【絆のペダル】ネタバレ感想:母のため生体肝移植をして日本一になった宮澤崇史実話の感動物語【相葉雅紀/24時間テレビ42スペシャルドラマ】

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2018.09.19

2019年8月24日、24時間テレビ42のドラマ枠で相葉雅紀主演のスペシャルドラマ『絆のペダル』が放送されます。

ロードレーサー宮澤崇史の挑戦と、それを支え、信じ続けた母:純子の親子の実話をもとに作られたストーリー。

こちらの記事ではスペシャルドラマ『絆のペダル』のネタバレや感想とあらすじを紹介していきます!

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「絆のペダル」あらすじと感想やネタバレ

 

「絆のペダル」のあらすじ

最も過酷なスポーツとも言われる自転車競技・ロードレース。そんな世界でトッププロとして活躍した宮澤崇史(相葉雅紀)は、多くの困難を乗り越えてきた選手でもあった。
1992年、崇史(高橋恭平・なにわ男子)は、テレビでツール・ド・フランスを見て「自転車の選手になる」と宣言。崇史の母・純子(薬師丸ひろ子)は息子が『夢中になれる』何かを見つけたのではと直感し、全力で応援していこうと心に決める。

高校卒業後、崇史はプロ自転車選手の道へ進む。母と共に苦難を乗り越え、正に“自転車で日本一になる”という崇史の夢がかなうまであと一歩となったその時、純子が肝臓の病気で倒れてしまう……。
このままだと余命が1~2年であると宣告された純子を救う唯一の方法は生体肝移植だけであった。崇史は、真っ先に自分の肝臓を提供すると医師に告げる。しかし、移植手術を受けることは崇史の自転車選手としての選手生命を絶つことと同義であった……。

 

「絆のペダル」の感想

ネットにあがっていた『絆のペダル』への感想の声をひろってみました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「絆のペダル」のネタバレ

宮澤純子

<あなたには夢中になれるものが
  ありますか?>

   <そう聞かれたら

         
  私の息子

宮澤崇史は

 迷いなく
 
自転車

と答えるでしょう>

 <なぜなら
   彼の人生を振り返ると

 そのターニングポイントには
 いつも

自転車があるくらいですから>

<でも

そんな自転車と共にあった
 彼の人生は

     
  決して平坦なものでは
   ありませんでした>

 <何度も壁にぶつかって

   もがいて

苦しんで

 それでも

新たな道を
 切り開くために立ち上がる

  彼の人生は

まさに…>

 <

挑戦

そのものでした>

<どんな困難があっても
 誰もが不可能と言い放っても

 彼は

その足元のペダルを

  必死に回し続けました>

   <

ペダルを止めたら
     おしまいだ

   <逆境が訪れた時

彼は

よく
 その言葉を口にしていました>

<そう

あのレースの前の日にも>

<何が彼をそこまで
突き動かしているのかというと

     それは…>

   
自転車が倒れる音

    えっ…

崇史

   ちょっと

大丈夫?

 
宮澤崇史

全然

大丈夫だよ

どうして…
1人で

こんなとこまで来たの?

 あれ?

あれ?

補助輪は?

      取った

      誰が?

       僕

      えっ

   危ないじゃないの
   何で

こんな…

  早く

会いたかったから

      ん?

 母さんに会いたかったから

 <誰も教えていないのに

家から3kmも離れた所まで

自分の力で走りだした

あの日が

 崇史の
 自転車人生の始まりでした>

     上手

上手!

     笑って!
     <でも

  そんな無鉄砲なところも
  かわいい

  と笑っていられたのは
   その頃までで…>

      あれ?

     バァ!
 はっ!

びっくり…

こら!

   
何かが割れる音

   すいませんでした…

 廊下は

キャッチボールをする
 場所じゃ

ないって

  きつく言い聞かせます

  やんちゃ過ぎる元気を
   少しでいいから

  勉強に向けてもらえたら
  いいんですが…

    すいません!

     あの子

 
勉強は

どんなに頑張っても
  1番には

なれないし

とか言って

ちっとも
 やる気になってくれなくて…

  
生徒

先生!

先生!

     崇史君が!
   
教師

純子

えっ?

   <いつの頃からか

 とにかく
 ひとの言うことを聞かない

 手のつけられない
 暴れん坊になっていました>

    崇史!

崇史!

     ただいま

 <崇史が6歳の時に
  夫を病気で亡くしてから

 私は

シングルマザーとして

  子供たちを
  育てていたのですが…>

    
  
宮澤妙子

崇史のバカ!
     うっせぇ!

     やめなさい

妙子

崇史が私のコップ
 勝手に使って割りやがったの!

崇史

お姉ちゃんに謝りなさい

 そんなに大事だったら
 名前

書いときゃいいだろ!

    ふざけんな!
   ほら

もう妙子も

  お姉ちゃんなんだから
   ちょっとは…

  出た!

いっつも

それ

母さんが甘やかすから
 そのバカが調子に乗るんだよ!

    そんなこと…

   妙子のクソババア!

  
妙子

何だと

ねぇ!
      こら…

 <やんちゃ過ぎる

その姿に

このまま

やって行けるのかと

不安になったこともありました>

 <でも

崇史が中学生になった
  ある日のことでした>

 
アナウンサー
さぁ
ツール・ド・フランス
       第13ステージ

  

1500mを超える
    山々の斜面には

 ヘアピンカーブが続きます

  

レースは

決戦の…

  ちょっ…

何すんだよ

   ドラマ始まるから

  いや

録画してんだろ

    いいじゃん!
うっせぇな!

見てんだろ!

      もう!

あんたたち…

またケンカしたの?
 
ツール・ド・フランス
は昔から続く

 毎年恒例の

夏のお祭りです

      崇史

    聞いてんの?

全存在を懸けて走り抜ける…

     これだ!
      えっ?

  俺

自転車の選手になる!

   どうしたの?

急に

   俺

自転車

好きだし

    どういうこと?

   ほら

見てよ

これ

自転車の選手に
日本の選手が1人もいないんだ

     だから?
   
だから?

って

チャンスってことだよ!
俺が最初の1人になるっていう

<この時
  彼が

なぜ

そう感じたのか

私は

半分も
分かっていなかったと思います>

     <でも…>

 ねぇ

崇史は
 どうして自転車が好きなの?

  自由になれるからだよ

      自由?

だってさ

自転車って
 全部

自分で決められるじゃん

 走りたい場所も

スピードも

  自転車があれば
  どこへだって行けるし

   誰にだって会える!

それに

風を切って走ってると

   最高に気持ちいいし

   <この時

崇史が

  何かを見つけたような
   気がしました>

    <だから…>

      崇史!

      ハァ

    あ

おかえり

   ただいま

ねぇ…

     おかえり

     これ見て!

   自転車の…

レース?
      そう

 自転車とヘルメットがあれば
 誰でも出られるって聞いて

   申し込んどいたから

     えっ

    出るでしょ?
      何で?

 だって言ってたじゃない
  自転車の選手になるって

 言ったけど
  そんな急にレースとか…

    あっ

怖いの?

     はぁ

あんな自信満々に言って
 負けるのが怖いのかなぁって

  いや…

んなわけねえし!

   じゃあ決まり!
   私も応援に行くね

  ああ

見てろよ!
  余裕で勝ってやっから

      お

 どこ行くの?
  今

帰って来たんでしょ?

   コースの下見だよ!

 そう…

いってらっしゃい

   いってらっしゃい

    いってきます!

 <好きなもので本気になる>

 <彼には
  まだない経験をさせたい>

<そんな気持ちで
  崇史に仕掛けてみたんです>

    負けず嫌いねぇ

 <そして

崇史の人生初の

   自転車レースの日が
   やって来ました>

  お

これで出んのか?
   えっ

こんなんで?

  いいんじゃない?

でも

いやいや

でも

ジャージーとか
 暑いんじゃねえかな?

      崇史!

      えっ?

  よかった

間に合って

      ハァ

   これ

どうしたの?

ハァ…

この自転車で

出なさい!

      えっ?
      いや

みんな

こういう立派な自転車で
 出るって聞いて

  これ

買ってくれたの?

   10万もするんじゃ
   手が出ないわよ

えっ

じゃあ

まさか盗んだの?

人聞きの悪いこと言わないの!

   
職場の岡本さんに

無理言って
頼み込んで貸してもらったのよ!

    いや

やるなら

 思いっ切りやってほしいしね

けど

いいの?

こんな高級な…

 好きなんでしょ?

自転車

      うん!

   じゃあ

目いっぱい

  走ってらっしゃい!

      おう!

   おう!

フフフ…

    
アナウンス
信州サイクルグランプリ
    スタート

1分前です

   崇史!

頑張って!

      
拍手

      任せろ

 アナウンス
スタート

5秒前

    4





      
号砲

   行け

行け!

  頑張って!

頑張れ!

               

     何でだよ

   回し過ぎだよ!
      えっ?

 ちょっ…

何するんですか

  
 
荒川

これで回してみて

   回すって

ペダル?

  何だ

これ!

すげぇ!

   すげぇ

速いっす!

 ギア

使い分けて走らないと
  すぐにバテるよ

      そっか

  ありがとうございます!

   レースは初めて?
      はい

じゃあ
 俺が風よけになってあげるよ

     風よけ?
 後ろにぴったり

ついて来て!

 風が来ない

全然違います!

こうやって助け合って走るのも

       
ロードレースの醍醐味だからね!

      へぇ

少ししたら
今度は君にも前に出てもらうよ!

    もちろんっす!

 じゃあ

そろそろ

お別れだ

      えっ?

 ここからは全力でアタック
  真剣勝負だよ!

   ここからっすか?

荒川

ああ

ここまでは
    どんなに助け合っても

 最後に勝つのは

1人だけ!

   けど

もう…!

 レースは

もう限界と思ったら
 そこからが勝負だ

    最後に1つ

一番つらい時を耐え抜くコツを
 伝えよう

     何すか?

自転車は
 ペダルを止めたら

おしまいだ

 それを忘れるんじゃ

ない!

って

それ

当たり前なんじゃ…

  じゃあ

ゴールで会おう!

     アタックか

 よし…

勝つ…

絶対

勝つ!

     うわ

アナウンス
ゴールする選手に
 温かい拍手をお願いいたします

      
拍手

 アナウンス
  第1位

ゼッケン番号25番
  
  坂本昌邦選手

 第2位

ゼッケン番号76番
  
  石塚康幸選手

 第3位

ゼッケン番号7番…

      ハァ…

   こんなとこにいたの

      フフっ

  ハァ…

一生懸命
  見てたはずなんだけど

   人が

たくさんいて

 崇史が

いつゴールしたのか
  見逃しちゃったのよ

      ハァ…

    どうしたの?

      いや…

    何だ?

これ

     クッソ…

      ダサっ

    自転車では…

負けたくねえって思ったのに…

    母さんが…

 自転車

借りて来たのに…

  全然…

勝てなかった

 ちょっ…

母さん

返せって

    ちょっと

えっ
     母さん…

     すっごい!
      えっ?

 あんな

たくさん人がいて
  しかも

大人もいた中で

   27位

ハッハ…

   ホントに

すごい!

  見逃しちゃうわけだわ

だって
 こんな

すごい順位だなんて

母さん

想像もしてなかったから

 すごいよ!

すごいよ

崇史!

     フフフ…

   
背中をたたく音

      母さん

      ん?

    俺

一番になる

 自転車で

日本一になるよ!

  いや

何言ってんだって
  思うかもしれないけど

ほら

ごめん

思ったら

口に出しちゃうから

  じゃあ

楽しみにしてる

      えっ?

 なるんでしょ?

日本一に

崇史が

そう言うなら信じるわよ

 あっ!

そうだ

そこ立って

   自転車

起こして

    いや

急じゃね?

 いいから

いいから
 こういうの大事なんだから

     そうなの?

  <こうして

この日から

  崇史の日本一への挑戦が
  始まりました>

 <そして
  高校生になった崇史は…>

  <自転車競技部がある
    高校へと進学>

 <大会での活躍を胸に誓い

  大いに張り切っていた

    …のですが>

     失礼します

     
     
広田

何?

     あの…

ここって

自転車競技部ですよね?

    
広田

      元?

  部員

俺1人だけで

 部として認められてないから

      えっ

 <自転車競技部があったのは
  過去のこと>

 <崇史が入学した頃には

   もう同好会になって
   いたのでした>

    <ですが…>

 じゃあ

今日から2人っすね

      あっ?
  よろしくお願いします!

<あの子が

そこで
諦めるはずはありませんでした>

   俺と競争しようぜ

    
   
巻山

何でだよ?

  俺が勝ったら
   自転車競技部に入る

     やんねえよ

じゃあ

その先の神社がゴールな

      あっ

 俺が見えなくなったら
  ついて来なくていいから

      はぁ?

  面倒くせぇな

この野郎!

     待てよ!

 

漏れちゃう

漏れちゃう…

      何?

自転車

好きって言ってたよな?

   うん

好きだけど

 自転車競技部へ

ようこそ

      ん?

え…

え?

ちょっちょっ…
どういうこと?

どういうこと?

         
 行くぞ!

チーム信濃工業!

<自転車好きの仲間を集めて

あっという間に

自転車競技部を
 誕生させてしまったのです>

   えっ!

この自転車
    15万もすんの?

 えっ

自転車が
 こんなにお金かかるとはね

 こんなの買うなら
  新しいテレビ買ってよね

     そうよね

      ああ

  どうせ

また

すぐ飽きて
  やめると思ったのに

今までは

いつも

そうだったわね

 それに

ロードレースって

  
仲間の絆

みたいなのが
   大切なんでしょ?

 そう

チームのエース1人を
  優勝させるために

他のみんなはアシストに回って
 サポートするのが基本

    …っていうから

俺が

俺が

の自己チュー男には
 向いてないじゃん

 フフっ

言われてみれば…

     でしょ?

     なのに…

    何か楽しそう

   見つけたんでしょ

 本当に夢中になれるものを

   もう

ひと踏ん張り!
      ああ!

<崇史たちは

来る日も来る日も
  練習を重ねて

 ついに

念願だった県大会に
  出場しました>

     それでは…

      はい

  キャプテンから

ひと言

     ん?

俺?

 
巻山

時間ないから早く!

     
せき払い

     えっと…

   優勝するためには
   エースを勝たせる

     だから…

広田

 宮澤を1位でゴールさせよう

      おう!
      はい!

    頼むぞ

崇史

   風よけは任せろ!

      ああ!

   勝つ!

絶対勝つ!

 あいつら
  全然

顔見たことないよな

絶対勝つ!

とか
 よく

こんなとこで言えるよな

      おい!

お前らに絶対負けねえから

      フッ

 よっしゃ

行くぞ

ほら

なぁ!

    絶対勝つぞ!

    
一同

お!

 どんな風でも
  受けてやろうじゃねえか!

  俺が

みんなを
   ゴールまで引っ張る!

    宮澤!

行け!

   

アタックだ!

      頼む!

  チーム信濃工業の意地を
  見せて来てくれ!

      おう

     崇史!

    
巻山

う!

     うわ

     行け!

     行け!
     行け!

    
戸が開く音

     ただいま

    
戸が閉まる音

     帰って来た

     おかえり

   大会

どうだった?

    ダメだった?

   ジャン!

3位!

   えっ!

おめでとう!

   すごいじゃない!

  それがさ

最後の直線

  マジで限界だったんだよ

 けど

最後に

みんなが俺に

  
頼む!

っつって
   押し出してくれてさ

 何か

すげぇ

出たんだ

      そう

そしたら

急に
 バッて景色が消えるみたいに

   夢中に

こいでて

 ラストは

なんと3人抜き!
      3人

   すごいじゃないの!

 あ

みんなのおかげだね

  チームで走るって
   こんなに最高なんだ

   つくって

よかったね
   自転車競技部

  ああ

やっぱ

すげぇよ
   ロードレース

  俺を全然知らない所に
   連れてってくれる

     だから…

 俺

本気でプロ目指してみる!

  もしかしたら

母さんは
  姉ちゃんと同じように

 俺も大学に行ってほしいって
 思うかもしれないけど…

   俺

高校卒業したら

  この道で頑張りたいんだ

 自分が

どこまで

やれるのか
 試してみたい

      そう

   いいんじゃない?

     ホント?

好きなことに
 夢中で

い続けられるなんて

    ステキだと思う

   私は

応援するわよ

     よっしゃ!

 じゃあ

絶対負けねえから

<崇史は

胸に抱いた

その夢を

やがて

形を持った目標に変えて

   見詰めるように
   なって行きました>

<高校卒業後

崇史は宣言通り

見事

スカウトの目に留まって

  プロの道へと
  進むことになりました>

           
<そんな

夢に向かって邁進する
  崇史を待っていたのは…>

  <新たな苦難と
    挑戦の日々でした>

 <崇史は

国内で有望な
   若手選手が集められる

 合同練習に呼ばれるまで

力を伸ばしていたのですが…>

        
 
石田

あいつ

新谷だろ?

 
石田

すげぇ

人の群れだな

  ほら

こないだの
  西日本選抜で優勝した

 ロードレース界を担う
  っていわれてる期待の星

     知ってるよ

    <プロとなり

 もちろん
 支援はしてもらえるものの

   お金をかければ
   切りがない世界で

十分な資金を持たない崇史は

  いわゆる

プロの壁


   悩まされていました>

    
   
桐生

おはよう!

 
一同

おはようございます!

 
桐生

お前ら

頑張ってるな

   
桐生

次の大会は

日本の力を見せるチャンスだぞ!

   絶対に上位

取るぞ!

    
一同

はい!

  <その壁を越えようと
    来る日も来る日も

  無理な練習を
   重ねていたそうです>

               

静代

ねぇ

たまには純子さんも
    カラオケ行かない?

   あぁ…

また今度ね

 
和香子

息子さん
  プロになったんでしょ?

  もう楽できるじゃない

 いや

プロっていっても

それだけで
食べて行けるわけじゃないから

     そうなの?
     どうして?

 ロードレースはね
  野球やサッカーと違って

  プロの選手になっても

  十分な収入が得られる
  ってわけじゃないから

 
純子の声

あの子

練習の後
       バイトしてんの

 3番テーブルのパスタ

まだ?
 これも

よろしく

      はい

 
純子の声

  だから

私もできる限り

援助したいと思ってるんだけどね

  気持ちは分かるけど…

 純子さん
  体

丈夫じゃないんだから

     大丈夫よ

だって

私より
あの子のほうが頑張ってるんだし

崇史

寝るなら

部屋で寝なさい

   ん

いつの間に…

      ん

最近

頑張り過ぎなんじゃない?

    疲れた顔して

     平気だよ

    あっ

そうだ

  ねぇ

次のレース

いつ?

      ん…

  職場の静代さんたちが
   応援に来るって

   いいよ

来なくて

     どうして?

    調子悪いから

 珍しいわね
  そんな弱気なこと言って

  あっ

でもね

大丈夫よ

  みんな

ロードレース
   初めてだっていうし

  あんたが頑張ってるとこ
  見られれば

フフフ…

勝ち負けだけじゃないんでしょ?

   プロは勝たなきゃ
   意味がないんだよ!

勝たなきゃ

いい契約が取れない

    どうしたの?

   ちゃんとした契約が
   取れなかったら

差なんか

どんどん

どんどん
 開いて行くばっかりなんだよ

   ハァ…

俺なんか

  スタートラインにすら
   立ててないよ

   スタートライン?

 練習して

バイト行って…

   体調

崩れたって

  サポートしてくれる
  スタッフだっていない

  自転車だって

そうだよ

 部品1つ…

部品1つだよ

   それ替えんのにも
    悩んで

迷って…

 そんなこと何も考えずに

ただ真っすぐ

ペダルだけを
こいでるヤツがいるっていうのに

 だから邪魔しないでくれよ!

俺は

このハンディを背負って
1人で闘って行くしかないんだ

     邪魔って…

1人で闘って
 何とかするしかないんだから!

      1人?

 私は崇史を応援してるわよ

     だから…

そういうことじゃねえんだよ!

 そういうことじゃなくて…

    外

行って来る

      崇史…

     ごめんね

    
戸の開閉音

ハァ…

あっ

   <崇史は

その後も

 何とかライバル選手たちとの
 差を埋めようと

  無理な練習を続け…>

    
新谷

8で

    分かりました

  <そして

その無理は

  形となって
   現れてしまいました>

   おい!

大丈夫か?

   ドクター

呼んで!
     は…

はい!

     しっかり!

     宮澤さん!

     
ノック

 
桐生

おい

宮澤

入るぞ

      はい

   すいません

俺…

     バカ野郎!

お前

今回

一番

何が問題なのか

    分かってるか?

     それは…

俺がプロなのに

体調管理が…

      違う

  悪いのは

お前の準備が
  足りないことじゃ

ない

    自転車はな…

  チームスポーツなんだ

    お前の異変を

 誰にも漏らさないことで

   そのチームは崩れる

ただ

がむしゃらに走ったって

強くなんてならないことぐらい

  お前

分かってるだろ

     でも…

俺は

そうするしかないんです

 1人で回して
 回し続けて

強くなるしか…

   その結果が

これだ

   誰かが周りにいて

お前を知ってるところで支えて

 知らないところで支えて

    だから走れる

 それが分かってる人間は
  こんなことには

ならない

やめることになるくらいなら

   最初から

やるな!

俺と最初に会った時のお前は

  そんな苦しそうな顔で
   走ってなかったぞ

  お前

最近

顔見てるか?

  自分の顔も

周りの顔も

好きなんじゃないのか?

自転車

   はい…

大好きです

苦しい顔か…

               

      ハァ…

    
戸の開閉音

     ただいま

     おかえり

どうしたの?
 ごはん

冷蔵庫に入ってるわよ

      うん

 お金を…

貸してください

      えっ?

 この前は

あんなこと言って

ホント

おかしなこと言ってんのは
分かってる

     だけど…

  中途半端なヤツで
   終わりたくないんだ

     だから…

   イタリアへ行きたい

  向こうのチームで
   研修生を募集してて

   1年間の生活費…

 180万円
 それだけあれば

何とかなる

  あとは向こうで
  バイトでも何でもする

  どうして

イタリアなの?

    変わりたいんだ

 そこへ行けば

変われるの?

   正直

分かんない

     だけど

今までの

俺のやり方が間違ってた
っていうのだけは分かった

プロになって

周りに圧倒されて

   焦ってばっかりで…

  大事なことも忘れてた

 俺は

1人で
  ここまで来たんじゃ

ない

 1人の力じゃ

ここまで
 来ることすらできなかった

      ハァ…

高校の時

気付いたはずなのに…

   
巻山

崇史!

    行け!
    行け!

 
宮澤の声

あの時の俺は

みんなの思いを背負って走った

 だから
 実力以上の力が出せたんだ

   チームのみんなや

俺を信じて
 支えてくれる人がいたから…

 だから俺は強くなれたんだ

 それを

もう二度と忘れない

     だから…

    挑戦したいんだ

  イタリアは強豪国で

 レベルが

めちゃくちゃ高い

言葉は

しゃべれないし
 知り合いだって

1人もいない

  だけど

その壁を
  ぶち破ってみたいんだ

  今までと違ったやり方で
  走ってみたい

     えっと…

    うん…

うん

   いいんじゃない?

      えっ?

 この前

崇史に言われてから

  いろいろ計算してみたの

 あんたのために使えるお金が
 どれくらいあるか

      これ

  崇史の大学に行く費用に
  ためてた

お金…

ほら

それと

他にも

かき集めれば

    何とかなるわよ

  挑戦して来なさい
   崇史の好きなように!

      あぁ…

     ありがとう

   本当にありがとう!

      フフ…

宮澤様

お待たせいたしました

      はい

180万円です
       
ご確認ください

      はい

  どうかなさいましたか?

      重い…

      はっ?

  あっ

いや…

すいません

   絶対

無駄にしねえ

 <新たな壁に挑んだ崇史は

 何度

転んでも

中途半端に
 投げ出さない覚悟を武器に

 やがて

さまざまなレースで

   入賞を重ねるように
   なって行きました>

    <そして…>

  よろしくお願いします
   宮澤崇史です

 今日から

お世話になります

 
高杉

期待してるぞ

宮澤

      はい!

<ついに

日本の強豪実業団との
  契約を勝ち取ったのです>

       
キャプテンの児島だ

よろしく

    お願いします!

東城です

よろしくお願いします

    お願いします

  
  小野です

お願いします

  よろしくお願いします

   うわさは聞いてるよ

    あっ

どうも

    どうだった?

   イタリアの女は!

そっちっすか

そっち?

  あれ

うちのマネジャー

      あぁ…

  宮澤崇史です
  よろしくお願いします

椎名優希

マネジャーの椎名です
 よろしくお願いします

 怒ってるわけじゃないから
  あれが通常営業

  あぁ…

クールっすね

   
児島

ハハハハ…

 小野

ケイデンスが落ちてるぞ
 回せ

回せ

      はい

高杉

児島

踏めてるな

<いい環境で
  チームメート
にも恵まれた崇史は

 成長を重ねて行きました>

      新谷

    お久しぶりです

相変わらず

調子

良さそうだな

  そうっすね
  ありがとうございます

   あっ

なぁなぁ…

ちゃんと

お礼

言えてなかった

助けてくれたろ?

俺が倒れた時

      あぁ…

  あの後

バタバタしてて

きちんとお礼

言えてなかったから
ありがとな

いや

言われるようなことじゃ
ないっす

  っていうか

必要なんで

      えっ?

  宮澤さんみたいな選手

日本が自転車で
 世界のトップになるためには

      新谷…

全日本選手権

楽しみにしてます

      おう!

  やっと

ここまで来たんだ
  絶対

負けねえからな!

 俺が勝って

日本一になる

 いや

勝つのは俺っすけどね

      フフっ

   <全日本選手権>

<それは

ロードレース界の頂点>

 <崇史が夢見た
   日本一を決めるレース>

 <

選ばれた者だけが立てる
   スタートライン

  …といわれています>

   <崇史は

そこに

   ついに立てることに
   なったのです>

<彼の夢は

まさに

あと一歩

   …というところに
    迫っていました>

   
何かが割れる音

   
何かが倒れる音

   <そんな時でした>

<私の体が
 悲鳴を上げてしまったのは…>

    
  夫・濱田俺洗い物するよ
  妻新しいがもう洗ってるわよ

  
  あなたのかわりにね
  ≪あなたのかわりにねあなたのかわりにね≫

  
あなたのかわりにほったらかし洗い≫

 

                   
 あなたのかわりに酵素が分解ゴシゴシ0へ>

   
 <酵素プラス>
 おっラクー

               

               

  あっ…

母さん

大丈夫?

      崇史…

    あんた

練習は?

  何言ってんだよ
   そんなの平気だって

わざわざ

東京から来てもらう
 ようなことじゃなかったのに

  もう大丈夫よ

フフっ

  原発性硬化性胆管炎?

 

滝川

胆管に炎症が発症して

 肝硬変などを起こす病気です

      はぁ…

あの…

どれぐらいで治りますか?

     うん…

このまま

何もしないでいたら…

     うん…

  余命は1年から2年かと

      えっ

    ハァ…

いや…

  治療法ないんですか?

 1つだけ

生体肝移植です

      移植…

  健康な人の肝臓の一部を
  切り取って

患者さんの肝臓に移植するんです

  移植できるのは
   近親者に限られます

ドナーになります
 息子だったら大丈夫ですよね?

適合するかどうかは
検査してみないと分かりませんが

  すぐに検査してください

実は

お姉さんが
先に検査を受けられたんですが

   適合しませんでした

      姉が?

  何で言わねえんだよ…

  
滝川の声

お姉さんは

 ご自分がドナーになることを
 強く望まれていました

弟さんをドナーにするわけには
 いかないからと

      は?

崇史さんはプロの自転車競技の
 選手だそうですね?

      はい

お姉さんにも

お伝えしましたが

崇史さんが手術を受けた場合

 選手生命が絶たれる可能性が
 高いです

      えっ

 肝臓を摘出するためには

 開腹して
  腹筋を切断して行うので

術後は筋力と全身の運動能力が
 低下するんです

 ですから

私の知る限りでは

プロのアスリートの方が
 生体肝移植のドナーになって

 現役に復帰したという話は
  聞いたことがありません

特に

全身を使う
 自転車のような競技となると

 リハビリをしても

元通りの
 コンディションに戻るとは

   お約束できません

ですから

よくお考えになって…

     構いません

もし
俺の肝臓が適合するんだったら

  すぐに使ってください

      ん…

    いいんですか?

    お願いします

    お願いします

    
戸の開閉音

               

   検査

受けて来たよ

      そう…

移植のこと

母さんには言うなよ

      えっ?

言ったら

手術しない

って言い出すだろ

それは

そうかもしれないけど…

 先生にもお願いして来たから

  でも

母さんだって…

     頼むから

      ん…

      あぁ…

      ハァ…

あんたたち

ケンカしてたでしょ?

  ハァ…

大丈夫だよなぁ?
      うん

 そっか

フフ…

じゃあ

夢か

  えっ?

どんな夢?

あんたたちが小さい頃みたいに

取っ組み合いのケンカしてる夢

  フフフ…

何だよ

それ

 私たち
 もう

そんな年じゃ

ないよ

  フフフ…

そうだよね

  じゃあ

何で
   あんな夢見たのかな?

 崇史

あんた
 明日

早いんでしょ?

練習

    早く帰んないと

  うん…

あぁ

でも

ほら
   もう電車ないから

   今日

泊まるよ

      えっ?

  あれ?

もう

こんな時間

   あれ?

夕ごはんは?

近くに
 ファミレスとかあるのかしら?

病人が
 そんな心配しなくていいから

  あんた

ホントにいいの?

  ハァ…

当たりめぇだろ

    何だ?

これ

     アルバム…

これ…

    ハハハ…

     母さん?

    あっ

椎名さん

お見舞いに来てくださったのよ

 チームを代表して伺いました

  わざわざ

よかったのに

  ねぇ

こんなステキなの
   頂いちゃった

 ごめんね

使わしちゃって

      いえ

  やっぱり東京の人は
  センスがいいわよねぇ

     これ

どう?

  いいじゃん

似合いそう

  ウフフ…

ステキよねぇ

わざわざ遠くまで

ありがとね

      いえ…

   あの…

宮澤さん

      ん?

ぶしつけなことを伺いますが

 何か1人で抱えてませんか?

      えっ?

いつもと顔色が違うようなので

 意外と
 ちゃんと見てくれてんだね

はい

それが私にできる
 チームのための仕事ですから

  開腹して

腹筋を切断?

  肝臓を摘出するからね

     それで

プロのアスリートが
 生体肝移植のドナーになって

  復帰したっていう前例は
  ないらしい

   特に自転車選手は

  体幹を支える腹筋が
  ものすごく大事だから

  それって

もしかして…

 選手生命が絶たれる可能性が
 非常に高いってこと

もちろん

簡単には諦めないよ

  そういう可能性がある
   っていうことだけ

    マネジャーには

     そんな…

 でもね

そんなに悲観的に
 なってるわけじゃないんだ

  こういうことになって

改めて思い出したこともあったし

     何ですか?

      俺が

自転車に乗る理由とか…

かな

      理由

 とにかく

俺の中では
  もう覚悟はできてるから

     報告だけ

  お母さんにとっても…

   苦しい決断ですね

      ん?

 さっき
 病室で

ずっと聞かれました

 宮澤さんがチームで
 どんなふうに過ごしてるか

 とても興味深く

楽しそうに

  応援してるんですね
  宮澤さんのこと

心から

  だから言ってないんだ

 俺がドナーになるってこと

  あの人には言ってない

   どうしてですか?

いっぱい

心配掛けて来たからさ

 だから

椎名さんも
 黙っててもらっていいかな?

      頼むよ

    分かりました

     ありがとう

  
児島

イチ

サン

 
一同

ロク

シチ

ハチ

    ニ

サン

 
一同

ロク

シチ

ハチ

しばらく
    
レースに出られなくて

 みんなには
 迷惑を掛けると思うけど…

児島

いい

いい

留守は任せろ

     すいません

お前ら!
 崇史がいない間

3倍

走れよ

 ドンと任せてくださいよ!

 
東城

お前は勢いだけだろ

     ハハハ…

     ハハハ…

               

 俺

忘れ物か何か

しました?
     あっ

これ

        
  トレーナーの豊田さんと
  相談して作った

 リハビリ用のメニューです

     こんなに…

短期用なんで

だいぶ
 厳しい行程には

なってますが

あっ

それと

手術の後は

すぐに

  握力のトレーニングを
   始めてください

  ありがとう

椎名さん

いえ

これが私にできる
 チームのための仕事ですから

でも…

もし
 お返しをお願いしてよければ

1つ

前から聞きたかったことが
 あるんですが

      何?

    宮澤さんは

 どうして自転車選手に
  なろうと思ったんですか?

 あれだけ無鉄砲にペダルを
  こぎ続けるエネルギーは

 どこから来るのかと
 気になってまして

フッ…

   いや

無鉄砲って…

  もしよかったら
  聞かせていただければ

   うん

それは…

      フフっ

選手に復帰できた時に教えるよ

だから

待ってて

戻って来るの

   あ…

怒ってます?

     アハっ…

分かりました

楽しみにしてます

     失礼します

  初めて見たかも

笑顔

    
妙子

大丈夫?
      うん

      ハァ…

     ありがとね

   ん?

どうしたの?

    ねぇ

母さん

ちょっと
 話したいことがあるんだけど

    母さん

入るよ

     調子どう?

   何?

どうしたの?

  私…

手術は

しないから

      ん?

 聞いたのよ

移植手術のこと

  誰の肝臓を
  もらおうとしてるのか

 手術したら

あんたが
  どうなっちゃうのかもね

   誰が

そんなこと…

      妙子よ

      ハァ…

昨日

ぜんぶ話してくれたわ

     泣きながら

  崇史が独りで抱えて

   闘おうとしてるって

純子の声

 自分が適合しなかったから

崇史が全部

背負っちゃったって

母さんにも
負担を掛けたくないから黙って

  全部

自分が我慢して

母さんを助けようとしてるって

 ずっと…
 ずっと私に

そう言ってた

 どうして言わなかったの?

 心配

掛けたくなかったから

心配とか
 そういう問題じゃないでしょ

  あんたの…

息子の人生に
  関わることじゃない

 あと

もう一歩なんでしょ?

 あんたが言ってた日本一は

  全日本選手権にも
  出られるようになって

そのために

ずっと練習して来て

 なのに

私のせいなんかで…

  だから

手術は受けない

 私は

崇史の夢を奪ってまで
 生きるつもりなんて

ないの

     母さん…

  じゃあ

どうすんだよ

いつか
 他の治療法が見つかるかも…

  そうやってる間にも
   どんどん

どんどん

   病状が進むんだぞ

   それでも構わない

簡単に言うなよ!

俺だってさ…

     私が嫌なの

      何で?

 私は

崇史の母親だからよ

      ハァ…

 俺だって…

俺だってさ…

母さんに生きててほしいんだよ

   そりゃそうだろ?

     ありがとう

でも…

その気持ちだけでいいの

    あのね

崇史

 私は

もう
  人生

十分

やり切ったの

  お父さんに先立たれて

どうしていいか分からなくなった
こともあったけど

    崇史も

妙子も

     こうして

ちゃんと
 大人になってくれたんだもん

    私の夢はね

 あんたたちが
  幸せでいてくれることよ

    だから

崇史

   自由に生きなさい

   あんたの人生よ?

  好きに生きていいの!

    俺

見たんだ

 母さんがさ
  ずっと撮ってくれてた

  俺の自転車人生の写真

 あそこに

母さん
  一枚も写ってなかったね

  そりゃ

そうだよな…

母さん
ずっと撮ってくれてたもんね

 俺のこと

ずっと
 見守ってくれてたんだよね

 ねぇ

母さんさ

覚えてる?

   俺がさ

初めて出た

 あの

ほら
  自転車レースの時のこと

全然

大した順位じゃないのにさ

   母さん

めちゃくちゃ
   喜んでくれてさ

   ちょっと

えっ
    母さん…

    すっごい!

すごいよ!

すごいよ

崇史!

宮澤の声

 俺

あんなに褒められたのも

あんな

うれしそうな顔

見たのも
生まれて初めてで…

    こんな俺でも

 自転車

頑張れば
 あんなに笑顔にできるんだ

 …と思ったら
 めちゃくちゃ

うれしくてさ

   だから言ったんだ

   

一番になる

自転車で日本一になるよ

って

     アハハ…

 あんなさ

バカみたいなこと
  言ったさ

俺を

母さんは

 
信じる

って笑ってくれた

  崇史が

そう言うなら
    信じるわよ

   あの時みたいな

笑顔がずっと見ていたくて

  ペダルをこぎ続けて来た

 俺が

自転車に乗る理由は…

  乗り続ける理由は…

   母さん

あなただよ

あんなに
 迷惑ばっかり掛けて来た俺に

母さんはさ

夢中になれるものを
 与えてくれた

 その夢中になれる自転車で

   俺は

一番になって

 母さんの最高の笑顔を見る

   これが俺の夢なんだ

   母さん

さっきさ

   俺の夢を奪ってまで
   生きたくない

   …って言ったけどさ
   あれ

逆なんだよ

  母さんがいなかったら
   俺の夢は奪われる

    俺の夢には

母さんと自転車が必要なんだよ

     だけど…

     俺はさ

手術をしても
 日本一になれると思ってるよ

  前例がないんだったら
  俺が前例になってやる

      崇史…

    お願いだから…

   
はなをすする音

  俺と一緒に手術

受けて

  俺と一緒に

夢見ようよ

必ず…

必ず日本一になるから

 絶対

日本一になるから…

 ワガママな息子で

ごめんね

    ごめんね

崇史

 こんな母さんでね

ごめんね

    何言ってんだよ

 母さんが

俺の母さんだから

   俺は強くなれるんだ

  <この選択が
   正しいのかどうかは

 正直

分かりませんでした>

<でも

崇史から勇気をもらって

私は

手術することを決めました>

  
看護師

曲がりますね

   母さん

頑張ってね

   崇史

頑張ってね

      任せろ

 
看護師

失礼いたします

 
看護師

手術室

入ります

 <崇史の肝臓の3分の1を
   私に移植する手術は

 10時間を超えたそうです>

    
妙子

崇史?

     生きてた…

     お疲れさま

      うん…

     母さんは?

   手術

成功したよ

     よかった…

妙子の声

拒絶反応もなくて

  母さんの肝臓
  順調に機能してるって

     ありがとね

  母さん

助けてくれて

  こっちこそ

ありがとう

      ん?

あん時

姉ちゃんが言ってくれてて
よかった

 おかげで

母さんと
  ちゃんと話ができたから

      そっか

      フフ…

    でも

まさか

  姉ちゃんが泣くとはなぁ

    うるさいなぁ

怒った顔しか見たことねえから
 最初

ウソかと思ったわ

 ねぇ

あんたさ

昔から
  ホント

ひと言

多いよね

    アハハ…

あっ!

      崇史?
    ハッ…

ハァ…

     大丈夫

  <ところが

この日から

崇史の人生最大の闘いと挑戦が

  始まることに
  なってしまったのです>

  <腹筋の切断は
    筋力だけではなく

 全身の運動能力まで
  低下させてしまいました>

<それでも
  1週間で立てるようになり

2週間後には
ちゃんと歩けるようになって…>

   <そして

1か月後>

<傷口が

ふさがってからは
 本格的なリハビリを始めて…>

<チーム復帰後は

毎日
100kmの走行練習を始めて

 周囲を驚かせたそうです>

     <でも…>

  クソ…

力が入んねえ

  <待っていたのは
    厳しい現実でした>

    
東城

解雇

  どういうことですか?
こんな時にハシゴ外すなんて…

スタミナが持たない今の状態じゃ
戦力外

それが…

チームの判断だとよ

  でも

崇史さんだって…

   俺だって

つらいさ!

けど…

レースは結果が全てだ

     だけど…!

   崇史だけじゃ

ない

     俺たちもな

  <移植手術から3年後

 崇史は

チームを
 解雇されてしまったのです>

  申し訳ありませんでした

      えっ?

私が作ったプログラムが
不十分だったからこんなことに…

 いや…
 椎名さんのせいじゃ

ないよ

      でも…

  あれ?

何か

あの…

宮澤さん
思ったより元気じゃないですか?

  いや…

ヘコんでるよ

 失礼ながら
  そんなふうには

あまり…

      そう?

 そっか…
  まぁ

椎名さんが言うなら

     うん…

   興奮してんのかな

 あっ

そうだ

あの…

ちゃんと
 お返しできてなかったよね

  何ですか?

お返しって

  いやいや

椎名さん
  言ったじゃないですか!

 俺が

自転車選手になろうと
  思った時のことを

   聞かせてほしいって

 あぁ…!

はい

言いましたね

      うん

 俺が走る理由っていうのとは
 ちょっと違うんだけど

最初の最初は
 チャンスだと思ったんだよね

   チャンス…

とは?

      うん…

  自転車レースの映像を
   初めて見た時

 出場している選手が
  みんな外国人だったんだ

  で

チャンスだと思った

俺が日本人初になったら
すっげぇカッコいいじゃん

って

    そうですか…

      うん

今も
あの時と同じぐらい興奮してる

     だって…

 こっから日本一になったら

 すっげぇカッコ良くない?

      アハ…

  まぁ

笑うしかないよな

     けど

俺…

 俺

きっと戻って来るから

      じゃあ

     待ってます

      ん?

このチームが日本一になるには

  宮澤選手が必要ですから

    お待ちしてます

     ありがとう

<ですが

戦力外通告をされた
崇史を引き受けてくれる場所は

 どこにも

ありませんでした>

 <さすがの崇史も
  諦めるしかないのでは…

 と思っていたのですが…>

     フランス

  アマチュアのチームで
   いいんだったら

 1年間

面倒を見てやるから
  そこで結果出せって

     そうなの?
      うん

  あっ

あの…

ただ

あの…
  給料が出ないんだよな

   いいじゃないの!
      えっ?

挑戦できる場所を頂けるなんて
 ありがたいことだもの!

    行って来たら?

      うん

私も
 できる限りのことはするけど

  ホンットに

ごめんね…
  また迷惑

掛けちゃって

ダメだな

俺…

いつまでたっても
楽させてあげれなくて

      謝るな

 手術の後

崇史

言ったよね?
      は?

 ほら

リハビリがつらそうな
  あんた見て

私…

 
私のせいで

ごめんね

って
  何回も謝ったらしくて

     そしたら

泣くな

謝るな

前だけを見ろ

 って

 その言葉

そのまんま返す

      フッ…

 前だけ見て

走って来なさい

 あんたは

独りで闘ってんじゃ
 ないんだから

  フッ…

分かってるよ

絶対

強くなって帰って来る

  行って来なさい
   いってらっしゃい

<そして
  崇史は旅立って行きました>

  <それはゼロから…

いえ

マイナスからの挑戦でした>

選手

宮澤

ファイヤー
    されちゃったんだってな

      は?

   あいつも終わったな

  おい…

何だと

オラ!
    おい

やめとけ

 
新谷

  終わってないと思いますよ

    
児島

新谷…

 宮澤さん

戻って来ますよ

 あの人が
 ペダルを止めるわけがない

選手

 何で

そんなこと言えるんすか?

  何でって言われても…

   そういう人だからね

<崇史は
 プライドもキャリアも捨てて

    初心に戻って

  どんな役割も買って出て
  チームに貢献して…>

<何度も壁に

ぶつかりながら

 そのたび

壁を打ち破り…>

 <そして
  手術をしたことで崇史は

新たな才能を
開花させることになったのです>

    はい

宮澤です

   

母さん

母さん!
    あっ…

崇史?

どこにいんの?

フランス?

 

うん

そうそう

そうそう

どうしたの?

急に電話なんて

    やったよ…!

 

えっ?

     優勝した!

 ホントに

やったじゃない!

   やっと勝てた!

     おめでとう

    おめでとう…!

      うん

<その

一勝を機に
  崇史は躍進して行きました>

  <そして

再び崇史は

 チームに
 戻れることになったのです>

   <全日本選手権の
    出場を目指して>

  崇史さん

うわぁ…!
    おかえりなさい

     東城

小野!

  みんな元気そうだな!

      はい!
      はい!

    すげぇな!

   驚いたぞ

崇史ぃ!
     児島さん…

フランスの女

どうだったんだよ!
    また

そっち?

    ハハハハ…!
    あっ

あの…

   あぁ…

椎名さん

   私は驚いてません

    おかえりなさい

   お待たせしました

    
児島

おぉ!
   
小野

アレ

アレ!

     ハァ…!

   
東城

崇史さん

      ん?

直線
めっちゃ速くなってないっすか?

おう

フランスでスプリントの練習
ばっかり

して来たからな

 何で

また
  そんな思い切ったことを?

ひとより弱い腹筋を鍛えるより

   脚を鍛えたほうが

 誰にも負けねえ武器になる
  と思ってさ

そしたら

ホントに勝ちだして!

    さすがっすね

      なぁ

 俺さぁ

苦手なこと頑張んの
  苦手なんだよね

  
小野

東城

カッケ

      だろ?

そんで
フランスの女どうだったんだよ!

     ハハハ…

<これこそが

崇史が開花させた
  新たな才能でした>

 宮澤さんのスプリントの数字
 すごいですね

   苦手を克服するより
   強みを伸ばす

 宮澤さんらしい
  発想の転換だと思います

   今年は行けるかもな

      日本一

<そして
 全日本選手権が行われる直前

崇史のチームは
私の住む長野で合宿をしました>

    限界まで回せ!

      はい!

      はい

   たくさん食べてね

  ありがとうございます

    はい

どうぞ

   うん

うまいっ!

  崇史さんのお母さんの飯
  マジ最高っす

 お代わり
 たくさんありますからね!

  
選手たち

あざす!

 飯がうまいと
  テンション上がるなぁ!

      フフフ

   お代わり

くださ…

 すいません
 私は料理のセンスがなくて

児島

あっ!

そういう意味じゃなくて

 あの…

いや

マネジャー…

 いやいやいや!

そんなに…
  そんなに食べれない…!

    
窓が開く音

     たかしっ

 あぁ…

いろいろ

ありがとね

   どういたしまして

    疲れたでしょ?
     大丈夫よ

   あんたのほうこそ
    浮かない顔して

  いや

そんなことないよ
   絶好調だよ

    絶対優勝するし

     いや

何?
     フフフ…

  変わってないよねぇ

見掛けによらず緊張しぃのとこ!

    バレてたか…

   フフ…

どうしたの?

     何かさ…

 
ここ

な気がするんだよね

 チームのみんなも調子いいし
 俺も絶好調だし

ここが
あの約束の時な気がするんだよ

 だけどさ…
 そう思えば

そう思うほど

  頭からレースのことが
   離れなくてさ

   その日が来るのが
   楽しみなんだけど

 ちょっとだけ怖いっていうか

      フフ…

 あんた昔っから
  言うこと聞かないくせに

 そういうとこだけ真面目よね

      はぁ
      フフ…

そんなに背負わなくていいのよ!

 私は

勝手に

あんたと一緒に
 夢を見てるだけだから

   いや

それはさ…

あんたは

夢中になってればいい!

 夢中で走ってらっしゃい!

     フフフフ…

      フッ…

      ハァ

      フゥ

      ス

 ほら!

あんたも!

ほらっ

    ス…

フゥ

    分かったよ…

      ス

      フゥ

      ス

      フゥ

   フッ…

そうだよな

 ペダルを止めたら

おしまい
  止めなきゃ勝つ

 何それ!

あんたに
  ぴったりの言葉じゃない

    俺の好きな言葉

     崇史は…

     勝つよ!

     っしゃあ!

 ほら

結局

背負わすじゃん!
   ハハハハ…

違うよ

   これは

私の願い

   あんたは…

勝つ!

    ああ

任せとけ

      ス

      フゥ

      ス

      フゥ

      ス

      ス

      フゥ

      フゥ

      ス

      ス

      フゥ

      フゥ

               

   
妙子

すいません

この辺りで見ればいいんだよね?

      そうね

      うん

<全日本選手権は
  日本で

一番速いのは誰か

個人の順位を競うレースです>

<ですが

チームに所属している
  選手たちは…>

 
小野

新谷のチームも
     絶好調らしいっすよ

 こっちは

もっと最高だろ

 恐らく

新谷らとの勝負は
  最後まで

もつれるだろう

宮澤
今日は

お前が

うちの切り札だ

      はい

 宮澤さんが復帰した時に得た
 スプリント

 これは相手の戦況分析にも
  入っていないはずです

  最後の直線が勝負です

 <チームで
   一番のエースを決めて

  他のメンバーは
  アシストに回るのです>

  お前たちは

そこまで

 宮澤を疲れさせないように
  引っ張ってくれ

     うっす!
      はい!

     よっしゃあ

俺たちが崇史をゴールへ運ぶぞ!

     うっす!
      はい!

    
児島

崇史

俺らより
勝つ気でいるヤツらは

いない

    
3人

おう!
     俺らより

追い込んで来たチームは

いない
    
3人

おう!

 ペダル

止めんじゃねえぞ

 
一同

お!

っしゃあ

     宮澤さん

  
すげぇカッコいい

瞬間
   期待してます

      フフ…

      ああ

実況

第13回
 全日本自転車競技選手権大会

 母さん

いた!

61

61!

 
実況

スタート1分前です

実況

スタート10秒前です

    9





    5







      
号砲

実況

 さぁ

スタートを切りました!

今年も
 熱い戦いが予想されています

 全日本選手権

日本一を決める
 戦いのスタートです

   ハァ…

ハァ

ハァ…

   大丈夫か?

東城!

     全然っす!

  崇史さんは

俺の後ろで
  足ためといてください!

    ハァ

ハァ…!

  東城

俺たちは先に行く

    まだ行けます!

   坂までは俺が…!
     ダメだ!

   こっからは俺が引く

      クッ…

  はい…

お願いします

  崇史さん…
  絶対に勝ってください!

      ああ

    新谷トップか

     クソ!

  児島さん

代わります!

     行けるか?

   俺

まだ回せます

    頼むぞ

小野!
      はい!

 児島さん

崇史さん
 俺に

ついて来てください!

      了解!

 
実況

  集団に動きがあるようです

宮澤選手

児島選手

小野選手が
 ペースを上げ

次々に順位を上げております!

      えっ!
崇史たち

上がって来たってよ!

     ハハハ…!
     わぁ…!

   崇史…

頑張れ

   ハァ

ハァ

ハァ…

    ハァ

ハァ…

すいません
もう少し行けると思ったのに…

    よく頑張った

    あとは任せろ!

 お願いします!

ハァ

ハァ…

崇史さん

ゴール取ってください!

      ああ

     行きます!

     まだだ!
   行かせてください!

  今

出ても逃げ切られる!
  耐えろ!

   あいつらの頑張りが
   無駄になるぞ!

   最後の直線が勝負だ

  そこで驚かせてやれ!

  お前が持って帰って来た
  最高の武器で!

      はい!

               

     崇史

今だ!

      はい!

     
 俺たちの想いも持ってけ!
      はい!

   
児島

行け

  どんな脚

隠してんすか!
      ハッ

  最後まで持つんすか?
    当たりめぇだろ

 お前に勝つために
  ここまで来たんだからな!

 宮澤さん
  ホント諦めないっすよね

      あ?

プロになったばかりの時も
            
そう

  条件は悪い
  なかなか勝てなかった

 でも

あんた
 絶対

折れない

ひるまない

  何で

そんなに
   挑戦できるんですか!

   証明してぇんだよ

      えっ?

  俺みたいなヤツを
  信じてくれた人たちが

   バカじゃ

ねえって
   証明してぇんだよ

そしたら

すっげぇ笑顔
 見せてくれる人がいるんだよ

    それに

新谷

お前も

俺を信じてくれたヤツの
 1人だろ

    うおぉ

     あぁ
    うおぉ

      
拍手

実況

 先頭の選手が見えて来ました

      来た!

実況

ゼッケン番号1番

新谷圭吾選手!

   ゼッケン番号61番
   宮澤崇史選手です!

      
歓声

   行け!

崇史!

      
歓声

    
拍手と歓声

     やった!

実況

優勝は
ゼッケン
番号61番

   宮澤崇史選手です!

 タイムは5時間14分3秒!

素晴らしいタイムでの優勝です!

   ハァ

ハァ

ハァ…!

    フフフフ…!

   あぁ

うれしい!

    
拍手と歓声

   
児島

崇史ぃ!

    崇史さん!

   
児島

よっしゃ!

東城

おめでとうございます!
    ありがとう!

   
小野

よっしゃ!
     やったぞ!

    勝ったぞ!

   
児島

よっしゃ!

     日本一!
    日本一だ!

     やったぁ!
      ハァ…

     やったよ…

     
泣き声

      俺…

   日本一になったよ…

     おめでとう

  ありがとう

母さん…

拍手

崇史…

ありがとう

拍手

拍手

  <移植手術から9年後

  宮澤崇史は

ついに
  日本一になったのです>

 <その後

崇史はヨーロッパの
  クラブチームで活躍して

  2014年

現役を引退>

 <そして今は

監督として

若い選手たちを指導しています>

<常に新しい道を切り開いて来た
 崇史の自転車人生は

これからも続いて行くようです>

あぁ…

 どうしたの?

迷っちゃった?

      1人?

  置いてかれちゃって…

 じゃあ

早く追い掛けないと

  どうせ追い付けないよ

  僕

みんなより遅いから

   ねぇ

自転車

好き?

      そっか

好きだったら

それを
好きでい続けることができたら

きっと

いいことが待ってるよ

 でも

いつも

ばかにされるよ

  誰に

ばかにされたって
   いいじゃん

だって

自分が好きなんだから

  それを夢中になって
  追い掛け続けていたら

君の周りには
 いつの間にか味方ができてる

     本当に?

   ああ

間違いない

 でも

そのためには
  その夢中になったものを

 誰よりも自分が信じるんだ

  それがスタートライン

 信じ続けていたら
 誰かが必ず応援してくれる

そしたら

その
味方になってくれた人のために

    絆のために

   頑張ることができて
   君は強くなれる

   だから

自分を信じて
   その絆を探すんだ

   僕にも

できるかな?

  諦めないで続けていたら

    よし

行こう

      そうだ

    これ

あげるよ

   強くなれる

お守り

 あぁ…

ちょっとデカいか

   ううん

ありがとう

 自転車は

ペダルを止めたら
  おしまいだぞ

      はい

     よし!

     行け!

 

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「絆のペダル」ネタバレ感想とあらすじまとめ

 

昨年夏ドラマで人気だったあの「過保護のカホコ」がスペシャルドラマとして帰ってきます。

主演はもちろん高畑充希&竹内涼真!史上最強の箱入り娘カホコの奮闘が楽しみなドラマとなっています。

そんな、「絆のペダル」のあらすじやネタバレを掲載していますので、ぜひご覧くださいね。

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