでポルトガルの代表がラザロの死を無駄にしてほしくないと、マラソンの継続を願った。そして、継続が決まった。ラザロを囲った選手たちは、4年後にまた会おうと別れていった。
朝太のその後
最後まで話せなかった朝太だが、どういうわけかクビにはならなかった。質屋から出してきた着物を清さんに返すが、清さんは受け取らず、「入れたり出したりすればいい、嘉納治五郎のように」と言った。朝太は「そうか」とその着物を羽織り、寄せへと入っていった。
別れ
いよいよ帰路につく日、四三と弥彦は兵蔵に挨拶しようとするが、安仁子に断られた。ドア先で「また日本で」と声を掛けると、兵蔵は指を鳴らし、親指を立てた。安仁子は二人にエールを送り、そこで別れた。しかし、この後兵蔵は安仁子の故郷・アメリカへ渡り、そのまま亡くなった。
四三はペトレ家を訪ね、礼を言い、ダニエルらにも礼を言い、船へ乗り込む。こうして、ストックホルムへ別れを告げた。気持ちは次のベルリンオリンピックへ向かっていた。
「いだてん~東京オリムピック噺」第14話あらすじや感想とネタバレ
第14話あらすじ
オリンピックの戦いを終え、ストックホルムから帰国する四三(中村勘九郎)。元号も明治から大正に移り、四三には人々の空気が変わったように感じられる。報告会で大勢の高師の仲間が四三の健闘を称える中、敗因を問いただす女性が出現。永井道明(杉本哲太)の弟子・二階堂トクヨ(寺島しのぶ)である。永井とトクヨはオリンピックでの敗北を受け、娯楽スポーツではなく強靭(きょうじん)な肉体を作る体育の推進を改めて主張する。同じころ、孝蔵(森山未來)は四三とは逆に旅立とうとしていた。円喬(松尾スズキ)とは別の噺家について地方を回るのだ。新橋駅から出発の日。師匠に見限られたと思っていた孝蔵のもとに、円喬が駆けつけて──。
第14話の反応と期待の声
小春様。。これはどのような状況……?(笑)#菅原小春 さん出演の #いだてん は
4月14日から❣️❇️🎵
楽しみです🙌💕💗 pic.twitter.com/NZf2tsoXmd— Mabel (@Ma_bel214) 2019年3月31日
#いだてん 来週は休止!次回は14日
ば!ばば!再婚か…?、
#池部スヤ #金栗四三#綾瀬はるか #中村勘九郎 pic.twitter.com/hSE9Wpjdy3— ひろはる☆願望続ぎぼむす (@hiroharu0330) 2019年3月31日
予告のシマちゃんが可愛かった!
久々シマちゃん大正バージョンになってた〜
ついに女子のスポーツの時代がくるの楽しみだ☺️#いだてん— 秋冬 (@__hana___hana__) 2019年3月31日
オリンピックとかまったく面白くなさそうな題材を胸アツステキなストーリーでみせてくれてるクドカン先生!
後半は1964年東京大会から、2020年開催中止までリアルタイムで熱いドラマを見せてください😆#いだてん— Tomiji_3/21 鳥夜 (@Tomiji69) 2019年3月31日
第14話の展開予想
時代は大正へと移り変わり、女子のスポーツに注目が集まるようで、また新たな登場人物が出てきますね!そんなことより!!!四三とスヤさんが結婚!???池部さんはきっとお亡くなりになったのでしょうね…。またまた目が離せない展開です!
第14話の感想
#いだてん このオバハン強烈😱😱😱 pic.twitter.com/MhZ3RCD3RG
— トン子 (@zx_zpa) 2019年4月14日
また強うそうなキャラが登場しましたね!
#いだてん 出世永井 pic.twitter.com/Sr6UcB0QJ5
— トン子 (@zx_zpa) 2019年4月14日
ちっちゃくなった四三くんが可愛い❤︎❤︎#いだてん#中村勘九郎 pic.twitter.com/pRUfiOO0HJ
— imac☺︎ (@imaco_o) 2019年4月14日
#いだてん 第14回感想⑧
現在のドッジボールとはルールが違うとは言え、
四三の投げたボールが可児先生に当たるのは【予定通り】だよね。 pic.twitter.com/lrKRzdUhIN— 憧れの卍丸先輩 (@makurix2) 2019年4月14日
やはり可児さんはこの役回り(笑)
孝ちゃん、清さんからの着物着て旅立つとか(泣) #いだてん pic.twitter.com/ywU1pt3MoF
— カラメル🌛 (@sparkingjoyz) 2019年4月14日
やっぱり円朝師匠、たけしさんの口調やってた!気のせいじゃなかった!#いだてん pic.twitter.com/SR9wKITqWd
— 銀ちゃん (@Ginchan03) 2019年4月14日
遊び心がいいですね!
しかしその日本男児の華に野球が成り代わるのはあまりにも皮肉すぎる野球害悪論。#いだてん pic.twitter.com/mMusoYdB9s
— 星P/京城香龍 (@sojylyshutary) 2019年4月14日
フレーフレー,の語源です。#いだてん pic.twitter.com/2Xg6krjch0
— 鈴木昭彦 (@Acky_phoenix) 2019年4月14日
へぇ~~!!!ってなりました!
天狗倶楽部卒業式😂
天狗倶楽部のメンバーも
30代から40代に近づく年齢
いつまでも青春の20代の
若さ故のノリではいられないか
最後のお別れはいつものポーズ
いざ、さらば!
我らはスポーツを愛し
スポーツに愛され
ただ純粋にスポーツを
楽しむために活動する
元気の権化TNG! pic.twitter.com/tP9LuQTPzq— ジェームズ・T・カーク2世 (@kirk2_thegod) 2019年4月14日
引き際も素晴らしい天狗倶楽部、天晴です!!
さらばTNG。
弥彦の周りって本当に華やかですね。
エリート集団の天狗倶楽部は《明治モダン》、天狗を卒業して日本を背負っていこうと自負する彼らには《大正ロマン》て言葉が本当によく似合う。#いだてん #いだてん最高ばい pic.twitter.com/kDPVY8E0j9— くら (@kula52944851) 2019年4月14日
あと、戻ってきた治五郎先生がしょっぱい目に遭ってるの、「実は他にも借金があってね」の前振りがあったので、永井先生の「(今の体制から)切り替えていく」発言も、しゃーない感が。というか、オリンピックでの敗退の責任とかでなく、まず金の問題が先に出る辺り、ぐうの音も出ないよねと。#いだてん pic.twitter.com/qqyVhs5gNL
— 神無月久音 (@k_hisane) 2019年4月14日
仕方ない気もするけど、やっぱり切ない…。
ずっと彼らの苦労をストックホルムで見守っていた気分でいて、先週、#いだてん がお休みだったから、わたしの心もまだストックホルムで… 「本当の自分はまだストックホルムにおるとじゃなかか」と言う四三が切なかった pic.twitter.com/aWcaOD5quC
— Charlotte@いろいろメモ (@charlot01209683) 2019年4月14日
俺たちは、精一杯やりましたよね?
パンとチーズと薄い味噌汁(アニコw)で、よー走りましたよね?
あれは嘘じゃなかですよね?あー、まぎれもない現実だ!
時代がとまった四三さんに弥彦さんが現実を証明し、時代を流してくれるシーンが素敵。
弥彦さんの眼差しが強く優しい。#いだてん pic.twitter.com/1ZcSu3Vrbg— himehime☆⚱️XXペケ姫XX⚱️ (@mackyhime) 2019年4月14日
あの過酷な環境で闘った二人にだけ分かることがあるんですよね。
「ば」だけで全ての感情を伝えるフォーティースリーが可愛すぎる。#いだてん pic.twitter.com/6gtcRCOoUh
— Kenzy (@KenzyPowell) 2019年4月14日
今回の放送はこのためにあったと思わせる大竹しのぶさんのシメの言葉。#いだてん pic.twitter.com/SvjyvAsJrF
— Kenzy (@KenzyPowell) 2019年4月14日
明治が終わり、一区切りついた感じの回でしたね!大日本体育協会も新しくなり、四三の目標も定まり、天狗倶楽部は華麗に解散、そして四三とスヤも新しい時代へ向かいます!
第14話のネタバレ
あっ。
(笑い声)
(拍手)
(笑い声)
(志ん生)あっ…。
(拍手)
え 我らが主人公
韋駄天こと金栗四三と
痛快男子 三島弥彦。
<日本人が初めて出場した
ストックホルムオリンピック。
庶民は 一体 どうやって
オリンピックを体験したんでしょう?>
(孝蔵)<はい ニュース映画です>
<2週間前に既に終了した
オリンピック大会。
そのニュース映画が
今 まさに日本で公開中>
(弁士)かくもたくましき東西偉丈夫の…。
<まだ無声映画の時代でしたが
銀幕の中 飛んだり跳ねたりする
西洋人の見事な肉体
見たこともねえ競技の数々に
東京市民は大興奮>
(弁士)投げた 投げた。
跳んだ。 また投げた。
(野口)何だ これ… 何 投げてんだ?
(橋本)おい マラソン ちゃんと見せろよ!
そうだよ!
マラソン見せろ!
来た! 金栗さん 金栗さん どこだ?
(弁士)号砲一発
一斉に飛び出した 世界の韋駄天たち。
炎天下の下 ソレンツナ教会で折り返し
10里の道をいざ走る!
四三 映ってねえぞ!
(永井)やかましい!
静かに見ておれんのか。
舎監殿…。
永井さん 体協を代表して
感想をひと言。
まだ結果も出ておりませんから。
(本庄)出ました!
現地の特派員から電報が入り
「金栗 敗退」と。
えっ?
(野口)「カナクリ
キケン ハイタイス」。
(ダニエル)ニッシャビョウデス。
(四三)すいまっせん…。
(弥彦)足袋をプレゼントした選手が
いたと言っていたね。
亡くなったそうだよ。
日射病による髄膜炎らしい。
<初めての死者が出たオリンピック。
しかし 4年後も開催されることが
決定しました>
「その恥をすすぐために
粉骨砕身して マラソンの技を磨き
もって皇国の威を上げん」。
<四三が ベルリンオリンピックへの
決意を胸に帰国する頃
日本では明治天皇が崩御し
元号が大正に変わりました>
ああっ!
うわっ!
<大正元年9月
我らが韋駄天 金栗四三は
単身 東京に帰ってきました>
「敵は幾万ありとても」
<「敵は幾万」の合唱に見送られ
この地を後にして はや4か月>
あっ 金栗さん!
野口君 橋本君!
あ 危ない 危ない…。
ああ… すまん すまん。
整列!
(可児)お帰り。
この度は ご苦労さまでした。
(一同)ご苦労さまでした。
ただいま。
<地味な出迎えも
今の四三には かえって救いでした>
(笛の音)
ああ…。
(橋本)大喪の礼が済んだばかりでね
どこも まだ自粛自重のムードさ。
乃木陸軍大将が自決なさったのは?
はい… 新聞で。
そうか。
長旅 ご苦労だったね。
可児先生 こん度は 俺の力不足で
黎明の鐘となること…。
あ… もう そういうのは
あとで ちゃんと やってもらうから。
疲れたろう。 ほら 荷物持ってやれ。
あっ はい。
あっ ありがとう。
あっ 嘉納先生は ヨーロッパ視察ば
してから アメリカ回りで…。
ばっ! ど… ど…
どぎゃんしたとですか?
えっ? アハハハ…
まあ これも また おいおい。
おいおい…。
こぎゃん投ぐったい。
えっ?
<四三は オリンピック土産に
日本では まだ知られていない
スポーツの道具を
いくつも持ち帰りました>
「また投げた」! アハハハ…。
諸君から 多大なるご支援と
激励のお言葉を賜り…。
<そして 寄宿舎に戻ると
荷を解く間もなく 報告会が催されました>
しかるに 我が不肖により
陛下をはじめ 諸君の希望に反し
帝国運動史上に拭うべからざる
汚点をしるしたことは
紛れもない事実であります!
<…と堅苦しい挨拶で始まりましたが
金栗君の 血のにじむような努力を
間近で見てきた学友
みんな 温かく受け止め
彼を責める者は誰一人… うん?>
おい 女だ。 おなごがいるぞ。 誰?
賄いのおばさんだろ。
後援会の皆様から頂戴した寄付金は
計画を立てつつ
大切に使わせて頂きました。
あっ…
しかしながら 思わぬ出費もあり…。
大森監督が 太かドイツ人に連れられて
食堂車行ったとです。
ほんなら 大森監督 そのドイツ人の分まで
払ったとです。 しかも…。
(大森)君らは 2円ずつでいいよ。
(弥彦 四三)はあ!?
大森監督には参ったばい。
(笑い声)
いや さすがは
半かじりの大森さんですな。
諸君 スウェーデン語で
水ば 何て言うか分かる人。
(一同)水?
地歴科の福田先生 ご存じなかですか?
(福田)うん ばってん…。
正解! そう 水は
「バッテン」って言うとばい。
なん…。
金栗さん うそはいけないな うそは。
いやいや…。
「美人」は何と言うのかね?
(一同)お!
(可児)北欧美人は
肌が美しいというが…。
(二階堂トクヨ)敗因は何だと思われますか?
皆さん 腫れ物に触るように
わざと核心を避け
大して面白くもない話題で
白々しく 場を盛り上げようと
なさっているようですが
はっきり申し上げて時間の無駄です。
金栗さん
羽田の予選で世界記録を出しながら
本選で棄権し 国民の期待を裏切った
原因は何だと思われますか?
えっ? だ… 誰?
「ようっ!」
(太鼓の音)
「ようっ!」
(拍子木の音)
そもそも予選のコースは地図とコンパスで
測っただけだそうですし
タイムも疑わしい。
(治五郎)世界記録だぞ!
三島選手に至っては 審判員が
周囲に乗せられ 浮かれて走っただけで
選手登録すらしていなかった。
いっちょ やりますか?
果たして この2名が オリンピックに
ふさわしい選手だったのか
国民の多くが不満を抱いています。
だけん 誰ですか?
おい 黙れ! 賄いの分際で!
私の弟子の二階堂だ。
(一同)弟子?
お答え下さい!
(橋本)答えんでいいぞ 金栗君。
そうだ! 金栗さんは 精いっぱい やった。
それで十分です!
精いっぱいやって勝てなかった原因を
聞いてるんです。
(平田)つまみ出せ!
女のくせに生意気だぞ!
何を!? この大バカ者!
いや 俺…。
教職に就かんとする者が なんと下劣な!
撤回しなさい!
この 棚から落ちた ぼた餅め!
ぼた餅?
たまたま 男に生まれただけの
ぼんくらという意味だ!
何だと!
何!?
敗因は 一つじゃなかです!
食事の問題 練習法 当日の天候…。
ばってん
どれも言い訳にしかすぎんけん
胸の奥にしまって ただ黙々と…。
それじゃ駄目なんだよ!
敗北から学ばなければ意味がない。
いいかね? 我が国の体育は
10年… いや 50年 遅れている。
それが君らの敗因である。
10年後 50年後… 欧州人と
肩を並べるために 今 何をすべきか!?
それを考えるのが 君らの使命である!
そのとおり!
ばってん おるには4年しかなかです!
次のベルリンオリンピックまで
4年しかなかです。
舎監殿のおっしゃるとおり
国民の体格の改良は急務です。
ばってん… 10年待てば おるは 31。
50年待てば 71ばい。
とうに走れんとです!
4年後も… 出るつもりなのかね 君は。
はい!
ベルリンのスタジアムの旗ざおに
必ず 日の丸ば揚げたかです。
ストックホルムの悔しさ 恥ずかしさを
晴らすため
明日から粉骨砕身して
マラソンの技ば 磨こうと思っとります!
<出た! 「勝つためにノート」>
ひゃあ!
<4年後のベルリン大会に向け 早速
トレーニングを再開した 我らが韋駄天>
金栗君 何をしてるんだね?
おう 舗装路対策ばい!
ヨーロッパん道は
舗装されとるばってん
これに慣れんと 足腰のこたえると!
ん おおっ!
<ストックホルムで
四三君が どぎもを抜かれたのは
海外選手の
短距離走のようなスタートダッシュ。
このころ 東京の風景に
ある変化が起こっていました。
電信柱です。 電話の普及によって
この時代 急に増えたようです。
これに四三君は目をつけました。
電柱は 4050m間隔で立っている。
まず最初の5本を軽く流し
次の5本を全力疾走。
心臓が爆発しそうになると
次の5本は流す。
これを何度も繰り返し
速度の変化に体を慣らす。
名付けて 電信柱練習法!>
あ!
<一方
後輩の野口源三郎君は
四三君の持ち帰った道具に
興味を持ち…>
おお!
重い!
こんな重いものを西洋人は… すごいな。
野口 野口。 槍 槍… 槍は どぎゃんね?
あっ 叫びながら 叫びながら投げったい。
や!
お! 飛んだ 飛んだ!
大したもんばい!
(どよめき)
<新たなスポーツが始まる気配を
見せていました>
ところで どうにも気になるのが
さっきの賄いのおばちゃん。
(笑い声)
あ… じゃねえや 永井先生の弟子
二階堂さん。
(孝蔵)<四三君が生活する寄宿舎から
目と鼻の先に
東京女子高等師範学校
現在の お茶の水女子大学があります。
おばちゃんは ここの助教授なのです>
出たな ぼた餅。
永井先生の使いで参りました。
金栗氏は?
(永井)「学校体操教授要目」。
肋木とスウェーデン体操を基盤に
健康で強靱な肉体を作る方法を
まとめたものだ。
これを持って 二階堂君と共に
全国の学校を回るつもりだった。
ほう。
(永井)ところが
二階堂君が 文部省の要請で
英国に留学することになった。
キングスフィールド体操専門学校で
3年間 学びます。
誰か代役をと話したら
君が適任だろうと 二階堂君が。
ばっ! おるが?
ばってん 日々のトレーニングも
ありますけん…。
はあ 金栗…。
「肋木 肋木」と バカの一つ覚えのように
私が唱えるのには理由があるのだよ。
二階堂。
はい!
ぶら下がることで おのずと背筋が伸び
横隔膜が拡張され 胸筋が鍛えられる。
ハッ ハッ ハッ!
近年 肺病の治療にも効果があると
証明された。
ばってん 嘉納先生は…。
嘉納先生のやり方じゃ駄目なんだよ!
すいません。
皮肉にも
君のおかげで それが証明されたんだ。
優勝候補だった君が 30km地点で倒れた。
約半数が棄権し
聞けば 死者が出たそうじゃないか。
(ラザロ)ノー ノー ノー ノー ノー!
やはり 無謀だったんだよ。
理想ばかり追い求め 地に足が着いとらん。
4年後も出るなど 暴挙と言うほかない。
(トクヨ)そのとおり!
暴挙である! ハッ ハッ ハッ!
ハッ ハッ ハッ! ハッ ハッ ハッ!
暴挙…。
はい。
私に言わせりゃ
永井さんの方が よっぽど暴挙だよ。
…と言いますと?
思い込みの激しい人だからね。
行くさきざきで問題になってる。
この間も ある小学校で…。
こんなものは こうしてしまえ!
こんなもの!
ここに 肋木を作りなさい!
よし 胸を張れ 胸を。
いいか? 落ちたら死ぬと思いなさい!
ばっ!
極端なんだよ。
これだって… え 見たまえ。
「気を付け」「休め」「屈伸」「懸垂」
体操に これだけのページ割いてるのに
バスケットボールも
フットボールも 綱引きも
遊戯で ひとまとめだよ。
マラソンは?
遊戯だね。
お… 鬼ごっこと一緒?
残念だが 永井さんの言うことも
半分は当たってる。
嘉納校長の留守中 我が大日本体育協会は
波乱ずくめでね…。
私が把握してた借金は
ほんの一部だったんだよ。
冗談じゃないよ!
あんたじゃ 話になんないんだよ。
嘉納を出せ 嘉納を!
ですから
校長は ストックホルムに…。
オリンピックは
とうに終わってるだろう!
借金 踏み倒すために
海外に行ったんじゃないのか!?
お前が保証人になれ 可児!
ああっ ああっ!
ああ! あっ…。
おい!
飛び降りますよ!?
と… 飛んだとですか?
あ!
誰も止めてくれなかったからね。
あ それで…。
はあ 嘉納先生 早う帰ってきなされば
よかばってんが…。
元気出したまえ。
私だって この4か月
遊んでたわけじゃないぞ。
(笛の音)
見たまえ。
これは… 何ば しよっとですか?
円形デッドボールだ。
円形デッドボール?
ルールは簡単。 外から飛んでくる球を
よける よける ただよける。
反射神経と とっさの判断力を鍛える。
おほほほ… 楽しかごたるですな。
遊びじゃないぞ。
英国で発祥した れっきとした球技だ。
あ。
さあ 金栗君 入りたまえ。
えっ?
入るぞ。
ば… ばってん 可児先生 足…。
なに よけるだけだ。
いや… え?
(笛の音)
<この競技は 後にドッジボールと改名され
広く 全国の児童に親しまれました。
体協理事 可児 徳の最大の功績
それは
ドッジボールを
日本に紹介したことだったのです>
あっ 捕ってしもうた。 すいません
これ 捕ったら どぎゃんなりますか?
ノー ノー ノー ノー… デッド!
金栗 デッド!
<え ルールは まだ発展途上のようです>
(可児)外!
デッド… はい。
はい いきます。
金栗!
はい!
痛! あたたた…!
熊本の兄さんから 手紙ばい。
ありがとうございます。
(実次)「ストックホルムの結果
甚だ残念なり。
正直 兄は失望した。
應援して下さった世間さまに
申し譯がない」。
あ!
我らの一歩は… 日本人の一歩ばい!
速かろうが遅かろうが
我らの一歩には 意味のあるったい!
あ!
うん そのころ 私はってえと…。
<名人 円喬についたはいいが
弟子なんだか俥屋なんだか
分かりゃしねえ>
(孝蔵)「よし! じゃあ それ 一分で
売って下さいよ。 ひとつ 当たるやつを」。
「何言ってんだい。 当たるやつが
分かってりゃ 俺が買っちまうよ。
今ね これ 一枚っきゃねえんだ。
鶴の千五百番」。
「よし 買おう!」ってんで うち帰って…。
(円喬)時に 美濃部君…。
はい!
お前さん 売れたいのかい?
そりゃあ 師匠
売れたくねえやつはいませんよ。
でもね 俺は 人にペコペコしてまで
売れたかねえです。
そんなら 美濃部君… いや…。
朝太君。
(志ん生)<おっ ようやく小ばなしの一つも
教えてくれるのか… と期待したが>
旅にでも出てみるかい?
旅?
(席亭)ドサ回りだよ。
小円朝師匠は知ってるね?
知らねえです。
まあ とにかく 若え者一人貸してくれって
言われたんだよ。
そういうことですかい。
どうりで 近頃 朝太って呼んでみたり
美濃部君って呼んでみたり…。
「コンチキショウ!」。
「痛っ! 何をするんでございます。
ケガでもしたら どうするんですか」。
「何を言ってんだ お前 この野郎!」。
…で
破門なんですね。 えっ? 詰まるところ
お払い箱ってわけなんですね。
そう 悪い方に考えなさんな。
初高座で「富久」やって
しくじったからですかい? えっ?
師匠の湯飲み 2つほど
割っちまったからですかい?
扇子とか キセルとか 黙って
質屋に入れちまったからですかい?
円喬は お前さんを買ってんだよ。
「亀の甲より年の功だって… なっ」。
ヘヘヘ… またまた。
(席亭)うそじゃねえ。
あの 偏屈で めったに人を褒めない
円喬がだよ。
聞いてないかい?
そういや 言ってたな…。
おめえには 何かあるって。
フラがある。
フ… フ… フラ… ですか?
芸は まだまだだが… うん。
お前さんには フラがあるよ。
フラっていうのはね…。
はい。
(汽笛と列車の走行音)
…ということだ。
行ってくれるね?
≪(汽笛)
…ってんで 23で
私は旅に出ることにしました。
フラがあるよってね
言ってくれたんですね 師匠が。
ねえ あにさん
フラって何ですか?
(今松)俺が知ってると思うな。
あとで師匠に聞いてみな。
アアアアアアア。
どいた どいた! どいた どいた!
(万朝)どこ行くんだい?
(志ん生)<とにかく 小円朝の弟子の
万朝って野郎と新橋駅へ向かったんです>
見送りにも来ねえたぁ
あんたのところの師匠も薄情だね。
うちの師匠は売れっ子だからね。
今日も4軒 掛け持ちだからね。
あああ… とっとっと。
(小梅)師匠 大丈夫かい?
お 俥屋 今から新橋駅行って
3時に四谷 間に合うかい?
(清さん)走ってみなきゃ分かんねえが
あっ 乗んな。
急用かい?
実は 朝太が旅に出る。
何だって!?
(円喬)んん!
あっ…。
よっしゃ。 こうしちゃいらんねえや。
おいおい… あたしゃ 乗ってないんだ!
(小梅)ちょっと 清公!
あたしゃ 乗ってないんだよ!
(小梅)乗せておくれよ!
(清さん)え どけどけ! どけどけ!
口ばっかじゃなくて
もっと速く走れないの!? 清公!
もっと もっと もっと!
(円喬)おい!
(清さん)悪いが師匠
市電にでも乗ってくれ!
無理だよ…
あたしゃ 今まで どこ行くも
美濃部君に
引っ張ってもらってたんだから!
ふだん 走り慣れてねえ師匠
すっかり息が上がっちまった。
弟子の見送りに師匠が走るなんて
聞いたことがねえ こりゃ。
師匠が走ると書いて 「師走」か。
いやいや師匠 まだ9月ですよ。
(笑い声)
9月?
分かってるよ バカ野郎。
水くせえじゃねえか 孝ちゃん。
どこ行こうってんだい。
まずは浜松だな。
ヘッ そのあとは分からねえ。
達者でね。 もう しくじるんじゃないよ。
うるせえや。
ちょっ… どいてくれ。
(三遊亭小円朝)
小円朝だ。 今日から あたしが師匠だよ。
よろしくお願いします。
(万朝)どうぞ。
(車掌)出発!
(ベル)
(汽笛)
(円喬)美濃部君!
美濃部君?
師匠!
バカ野郎! あたしゃ 師匠じゃないよ。
これからは こいつが… あっ 違う。
このお方が お前の師匠だ。
(小円朝)それ 今 言ったとこだよ。
ああ… そうかい。
師匠 長い間…。
頼むよ 小円朝さんよう。 なあ?
大事な弟子 貸すんだからよ
倍にして返してくれよな。
(小円朝)あ 分かってらぁ…。
(万朝)ちょちょ…。
フラがあんだよ!
フラがあんだよ フラが! なっ?
こいつは大化けすんだからよ
立派に育ててくんないと
あたしゃ 承知しないよ!
(円喬)餞別だ。 持っていきな。
(志ん生)<敷島って言やあ
当時の高級タバコだ。
それを3箱も くれたんだ>
こんな高価なもの
頂くわけにはいかねえです。
いいから…。
要らねえです。
持っていきやがれ!
要らねえです!
持ってけってんだよ!
いてっ!
(すすり泣き)
何するんだ コンチクショー…。
泣くやつがあるかい。
ちゃんと勉強すんだよ。
(汽笛)
じゃあな。
師匠!
師匠…。
俺がフラなら…。
あんた フラフラじゃねえか。
(汽笛)
(孝蔵)<大正元年11月。
二階堂トクヨが英国留学に旅立ちます>
行ってまいります。
(永井)二階堂トクヨ君!
ばんざい!
(一同)ばんざい!
(永井)ばんざい!
(一同)ばんざい!
ばんざい!
T N G! T N G!
(女性たち)キャ!
<年をまたいで 三島弥彦が
ヨーロッパの視察と語学の勉強を終え
半年ぶりに帰国>
三島君 どうかね? 初めて負けた気分は。
ああ… すっきりしたよ。
乾杯!
(一同)乾杯!
(一同)あ。
僕は すっぱり諦めて 銀行員になるよ。
スポーツは 趣味で わいわいやるのが
性に合ってる。 ハハハハ…。
久しぶりに野球でもやるか?
てんぐ てんぐ てんてんぐ!
何だ? どうした 吉岡天狗。
(吉岡)
俺たちは天狗ではない。 人間に戻るんだ。
(本庄)押川天狗?
(押川)実は 天狗倶楽部を
解散しようと考えてる。
何だって!?
君は若いが 私は もう36だ。
寄る年波には勝てんよ。
俺も 30。 てんてんぐ!
…などと叫んでる場合ではないんだ。
それに明治が終わって
世の中も大きく変わったんだ。
(中沢)近頃は 軍部が兵式体操を推奨し
競技スポーツを軽視する風潮が強い。
そこへ来て 野球害毒論だ。
野球は害毒…。
選手は不良?
(弥彦)なんという偏見!
バットを振ったこともないくせに!
おお…。
スポーツ大国だよ アメリカは!
よし…。
それなら 僕は アメリカへ渡ろう。
三島天狗。
兄貴に頼んで 横浜正金銀行の
サンフランシスコ支店へ行こう!
アメリカが強い理由を見極めてやる!
ハハッ ハハハハハ!
いいぞ 三島天狗! さすが痛快男子だ!
我らは スポーツを愛し…。
スポーツに愛され!
ただ純粋にスポーツを楽しむ
元気の権化!
T!
(一同)お!
N!
(一同)お!
G!
(一同)お!
(一同)てんぐ!
(太鼓の音)
(一同)て ん ぐ!
うお!
(太鼓の音)
<明治の痛快男子たち
天狗倶楽部の時代もまた
幕を閉じました>
あ!
(永井)嘉納校長 ご苦労さまでした。
(一同)ご苦労さまでした。
<そして3月
ようやく 選手団長 嘉納治五郎が
大森未亡人 安仁子と共に帰国します>
大森君だ。
<大森氏は カリフォルニアの病院で
息を引き取りました。
妻 安仁子は 夫の遺志を継ぎ
日本へとどまる決意をしました>
監督 お疲れさまでした。
お疲れさまでした。
何だ? これは。
私の机は!?
あちらに。
校長室…?
これ 物置になってるじゃないか!
私の写真…。
何だ この肋木は!?
会長 どうぞ ご着席下さい。
永井!
<嘉納治五郎の目に飛び込んできたのは
変わり果てた体協の姿でした>
可児君 これは一体 どうなってるんだね!?
新しい理事を紹介させて頂きます。
理事!?
(岸 清一)
嘉納先生 ご無沙汰しております。
岸君…。
あなたが作った借金の返済と
体協の財政立て直しを
弁護士の岸さんが
一手に引き受けて下さいました。
それから 新しい役職を設けました。
(武田千代三郎)副会長の武田です。
副会長だと!?
時代は変わったんですよ… 嘉納さん。
「短距離は歐米人に到底勝つ見込み無し。
只長距離は可能性がある。
金栗君は幾分氣が引けたから
疲勞が早かったのだろう」。
こん「氣が引けた」っちゅうとは
つまり プレッシャーのことですね。
ハハハハ…。
卒業後の進路は決まったかね?
いえ。 まだ1年ありますけん。
家族とも よう話し合います。
君は若い。
ベストを尽くせば 4年後 必ず勝てる。
そぎゃんでしょうか?
どうした? えっ? 君らしくないな。
何だか… 何だか その…
オリンピック前と後では 日本が…
東京が まるっきり違ってしまったような
気のしませんか?
無論 よか結果ば残せんかったけん
多少の非難は覚悟しておりました。
ばってん…。
何だね?
ばってん 三島さん 俺たちは
精いっぱい やりましたよね?
ああ。
一回りも二回りも大きか西洋人に交じって
へこたれんで戦いましたよね?
パンとチーズと薄いみそ汁で
よう走りましたよね?
日の丸と NIPPONのプラカードば持って
堂々と歩きましたよね!?
あれは… うそじゃなかですよね!?
ああ。 紛れもない… 現実さ。
よかった…。
だれも証明してくれんけん
今 こぎゃんして東京で暮らしとる自分は
うその自分で
本当の自分は まだ
ストックホルムにおるとじゃなかかて
そぎゃん 時々 思うばい… ハハハ。
情けなか。
確かめに行くかね?
(弁士)西暦1912年7月6日。
ストックホルム競技場で開催された
オリンピック大競技会 開会式。
ふだんの鍛錬による成果が
ここに結実するのであります。
オランダ イタリーに続いて 日本の代表
金栗四三選手 三島弥彦選手。
たった2人の日本選手団 堂々の行進。
アジア初出場の快挙であります。
おっ 来た来た…。
あれ? あれ? 終わり?
短いな。
な… なして…。
(弁士)続いて 100m走。
あっ。
(弁士)予選にて 次々と 10秒台
11秒台前半の好成績を記録する…。
あっ あれ あれ…。
あっ。
三島さんじゃなか?
来た来た 来た来た…。
あれ あれ。
いや あれ… チリの選手だよ。
(弁士)体格の差は歴然なれど
三島は泰然自若。
さて こちらは7月14日に開催された
マラソン競走。
日本からは
金栗四三選手の登場であります。
(実次)「四三殿
とにかく 一度 熊本へ帰ってこい。
話したいこともある」。
ばっ! あ たまがった!
(スマ)あっ…。
し… 四三が!
(シエ)実次! 実次!
(実次)お 来た来た!
兄上 こん度は俺の力不足で。
分かっとる! 何も言うな!
…で いつまでおらるっとか?
はい… 45日は。
(一同)お!
(笑い声)
そぎゃんね。 あ なら 問題なか。
俺に任せろ。 ついてこい。
はっ? 何が?
なん 悪かようにはせん。
<悪かようにはせん。
何も言うな。 俺に任せろ>
俺に任せろ。
<何を尋ねても この3つを繰り返す兄。
経験上 嫌な予感しかしません>
いやいや…。
(実次)悪かようにはせん!
兄上?
男なら 堂々としとけ。
いや 男も おなごもなか…。
四三 お前も来年で いよいよ卒業ばい。
高師ば出たからには 学校の先生になって
熊本に帰ってこんといかん。
えっ… ばっ! えっ?
何も言うな!
今から 見合いば してもらう。
はあ?
失礼します。
(実次)金栗実次です。
これが 弟の四三です。
春野スヤでございます。
はあ?
ばばばばば!
ばっ! ばっ… ばばばっ!
なし… なし スヤさんが?
(実次)よう聞け 四三!
実は…。
(幾江)説明してる時間はなか。
続きは来週。
<夏だ! ふんどしだ!>
(五りん)韋駄天と河童。
プロフェッショナルだよ。
マラソン一本でいこうと思うとる。
<んっ? これは夢?>
せい!
(幾江)おるは こん人が好きだけん。
こん人と暮らしたか。
やっぱり 水に流して下さい。
<ここが人生の勝負どき!
男を見せろ 韋駄天!>
「いだてん~東京オリムピック噺」の見逃し配信を無料視聴する方法
「いだてん~東京オリムピック噺」第13話と第14話のネタバレ感想やあらすじの紹介まとめ
2019年の大河ドラマは、33年ぶりに近現代史を扱う「いだてん~東京オリムピック噺」です。
オリンピック初参加から「オリンピック」開催までの激動の52年間を、描く「東京&オリンピック」の物語。
第13話では…ダニエル、ストックホルム、そして兵蔵に別れを告げました。
第14話では…帰国したそれぞれに新しい未来が待っていました。そして朝太もまた新しい一歩を踏み出しました。
この記事では、ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺』を各話ごとに詳細にネタバレとあらすじや感想を更新していきますので、ぜひご覧ください!