【祈りの幕が下りる時/映画】ネタバレ感想:【TBS地上波初放送/阿部寛主演】

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2019年6月30日、日曜日21時よりTBSで映画『祈りの幕が下りる時』が地上波で初放送されます。

東野圭吾の小説が原作で映画『祈りの幕が下りる時』が公開されたのが 2018年1月27日、およそ1年半後にテレビ地上波初放送されることになりました。

こちらの記事では映画『祈りの幕が下りる時』のネタバレや感想とあらすじを紹介していきます!

 

映画「祈りの幕が下りる時」あらすじと感想やネタバレ

 

ここでは映画『祈りの幕が下りる時』のネタバレや感想とあらすじを紹介します。

 

映画「祈りの幕が下りる時」のあらすじ

東京都葛飾区、荒川沿いのアパートで、死後20日ほど経過した腐乱死体が発見された。顔や年齢は認識できず、判明したのは女性であることだけ。警視庁捜査一課の松宮脩平(溝端淳平)は、死体が運び出され鑑識も引き払った簡素な一室で、カレンダーに「橋の名前」が書かれていることを発見する。やがて、DNA鑑定により死体は滋賀県彦根市在住の押谷道子(中島ひろ子)と判明。遺体の発見場所には9年前から越川睦夫という男が住んでいた。捜査班は越川を加害者と睨み捜査を開始するが、松宮は同時期に新小岩の河川敷で発生したホームレスビニールハウス放火殺人事件との関連性を疑う。越川と焼死したホームレスは同一人物では? 生活感のない越川の部屋を見た松宮の勘だった。
なぜ、押谷は滋賀から東京に向かったのか? 松宮は滋賀に出向き、聞き込みを始める。やがて、押谷の中学の同級生だった浅居博美(松嶋菜々子)という東京・明治座の演出家が大きな手がかりを有する人物として浮かび上がる。松宮は博美に会いに行く。博美は、押谷が老人ホームにいる自分の母親・厚子(キムラ緑子)のことで会いに来たことは認める。しかし、博美にはアリバイがあり解決の糸口はつかめない。そんな中松宮は、博美の事務所で彼女と一緒に写っている日本橋署勤務で従兄の加賀恭一郎(阿部寛)の写真を見つける…。

 

映画「祈りの幕が下りる時」の感想

ネットにあがっていた映画『祈りの幕が下りる時』への感想の声をひろってみました。

 

映画「祈りの幕が下りる時」のネタバレ

     《分かった… ちょっと待って》

          《はい》

        《東京都 杉並区…》

     《綿部さんは 遺骨の引き取り手に
     困っていた私に》

          《あなたの住所を
          教えてくれたんです》

         《それで 早速手紙を…》

     《(加賀)そうでしたか》

           
       《(康代)百合ちゃん
       あなたが来てくれて》

     《きっと喜んでると思います》

        《(康代)あそこの
        茶色い3階建てのアパート》

     《あれが百合ちゃんが住んでた
     アパートです》

          《海のそばに住むのが
          夢だったみたいで》

     《(康代)
     18年間も こんな狭いところで》

      《ホントに
      質素に暮らしてたんですよ》

     《百合ちゃん
     この布団の中で たった一人で》

    《あのとき 綿部さんが
    一緒にいてくれたらと思うと…》

        《その綿部さんという方の
        連絡先 分かりますか?》

    《それが 携帯電話も
    もう解約したみたいで》

    《今 どこにいるのかも…》

    《でも 電力関係の仕事で》

    《全国を渡り歩いてると
    言ってました》

    《だから 仙台に来たときは
    いつも 百合ちゃんとここで…》

    《すいません よけいなことを》

             《いえ》

      《むしろ 母にそういう人がいて
      よかったと思いますよ》

      《何とかして その人に会って》

      《母のことを聞きたいんですが》

       《何か記憶に残ってることは
       ありませんか?》

      《何でもいいんです
      出身地とか よく行く場所とか》

      《場所…》

      《あっ 日本橋》

            《日本橋?》

       《(康代)ええ 東京の》

       (パトカーのサイレン)

    (松宮)見せてください

      (大林)捜索願を出していた
      遺族とのDNA鑑定で

    被害者は押谷道子 40歳と判明した

           滋賀県彦根市在住

    職業は 琵琶湖湖畔にある清掃会社メロディエアの営業担当

          遺族の話では
          押谷道子は

            5月12日金曜には
            通常どおり出社し

      15日月曜から無断欠勤している

              また 13日

     ネットで
     東京 茅場町のホテルを予約し

       実際に宿泊している

        つまり 殺されたのは
        14日 日曜の可能性が高い

        遺体が発見された部屋では

         越川睦夫という男が
         9年前から暮らしていた

          しかし その越川は
          近隣住民の話によれば

     15日頃から
     姿を見せなくなったということだ

          (ノック)

    おう 入れ

      失礼します できました

    お願いします
    (大林)ご苦労

    これが 近隣住民の情報から作った越川睦夫だ

    (石垣)ホシは まず
    こいつとみて間違いないやろう

     先立って
     この越川と被害者との関係

      遺族の話では
      押谷道子は この2年間

    仕事でも旅行でも
    琵琶湖周辺から外に出ていない

     それなのに なぜ 今回
     琵琶湖から東京にやって来たのか

        その謎を突き止めるんや

     そうすれば おのずと
     越川の消息は つかめるはずや

    事件発生から すでに20日たってる

     気合入れて取り組んでくれ!
        (一同)はい!

           何だ? 松宮

      (松宮)今回の事件 先月16日
      新小岩河川敷で発生した

     ホームレス放火殺人事件と

     何らかのつながりが
     あるのではないかと思いまして

         ああ あの事件か 訳は?

     焼死体で見つかったホームレスも

      焼かれる前に首を絞められて
      殺されていたということが

      検視の結果 判明しました

    殺害方法が今回と一致しています

      (大林)絞殺だけで
      関連づけるのは安易だろ

         しかし 殺害日時も

         14日と16日と近いですし

       殺害現場も… 同じ荒川そば

     距離も5キロしか離れていません

       遠い 近いは個人の感覚だ
    それはそうですが…

       まだ何かあるのか?

      それでは 初動捜査が…

         松宮 まだ何か
         あるんやったら言うてみ

     ご承知のとおり
     殺害現場のアパートからは

     越川が何者かを示すものは
     見つかりませんでした

      しかし 1つだけ
      分かったことがあります

                 何や?
       その日暮らしです

    食べ物にしろ 雑貨にしろ
    備蓄してあるものは何もない

    何しろ 冷蔵庫もないんです
    9年も暮らしているのにですよ?

     ものだけじゃない 将来に対する
     夢や展望も感じられない

    まるで いつでも
    死を迎える覚悟があるかのよう

        この部屋は
        部屋であって部屋ではない

    まるで ホームレスの
    ビニールハウスのようでした

      分かった
      早急に双方のDNA鑑定をやろう

          ありがとうございます

     (奥村)贅沢する言うてましたよ

         (松宮)贅沢?
         (奥村)はい

    じゃあ 押谷さんは 贅沢をしに
    13 14は東京へ行くと?

    (奥村)そうです
        (坂上)贅沢の内容は何か?

    そこまでは…
    何せ 「明日から東京へ行く」

    「日曜日の夜には帰ってくるので
    職場には迷惑かけません」って

    何か楽しそうでしたけど なあ?
               楽しそう?

        それは 前々から
        計画してた感じでしたか?

         いや 急に決めた
         みたいな感じでしたけど

       (松宮)ということは
       誰かに偶然出会って

    東京行きを
    決めたってことですかね?

    (坂上)とにかく
    押谷道子の営業先を

    一つ一つ調べるしかないな

    こりゃ大変だぞ

    二手に分かれるか

    何見てんだ? お前

     解決するでしょうか?
    えっ?

    何でも飲み込んでしまいそうな
    琵琶湖を見てたら

    この事件 湖の底にある
    小石一つを探すような

    そんな複雑で
    捉えどころのないヤマ

    そんな気がして

         (携帯着信)

          はい 松宮
    (石垣)例の焼死体のDNAの件やが

           はい
     越川の部屋に残されていた

        DNAと照合したが
        焼死体とは別人や

              そうですか
      ええ推理やったけどな

    押谷道子が東京に向かった理由

      そこに事件解決の
      糸口があるはずや 頼むで

             はい

              はぁ…

              
      (塚田)もしかしたら201…

         (松宮)201?
       (塚田)はい 警察と

      トラブル起こして
      骨折しはったんですけども

       それが 名前も住所も
       全然 言おうとせえへんから

      警察の方も困ってしまはって

    で けがが治るまでっていう約束で

           うちで預かること
           なったんですけど

    その部屋が201号室やから 201さん

       もうとっくに治ってんのに
       すっかり居座ってしもうて…

    それで 押谷さんとは?

            あの日ちょうど

          ここを私と押谷さんが
          歩いてたとこ

      201さんが通りかかって

      そしたら押谷さん
      中学校時代の同級生の

       お母さんやないかって
       言いだして

      で これ幸いと
      声かけてもろたんですよ

         ほら 身元が分かればね

    身内の人に
    引き取ってもらえますやん

    それで ちょうど
    ここで食事してた201さんに

        押谷さんが 「浅居さん?」

        「浅居博美さんの
        お母さんですよね?」って

         声かけたら これがまた

       どえらいびっくりした顔して
       振り返って

    「ちゃうちゃう 人違いや!」
    言うて もう

    おかずから ごはんから
    味噌汁から

    もう 皆投げつけてしもうて

    もう 私もね
    ここ ぐっちゃぐちゃになってね…

       あの… そのことと
       押谷さんの東京行きは?

      その同級生の浅居博美さん

        舞台では有名な
        演出家の先生らしくて

     芝居好きの押谷さんからしたら
     自慢にもなるし

       
     一遍 会うて話してみたいなと
     思うてはったみたいで

     せやけど そんな覚えてるや
     覚えてへんか分からへんような

    昔の知り合いに訪ねてこられても

     向こうは
     迷惑なだけなんちゃうかなって

    ずっと 我慢して
    やったらしいんですけど…

      会いに行く格好の口実ができた

        201さん 201さん います?

       (厚子)ああ 何か用か?

         東京の刑事さんが
         お話聞きたいんですって

         (厚子)刑事?
      失礼します

          (厚子)入るな!
    浅居さんですよね?

            違う

      違うって何べんも言うたやろ!

        何べんも言ったというのは

           この人にですよね?

     さあな 忘れた

       押谷さん 先日 東京で
       首を絞められて殺されました

    (厚子)それが どうした?

     彼女 あなたのことで
     東京に行った可能性が高いんです

       東京には
       娘さんがおられるそうですね

    うるさい!
    知らん言うたら知らん!

    出ていけ! あほ!

      出ていけ あほ! 出ていけ

          あほ! あほ!

       (大林)浅居厚子 65歳

      現在 彦根市の老人ホーム
      有楽園に居候中

        その一人娘 浅居博美 40歳

       彦根市出身 演出家 元女優

       現在 東京浜町の明治座で
       5月14日から公演している

       「異聞 曾根崎心中」の
       演出を手がけている

     (平八)
     醤油屋平野屋の手代 徳兵衛や

       (お初)もう 疲れた

    遊女の私が幸せになんかなれへん

    (博美)何度も 何?

    (マネージャー)
    申し訳ありません でも

    事務所に
    警察の方がいらっしゃいまして…

    警察?

    (松宮)早速ですが
    この女性をご存じありませんか?

           中学の同級生だった
           押谷道子さんです

    すぐにお分かりになりましたね
          ええ 最近会ったんで

             いつ頃ですか?
        5月13日の夕方です

    ずいぶんと すらすら
    お答えになるんですね 普通なら…

      そのことを聞かれるだろうと
      思ったので

     押谷さん
     お亡くなりになったそうですね

    (松宮)ご存じでしたか
       ええ 記事で知りました

       信じられませんでしたけど

    (松宮)会ったときのことを
    詳しく聞かせていただけますか?

      あの日は 公演初日の前日で

      もう どたばたしてるときに
      急に訪ねてきて…

    《(道子)26年ぶりだっけ?
    全然 年取ってないね》

         《みっちゃんも》
    《ホント? フフフ…》

      《でも どうしたの? 急に》

    《実はね 滋賀の老人ホームに》

    《博美ちゃんのお母さんが
    いるかもしれんのよ》

    《あれは絶対間違いない》

    《で 確認して 引き取りに
    行ってもらえないかな?》

    《施設の人も困ってるし…》
           《お断りします》

    (松宮)訳は?
       私には 母親なんかいません

              中学の頃

       あの女は
       私と父を捨てて家を出ました

      《この世の中で
      人に金借りて返さへんのは》

       《泥棒と一緒や!
       どないなってんのや!》

    お金をすべて持ち出して 男に貢ぎ

    なくなると 持ち出した父の実印で

       莫大な借金までして

      あの女は 私と父の人生を
      めちゃくちゃにしたんです

    その後
    父は その借金を苦に自殺を

    よく分かりました
    それで 押谷さん

    別れた後は どうするか
    言ってましたか?

          その日のうちに帰ると
          でも 帰り際…

         《あっ 博美ちゃん
         明日のチケットって…》

    《ごめんなさい
    さすがに初日だから もう…》

           《そうだよね うん》

       《やっぱり帰るわ じゃあね》

        (松宮)そうですか

     では 最後に…

      (松宮)この似顔絵の人物に
      見覚えはありませんか?

              分かりましたすいません お忙しいところ

           いえ

        <人は嘘をつく>

        <自分を守るため>

        <誰かを守るため>

        <嘘は真実の影>

      <誰もが
      心に傷を抱えて生きている>

       <その傷を守ろうと>

             <人は 心に…>

              <ふたをする>

      で 何だ?
      俺に聞きたいことっていうのは

    あれだよ

          「異聞 曾根崎心中」?

        これ評判らしいな

     何だ お前?
     芝居なんか興味あったっけ?

          あれ?
       (松宮)演出の浅居博美

    何だ お前 知ってんのか?

           彼女に聞き込みで
           事務所に行ったとき

         恭さんの写真を見つけて

       どっかの道場で
       子ども達と一緒に写ってたよ

    日本橋署主催の
    剣道教室ってのがあってな

    その講師をやってた頃に

    彼女が連れてきた役者の卵達に
    剣道教えてたんだよ

    まあ もう何年も会ってないけどな

         どう思う? 彼女のこと

    うん… 美人だったよ
     いや そういうことじゃなくてさ

     例えば
     犯罪に手を染めるような人だとか

    何だ? 彼女 疑われてんのか?

       まあ 疑われてたんだけどね

        《遺体に付いていた
        ウジの生育状態などから》

        《犯行日時は 14日午後から
        15日午前中と断定された》

    《また 明治座社員や
    劇団関係者に裏を取ったが》

    《浅居博美は 13 14 15日と
    泊まり込みで作業をしていたため》

     《1歩も明治座から外へ出ていない
     犯行は不可能だ》

         なるほどな

    でも 何か 浅居博美とあの母親
    気になるんだよな

    心に傷を抱えてる雰囲気
    っていうのかな

       一度 彼女に
       何気なく言われたことがある

       《私 子どもを
       おろしたことがあるんです》

     《母性って
     母から子へと受け継がれていく》

    《バトンのようなものだと
    思うんです》

       《だけど 私には
       そのバトンが来なかった》

    《人殺しなんですよ 私》

       まあ 誰にだって
       心に傷ぐらいあるさ

    だから 人は
    一見するだけじゃ分からないんだ

          なるほど 越川と
          ホームレスの焼死体か

          (松宮)まあ DNA鑑定で
          はずれと分かって

           結局 赤っ恥だよ

        直感なんて
        当てにするものじゃないね

       そうか? 刑事なんて勘だろ

       鑑定に使われたのは 何だ?
              えっと…

      歯ブラシ かみそり
      古いタオルか?

            おお ご明察

     お決まりの
     DNA鑑定に選びそうなものを

    犯人がすり替えたって可能性
    お前は考えたか?

     ちなみに 俺なら考えるけどな

           ビンゴ!
           じゃあ…

      犯人に まんまとやられたよ

      シーツに残った僅かなDNAが
      焼死体と一致した!

         (一同の歓声)

         これで 2つの事件は
         完全につながった!

    ようやった 松宮

          (拍手)

     捜査員全員を戻せ
     1時間後に会議を行う

         (一同)はい
         (大林)さあ 急げ急げ

         時間は待ってくれないぞ

       松 何やってんだ 連絡しろよ

       時は金なり常盤橋 フフッ…
           はあ?

    笑っといてやれよ
        何ですか? 今の

    あのカレンダーの遺留品見て
    思いついたんだってよ

        ああ あの書き込み

          (坂上)また言ってるよ
     (松宮)何なんですかね? この橋

             
           日本橋界隈にある
           橋の名前なんだって

              今月は…

         6月 常盤橋

     (松宮)4月 一石橋 5月 柳橋

         6月 常盤橋…

         (松宮)あれ?

             (松宮)恭さん!

     おう 何やってんだ こんなとこで

          仕事だよ 恭さんも?

          俺は あれだよ

    あれって… あれ 乗るの?

       いいだろう?
       非番の日に何したって

      それは そうだけどさ

               食うか?
      あっ 重盛の人形焼き?

       ハハッ いただきます

             恭さんさあ…
            仕事って例のか?

       ああ… あっ 例のDNA
       恭さんの読みどおりだったよ

       やっぱりか これが
       ベテラン刑事の勘ってやつだ

       おかげで捜査が前進しました
       ありがとうございました

         所轄の刑事の意見も
         たまには役に立つだろ?

      人の手柄を横取りしたみたいで
      嫌だけどね

           それぐらい我慢しろ
           社会人なんだから

        じゃあ
         あれ? もう行くのか?

      時は金なり 常盤橋だからね

       おおっ!
       お前 おっさんになったなあ

      いや… いやいやいや
      俺のギャグじゃないよ

       大林主任が言いだしてさ
             あの人が?

    越川の遺留品のカレンダーに

     常盤橋とか 日本橋とか
     浅草橋とか 左衛門橋とか

    いろんな橋の書き込みがあってさ

    恭さん?

          痛っ! 何?
             詳しく聞かせろ

           はあ?
           カレンダーの話だ!

         じゃあ 離して…
              早くしろよ!

       じゃあ 離してくれなきゃ
       メモが見れないの

    ったくもう… ばか力め

                 早く!

    いや だから カレンダーに
    1月は浅草橋って書いてあって

    2月は左衛門橋 3月は…
           3月は西河岸橋か?

         4月は一石橋 5月は柳橋

         6月は常盤橋 7月 日本橋

           
        江戸橋 鎧橋 茅場橋 湊橋

              
               豊海橋か?

        どうして?

    (大林)見てのとおり 2つのカレンダーの橋の名前が 完璧に一致している

    また 筆跡のほうも
    科捜研に回したところ

    同一人物で間違いがない
    という回答だ

          加賀 説明を
              はい

            このカレンダーは

       16年前に亡くなった私の母の
       部屋に残されておりました

      《(康代)これ 全部
      引き取ってもらえるの?》

       《はい もし 連絡があったら》

      《私が 大切に保管してると
      お伝えください》

        《それと…》

        《百合ちゃんの生前の話も
        聞きたいって… ねっ》

      《はい》

       《あれ?》

     《(康代)何か書いてあるわね》

     《これ全部
     日本橋付近の橋の名前ですね》

     《(康代)やっぱり
     ここを待ち合わせの場所に》

          《使ってるようなこと
          言ってたわ》

    しかし 筆跡は 母のものではない

     恐らく 生前一緒に暮らしていた
     綿部俊一という男のものだと

        母の世話をしてくれていた

         宮本さんという女性が
         言っておりました

     つまり その綿部俊一という男が

       越川睦夫と
       同一人物である可能性が高い

               そうだな?
             はい

    (石垣)16年前に
    発見されたカレンダーが

    時を経て再びか…

     本件について 日本橋署にも
     協力を要請することになった

    今日から
    加賀にも 捜査に加わってもらう

      今のところ この綿部俊一を
      よく知ってる人間は

    その宮本さん
    ということになるんやが

    まだ ご存命か?

         はい 今も 仙台で
         元気に暮らしております

    宮本さん 今日 伺ったのは…

           綿部さんの顔を
           覚えてるかでしょ?

      たぶん大丈夫だと思うんだけど

       写真一枚でも残ってればねえ

      あの人 ホントに そういうの
      写りたがらない人だったから…

    そこで 今日は 写真ではなく
    似顔絵を用意してきました

    ここに 5人の似顔絵があります

    この中で 綿部さんに

       似てるものがあれば
       教えてください

    では…

     (康代)あっ… フッ 綿部さん

          顔の特徴もそうだけど
          何か 雰囲気も

         綿部さんが 年取ったら
         きっと こんな感じ

       綿部さん そのものです

      (松宮)綿部俊一から
      越川睦夫に 名前を変え

     最後は 首を絞められ
     焼死体となって発見される

     おばさんが 家を出ていった後

     仙台で
     こんな恋人ができたことを

      おじさん 知ってたのかな…

          さあな

               ここだ
            へえ

        こんな街に住んでたんだ

          海のそばで暮らすのが

        おふくろの夢だったらしい

     ちょうど新しくできた橋の先かな

     おふくろのアパートがあったのは

            アパート…

          この辺り 震災で…

      ああ 何もかも
      のみ込んでいっちまった

    (松宮)あのさ…
    おばさん どうして出ていったの?

         おじさんも 恭さんも
         何も話してくれないから

       覚えてるのは あの夏

     おふくろが 突然
     いなくなったってことだけだ

      剣道の夏稽古から帰ったら
      書き置きがあった

    《「探さないでください」》

    《「ごめんね 恭ちゃん」》

            《お母さん…!》

     あのとき 俺は 親父を恨んだよ
     心底な

     全部 親父が 家庭を
     顧みなかったせいだと思ってな

         それから18年

      おふくろは ここで
      ひっそり 一人で死んでいった

    《あんたみたいな男の女房に
    なってくれたのに》

    《幸せにしてやれなかったんだ》

    《せめて このおふくろの前で
    言い訳ぐらいしたらどうなんだ!》

        《(隆正)悪いのは… 俺だ》

     そのとき 初めて
     おふくろのことを俺に話した

      おふくろは 親父方の親戚と
      うまくいってなかった

    水商売の出身だからと
    ずいぶんな仕打ちを受けたらしい

    親父は 仕事で
    ほとんど 家にはいなかった

    子育てに 親戚のいじめ
    たった一人で抱え込んで

    おふくろは 精神的に限界だった

    俺が小学生だった ある日…

    《(百合子)うわ!! ああ!!》

         《(泣き声)》

    《ごめんなさい…
    私 どうかして…》

    それって… うつ病だったんじゃ…

     《(隆正)母親を恨んでるだろ》

       《それとも あわれんでるか》

    《どうでもいいだろ そんなこと!》

    《おふくろは
    たった一人で死んでいった》

    《誰にも みとられずに!》

       《あいつは 最期に
       お前に会いたかったはずだ》

     《分かるかよ!》
                《分かる》

          《俺が死ぬときには
          お前 そばに寄るなよ》

         《俺は 一人で死んでく》

        (松宮)だから 恭さんは

       おじさんをみとらなかった

       そんなことが あったんだね

       でも このヤマが解決すれば

         おばさんのこと
         何か分かるかもしれない

           そんな気がするよ

    死体とはいえ

    おばさんの恋人だった綿部は
    見つかったんだから

        はぁ… ああ

    あっ…? ああ!

      もしかして 恭さんが
      一課から日本橋署に移ったのも

      綿部を捜すため?
      あの似顔絵の男を捜してたの?

       おばさんの話を聞くために?

    日本橋署から ずっと動かないのもそういうことなの?

    いい年して 強烈マザコンだ

    うわ! おっ…
         12月 豊海橋だ

          ハハハ すごいな

      日本橋に
      こんな姿があったなんて

      今まで 気付かなかったよ

    うん でも 何なんだろうね
    それぞれの橋が竣工した月かな?
           

          それは調べたが
          全く一致してなかった

      そっかあ…

          で あれが 11月 湊橋

         (松宮)うん…

      ここから ずっと 首都高の下を
      進んでいくことになる

            (松宮)うん…

    で あれが 10月の茅場橋

         よく通るよ ここは

         9月の鎧橋だ

        (松宮)うん…

       8月 江戸橋
         (松宮)うん

     そして あれが… 7月 日本橋だ

    どうだ? 何か ひらめいたか?

         うん… 7月といえば

       七夕祭りとか ないのかな?
         ない

          だが 橋洗いならある
      橋洗い?

       毎年7月 デッキブラシなんかで
       日本橋を洗うんだ

       まあ
       47年続く 歴史的行事だな

        (松宮)詳しいね

          16年 通ってるからな

         おさむちゃん!
         いったん止めてください

         (藤沢)おう!

      (松宮)へえ
      ここをみんなで洗うのかあ

     (藤沢)
     大体2000人ぐらい来っからねえ

                2000人!?(藤沢)おう!

         2000人が
         あの橋を洗うんですか?

    おう! ほら これ 去年のやつ

              (松宮)あ

     あれ? 藤沢さんも その隣の人も
     みんな 電話してますね

    ハハッ
    橋で待ち合わせすんだけど

    この大人数だから どこにいるのか分かんなくなっちゃってさ

    この日も かみさんと
    待ち合わせしたんだけど

    もう どこにいるやら…

     《(松宮)
     綿部は 何かから逃れていた》

    《(康代)ここを待ち合わせの場所に使ってるようなこと言ってたわ》

    (松宮)何なの? これ
           橋洗いの写真だ

     手当たりしだい カメラマン 当たって
     過去の写真を集めてきた

    まさか 一枚一枚 探す気?
    顔も分からないのに

     まずは 似顔絵に似た人物を探す

     何人かピックアップしたら 次は

      綿部を知ってる人に見てもらう

     むちゃだって
     綿部が 橋洗いを

    見に行ったかどうかも
    分からないんだよ?

       この大人数なら
       逆に 密会には好都合だろう

    毎年7月の橋洗いで

    綿部は 誰かと会っていた

       加賀の母親の遺品から

     おもしろいことが分かったぞ!
        (石垣)どうした!

    鑑識で 時刻表のあるページにだけ

    集中的に指紋が残っていたことが
    判明したんです

    (石垣)仙石線 石巻線…
         (大林)はい

    (石垣)ここに 指紋が集中してるな

       (大林)特に この女川駅
    (石垣)女川…

      (大林)加賀の話だと
      あの似顔絵の男 綿部は

     電力関係の仕事をしていたと

       仙台の宮本さんが
       言っていたそうだ

     仙台から女川まで
     当時 1時間半で行き来ができた

        綿部は 女川原発で働き

      休みの日は 仙台に行って

       加賀の母親と暮らしていたと
       推測できる

     綿部 越川の名前は
     放射線従事者の登録にはなかった

      恐らく また
      違う名前を使っていたのだろう

         (石垣)特捜班は 全員
         元作業員に聞き込み!

     似顔絵の人物を知っとる者が

     必ず どっかに おるはずや!
         (一同)はい!

     (坂上)この方なんですけれども
     見覚えありませんかね?

       16年前に この辺りで…

       (松宮)野沢定吉 71歳

      生存者の中では 一番の古株で
      相当 顔が広かったらしく

     この人に聞けば 大体の作業員は
     分かるって話です

         意識不明…?

    (看護師)ええ…
    残念ながら 心不全で危篤状態で…

     ところで 浅居さんと押谷さん
     お二人の共通の知り合いで

    当時 40代ぐらいの男性に
    心当たり ありませんか?

              (昭子)40…
       はい

       (久美)先生… 苗村先生
               うん

      (浜野)ああ あの頃
      ちょうど40ぐらいやったもんな

    いじめのこともあったし
    浅居さんに 親身にしてはったやん

    ほら 転校していった後も
    みんなに 励ましのメッセージ書かせて

         持ってったりとか
             (浜野)せやせや

    その苗村先生ですが

    あの 連絡 取れますかね?
    お話 聞きたいんです

               それが…

           蒸発してしもうて…
         蒸発?

     (浜野)
     どこ行ったか 分からんのですわ

    先生の写真あります?
    ほら あの… 卒業アルバムとか

        あっ ありますよ
        ちょっと待ってくださいね

           はい

       浅居博美さんが
       転校したときのこと

     何か心当たり ありませんかね?

      (久美)確か
      いつの間にか いなくなって

     後から 先生に 事情 聴いたんと

             
              違うたかな?
        そうそうそう…

     いつの間にか いなくなった?

       (久美)はい まあ 今思うたら

       お父さん亡くなって
       大変やったんかもしれんけど

    そうそうそう…
    タワービルから飛び降りて

       せや 先生から
       聞いたとき びっくりしたわ

            (浜野)ありました

        これが 苗村先生ですわ

     で こっちが その6年後の同窓会

         これ 苗村先生ですか?(浜野)ええ 別の人みたいでしょ?

    ちょっと見てほしいんですが…
                  はい

    この男に 見覚え ありませんか?

    さあ…
        もしかして 苗村先生…?

    (久美)
    え? ちょっと違うんやない?

      (浜野)まあ 25年もたてば
      顔だちも変わるからなあ

      (昭子)いやいや いやいや
      何となく似てるって

      ほら もう この暗い顔…

            (加代子)蒸発…!?
      はい

        不倫して
        うちを出ていっただけです

      不倫?

    あの… 相手は?

             何度 聞いても

        申し訳ないが別れてくれの
        一点張りで…

        そんなことが 1年続いて…

            もう だめかなと
            諦めかけたとき…

    何があったんです?

        クレジットカードの履歴に

     50万もするルビーのペンダントが
     あったんです

    調べたら
    私が好きな十字架のペンダントで…

     てっきり クリスチャンの私に

       買ってくれたものだと思って
       待ってたのに

             問い詰めたら…

      (マネージャー)
      すみません ちょっと連絡が…

    たぶん 上の自宅にいると思うので呼んでまいります

        もう少々 お待ちください全然 全然 ごゆっくり

     (カメラのシャッターを切る)

       何してるんですか?
       うわっ びっくりした

       ご自宅にいたんじゃ?

          奥の部屋にいたんです

             で 何を?

    恭さん…
    いや 加賀さんのこんな顔

    なかなか見れないので 記念に

         加賀さんと
         お知り合いなんですか?

    知り合いというか
    腐れ縁というか…

    今 滋賀に行ってるんです
    押谷さんのことで

      今日は 押谷さんについて

     2 3確認したいことがありまして
     伺いました

       急を要しておりまして

            申し訳ありません

         (携帯着信)

     《(苗村)
     博美 子どもをおろしたのか?》

     《(苗村)
     何で 勝手に そんなことした!》

      《ようやく 役をもらえたの》

    《今 子どもなんか
    産んでる場合じゃないの!》

     (松宮)苗村の
     クレジットカード履歴にあった

       ブルースタージュエリーショップに
       写真を見せたところ

      間違いなく うちの商品だと

      この男は 浅居博美の不倫相手

            苗村誠三です!

     恐らく 浅居は 押谷道子に

     不倫の過去をゆすられたか何か
     されたのでしょう

     そこで 浅居は 苗村に相談し
     押谷を殺害させた

     しかし その後 2人は仲間割れし

         浅居は 苗村の首を絞め

      証拠隠滅のために 火をつけた

         なるほどな
       松宮

    すぐ 仙台に行って 裏取ってこい
               はい

    (松宮)この方なんですが…
    綿部俊一さんじゃありませんか?

          えっ… あっ いえいえ
          もう 全然 違います

        全くの別人です
               別人…?

     (登紀子)
     今回は どんな事件なんですか?

              えっ?

     何だか 加賀さん
     いつもと違うような気がして…

          やっぱり 鋭いですね

       今回の事件と向き合ってると
       どうも 心が乱れるんです

         死んだおふくろのことが
         絡んでるんで

         お母様が?

     まあ
     刑事が公私混同するんじゃないと

    死んだ親父に言われますね フッ…

         今も 俺になんか
         興味ないでしょうけど…

      まだ そんなふうに
      思ってるんですか? あなた

      あなたが知ってる親父は
      死ぬ間際の弱ったいい親父です

     俺が知ってる親父とは別物ですよ

              じゃあ

    (松宮)いけると思ったんだけどね

         しかたない
         捜査は むだ足の連続だ

       しかしな そもそも

       この苗村を焼く前に
       首を絞めて殺したのが

       浅居博美というのは
       引っ掛かる

    この犯行は 女には難しい

     でも
     薬を使って眠らせれば可能だよ

      だが その後
      わざわざ 死体を焼いてるんだ

    首を絞めて殺さなくても 眠らせてそのまま 火をつければいいだろう

    確かに…

      それに 最初から
      苗村じゃないような気がしてた

    えっ?

         …というより 願望だな

    教え子と不倫して すべてを捨てて逃避行するような男に

       おふくろがほれたと
       思いたくなかったんだ

            マザコンだからな

         お疲れさま
       (警官)お疲れさまです

        (登紀子)あなたは
        お父様のホントの気持ちを

           いまだ理解してない
           ばか息子です!

          はあ?
     (登紀子)お父様は亡くなる前

      ご自分が助からないと知っても
      取り乱すことなく

      むしろ そのときを
      楽しみにしてる様子でした

      《怖くないんですか?》

         《あの世に行くのがか?》

        《いいや
        楽しみで しかたがないよ》

    《あそこからなら 好きなだけ
    あいつを眺めていられる》

      《肉体なんて邪魔なだけだ》

          《これ あいつには…》

      《はい》

              じゃあ

      <親父が そんなことを…>

     <大体 何なんだ? この事件は>

     <おふくろのこと 親父のこと>

     <いちいち 俺に思い出させる>

     <俺は… 俺は 何で 16年間も
     この街で綿部を捜したんだ?>

     <そうさ
     どうしても知りたかったんだ>

      <おふくろのその後の人生は
      少しでも幸せだったのか?>

     <彼女は 最後に
     俺に会いたいと思ったのか?>

      <それだけが知りたかった>

     <だが それを知ってる綿部は
     焼かれて>

      <真っ黒なすすの塊になって
      見つかった>

      <この殺された似顔絵の男は
      誰だ?>

      <そして 殺したやつは?>

         <浅居博美…>

     <そう 彼女は
     必ず このヤマに関わっている>

       <これは 刑事の勘だ>

        <だが 動機は?>

     <何かが見えそうで見えない>

    <何か
    重大なことを見落としてるはずだ>

       <関係者については
       徹底的に調べたか?>

       <押谷道子の周辺は?>

      <親族 友人 職場関係
      すべて 徹底的にやったさ>

     <問題の浅居博美は どうだ?>

       <父親は飛び降り自殺
       母親は老人ホーム>

      <ほかの関係者にも
      すべて アリバイがあった>

       <あの不倫男 苗村の
       元奥さんは どうだ?>

      <動機はあるが
      これも アリバイがあった>

       <綿部俊一は どうだ?>

     <仙台で恋仲だったおふくろは
     もう死んでる>

     <その関係を恨む立場にあった
     親父も すでに死んでいる>

        <あとは 誰だ?>

      <まだ調べてないのは…>

          <俺…>

        俺か!

     <この事件は
     俺の過去と関わりが強すぎる>

       <宿命? いや むしろ>

      <俺の人生にまつわる事件と
      いっていい>

    <もしかすると カギは俺なのか?>

     <そう仮定して 推理してみよう>

     <浅居博美 押谷道子 綿部俊一>

      <この3人は
      1本の線でつながっている>

      <浅居博美の同級生だった
      押谷道子は>

       <おふくろの恋人だった
       綿部の部屋で殺された>

       <その綿部の恋人だった
       百合子の息子が俺>

       <そして 実は
       ここも知り合いだった>

     <剣道教室でたまたま知り合った
     浅居博美が>

    <押谷道子を介して
    おふくろの恋人とつながっていた>

      <これは単なる偶然か?>

    <いや
    元剣道全日本チャンピオンの俺に>

    <わざわざ
    素人の中学生を教えてもらうか?>

      <ほかに教えるやつなんて
      たくさんいただろう>

     <だとしたら… ちょっと待てよ>

     <彼女は 俺に会いに来たのか?>

    <じゃあ なぜ 俺に会いに来た?>

      <なぜ 見ず知らずの俺に
      あんな告白をした?>

    《人殺しなんですよ 私》

        <彼女は 何で…>

      <何で 俺に会いに来た?>

     <ちなみに 逆なら どうだ?>

     <俺が わざわざ
     浅居博美に会いに行くとしたら>

        <その理由は?>

     《私達にとって
     聖地のような場所なんです》

     《(隆正)
     あそこからなら 好きなだけ》

     《あいつを眺めていられる》

      《肉体なんて邪魔なだけだ》

    <もし…
    もし そんなものがいるとしたら>

      <お前は会ってみたいか?>

           ああ

          会いに行く

     ホント すいません ご自宅まで
     押しかけてしまいまして

    あまり時間がないので
    手短にお願いします

     ええ 10分で終わらせますから

           ほう これは すごい

           白い壁は嫌なんです

        ずっと閉じ込められていた
        養護施設を思い出すので

       お先に

         金森さんって
         おっしゃいましたっけ?

       はい
           あなたも刑事さん?

    いや 別の部署の者です

    女性の部屋に男が1人で
    訪ねるわけにはいかないんで

               そうですか

                それで?

    8年前の橋洗いです

      毎年 見物されるんですか?

                いいえ
    このときは どなたかと一緒に?

      1人です たまたま通りかかって

    この人と 携帯を通して
    話してるようにも見えるんですが

    これは 以前
    私が取材を受けた雑誌です

         見覚えは?

               ええ
    16年前…

    母が死んだことを知らせる手紙が
    届きました

     宛先は 当時 私が
     1人暮らしをしていた住所でした

      母も知らないはずの住所を
      どうやって調べたのか

    送り主に尋ねると
    綿部という男から聞いたと…

    もしやと思って この雑誌の
    出版社に問い合わせてみたんです

    すると 確かに 16年前 私の住所を聞いた人がいたそうです

    ところが
    それは 綿部ではなかった

     《(編集者)
     いやあ きれいな方だったし》

       《演劇好きの私には
       ちょっと 自慢でね》

     《それで よく覚えてるんですよ》

    《演出家の
    浅居博美さんという方です》

        
    《何でも 殺陣が題材の舞台なので》

    《なるべく強い選手に
    取材したいからって》

     5年前 あなたは 子役を連れて
     私のところに やって来た

     そのさらに11年前
     すでに 私の住所を調べていた

       綿部に知らすために
       違いますか?

                違います

        綿部なんて人 知りません

         本当に 取材が目的で…

      取材? されてませんけど

        ええ 確か 16年前のときは

          舞台の題材が変わって
          取材が取りやめに…

    じゃあ なぜ 私だったんですか?

               それは…

    たまたま
    本屋さんで この雑誌を見つけて…

       この雑誌 あなたが
       私の住所を問い合わせたより

        3年も前のものなんですよ

       (登紀子)あっ ごめんなさい

    すいません あの…

    洗面所をお借りしても
    よろしいですか?

                どうぞ
    ごめんなさい すいません

    すいません

    先日
    滋賀の同級生にお会いしました

    色々 話を聞いてると
    不思議なんです

    あなたが転校したときのこと

    皆 あまり
    覚えておられないようで…

             そうでしょうね

         父が亡くなって
         お別れのあいさつもなく

         養護施設へ移ったので…

    しかし お父さんが
    自殺されたことは よく覚えてた

      ビルにまで
      連れてってくれましたよ

    ところが それは 単なる噂でした

    あのビルから
    誰かが飛び降りたなんて記録

    どこにも残ってないんです

    それなのに 皆が そう信じてる

           私にも分かりません

         でも 父が飛び降りて
         亡くなったのは事実です

     どこで?

      正直… よく覚えてないんです

           動揺もしてましたし

       その後は あれよという間に
       養護施設に連れてかれて…

             率直に聞きます

       あなたのお父さんは
       ホントは もっと別の場所で

        違う死に方を
        したんじゃないんですか?

     同級生達は先生に聞くまで
     あなたの転校には気付かなかった

     それは あなたが
     元々 学校に来てなかったからだ

    借金取りから逃げるため
    あなたとお父さんは夜逃げをした

    苗村先生は あなた方の夜逃げを
    知っても黙っていた

    恐らく 夜逃げの印象が付くことを恐れて 配慮したんでしょう

    だから 先生は
    お父さんの死亡を知っても

    近所のビルから飛び降りたと
    嘘をついたんだ

            あなたのためにね

     ハハッ…

    あなたのことだから
    父がどこで自殺したのか

    もう調べてるんでしょう

        でもね もし 加賀さんの
        推理どおりだったとしても

        私は 罪に問われますか?

            経歴詐称?

    特に 何の罪にも
    問われないでしょうね この場合は

          だったら 何が問題?

        死ぬ間際
        ある人が言ったそうですよ

    子供の今後の人生を
    あの世から眺められると思うと

    楽しみで しかたがない

    そのためなら
    肉体なんか失ってもいいと

    親ってのは 子供のためなら

    自分の存在を
    消せるのかもしれない

           そう思いませんか?

    そろそろ お引き取り願えますか

             (登紀子)これ…

    変なことに
    つきあわせてしまいましたね

            いえ

         (携帯着信)

      (松宮)野沢さん 回復したよ

      そうか それで
      見てもらったか? 似顔絵

     それが… 綿部でも越川でもない

        
      横山一俊だって言うんだ

        横山一俊?

          一俊…

    その名前が 放射線従事者の
    リストにあるはずだ

    すぐに 本籍地と写真を入手しろ!

            いや でも…
    横山一俊と綿部の名前

    書いて 見比べてみろ

      (松宮)綿部俊一 そして
      今回 新たに分かった名前

    横山一俊を漢字で書いてみると…

       (どよめきが起こる)

    横山は 下の名を入れ替えて
    この偽名を作ったと推測できます

    さらに この綿部という名前ですが

    調べたところ 震災前に女川町には

    ワタベ配管という下請け業者が
    ありました

     横山も
     いっとき雇われていたようです

          それで 綿部俊一か…

      放射線従事者のリストによれば

           横山の当時の住所は
           名古屋市熱田区

    結婚歴と離婚歴が2度ずつで
    本人の写真については

    愛知県警に問い合わせており
    まもなく届くと思われます

      何? 分かった 追って指示する

      尾行班からです 浅居博美が

    東京駅から
    東海道新幹線に乗ったようです

       (石垣)東海道新幹線?
         (大林)はい

        それから もう一つ
        本日午前 加賀が

     浅居の自宅を訪ねたそうです

        それも 女を連れて
        (石垣)加賀が?

         松 何か聞いてんのか?いえ…

      今すぐ あいつに連絡を取れ!

             (石垣)加賀!

       すべて ご説明しますが

        その前に
        提案したいことがあります

           DNA鑑定による
           親子関係の確認です

     (大林)
     どういうことだ? 親子関係って

     5年前 私の元を浅居博美が訪れた

         それは偶然じゃなかった

     私は その似顔絵の男 綿部を
     16年間も捜しました

        母親の恋人だった男に
        一目会いたかったからです

      しかし その綿部は死んでいた

    もし 綿部に子供がいたとしたら
    きっと 私は会いに行ったでしょう

     浅居博美も
     それと同じことを考えたんです

       …ちゅうことは 綿部が

        浅居博美の父親
        浅居忠雄ちゅうことか?

             はい

       そうなれば
       すべてのつじつまが合います

      (大林)おいおい おいおい

        ハチャメチャなこと
        言ってんじゃねえぞ!

     浅居博美の父親は 26年前に
     飛び降りて死んでんだよ!

        滋賀の何とかビル

       (警官)ナガハマタワービルから
       浅居忠雄さんが

     飛び降りた記録は残ってません
     しかしですね 同じ時期

       石川県の能登で
       飛び降り自殺してるんですよ

        能登署管内に 浅居さんの
        死体見分調書がありました

    もちろん 写しをとってあります
    持ってきますんで お待ちください

     (大林)
     ほれみろ! 場所は違ってても

       26年前に
       現に死んでんじゃねえか!

     それも 彼女のついた嘘なんです

       綿部俊一や押谷道子の
       殺人だけじゃない

      この事件の秘密は もっと昔

      26年前にさかのぼります

    (石垣)分かるように説明してくれ
    26年前に何があったんや?

     推測できる範囲 お話ししますが

    しかし
    この親子の真実を知ってんのは

       浅居博美ただ一人です

      (厚子)何や お前
      何 勝手に開けてんのや!

     おい コラ! 何とか言わんかい!

      何 勝手に入ってきてんのよ…

    一応 覚えてるようやな

    捨てた子供の顔ぐらいは

    あんただけは許せへん

    恨んでも憎んでも足らんわ!

     出ていくだけやったら まだええ

           男に貢ぐために…

         お父ちゃんの実印で
         ようさん借金こさえて…

          あんたの淫乱のせいで
          お父ちゃんはな…

           お父ちゃんは…

    あんただけは地獄に落ちてもらう

    お父ちゃんが味わった以上の
    地獄にな

          《おらあ!》
      《離して! ああ!》

         《おい! 娘おったで!》
          《離して! 離して!》

    《しゃあないな 金ないんやったら》

      《この子に作ってもらわんとな》

        《お父ちゃん!》
              《連れてけ!》

             《お父ちゃん!》
       《(忠雄)博美!》

      《嫌ー!》
             《ほら 来い!》

    《やめてください!
    娘は関係ないんです!》

        《家族は助け合わんとな!》

      《やめてよー! 離して!》

    《こっちこっち… 早く早く!》
             《お巡りさん!》

      《(パトカーのサイレン)》

      《明日 必ず金を用意します!》

            《お願いです!》

               《行くぞ》
         《おう》

      《(パトカーのサイレン)》

        《お父ちゃん…》
              《(忠雄)ん?》

    《これから どうなるの?》

      《(忠雄)昔 延暦寺の坊さんは》

    《時の将軍 足利義教に対抗して》

    《本堂に火をつけて
    自決したそうだ》

        《よくそんなことが
        できるよなあ…》

           《同じ死ぬにしても》

           《お父ちゃんなら
           ほかの方法を選ぶ》

       《焼け死ぬなんて
       考えただけでもゾッとする》

             《博美…》

     《お父ちゃん
     お前のことだけは絶対守るから》

           《怖がらなくていい》

           《お父ちゃん 怖いよ
           早く行こう》

             《お父ちゃん?》

    《ねえ お父ちゃん!》

    《博美 腹減ったろう?》

    《今夜は贅沢しよう》

      《さあ 行こう 行こう…》
              《えっ?》

     《(忠雄)お一人なんですか?》
         《(横山)そう》

      《次の仕事に向かう途中
      ちょっと寄り道したわけ》

          《ほら》
            《いいえ 私は…》

       《いいじゃない ほらっ》

      《ほらっ》

      《あの… 仕事先っていうと?》

      《原発》
             《原発?》

    《原子力発電所》

    《この前までは若狭にいたんだ
    美浜の定期点検でね》

    《で 来週からは福島》

    《日本中の原発を渡ってる
    原発渡り鳥さ ハハハ…》

            《そうですか》
    《うん》

      《(忠雄)
      お宅には いつ帰るんですか?》

       《家族もお宅もないよ》

       《名古屋の住民票だって
       どうなってるか…》

    《そんなふうでも
    雇ってもらえるんですか?》

      《(横山)ああ これがあればね》

          《(忠雄)横山一俊さん》

                 《はい》

    《これは
    誰でももらえるんですか?》

          《住民票があればね》

    《その仕事
    私にも紹介してもらえませんか?》

    《仕事 探してるんです
    お願いします》

         《だめだね》

     《あんたを連れてけば
     俺が切られるかもしれないだろ》

              《1410円です》

    《(横山)いくつ?》
           《14です》

    《へえ 大人びてるねえ…》

    《バイトしない?》

    《ここの駐車場に
    ブルーのワゴンが止めてある》

    《後で遊びにおいで》

    《お小遣いあげるから》

     《こんなに高そうなところ…》

    《私 駅とか公園でいいのに》

        《金のことは心配ない
        もう大丈夫になったんだ》

              《何で?》

         《何でもだ》

    《さあ 久々の風呂だ
    博美ものんびりつかってきなさい》

    《待って! 本当にお風呂?》

          《当たり前だろ?》

           《ハァ ハァ ハァ…》

    《よう! 来ると思ってたよ》

    《どうせ借金取りにでも追われて
    逃げてきたんだろ?》

       《訳ありの人間ってのは
       空気で分かるんだ》

      《バイトって どのくらい?》

      《たっぷりさ》

        《入んな? 来いよ》

       《ほらっ おう 来い》

        《おいで ほら!》

          《ほら》

          《来な》

        《おいで》

     《(忠雄)ハァ ハァ ハァ ハァ…》

    《ハァ ハァ ハァ ハァ…》

    《博美!》

        《お父ちゃん!》

    《(忠雄)
    博美! お前 どこ行ってたんだ!?》

     《ううっ…》

       《お父ちゃん…》

       《私 お箸で…》

                《えっ?》

      《お箸で…》
            《お箸?》

         《何があった?
         何があったんだ!? 博美》

        《(博美の泣き声)》

    《(忠雄)博美!》

             《お父ちゃん!?》

     《お父ちゃん!》

     《待たせて悪かった》
            《あの人は…?》

         《(泣き声)》

         《いいか?》
            《ううっ…》

    《いいか?
    よく… よく聞くんだ!》

    《今すぐ
    このバッグを持って宿に帰れ》

    《そして このハンカチを外すんだ》

    《あの横山ってやつの
    指紋を付けておいた》

    《そして 朝になったら
    旅館の人に言うんだ》

    《夜中のうちに
    お父さんがいなくなったって》

       《お父ちゃん どうすんの?》

    《あいつの車で福島に行く》
             《福島…?》

    《肝心なのは ここからだ》

      《今さっき
      あいつを あの崖から》

      《お父ちゃんの服着させて
      落としてきた》

       《いずれ死体があがって
       騒ぎになるだろう》

      《博美は 警察に呼ばれて
      死体を見せられる》

       《そしたら こう言え》

       《お父さんに
       間違いありませんって》

            《それって…》

    《お父ちゃん 自殺したことにする》

    《本当は 今夜 お父ちゃん》

    《あの崖から死ぬ気だった》

    《けど…
    博美のおかげで命拾いした》

    《博美は
    施設に入ることになると思う》

    《けど 逃げ回っているより
    マシだろ?》

         《お父ちゃんは…》

     《他人のふりして生きていくの?》

    《ああ 今日から…》

    《あいつ 横山一俊になる》

         《もう会えないの?》

     《うう… 嫌だ! そんなの嫌だ!》

    《博美!》

    《お父ちゃんの願いは
    博美が幸せになることだけだ》

    《それ以外のことは
    どうだっていい》

    《博美が 屋根の下で暮らせて
    学校に行けて》

    《好きで好きで
    たまらないものを見つけて》

    《それを仕事にして…》

    《夢を持って生きていくんだ!》

    《それで いつか好きな人ができて》

    《幸せになって…》

         《(泣き声)》

    《手紙を書くから…》

    《お父ちゃんの名前は
    だめだから…》

         《近藤今日子》

    《博美は近藤真彦とキョンキョンが大好きだろ?》

    《だから 近藤今日子だ》

     《ごめんなさい 私のせいで…》

         《約束してくれ
         必ず幸せになるって…》

    《さあ もう行け
    急いだほうがいい》

    《さよなら 博美》

        《(博美の泣き声)》

      《お父ちゃん! お父ちゃん!》

    《お父ちゃん! お父ちゃん!》

    《お父ちゃん…》

        《(博美の泣き声)》

    《びっくりした きれいになったな》

            《お父ちゃん…》

         《(泣き声)》

      《泣いちゃだめだ 泣いちゃ…》

     《田島百合子さん 素敵な人だね》

      《結婚しないの?》
    《ヘヘヘ…》

    《いまさら目立つことは
    したくないよ》

    《それより 博美は?》

    《いい人いるのか?》

               《ううん》
        《うん?》

    《博美なら大丈夫だ
    絶対幸せになれる》

    《(苗村)浅居博美さんの
    お父さんですよね?》

    《どういうことか
    説明してもらえますか?》

        《(電話のベル)》

          《先生?》
        《(忠雄)博美》

      《お父ちゃん?》

    《レンタカーを借りてくれるか?》

    《遠くに運びたい荷物があるんだ
    すぐに》

       《いいけど…》
        《それからな》

      《もう ホテルはだめだ
      別の手を考えよう》

          そこで考えたのが
          例の12本の橋です

            特に 7月の日本橋

    あの大人数で行う 橋洗いのときは

      必ず会っていたでしょう

      また 違う月の橋でも
      川越しに携帯電話で話せば

     はたから見れば
     2人が会ってるとは思いません

        (大林)なるほど

      でも なぜ
      日本橋界隈だったんだ?

         あの親子にとっての聖地

        明治座があるからでしょう

      浅居博美は 演出家として

     再び 明治座の舞台に戻ることを
     夢見ていました

      それが ようやくかなった

    それまで 鑑賞を控えていた忠雄も

       今回ばかりは別でした

        しかし その日は…

    もう一人 特別な観客がいたんです

         押谷道子です

     調べたところ 当日券が
     数十枚 売りに出されていました

    押谷が 急きょ 1泊することにした理由もこれでしょう

     自殺した男がいるわけですから

    まさかと思い 幕の後 声をかけた

          これは 明治座の
          防犯カメラの映像です

     ここに 押谷道子に声をかけられ

      驚いて振り向く
      浅居忠雄が写っています

    自分の存在を知った押谷を
    そのまま帰すわけにはいかず

      忠雄は 自分のアパートに誘い

              犯行に及んだ

      (石垣)分かった 明日
      DNA鑑定の結果が出しだい

      浅居博美に任意同行を求めよう
          (松宮)待ってください

    恭さん 押谷道子の殺害については分かった

    でも 浅居の父親 この浅居忠雄を

      焼く前に首を絞めて殺したのは
      一体 誰なんだ!?

              浅居博美だ

    それ以外 考えられないだろうな

      でも 恭さんの推理が事実なら

       2人は
       とてつもない経験をした親子

           鋼の絆だったはずだ

            だから… こそだ

          ここは 演出家だけが
          入れる部屋なんですよ

            それは光栄だな

               どうぞ

    DNA鑑定の結果 出ました?

               はい

        99.9パーセント 親子だと

    よく あの焼死体と私が親子だと
    気が付きましたね

          5年前 あなたが
          私に会いに来なければ

        分からなかったと思います

      恐らく 迷宮入りしたでしょう

    それでも 後悔はしていません

    あの日 あなたに初めて会ったとき

     不思議ですけど 確信したんです

     父が愛した人は
     きっとすばらしい人だったって

       救われた気がしました

      父の人生は 悲劇なんかじゃ
      なかったって思えて

          (ブザー)

      どうして父を殺したのか

     それが知りたいんでしょう?

              はい

     《(忠雄)旅に出ることにした》

     《しばらく会えないと思う》
          《そう》

      《紙袋を柱の陰に隠すから
      後で回収してくれ》

          《博美》

    《もうちょっとだけ
    そっちに寄ってもいいか?》

            《いいけど…》

    《(忠雄)よかったな 博美》

    《明治座の舞台 すばらしかった》

              《ありがとう》

    《頑張れ 博美》

    《悔いのないよう 精いっぱいやれ
    幸せになれよ》

              《うん》

     そのとき
     一度しか見せたことがない表情

     あのときと同じ表情をした父に

         胸騒ぎがして

       後を追いかけたんです

               《博美》
      《何やってるの?》

          《何でついてきた!?
          誰かに見られたら…》

    《どういうことか説明して!》

       それから父は
       すべてを告白しました

    押谷さんに見つかって
    アパートで殺してしまったこと

       それと もう19年も前に

       苗村先生を殺したこと

          《嘘…》

    《(忠雄)ごめんな
    あいつと つきあってたんだろ?》

    《でもな 俺が》

    《浅居忠雄が この世に
    存在してることがばれたら》

    《何もかも終わりだ》

    《お前の未来は俺の宝だ》

    《それだけは失いたくなかった》

    《ここなら 誰にも
    迷惑かけずに済む》

    《指紋も顔も残らないように
    火をつけて死ぬから大丈夫だ》

      《やめてよ
      死ぬなんて冗談でもやめて!》

    《いずれ
    押谷さんの遺体が見つかる》

    《警察は 越川睦夫という男を
    捜すだろう》

    《もうこの年だ
    逃げ切れるわけない》

          《私が隠してあげる!》

         《絶対見つからないとこ
         見つけてあげるから!》

       《無理だ》
           《そんなことない!》

      《疲れた》

     《もう疲れた》

    《26年 逃げ回って》

    《身を潜めて生きてきた》

    《もう逃げたり
    隠れたりする生活には疲れた》

    《楽になりたい 楽にさせてくれ》

     《このとおりだ》

             《お父ちゃん》

    《今日までの人生
    楽しい思いもたくさんできた》

    《博美のおかげだ》

       《必ず…》

    《必ず幸せになれよ》

      《(忠雄)よくそんなことが
      できるよなあ…》

    《同じ死ぬにしても》

    《お父ちゃんなら
    ほかの方法を選ぶ》

       《焼け死ぬなんて
       考えただけでもゾッとする》

    《お父ちゃん》
               《行け!》

          《行かないと言っても
          火 つけるぞ!》

        《(忠雄)来るな!》

               《来るな!》

        《(忠雄)来るな》

    《来るな…》

         《ごめんね》

         《私を守るために》

      《たくさん
      つらい思いさせちゃったね》

    《でも 大丈夫》

    《今度は 私が父ちゃんを守るから》

          《博美》

            《言ってたよね?》

     《「焼け死ぬなんて
     考えただけでもゾッとする」って》

      《そうだったな》

              《お父ちゃん》

           《今までありがとう》

      《ありがとう 博美》

               もうすぐ

             幕が下りますね

      ええ

    やっと下ろすことができます

    長い悲劇でしたけど

           
         (お初)早う!
         (徳兵衛)お初!

             (お初)徳さん…
            (徳兵衛)お初ー!

          (拍手)

     これは

    父が死ぬ前に残した
    あなた宛ての手紙です

                私に?
       ええ

    こっそり投かんして
    あなたに届けてほしいと

       (忠雄)「拝啓 私は」

      「あなたのお母様に
      生前 大変お世話になった」

      「綿部俊一という者です」

       「余命僅かな
       老いぼれとなった今」

    「生前の彼女が
    どんな思いでこの世を生きたのか」

     「それをあなたにお伝えしたく
     筆を執らせていただきました」

      「百合子さんは 恐らく
      うつ病を発症していました」

     「死ぬことばかりを考えては」

     「かわいい一人息子の寝顔を見て
     踏みとどまる日々でした」

    「ところが
    とんでもないことが起きたのです」

       「仕事で 旦那さんが」

     「何日も帰らない日々が続いた
     ある夜」

     《母さん?》

     「自分は あのとき 包丁で
     何をやろうとしていたのだろう」

       「単なる自殺ならいい」

      「だが もし
      息子を道連れにしていたら」

     「そう思うと 夜も眠れない日が
     続くようになり」

     「家を出ることにしたのです」

       「私は 上京したときに」

     「あなたが剣道の大会で
     優勝されたことを知りました」

    《(百合子)あの子》

    《まだ剣道を…》

            《いや これは…》

    《私には
    持ってる資格がありません》

               《でも…》
       《私は》

    《あの子の成長を見守る喜びも》

      《未来を一緒に夢見る幸せも
      手放したんです》

       《私は 弱い母親でした》

    《でも 恭一郎は違います》

    《これから もっと立派になる》

    《父親と私の想像さえも超えて…》

    「ぶしつけながら その剣道雑誌を
    ここに同封させていただきます」

      「あなた様のご多幸と
      ご活躍をお祈りして 敬具」

      「綿部俊一 加賀恭一郎様」

 

映画「祈りの幕が下りる時」ネタバレ感想やあらすじまとめ

 

 

そんな、映画『祈りの幕が下りる時』のネタバレを感想を詳細に掲載していますので、ぜひご覧くださいね。

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