【レミゼラブル】ドラマネタバレ感想やあらすじ【終わりなき旅路 ディーンフジオカ・井浦新主演スペシャルドラマ】

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2019年1月6日日曜21時よりフジテレビ開局60周年特別企画として『レ・ミゼラブル終わりなき旅路』が放送されます。

文豪ヴィクトル・ユゴーが1862年に上梓した不朽の世界的名作「レ・ミゼラブル」を、現代の日本を舞台に置き換えた大河エンターテインメント。

ディーン・フジオカと井浦新がW主演を務め、犯罪者と追跡者として、一歩も引かない心理戦が繰り広げられます。

こちらの記事では『レ・ミゼラブル』の原作(小説)の紹介してスペシャルドラマ『レ・ミゼラブル 終わりなき旅路』のネタバレや感想とあらすじを紹介していきます!

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ドラマ「レ・ミゼラブル 終わりなき旅路」の原作について

 

原作「レ・ミゼラブル 終わりなき旅路」のあらすじ

ジャン・バルジャンは、貧困に耐えきれずパンを盗んだ罪で19年も刑務所にいた。釈放後、世話になった司教ミリエルの銀食器を盗むが、司教の慈悲に触れ改心する。

数年後、名を変えたバルジャンは工場主として成功を収め市長を勤めるまでになっていた。そんなある日、バルジャンは以前自分の工場で働いていて、娘を養うため極貧生活を送るファンテーヌと知り合い、幼い娘の面倒を見ると約束。

しかし、”バルジャン逮捕”の知らせを耳にした彼は、法廷で自分の正体を明かし再び追われることになる。

どこまでもバルジャンを追う刑事ジャベールから逃げながら、行く先々で困った人を助け、愛するコゼットと共に生きるバルジャンだったが、美しく成長したコゼットが若き弁護士・マリウスと恋に落ち、3人は革命や暴動が次々に起こるいう時代の荒波の中、運命の渦に飲み込まれていく。

 

原作「レ・ミゼラブル 終わりなき旅路」のネタバレ

レ・ミゼラブル 原作ネタバレ感想やあらすじ【終わりなき旅路2019年ディーン・フジオカ、井浦新のW主演】

2018.12.11

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ドラマ「レ・ミゼラブル 終わりなき旅路」あらすじと感想やネタバレ

 

ドラマ「レ・ミゼラブル 終わりなき旅路」のあらすじ

  【第1幕】の舞台は平成3年(1991年)~平成7年(1995年)の神戸。ある日、殺人犯の少年が刑務所から脱走したニュースが駆け巡ります。2年前、17歳の少年・馬場純が正当防衛の末、殺めてしまった相手は、母・結子を騙(だま)して全財産を巻き上げた男・斎藤太。病気の弟の手術費を稼ぐためアルバイトに精を出していた純でしたが、刑事罰となり、少年刑務所に入れられてしまいます。ある日、弟が危篤であることを聞かされた純は思わず脱走。けれども弟はすでに死亡していて…。絶望の淵で自殺しかけたところ、自立支援施設「徳田育成園」を営む徳田浩章に助けられ、身分を隠して育成園で暮らし始めます。そこで弁護士を目指す少年・渡辺拓海と出会うのですが…。もう一人の主人公は純が殺めてしまった男・斎藤の一人息子・斎藤涼介です。悪徳な両親と縁を切っていたものの、父親が殺された理由が投資詐欺を働いたせいだと世間に知られ、被害者遺族のはずがまるで加害者家族の様な報道被害にあってしまいます。そんな中、平成7年に起きた阪神・淡路大震災。未曾有の大震災が二人の少年の運命を大きく変えることに…。

【第2幕】は平成16年(2004年)の東京を舞台に、【第3幕】は平成30年(2018年)の福島が舞台です。二人の主人公の再会と、阪神大震災で決定的に変わった運命のその後が描かれ、世間から身を隠しながら生きる純と、純を追いかけ続ける涼介、そしてついに対峙する二人の男。30年にわたる長い旅路に打たれる衝撃的な終止符が描かれます。彼らを取り巻いてきた人々の思いを紡ぐ希望の光は、そこにあるのか…。感動のクライマックスにご期待下さい。

 

ドラマ「レ・ミゼラブル 終わりなき旅路」の感想

ネットにあがっていたドラマ『レ・ミゼラブル 終わりなき旅路』への感想の声をひろってみました。

 

純と涼介、2人で決着をつけることができて本当によかった。

 

 

 

 

 

憎み続けるのもエネルギーがいるって知ってるよ。純を悪者にして自分の本心から目を背けていたかもしれないけど、自分の本心をなかったことにしなかったのはえらいよね。

 

梢を抱きかかえて逃走する拓海と、瑛里華を抱きかかえて逃走しようとしたけど置き去りにしてしまう元。ここは対比で描いてるのかな。

 

 

拓海は自分の人生を純にあげるなんてよく思いついたよね。

 

 

 

モンテ・クリスト伯の暖や真海とも違うディーン・フジオカの穏やかな顔。

 

 

 

苦悩する涼介と覚悟を決めている拓海の対比が印象的だった。

 

ドラマ「レ・ミゼラブル 終わりなき旅路」のネタバレ

平成6年 神戸

馬場純(吉沢 亮)は兵庫少年刑務所から脱走し病院へ駆けつけるが、弟・哲は息を引き取った後だった。3年前、哲の病気が発覚してRHマイナスO型の肝臓移植が必要となった。同じ血液型の純は、自身が18歳になってドナーとしての条件を満たすのを待ちながら、アルバイトをして手術費用を稼いでいた。しかし、2年前に純の母・結子(富田 靖子)が投資詐欺に遭い、哲の手術費用として貯めていた金を奪われてしまう。純は母親に詐欺を働いたクリーニング店の夫婦の元へ乗り込むが、斎藤太(寺脇 康文)はしらを切り、純に暴力を振るう。太の妻・歌織(かたせ 梨乃)は怯えてうずくまっていた。そんな中、純が突き飛ばした拍子に、太は机の角で頭を打ち死んでしまった。純は逮捕され、その後正当防衛が認められた。ある日、刑務官から哲が危篤状態にあると知らされた純は、居ても立っても居られず刑務所を脱走した。しかし、哲の最期には間に合わず、自暴自棄になった純はトラックに轢かれて死のうとする。徳田浩章(奥田 瑛二)が純を助け、徳田育成園へ連れて帰る。そこは、教会だった建物に問題を起こした15人の若者を住まわせ、徳田が自立の支援をしている施設だった。純は渡辺拓海(村上 虹郎)と同じ部屋をあてがわれ、工事現場で働きながら徳田育成園で生活を始める。一方で、刑務所を脱走した純のことを、連日のようにメディアが取り上げていた。ついには、太が投資詐欺を行っていたことを嗅ぎつけた記者たちがクリーニング店に大勢集まって歌織を取り囲み、太と歌織の息子・涼介(清水 尋也)が止めに入るのだった。

阪神淡路大震災が2人を襲う

純は拓海が司法試験の受験勉強をしていることや東京に恋人がいることを知る。ある時、巡回中の警察官が育成園へやってきて、純は慌てて荷物をまとめ逃げようとするが、徳田は警察官を追い返した。純は拓海に身の上話を始める。母親・結子は純が逮捕された直後に駅のホームから落ちて亡くなった。自殺とも事故ともわからなかった。純は自分の肝臓を移植すれば助かった哲を独りで死なせてしまったことを後悔していた。純が人を殺したと告白しても、拓海は動じなかった。純に何か事情があってのことだろうと言って、目の前にいる純を信じた。その話を、物陰から徳田が聞いていた。 その年の暮れ、拓海は母親が危篤状態にあり、育成園を留守にしていた。徳田は「道に迷ったら、難しい方を選べ」と純に話す。数日後、母親の葬儀を終えて夜遅くに帰ってきた拓海と純は、食堂で缶ビールを飲みながら語り合う。拓海が左足を引きずっているのは母親の男にやられたものであり、母親がかばってくれなかったと言う。そんな経験から拓海は弁護士になって、声をあげられない人の代わりになりたいと思うようになっていた。いつのまにか眠っていた純が朝方に大きな揺れを感じ目覚めると、拓海が瓦礫の下になっていた。純は必死に拓海を助けようとするが、拓海は「人生をやり直せ。俺の分まで生きろ」と言って、身分証明書が入った自分の財布を純に託す。純は拓海の思いを受け取り、火が回る育成園を飛び出す。生き延びた涼介は新聞を見て、阪神淡路大震災に巻き込まれて純が死んだことを知る。実際には、純は渡辺拓海の名を借りて人生をやり直すために、東京へ向かっていた。

平成16年 東京

純(ディーン・フジオカ)は渡辺拓海として弁護士になり、「過去は変えられないが未来は変えることができる」と言って依頼人を励ましていた。また、知人の佐山梨沙子(香里奈)が止めるのも聞かず、寝る間を惜しんで無料相談を行っていた。拓海の依頼人の一人であるシングルマザーの不破唯(山本 美月)は、昼も夜も働いて幼い娘・梢を育てていた。唯の仕事中は24時間体制の無認可保育園・まごころHOUSEに梢を預けていたが、劣悪な環境だった。経営者の夫婦・田辺元(金子 ノブアキ)と真澄(長谷川 京子)は延滞料金だと言って不当な料金を請求し、元と真澄の娘・瑛里華は唯が持たせた弁当を梢から取り上げ、真澄は落ちた弁当の中身を拾って食べるように梢に言っていたのだ。ついに生活に困り果てた唯は、元の斡旋で風俗の仕事に手を染めようとする。 拓海は新宿南署の刑事となった涼介(井浦 新)と出会い、互いの素性を知らないまま拓海と涼介が梨沙子の定食屋で酒を飲んでいると、拓海の携帯電話が鳴る。拓海が駆けつけると、唯が女子高生と偽り売春しようとして客の男性とトラブルを起こしていた。拓海はその場を丸く収めたが、唯のことをきっかけにして、まごころHOUSEの不正を摘発しようとして涼介に相談する。先日梨沙子の店で徳田育成園から拓海宛てのハガキを見つけた涼介は、拓海と徳田育成園の関係を尋ねると、拓海は仕事上のつきあいだと答える。その後、拓海は梨沙子から涼介の父親が殺された過去を聞く。 徳田育成園を訪れた涼介は、拓海が左足に麻痺があって足を引きずっていたという特徴を聞き、真実を問いただすため、拓海に会いに行く。涼介が拓海に見せた死亡記録には、馬場純の遺体の特徴に「左下肢に神経損傷の可能性」と記載があるが、実際には拓海が足を引きずっていた。この矛盾から、涼介は純と拓海が入れ替わったことに気がついたのだった。涼介は「馬場純を捕まえ、この手で刑務所にぶち込む」と言って拓海の法律事務所を出ていった。その後、涼介は死亡記録を見せた時についた拓海の指紋を照合にまわすが、検出されなかった。

梢を守る決意

拓海は唯が梢と住み込みで働ける場所を見つけたことを伝えるために唯の家を訪ねると、吐血して倒れている唯を発見する。知り合いの医者から、唯は助からないだろうと聞かされる。拓海がまごころHOUSEへ梢を迎えにいくと、高額な延滞保育料を請求され、母親の委任状が必要だと言って追い返されてしまう。急性骨髄性白血病だと判明した唯は、梢の幸せを一番に考え、拓海に梢を託した。拓海は梢を守り育てることを唯に約束すると、再びまごころHOUSEへ向かい、梢を助け出すのだった。ほどなくして、唯は静かに息を引き取った。その頃、涼介は徳田に会いに神戸へ向かっていたが、徳田は純は震災で死んだと言い張る。涼介が立ち去った後、徳田は拓海に電話をかけ、「逃げるか捕まるか、自分が難しいと思う方を選べ」と言うのだった。東京へ戻った涼介は、拓海を任意同行するよう上司に駆け寄るが、確かな証拠がなく断られる。そればかりか、拓海が警視庁へ告発したことにより、まごころHOUSEへの強制捜査が決まった。涼介が慌てて拓海の事務所へ行くと、拓海の姿はなかった。代わりに梨沙子が胸の内を話し出す。当初、馬場純が恋人になりすまして生きていることに腹を立て受け入れられなかったが、純が拓海の夢を叶えて拓海の分まで必死に生きようとする姿を見て考えが変わったと言う。しかし、涼介の純への憎しみが消えることはなく、涼介は馬場純の行方を追う。事務所を飛び出した涼介が周りを見渡すと、梢を連れて足早に去る拓海の姿が目に入る。涼介が「馬場純ー!!」と叫ぶと、拓海と一瞬目が合うが、次の瞬間拓海は梢を抱きかかえ走り去っていった。その頃、まごころHOUSEに警察の手が入り、元と真澄は捕まる。梨沙子は拓海に電話をかけ、「逃げて。そして、生きて」と言い、拓海は梨沙子に礼を言う。拓海が上野駅から電車に乗り込もうとした時、涼介もホームに駆けつけたがわずかに間に合わず、涼介の叫び声が虚しく響き渡るのだった。

平成30年 福島

拓海と梢はリンゴを作り、ひっそりと暮らしていた。年頃になった梢には恋人・碓氷慎(松下 洸平)がいた。慎は元大物代議士・碓氷太一郎(伊武 雅刀)を祖父に持ち、自身も若手政治家として活動していた。太一郎は身辺調査を依頼し、慎と梢を別れさせようとしていた。慎の後援会のボランティアスタッフとして働く田辺瑛里華(福田 麻由子)は慎に思いを寄せるあまり、梢の身辺調査報告書を盗み見てしまう。そして、慎の恋人が以前両親の保育所にいた梢だと知った瑛里華は、東京で暮らす元と真澄に話してしまうのだった。拓海を恨む元と真澄はツキがまわってきたと言って喜び、すぐさま拓海の前に現れ、ゆすってきた。元と真澄から梢の恋人が有名政治家の御曹司だと聞かされた拓海は、梢と慎の交際を反対した。一方で、慎は太一郎が梢に手切れ金を渡そうとしたことを知り太一郎に詰め寄るが、選択を迫られる。梢と別れるか、碓氷家と縁を切るか。瑛里華は梢の前に現れ、慎を思うなら慎と別れるように言う。 ある日、涼介は部下を数名連れて、盗んだ自転車を売り飛ばして生計を立てている元と真澄を逮捕しにきた。元は現在も馬場純を追い続ける涼介に、拓海の居場所を教える代わりに自分たちを見逃すように要求する。涼介は部下たちを先に帰らせ、元と2人きりになる。拓海をこの場に呼びよせていた元は、拓海はもうすぐここにやってくると告げる。しかし、そのまま立ち去ろうとする元を、涼介は許さなかった。 涼介は元に拳銃を向けていたが、真澄が鉄パイプを振り回して止めに入る。涼介と真澄が揉みあっていると、元が拾い上げた拳銃で涼介を撃ち、真澄が鉄パイプで涼介の頭を殴り、涼介はその場に倒れ込む。元と真澄は動かなくなった涼介を軽トラックの荷台に乗せ、走り去ってしまう。その場にやってきた拓海は、地面についた大量の血を見て驚き、涼介の警察手帳を見つけるのだった。辺りが暗くなった頃、元と真澄は穴を掘って涼介を埋めようとしていたが、そこへ拓海が現れる。拓海は元と真澄を木に縛りつけ通報し、涼介を背中におぶって山を下り、駆けつけた救急隊員に涼介を渡すのだった。意識を取り戻した涼介は自分を助けた理由を尋ねるが、拓海は何も言わずに立ち去った。その後、元と真澄は殺人未遂で逮捕された。

本来の自分に戻る

拓海が帰宅すると梢の姿はなく、梢からの留守番電話のメッセージを見つけ、拓海は病院へと急ぐ。梢に別れを切り出された慎が梢の家を訪ね、梢の目の前で倒れたのだった。病室で拓海と慎は対面する。梢は拓海の悲しむ顔を見たくないからと言って慎に別れを切り出したのだと言うが、慎は梢を諦めるつもりはないと言った。慎は東日本大震災で、目の前で親友を失っていた。命を落とした親友と生き残った自分を隔てたものは何だったのか考え続けるうちに行きついた答えは、『偶然』だった。偶然が自分を生かしていることに気がついてからは、亡くなった親友に恥じない生き方をしよう、後悔する選択はするべきではないと胸に誓ってきたことを聞いた拓海は、阪神大震災の自分と拓海に重ね合わせていた。そして、「あの子が幸せになれるのなら、私は何だってする」と言って梢を拓海に託した唯の言葉を思い出していた。 そんな中、 慎は劇症肝炎だと診断される。それも希少なRHマイナスO型で、慎の親族の中には一致する人物がいない。梢が絶望に暮れる中、拓海が名乗り出る。適合していながら肝臓移植できないまま弟を死なせてしまったことを長年負い目に感じていた拓海は、自分が守ってきた梢の愛する恋人の命を救えると知り、このために自分は生かされていたのだと知るのだった。拓海は太一郎の元を訪れ、慎を救うためには2つの手続きをクリアしなければいけないと話す。まずは梢が養子縁組をしている徳田と拓海が養子縁組をして、次に梢と慎が婚姻関係を結ぶと言うことだった。そうすれば、慎は梢と血の繋がりのない拓海から肝臓移植されても、何の問題もない。涼介は戸籍が動いたことに驚き拓海を訪ねると、拓海は病院にいると聞かされる。涼介がすぐさま病院へ向かうと、そこへ現れた徳田が涼介に声をかける。徳田は、20年以上馬場純を追いかけてきた涼介には真実がわかっているのではないかと話し、「馬場純は捕まるのがわかっていながら、自分の肝臓を娘が愛する男に提供しようとしている。手術が終わるまで待ってやって下さい。」と頭を下げるのだった。涼介は手術室へ向かう途中の拓海を止め、何か言おうとするが、何も言えないまま手を放す。 年が明け平成31年になったある日、涼介は歌織に会いに施設を訪れていた。涼介は詐欺まがいのことをする父親を止められず、父親に怯える母親を守ることもできないまま東京へ逃げ、そんな自分を責めるあまり、人を恨むことで自分の本当の気持ちから目を逸らしていたのかもしれないと打ち明けた。すると、認知症の歌織は「怖いからいうて目背けたらあかん」と声をかけ、涼介はようやく歌織に謝ることができたのだった。 慎が順調に快復する姿を見届けた拓海は、梢に手紙を残し、姿を消した。梢と慎の幸せを願う拓海は、はじめから全てがうまくいったら姿を消すつもりでいたのだった。手紙には、唯がどれほど梢を愛していたか、拓海は梢と家族になったことで生きる喜びを知ったことや本来の自分に戻って罪を償おうとしていることが綴られていた。そして、手紙の最後には❝馬場純❞と書かれていた。 純は神戸の慰霊碑の前で手を合わせ、振り返ると涼介が現れた。涼介が「あなたを許しはしないし、あなたも私の父親を許さなくていい」と言った後、「平成31年1月6日 馬場純 逮捕」と言うと、純は「はい」と返事をした。そして、純を乗せた車は走り出したのだった。

(ベルの音)
(笛の音)
(刑務官)集合!
点呼!
(一同)1・2・3…。


(サイレン)
(警察官)おい。
さっき 見たやろ。
外(キャスター)次のニュースです。
正午ころ
兵庫少年刑務所から
少年が 脱走しました。
少年は おととし
兵庫県 神戸市で
クリーニング店の 店主が
死亡した事件で
傷害致死の罪に 問われ
服役していました。
外(所長)脱走した 少年は
真面目に 服役していたので
非常に 困惑しています。
近隣住民の皆さまに
多大な ご迷惑を お掛けし
申し訳ございません。



(呼び出し音)
(女性)神戸第一病院です。
(純)そちらに 入院してる
馬場 哲は? 彼の容体は?
(女性)どちらさまですか?
(純)馬場 哲の 親戚の者です。
(女性)少々 お待ちください。
(純)はい。
(保留音)
(通話の切れる音)
(不通音)
(笛の音)
(警察官)荷台
調べさせてください。
(男性)ああ。 ええですよ。
(警察官)はい。 OKです。
(警察官)ありがとうございました。
(純)哲?
哲!
(看護師)ちょっと。 何ですか?
(純)哲。 哲。
(純)あのう。 哲は?
(看護師)先ほど
お亡くなりになりました。
(看護師)あのう。
どちらさまですか?
(純)哲。
(看護師)あのう…。
(純)哲。
(看護師)すいません。


(医師)《弟さんの
胆道閉鎖症ですが
肝不全を 起こしています》
《肝臓移植しないと
助かりません》
《弟さんは
Rh マイナス O型という
珍しい 血液型なんですが
幸いにも お兄さんも同じなので
移植は 可能です》
《じゃあ 今すぐ
俺の肝臓を 哲に》
(医師)《18歳以上じゃないと
ドナーになれないんです》
(医師)《もう少し 待ちましょう》
(結子)《あのう。 先生。
必要な治療費…》
《手術代は どのくらい
掛かるんでしょうか?》
(医師)《それは…》
(女性)《ハワイ
飽きちゃったんだって。 どうする?》
(男性)《行き過ぎ 行き過ぎ。
グアム 行こう》
(一同)《イェーイ! いいね!
すごい いいよね》

(結子)《いつも ご苦労さま。
ごめんね》
《何で 謝るん?》
《俺 体 動かして 働くん
好きやから》
《おい。 哲。
たまには 一緒に やるか?》
(哲)《うん》
《ほれ》
(哲)《兄ちゃん》
《Jリーグ できたら
行かへんの?》
《行けるか。 アホ》
《ほら。 哲。
しっかり 蹴ってこい》
《下手くそかよ》
《来年 Jリーグ 見に行くか。
チケット 取ったるわ》
(哲)《ホンマに!?》
(結子)《よかったな。 哲》
(哲)《うん》
《毎日 頑張っとうし
ご褒美や》
(哲)《やった》
(結子)《純! 純!》
(哲)《兄ちゃん!》
(結子)《放して! 放して!》
(哲)《兄ちゃん!》
(結子)《純! 純! 純!
待って…》
《純!》
≪(結子)《待って!》
(刑務官)《弟さんの病院から
連絡があって》
《急に 容体が 悪化したそうや。
持って ここ数日やそうや》
《出してください。
弟には 俺しか おらへん》
《俺の肝臓を 移植すれば
助かるんや!》
(刑務官)《それは できないんや》
《お願いします。 お願いします》


(徳田)ああ…。 ハァー。
(徳田)おお。 気付いたか?
いやぁ。 お前を
ここまで 担いできたら
腰 やってもうた。
誰や?
(徳田)ここの園長の 徳田や。
ここはな 育成園いうて
問題を 起こしたやつらが
暮らしとる。
おい。 飲め。
脱水症状になる。
(徳田)名前は? 年は?
どこから来た?
(徳田)おい。 また 死ぬ気か?
取りあえず 今日は
ここで 寝たらええ。
死ぬんは いつでも できる。
(徳田)もともと ここは
教会やったんや。
今は 若い者が
15人ほど 住んどう。
おい。
好きなだけおって ええぞ。
(ノック)
(徳田)入るで。
(拓海)うっす。
(徳田)拓海。 新入りや。
おい。
(徳田)こいつ 渡辺 拓海。
見た目は こんなんやけどな
気にすんな。 フフフ。
(拓海)あっ。 徳さん。
(徳田)うん?
(拓海)来週 東京に
願書 取りに 行ってくるわ。
(徳田)OK。 気ぃ付けてな。
(拓海)うっす。
(徳田)まあ 取りあえず
ぐっすり寝ろや。 ほい。
(徳田)おやすみ。
(せき)
(拓海)ここ どこやと
思うとんねん。
(拓海)飯は 食堂や。
(徳田)おお。
だいぶ ましな顔になったな。
あっ。 そや。
(徳田)タダ飯 食わせる
余裕はない。
まあ 取りあえず
体 動かして 飯 食って 寝る。
しばらくは
それを 続けたらええ。 なっ。
おい。 拓海。
(拓海)あっ?
(徳田)現場 こいつ 頼むぞ。
(拓海)はい。
外(キャスター)昨日
兵庫少年刑務所から 脱走した
少年の行方は
依然 つかめていません。
警察によりますと
刑務所 周辺には
隠れた痕跡などが ないことから
何らかの手段で
別の町に 移動したと
考えられると いうことです。
この少年は おととし
兵庫県 神戸市の
クリーニング店に 押し入り
店主を 死亡させた
傷害致死の罪に 問われ
兵庫少年刑務所に
収監されていました。
《馬場 結子の 息子。
馬場 純です》
《母を だましましたよね?》
≪(足音)
(歌織)《あっ。 あなた》
(斎藤)《奥で 話しましょか。
どうぞ》
(斎藤)《われわれは お母さんを
助けたかっただけですよ》
《君には まだ
分かれへんと 思いますが
投資というのは
まあ あくまでも 投資や》
《配当が つくときと
つけへんときが あるんです》
《今回は それが
つけへんかっただけですよ》
《あなた 最初から
母を だまそうとして
病院で 声を掛けましたよね?》
《弟の治療費と
手術代なんです》
《お金 返してください!》
(斎藤)《うるさいんじゃ。
この がきが!》
《俺が 怒らへんうちに
さっさと 帰れ》
《警察に 行きます》
(斎藤)《行かすか ぼけ!》
(斎藤)《なめとったら
承知せんぞ。 こら》
《だまされる方が 悪いんじゃ!》
(斎藤)《もっと
頭 ようならんとな。 君も》
(斎藤)《逃げんな こら!》

(歌織)《あなた。 あなた…》
(悲鳴)
(現場長)お前。 現場の仕事
長いやろ? 名前は?
≪(落ちる音)
(現場長)おい。 何やっとんねん?
(拓海)すんません。
(一同)牛丼や。 お疲れ。
ありがとう。
(拓海)おい。
お前。 昼も 食ってへんやろ。
(拓海)ナイスキャッチ。
それで 食え。
(徳田)今日の給料や。
働いた分 食え。
(徳田)ほら。
(みどり)徳さん。
(徳田)おう。
よし。
(拓海)よっしゃ。
(徳田)ハハハ。
おいおい おいおい。
ほい。 喉に つっかえるぞ。
大丈夫かよ? えっ?
(拓海)めっちゃ うまい。
みどり。 最高。
(みどり)よかったね。
(拓海)最高。 あしたも 牛丼。
うまい。
何や。
ちゃんと しゃべれるやないか。
やっと お前の声 聞けたわ。

(みどり)これ。
ここで余ってた 古着や。
徳さんが 使えって。
ありがとう。
(みどり)ああ。
(拓海)何や?
何で ここに おるとか
聞かへんの?
別に どうでもええ。
お前。 俺が 何で
足 引きずっとんのか
知りたいんか?
いや。
そういうことやんな。
ああ。 でも 一つだけ。
何て 呼んだらええ?
哲。
おう。 ういっす。
(記者)刑務所から 脱走した少年
危篤の 弟の元に
向かったそうですよ。
(記者)治療費を
だましとられた 恨みで
あなたの旦那さんを
殺害したんですよね?
(記者)詐欺には あなたも…。
脱走した 少年は
さらなる復讐を
考えてるかも しれませんよ。
(歌織)ごめんなさい。
ごめんなさい…。
(涼介)いいかげんにしろ!
被害者は こっちなんや。
(記者)ご家族のことですよ。
ご家族の…。
(涼介)謝る必要なんか ない。
(歌織)私の責任や。
私が お父さん
止められへんかったから。
(歌織)ごめんなさい。
ごめんなさい…。
(泣き声)
(従業員)こちら
大変 人気ですよ。
(拓海)あっ いや。 いいんですけどちょっと 予算が…。
(従業員)でしたら こちらが
お求めやすいかと 思いますが。
(拓海)ああ。 うーん。
こっちに…。
(従業員)しますか?
します!
(子供)あの猫 取って。
(子供)下りられなくなってる。
(子供)かわいそうやから 取って。
分かった。
(子供)ジャンプして。
ジャンプして 取ったら
危ないやろ。
何で こんな 高いとこ…。
(拓海)登るだけ 登って
下りられんように なったんか。
(拓海)ちょっと これ
持っといて。
おい。 肩車。
ああ。
(拓海)ほら。
(一同)頑張れ! 頑張れ!
(拓海)はいよ。 待っとれよ。
はい。 はい。 よしよし。
はい。 おいで。
(一同)わーっ。 すごい!
(拓海)ああ。 よかったな。 はい。
(子供)木から 下りれて
よかったね。
(拓海)なあ。 よかったな。
(子供)これ あげる。
(拓海)おお。 くれんの?
(子供)うん。
(拓海・純)ありがとう。
(一同)よかったね。 よかった。
(拓海)なあ。 よかったな。
(拓海)ああ。 彼女にな。
東京におって クリスマス
プレゼント
渡されへんかったから。
(拓海)早う 一人前にならんと。
えらい 待たしとうからな。
いつも 勉強しとん。
何かの試験 受けるん?
(拓海)司法試験や。
えっ? 司法試験って
弁護士とかの?
(拓海)ああ。 そやな。
すごいな。
(拓海)受けるだけやったらな
誰でも できるわ。
(拓海)昔な 盗みで
犯人扱いされたことが あってな。
えっ?
(拓海)そんとき
国選の弁護人に 救われた。
育成園に 住むようになったんも
その人の紹介や。
(拓海)まあ 俺 中卒やから
司法試験いうてもな
4回 テスト 受けなあかんから
まだまだや。
ああー。 テスト めんどくせえ。
(拓海)お前。 なりたいもんは?
ない。
(拓海)やり直せると 思うで。
(拓海)おっ。 悪い。
≪(ドアの開く音)
(刑事)すんません。
(拓海)はい。
(刑事)ここの 責任者の方は?
(拓海)ああ。 ちょっと。
(刑事)ああ。 すんません。
ちょっと
お聞きしたいんですが。
(刑事)この少年
見掛けませんでしたか?
(徳田)何か あったんですか?
(刑事)まあ 詳しいことは
言えないんですが。
(拓海)馬場 純。
刑事が そう 言うてたわ。
切ってくれ。 髪。
はっ?
髪や。 髪。
プレゼント 買うたから
金欠なんや。
なあ。 頼むわ。
ほい。 ほい。
刑事なら 大丈夫や。
徳さんが 追い払った。
(拓海)慣れとんな。
哲。
弟の名前が 哲。
哲の髪 切っとったから。
ええ兄貴や。
最低や。
あいつは 移植が 必要やった。
俺の肝臓を 移植すれば
助かった。
そやのに 必要なとき
俺は 刑務所に おった。
母さんは 俺が 刑務所に入って
電車のホームから 落ちて
死んでしもうた。
もしかしたら 俺のせいで…。
自殺かもしれへん。
哲は たった一人で
死んでいった。
俺 人 殺したんや。
この手で 殺した。
(拓海)殺すつもりや
なかったんやろ?
えっ?
正当防衛なんやろ?
何で…。
俺にとって
お前が 凶悪犯っていうより
色々 事情があって
今 ここに おる。
何かな その方が
リアリティーが あるんよな。
まだ 会うて すぐやろ。
十分やろ。 それで。

何してんねん。
続き 早う 切れ。
ほら。 早う。

(一同)8・7・6・
5・4・3・2・1。
ハッピー ニューイヤー!
イェーイ!
(男性)おいおい。
写真 撮ろうや。
(みどり)なあ。
あんたも 写真 撮ろうや。
俺は ええ。
(みどり)ノリ 悪いな。
いくよ。
(男性)おお。 来た来た…。
(徳田)拓海。 しばらく
向こうに おるって。
お母さんな 危篤らしい。
拓海の家族の話
初めて 聞きました。
(徳田)あいつ お母さんと
義理の父親の間に 色々あってな。
いわゆる 虐待されて
グレてしもうた。
(徳田)まあ 過去のない人間なんておらんわな。
何で 嘘ついたんですか?
刑事に
嘘つきましたよね?
お前の人生に
関わってしまったからな。
人は 結局 誰を信じて
誰を守るか。
そう 思うて ここ やっとう。
俺は これから どうすれば…。
それは 自分で決めろ。
えっ?
(徳田)ただ どっちの道に
行ったらええか 迷ったとき
ちょっとした ヒントがある。
知りたいか?
難しい方を 選ぶ。
無理やと思うた方を 選ぶ。
まっ それが だいたい 正解や。
うん。
(徳田)おう。 お疲れ。
(一同)お疲れっす。
拓海。 葬儀 終わって
今日 帰ってくるそうや。
≪(ドアの閉まる音)
(足音)
(拓海)ああ。 悪い。
起こしてもうたな。
ううん。 大丈夫。
ごめん。
勝手に見てた。 これ。
どう? 完璧?
すぐ 寝れたわ。
やろな。
あのう。 大変やったな。
お疲れした。
おう。
お前。 酒 飲む?
あっ。 3日前や。
飲めるようになったん。
そうか。 やったら
ちょうどええな。 飲むか?
うん。
(拓海)ほい。 はい。
うわっ!
まあ あれやな。
おふくろには
二度と 会いたなかったな。
この左足。
おふくろの男に やられてな。
おふくろ。
かばってくれへんかった。
いや。 まあ 分からへんな。
怖くて
かばわれへんかったんか…。
二度と 会わへん
思うてたのに
会ったときが
死んだときって…。

(せき)
お子さまには 早かったか?
うるさい。
弁護士になったら
声を上げられんやつらの
代わりに なりたいな。
お前なら なれる。
そんなん 分からへんわ。
いや。 お前は なるべきや。
何や。 偉そうに。
うっさいのう。 お前。
何や?
おっ。 痛い。
お前 やめろ。
やめろ お前。 アホ。
やめろ。
飲め 飲め。 早 飲め お前。
(カラスの鳴き声)
(犬の吠える声)
(非常ベルの音)
拓海。 拓海。
拓海。 拓海。
拓海!
おい! しっかりせえ。
おう。 無事か?
ちょっと待て。 すぐ 助ける。
誰か!
誰か 来てくれ!
(拓海)財布…。
はっ?
財布 取ってくれ。
何 言うとんねん!
ええから!
ポケット!
(拓海)それ 持っていけ。
はっ?
(拓海)馬場 純。
お前。 俺になれ。
俺には 前科もない。
もう 親も おらへん。
誰にも 分からん。
何 アホなこと 言っとんねん!
やり直せ。
純。 やり直せ。
おい。 拓海!
(拓海)純。
約束やぞ。
俺の分まで 生きろ。
誰か。 誰か…。
行け。 行けって!
早う 行け!
純! 行けって!
(泣き声)
行け!



外(職員)お済みでない方は
受付まで お越しください。
お名前を 確認しております。
神戸市 全体で 安否確認の
名簿を 作っております。
(職員)お名前は?
渡辺…。
渡辺 拓海です。
(職員)証明できるもの
お持ちですか?
(職員)ありがとうございます。


(涼介)母さん。
(歌織)涼介。
(歌織)何で 私 生きとんのやろ。



(拓海)《馬場 純。
お前。 俺になれ》
《純。 やり直せ》
《俺の分まで 生きろ》
(拓海)《行けって!
行け!》
被害者の証言が
本件での 有罪の証拠ですが
その信用性は なく
合理的な疑いが
数多く 存在します。
痴漢冤罪は 本人 および
その家族をも
社会的に 抹殺するに
等しいものです。
裁判所は 本件の判決を
慎重に 吟味していただきたい。
終わります。
(裁判長)主文。 被告人は 無罪。
(裁判長)これから
判決の要旨を 述べます。
本件は 平成16年 3月5日。
午前 7時56分ごろから
同日 午前 8時…。
(男性)ありがとうございました。
まずは 仕事を探して
社会復帰 しましょうね。
(男性)やり直せるんでしょうか?
過去は 変えられない。
けれど 未来は
変えることができる。
必ず やり直せます。

≪(谷口)少年たちの乱闘騒ぎだ。
3丁目の高架下。
すぐ 行ってくれ。
(一同)はい。
(谷口)斎藤。
(涼介)はい。
(谷口)覚悟しとけよ。
ここの生安 かなり きついぞ。
(涼介)きついのは
望むところです。
(翼)痛え。
おい。
(翼)うわ。 先生。
お前 愛梨ちゃん 困らせんなよ。
(翼)くそ。
愛梨のやつ 電話したのかよ。
あっ。 先生。 マジで
向こうから先に 手 出してきた…。分かったから。 ほら。
すいません。 こいつが
ご迷惑を お掛けしました。
ほら。 謝れ。
あっ。 失礼しました。
私 弁護士の 渡辺という者です。
弁護士?
生活安全課の方ですよね?
ええ。
(刑事)ほら。 いたぞ。
お願いします。
(刑事)はい。 おい。
(翼)痛てて。
あいつらの後ろには もっと
捕まえるべきやつらが います。
更生させるには そこから
切り離さないと いけない。
私も できることは
協力しますので。
それでは。
(女性)先生。 こんにちは。
あっ。 どうも。
ただいま。
(梨沙子)おかえり。
(梨沙子)はい。 これ。 今日の分。
うん。 ありがとう。 置いといて。
(梨沙子)あと これ。 お土産。
えっ?
(梨沙子)いや。
すごかったよ 六本木ヒルズ。
あんな でっかいビルが
できるなんてね。
行ったんだ。 ありがとう。
(梨沙子)うん。
(梨沙子)ねえ。 やっぱりさ
無料相談 ちょっと 控えた方が
いいんじゃない?
それだけは しない。
(梨沙子)倒れても 知らないよ。
(梨沙子)じゃあ 私
仕込み 行ってくるわ。
うん。
(梨沙子)あっ。 こんにちは。
(唯)こんにちは。
(梨沙子)先生。 唯ちゃん 来たよ。
あっ。
どうぞ。
アパートの
退去命令の件ですが
大家さんの条件としては
毎月 少しでも
家賃を 払い続けてほしいと。
パン工場 復帰できそうですか?
(唯)あっ。 はい。
よかった。
それと 入居時に 立てなかった
保証人を
今度は きちんと 立ててほしいと
言ってるんですが。
(唯)ああ…。
誰か
保証人になってくれる
ご家族の方は?
(唯)いません。
あっ。 すいません。
じゃあ 僕が 保証人に。
(唯)いや。 でも そんなこと…。
僕も いないんですよ。
頼れる家族。
同じですよ。
大丈夫です。
(唯)ありがとうございます。
(梢)ママ。 おなか すいた。
(おなかの鳴る音)
あっ。
(梢)あれ? おじさんも
おなか すいたの?
腹ぺこ。
(梨沙子)はーい。 どうぞ。
(梢)おいしそう。
(梨沙子)ここの 看板メニューの
チキンとレモンの 蜂蜜焼き。
食べてみて。
(唯)じゃあ 梢の分 ママが取るね。はい。 どうぞ。
(梢)おいしい。
(唯)ホント。 おいしい。
(梨沙子)
その言葉 待ってました。
ありがとう。
(梨沙子)うん。
(梢)楽しいね。
みんなで食べると。
(唯)うん。 楽しいね。
梢。 ほら。
お箸 ちゃんと 持たないと。
いや。
お母さんなんだなと 思って。
(唯)お母さんですよ。
すごいな。
(唯)えっ?
梢ちゃんを 一人で
ここまで 育てたんですよね。
すごい。
(唯)いや。 そんなこと。
すごいです。
そんなこと 褒めてくれるの
先生ぐらいです。
(梢)ママ。 こっちも おいしいよ。
(唯)どれ?
(梢)ご飯。
(唯)ホント?
ママも 食べよっかな。
じゃあ おじさんも
食べちゃおっかな。
(唯)おいしい。
(梢・唯)「どの はな みても
きれいだな」
(唯)あっ。 梢。 ちょっと待って。
靴ひも。
(唯)よし。 はい。
(唯)あっ。 すみません。
いや。
(梢)おじさん。
うん?
(梢)また 一緒に
ご飯 食べようね。
うん。 もちろん。
(唯)梢。 渡辺先生は 忙しいの。
ああ。 いや。
ご飯なら いつでも。
(唯)じゃあ また 今度。
はい。 また 今度。
(梢)今度 早く 来ないかな。
(梢)「さいた さいた」
(梢・唯)「チューリップの」
(店長)何やってんの?
早く 戻って。
(唯)はい。
(男性)部下から
頼られちゃってさ。
(唯)大変ですね。
(男性)女性からもね。
(唯)駄目ですよ。
(男性)えっ? 駄目じゃないよね?
(梢)返して。
それ ママが作ってくれた お弁当。
(瑛里華)ほら。 取ってみなよ。
(梢)返して。
(瑛里華)取ってみな。
(すすり泣く声)
(真澄)誰? これ 散らかしたの。
(瑛里華)ママ。 梢だよ。
(梢)私…。
(真澄)食べ物は
粗末にしちゃ 駄目でしょ?
それ 拾って 食べなさい。
全部 食べなさい。
(真澄)食べなさい。
ほら。 急がないと
猫に 食べられちゃうよ。
ほらほら。 ほらほら。
ほらほら。 急いで。
(真澄)
チャリン チャリン チャリン。
(真澄)はい。 15分 遅刻。
延滞料金 払って。
(唯)でも 今日は 12時 ぎりぎり。
(真澄)ぎりぎりじゃ 駄目でしょう。
(真澄)寝た子を 起こして
身支度して
送り出すには
15分は 必要じゃない。
あっ。 文句 あるんだ。
だったら 仕方ないけど
よそへ 行って。
でも 深夜まで 水商売の子供
預かるとこなんて
この辺りじゃ
うちぐらいだけだけど。
支払い
少し 待ってくれませんか?
ちょっと あんた。
(元)はいよ。
(真澄)不破さんが 延滞料金
待ってほしいって。
(元)えっ?
いやぁ。 それは 困ったな。
(真澄)困るわよね。 不破さん。
結構な額 延滞してるでしょ。
こっちは
ボランティアじゃないんですよ。
(唯)すみません。
(元)あっ。 そうそう。
この前 話してた
割のいい 仕事。
ホントに 紹介してあげるよ。
そうすれば 延滞料も
すぐ 払えちゃう。
(真澄)払えちゃう 払えちゃう。
今 決めて。
(唯)えっ?
(元)そう。 今 決めてよ。
≪(梢)ママ。
(元)お子さんのためにも
お母さん 頑張んないと。
「ファイト!」
(真澄・元)「闘う君の唄を」
(ハミング)
(梢)ママ。
あそこに おじさん いるよね。
(唯)うん。
(梢)また 今度の 約束 いつ?
(梢)ママ?
(唯)大丈夫。 大丈夫だから。
(翼)ごめんね 遅くに。
どうした?
(翼)東京 離れようと思って。
えっ?
(翼)ずっと 考えててさ。
(愛梨)翼がね
やり直したいって 言ってくれて。
そうか。
でも ずいぶん 急だな。
(翼)落ち着いたらさ
こいつと 結婚しようかなって。
マジか。
(翼)マジ。
そうか。 よかったな 愛梨ちゃん。
(愛梨)うん。
(翼)先生。 ありがとね。
(翼)一度 ちゃんと
礼が 言いたかったんだ。
あっ。
(男性)あっ。 母ちゃん?
俺 俺。
そうそう そうそう。
達夫だよ 達夫。
(男性)今日の 3時までに…。
(男性)俺 事故 起こしちゃって。
(安田)翼は?
(男性)それが
電話にも出ないんです。
≪(ドアの開く音)
(刑事)動くな! 警察だ。
(男性)何なんだよ? てめえら。
(男性)
何 勝手なこと してんだよ!
(安田)くそ!
どうして ここに?
昨日 翼の様子が おかしくて
ここ 来たら こいつが
翼のこと 殴ってて。
(安田)くそ!
お前 情報 売っただろ?
警察に 全部 話して
やり直すつもりだったんだな。
最初から 話してくれれば
よかったのに。
(翼)
巻き込みたくなかったんだよ。
バカだな。
(安田)放せ!
これは
弁護士がする仕事じゃない。
あっ。
何でも屋気質が 抜けなくて。
あなたみたいな お人よし
初めてですよ。
少し 飲みますか?
すごい名前ですよね。
オレオレ詐欺って。
でも これが
俺 俺って 言うだけで
結構 引っ掛かる人
多いんですよ。
親心に 付け込むなんて。
卑劣な犯罪ですよ。
まあ でも 翼も これで やっと
スタートラインに 立てたかな。
よく できますね。
お人よしなこと。
自分で できることはと
思ってて。
偽善だな。
ええ。 偽善です。
「他人を 救うことで
自分が 救われる」か。
そういう人種 いるんだな。
斎藤さんは ここに来る前は
どこに?
渋谷。 池袋。 新大久保。
まあ 色々な署を 転々と。
きつそうなところ
ばっかりですね。
いや。 性に合ってるんですよ。
多くの被害者を 救うことで
救われているとか。
人助けしたいわけじゃない。
ただ 犯罪を犯すやつが
許せないだけですよ。
でも 結果
多くの人を 救っている。
(梨沙子)はい。 お待たせ。
あっ。 拓ちゃん。
これ 届いてたよ。
あっ。 ありがとう。
(梨沙子)ねえ。 涼さん。
ほら。 初対面で
なれなれしく しない。
(梨沙子)いいじゃん。 涼さんで。
ねえ。 涼さんはさ
何で 刑事になろうと思ったの?
それは…。
昔 身内が 事件に 巻き込まれて。
それが きっかけ。
(梨沙子)事件って?
ほら。
(梨沙子)はーい。

もしもし?
外(峰田)悪いんだけど
来てくれないか?
どうしました?
外(峰田)たぶん
デリヘル やってる子なんだけど
客と もめたらしくて
すぐに 客の方が
弁護士 呼んで
女の子だけが
分が悪い状況なんだよ。
分かりました。
すぐに 行きます。
すいません。 行かないと。
忙しい人だな。
すいません。
これからも
よろしく お願いします。
じゃあ。
(梨沙子)うん。
≪(ドアの開閉音)
渡辺さんとは 長いんですか?
(梨沙子)うーん。
もう 3年くらいかな。
拓ちゃんとは 不思議な縁なんだ。
若干 関西なまりがある
気がしたんだけど。
うん。 出身 神戸って
言ってたよ。
えっ? いや。
俺も 神戸なんですよ。
えっ?
じゃあ 拓ちゃんと 一緒だね。
何か 2人 似てる気がするな。
(峰田)あっ。
遅くに 悪かったね。
お待たせしました。
(峰田)彼女なんだけど。
どうして?
(峰田)あれ? 知り合いか?
(弁護士)彼女が
こちらの 鈴本さんに
ケガを負わせたんです。
ホテルで 行為の料金で
口論になって…。
(男性)しつこく 自分を買えって
迫ってきたんだよ。
違う!
(男性)違わないんだよ。 フッ。
大変でしたね。 しつこく
迫られた上に 殴られるなんて。
(弁護士)直接
話し掛けないでください。
いや。 世間話ですよ。
全然 タイプじゃなかった?
(男性)誰が 相手にするかよ。
あんな ばばあ。
ホントは もっと
若い子が
よかったってことですよね。
(男性)フフッ。
いつもみたいに。
(男性)おい。
(男性)ふざけんなよ お前。
あなた これが 公になったら
児童買春で 捕まるかもしれない。
どうされます?
丸く収めるか? 公にするか?
(唯)いけると 思ったんだけどな。
ばばあって 言われちゃった。
どうして?
(唯)先生。
(唯)先生は 昔から
弁護士に なりたかったの?
えっ?
(唯)私は 別に
なりたいもの 何も なかった。
(唯)でも 好きな人が できて。
子供が できて。
梢が 私を
お母さんにしてくれた。
(唯)梢のためなら
私は 何だって できる。
(唯)何だって。
だからって 相談してくれれば…。
(唯)言えないよ。
(唯)知られたくなかった。
(唯)先生には
知られたくなかった。
やり直せる。
(唯)やり直せない。
やり直せるまで
一緒に 付き合う。
(唯)ただの 一依頼人なのに?

(唯)もう 大丈夫ですから。
(唯)ありがとうございました。

法外な保育料を 取っている
無認可保育園なんです。
しかも そこに 子供を預けてる
複数の女性が
同じ風俗で
働いてるようなんです。
分かりました。
こちらでも 調べておきましょう。
よろしく お願いします。
そういえば
神戸 出身なんですよね?
私もなんですよ。
この前 飲んだとき
神戸の 徳田育成園ってところからはがきが来てるのが 見えて。
その施設のこと
ちょっと 知ってるんです。
どういう関係なんですか?
ああ。
仕事で 付き合いがあって。
そうですか。
それでは
よろしく お願いします。

梨沙子さん。
(梨沙子)うん?
斎藤さん。
神戸 出身だったんだね。
(梨沙子)あっ。 そうみたい。
何か 昔 身内が 事件に
巻き込まれたとか 言ってたね。
うん。 その話
少しだけ 聞いたんだけど
お父さん 殺されたみたい。
殺された?
(職員)1カ月で 10回ほどですね。
パニックになったのは。
実際に ケガをする職員も
出てきて…。
申し訳ありません。
母さん。
母さん。
(歌織)どちらさんですか?

(男性)《詐欺師だったんだろ?
殺されて 当然…》
(涼介)《何で 止めへんかった?
親父》
《何で 止めへんかったんや》
(涼介)《何やらされてるか
分かってたはずや》
(歌織)《ほら。
お父さんに 口答えしたら…》
(涼介)《怒鳴られるから?
何も 言わへんかったんか》
(歌織)《東京に
涼介が行ってからな
お父さん 一度 カッとなったら
もう 止められへんように…》
(涼介)《だから 見て見んふり
してきたんか》
《怖いからいうて
目 背けてきたんか》
(歌織)《ごめんなさい。
ごめんなさい…》
以前 こちらで暮らしていた方の
幼なじみなんですけど
馬場 純って人なんです。
(職員)ねえ みどりちゃん。
知っとう? 馬場 純って子。
(みどり)ああ。
覚えてますか?
(みどり)いやぁ。
正直 あんまり 覚えてないんです。ああ。 そうですか。
(みどり)あっ。 でも
拓海君やったら 分かるかも。
(みどり)渡辺 拓海って子と
仲がよかったから。
渡辺?
渡辺 拓海っていうんですか?
(みどり)ええ。 でも 震災の後
東京に 引っ越したらしくて
全然
連絡 取ってないんですけど。
あのう。 何か?
その 渡辺 拓海のことで
覚えてることは?
(みどり)頭が良くて
みんなに 優しかった。
ああ。 結婚するって言ってた
彼女もいて…。
他には?
ちょっと 足が悪かった。
左足に 障がいがあったんです。


《これからも
よろしく お願いします》
不破さんと 梢ちゃんが
親子で 住み込める 働き口
探してるんです。
(峰田)分かった。
病院関係 当たってみるよ。
よろしく お願いします。
じゃあ 失礼します。
(梨沙子)早く 見つかるといいね。
うん。
後は ちゃんとした 保育園か。
(梨沙子)拓ちゃんさ。
うん?
(梨沙子)好きな人ぐらい
見つけたら?
そういうの いいかなって。
(梨沙子)
幸せになって いいんだから。
先生自身が 幸せになっていい。
それは 梨沙子さんもだよ。
(梨沙子)うん?
あいつも それを
願ってるはずだよ。
≪(ノック)
(梨沙子)はーい。
(梨沙子)涼さん。
席 外してもらえますか?
(梨沙子)あっ。 えっ?
折り入って 渡辺さんに
話があるんです。
話というのは ある家庭の
あるじが 殺された事件。
犯人が 未成年なんです。
はい。
その犯人 少年刑務所を
脱走しましてね。 あるところに
かくまわれていたようなんですが
その後
地震に 巻き込まれて
死んだんです。
何を
お聞きになりたいんですか?
うん。 もう少し
具体的に 話しましょう。
俺の親父が
殺された事件のことです。
犯人の名前は 馬場 純。
馬場 純は 当時 17歳で
犯行を犯した。
少年犯罪で
顔は 公開されていない。
私は 身内の事件なので
情報開示されていない。
やつの顔を 知らない。
刑務所を 出た後
捜査は 難航した。
ただ あなたが 仕事で
付き合いがあると おっしゃった
徳田育成園に いたんです。
そこで 馬場 純は
ある人物と 親交があった。
その名前が
渡辺 拓海っていうんですよ。
私と 同じ名前ですね。
ええ。 同じ名前です。
そして その 渡辺 拓海は
左足に まひがあって 足を
引きずっていたようなので
まあ あなたでは ないですよね?
まさか。
まさかですよね。
これ ご覧になってください。
おかしいですよね。
渡辺 拓海の 特徴である
左足に まひというのが
馬場 純の 死亡記録に
書かれてるんですよ。
これ どういうことだと
思いますか?
さあ? 私には…。
おそらく 馬場 純が
渡辺 拓海を 殺して
人生を 奪った。
私は 馬場 純を
忘れようと 思っていました。
やつは 死んだ。
もう 忘れるしかない。
でも 生きているなら
話は 別だ。
確かに 俺の親父は くずだ。
俺が 親父を
殺していたかもしれない。
でも それでも
どうしようもない くずでも
俺の親父だ。
やつが 親父を殺し
俺の家族は 壊れた。
その罪を償わず 脱走して
また 罪を重ねた上に
別人に 成り済まし
のうのうと生きてる!
もし そうなら
やつを この手で
刑務所に ぶちこむ。
必ず 捕まえる。
また 来ますよ。
≪(ドアの開閉音)



《これ ご覧になってください》

指紋の照合 お願いします。

もしもし。
外(峰田)拓ちゃん。
不破さん親子が
住み込みで 働けるところ
見つかった。
ありがとうございます。
(呼び出し音)
(チャイム)
(チャイム)
不破さん?
不破さん。 不破さん。
不破さん。
お願いします。
(峰田)不破さん。 不破さん。
(峰田)他の病院に 搬送する。
えっ?
(峰田)うちじゃ 手に負えない。
どういうことですか?
おそらく 彼女 助からない。
(刑事)おい。 行くぞ。
(刑事)はい。


(チャイム)
不破 梢を 迎えに来ました。
誰? あんた。
あっ。 あの女の男?
弁護士です。
今 寝てんのよ。
母親が 倒れたんだ。
(真澄)えっ? 引き渡せと?
無理 無理 無理 無理
無理 無理。
母親の委任状が ないかぎり
無理に決まってるじゃない。
それと 延滞した保育料も
払ってもらわないと。
あんた。
(元)はい。 請求書。
こんな高額な料金。
相手の弱みに 付け込んで…。
(真澄)大切な お子さんを
預かるんですよ?
それだけ こちらは
大変なんです。
(真澄・元)ねえ。


馬場 純ですね?
やつは 指紋を消していた。
万が一にも 自分の痕跡を
残さないように していたんだ。
(徳田)刑事さん。
馬場 純は 残念ながら
震災で 亡くなりました。
やつは 人殺しだ。
なぜ あなたは
犯罪者を かばうんです?
(徳田)あなた 私に
何と 言うてほしいんです?
今 東京にいる 渡辺 拓海は
馬場 純だと。
(徳田)その証拠がないから
私の証言が 必要なんですね。
やつを 任意同行させる。
真実が 明らかになれば
あなたも 罪に問われる。
それでも 馬場 純を
かばいますか?
それでも かばう理由が
どこに あるんです?
(徳田)刑事さん。
馬場 純。
彼は 震災で 亡くなったんです。
先生。
(峰田)詳しい検査結果が 出た。
やっぱり
急性骨髄性 白血病だった。
もう 手の施しようがない。
≪(戸の開く音)
(梨沙子)拓ちゃん。
唯ちゃんが 呼んでる。
あと これ。
ああ。
ありがとう。
(唯)先生。
頼っても いいですか?
はい。
(唯)梢を。
梢を お願い。
(唯)私の たった一つの宝物。
あの子が
幸せになれるなら
私は 何だってする。
(唯)あの子を。 あの子を。
約束する。
梢ちゃんは 僕が守る。
ありがとう。 先生。
先生と 梢と また
一緒に ご飯 食べたかったな。
(チャイム)
(泣き声)
(医師)バイタルは?
(看護師)脈拍 120 血圧 72です。
(医師)不破さん。 分かりますか?

(医師)ジャクソン 用意して。
(一同)はい。 カニューレ 外します。

梢ちゃん。
もう 大丈夫だから。
(梢)ママは?
(梢)ママは? おじさん。
ああ。


外(バイブレーターの音)
はい。
外(徳田)馬場 純。
捕まるんか? 逃げるんか?
どっちか 選ぶときが きた。
外(徳田)お前にとって
難しいのは どっちや?
無理やと 思う方は
どっちや?
お前が 決めるんや。
はい。
馬場 純は 生きてるんです。
任意同行させて 吐かせます。
(谷口)証拠が なさ過ぎる。
お願いします!

(谷口)はい。
(谷口)分かった。
デリヘルと 保育所。
強制捜査 ゴーが出た。
(一同)よし 行くぞ。 はい。
(谷口)警視庁にも
告発が あったそうだ。
告発者は 渡辺 拓海だ。
任意同行は 後日にしろ…。
間に合わない。
(谷口)はっ?
やつは 全てを終わらせて
逃げるつもりだ。
先生が お仕事できる状況じゃ
なくなってしまって。 はい。
やつは どこだ?
すいません。 申し訳ありません。
はい…。
やつは どこだ?
あいつは 人殺しだ。
本当の名前は…。
馬場 純。
渡辺 拓海に 成り済まして
生きてる。
全部 聞かされていたのか?
知ってるよ。
だって 私は
本物の 渡辺 拓海のこと
誰よりも 知ってるから。
(みどり)《結婚するって
言うてた 彼女もいて…》
(梨沙子)馬場 純が 渡辺 拓海に
成り済まして 生きている。
震災直後に そのこと 知った。
拓海自身が 望んだことだとしても許せなかった。
拓海は 死んだ。
でも 生きてることに なってる。
彼を 弔うことさえも できない。
しばらくして
馬場 純に 近づいた。
驚いた。
彼は 拓海の夢だった
弁護士になってた。
馬場 純は
拓海の分まで
生きようとしている。
拓海の分まで 必死に。
あなたが 思ってるように
馬場 純は
渡辺 拓海を 殺して
成り済ましてるんじゃない。
他人の戸籍を 使う。
立派な罪だ。
しかも やつは 人を殺しておいて
脱走し その罪を償っていない。
犯罪者である 過去を捨て
人助け?
ふざけるな!
へどが出る。
俺は あいつを
絶対に許さない。
もう一度 聞く。
やつは どこへ行った?
さあ?
どこに 行ったんだか。


馬場 純!


(刑事)警察だ。
どこ 行った?
(刑事)おい。 いたぞ。 待て!
(元)あっ。 何だ あれ?

依頼人への説明 うまく いった?
外(梨沙子)うん。 大丈夫。
(梨沙子)馬場 純。
外(梨沙子)逃げて。
そして 生きて。
梨沙子さん。
今まで 本当に ありがとう。
こちらこそ。
ありがとう。

行こう。

どこへ逃げた?

靴ひも。
(梢)これから どこ 行くの?
どっか 遠くに。
(梢)どっか 遠く?
家族に なるんだ。
(梢)おじさんが お父さん?
お父さんで お母さん。
今日から ずっと そばにいる。
行こう。
(サイレン)


はい。 どうぞ。
(梢)ありがとう。
(発車ベル)
前 行こうか。

(叫び声)


(慎)あっ。
(女性)ちょっと ちょっと。
ああー。
(慎)手伝いますよ。
手伝いますよ。
(女性)すみません。
ありがとうございます。
(慎)ああ。 大丈夫ですか?
(慎)よいしょ。
(女性)すみません。
ありがとうございます。
(慎)このリンゴ あなたが
作ったんですか?
(女性)はい。 父と 一緒に。
(慎)うまそう。
(女性)よかったら どうぞ。
(慎)いいんですか?
(女性)はい。
(慎)じゃあ。
(慎)うまい。
いや。 ホントに おいしいです。
ありがとうございます。
(女性)ただいま。
(父)おかえり。 遅かったな。
(女性)車が 溝に はまっちゃって。
(父)だから 付き添うって
言ったのに。 ケガは?
(女性)過保護なんだから。
(足立)馬場 純のことを
まだ 諦めてないんですか?
もう 14年 やつは 逃げてる。
何度か やつの尻尾を
捕まえかけた。
ただ 東日本大震災以降
また 行方が 分からなくなった。
(足立)いやぁ。 でも 今
捕まえたところで
大した罪には…。
お前!
殺したいほど 憎いやつ いるか?
(足立)えっ?
俺は 馬場 純を
絶対に 許さない。
俺 一人でも追う。
必ず 捕まえる。
(慎)もうすぐ 平成が終わる。
新しい時代が やってくる。
でも 3・11は
まだ 終わっていない。
皆さん ご存じのとおり 私は
あの 碓氷 太一郎の孫です。
子供のころから 政治家になるよう教育されてきた。
ただ 政治に
まったく 興味が なかった。
ただ あの震災を経験して 初めて
政治家になりたいと 思いました。
政治家として 東北のために
できることが あるなら
全力を 注ぎたい。
私が やりたいことは
福島の 地場産業 復活のために…。
(慎)俺が やるから いいよ。
(女性)ありがとうございます。
(慎)椅子 やって。
(女性)はい。
(慎)いただきます。
(女性)どう?
いや。 めちゃくちゃ うまい。
(女性)よかった。
来月からね 道の駅で
売ってもらえることになったんだ。
(慎)よかったね。
(女性)お父さん すっごく
反対してたけど 私に根負けした。
(慎)ねえ?
お父さんって どんな人?
(女性)うーん。 まあ 寡黙だけど
怖い人じゃないよ。
子供のころからね
お父さんが いつも
ご飯 作ってくれたんだけど。
(慎)うん。
(女性)それが
すっごく 下手なの。
でも 本人は 料理が
できるって 思ってるんだよね。
(慎)そうなんだ?
(女性)そう。
(慎)緊張するなぁ。
(女性)うん?
いや。 選挙が終わったら
ちゃんと 挨拶に行くね。
うん。 ありがとう。
(慎)お弁当 いただきます。
(女性)はい。
(慎)サンドイッチじゃん。
(太一郎)慎と 付き合ってる
女の素性 分かったのか?
(岸田)はい。 徳田りんご園という
農園にいる娘です。
≪(ノック)
≪(女性)失礼します。
(岸田)そこ 置いといて。
(女性)はい。
(太一郎)ありがとう。
(女性)失礼しました。
≪(ドアの閉まる音)
(太一郎)別れさせろ。
慎の妻には 俺が
それなりの娘を 用意する。
(岸田)はい。
(太一郎)あいつは
父親に似て 甘いところがある。
(太一郎)俺が 慎を導く。
一人前の 政治家にな。
(慎)戻りました。
(一同)おかえりなさい。
(慎)お疲れさまです。
(太一郎)慎。 お前は
選挙のことだけを 考えろ。
(慎)どういう意味ですか?
(太一郎)そのままの意味だ。


(女性)梢。
(真澄)あのね これだけ 盗むのに
どれだけ苦労したと 思ってんの?
(真澄)ねえ? あんた。
(元)そうだよ。
(真澄)そんな はした金
お断りよ。 他に 売り飛ばすから。
(元)そうそう。 他に 売り飛ばす。
(男性)じゃあ いい。
(真澄)えっ? ちょっと。
分かった。
半分だけ 売るから。
(元)仕方ねえな。
半分だけだかんな。
≪(足音)
(真澄)瑛里華。
(元)おう。 久しぶりだな。
(真澄)全然 連絡してこないで。
(瑛里華)聞きたいことが あるの。
(真澄)こいつよ。 こいつが
あの娘を 連れてったのよ。
(元)間違いない。
あのときの子だな。
(瑛里華)《取ってみな》
(梢)《返して》
(真澄)あれ? これ あの政治家の
ぼんぼんじゃない。
(元)えっ? あのときの子が
付き合ってんのか?
(真澄)人生って 面白い。
(瑛里華)えっ?
(真澄)何て 巡り合わせなの?
(元)ホント 面白い。
付きが回ってきた。
(瑛里華)何 考えてるの?
(真澄)うん?
ちょっとした 同窓会よ。
おい。
覚えてます?
俺は よく 覚えてますよ。
あんたが 告発したせいで
俺たちの商売
台無しに なったからね。
今じゃ 自転車を せっせと盗んで
何とか 生きてますよ。
何の用だ?
(元)でも あんたの方は
もうかってるんでしょ?
このリンゴ 売って。
(真澄)奇麗になったわね。
あの 小汚かった娘。
おい!
(真澄)やだ 怖い。
大丈夫よ。 観光客のふりしたし。
(元)政治家の ぼんぼんと
付き合ってるそうじゃない。
(真澄)あら。 知らなかった?
(元)うちの娘の 恋敵なんですよ。
お前たちに 用はない。
帰れ。
(真澄)人殺し。
(真澄)…だとか?
(元)あんたが あの娘を
連れ去った後 刑事が来たんだよ。
(元)居場所 知らないかって。
もう しつこくってさ
聞けば 人殺しで 脱走犯で
他人に 成り済まして
生きてるって いうじゃないか。
(真澄)怖い 怖い。
あの子 何も知らないんでしょ?
知ったら ショックよね。
(元)ホント うまいな。
こりゃ 金になる。
≪(戸の開く音)
≪(梢)ただいま。
(梢)どうしたの?
付き合ってるのか?
(梢)どうして?
答えなさい。
うん。 付き合ってる。
話そうと 思ってた。
でも 慎さん 選挙が終わったら
ちゃんと お父さんに 話を…。
分かってるのか?
有名政治家の 御曹司だぞ。
知らなかった。
最初に会ったとき
そんなこと 知らなかった。
好きになってから 知ったの。
反対なんだ?
ああ。 反対だよ。
いずれ 身辺調査されるから?
ここに住むまで ずっと
いろんなとこ 転々としてきた。
いつも 何かから 逃げてた。
お父さんは 何から逃げてるの?
渡辺先生。
昔 お母さん。 お父さんのこと
渡辺先生って 呼んでたよね?
お父さんが 私の お父さんに
なってくれる前 何があったの?
話して。
その話は やめてくれ。
(慎)秘書を使って 彼女に
手切れ金を渡そうとしましたよね。
(太一郎)素性の
分からない女だ。
神戸で 施設を経営している
徳田という男と
養子縁組を している。
父親を 名乗ってる男は
ホントの父親じゃない。
彼女の お父さんは
立派な人だ。
彼女を見てれば 分かる。
(太一郎)お前は 甘い。
あの男と おんなじだ。
お前の お母さんと
あの男との結婚を 許したのは
人生で 一番の失敗だ。
(太一郎)《出ていけ》
《二度と
碓氷の敷居を またぐな》
(慎)子供のころから
あなたの影響で
父は 愚かな政治家だと
思ってました。
でも 今になって
父の政治姿勢を たどると
まるで 印象が変わった。
父は 派閥にも属さず
党からの 除名も覚悟で
企業との癒着や
官僚との なれ合いを
批判してきました。
災害のときだって
被災者のために 走り回ってた。
私が 理想とする政治家
そのものです。
(太一郎)で 結局 あの男は
政治家として 何を なし得た?
お前が 俺の孫でなければ
どうだ?
奇麗事では
何も 動かせない。
しかし…。
(太一郎)選べ。
(慎)えっ?
(太一郎)あの女と 別れるか?
父親と同じく
碓氷の家を 出るか?
どちらか 選べ。

どちらさまですか?
(瑛里華)田辺 瑛里華です。
分からなくていい。
私が 誰か。
(瑛里華)とにかく
このままじゃ 慎さん
政治家としての人生を
失ってしまう。
(梢)えっ?
別れてください。
お願いします。

はい。
外(元)例の件
じっくりと
話し合いましょうか。
こいつらは くずだ。
(足立)えっ?
知ってるんですか? 犯人。
ああ。 馬場 純と
関わりがあった やつらだ。
(元)もう 安くてもいいから
全部 売っちゃう。
(男性)何か 始めるのか?
(元)うん。
いい金づるが できたからね。
≪(シャッターに 当たる音)
(足立)15時46分
窃盗の容疑で 逮捕する。
(元)うわ!?
ああ。 あのときの。
刑事さん。 ちょっと待って。
大手柄
あげさせてあげましょうか。
馬場 純!
刑事さんが あのとき 追ってた
あの男
今 どこにいるか
知りたくないですか?
見逃してくれたら
教えてあげますよ。
どうします?
悪い話じゃ ないでしょ。
≪(足音)
お前 先 戻ってろ。
(足立)えっ?
いいから。
(足立)はい。
≪(走行音)

なぜ やつの居場所 知ってる?
やつと 話したのか?
やつは 今 どこにいる!?
(元)そんな 矢継ぎ早に
聞かれてもね。
まずは 選んでくださいよ。
見逃すか どうか。
分かった。 話せ。
(元)嘘ついたら…。
話したら とっとと 消えろ。
今から ここに来ますよ。
馬場 純は ここに来る。
やつが ここに?
動くな。
ちょっと。 話が 違うじゃないか。
黙れ くず。
(叫び声)

(銃声)
(真澄)この野郎!
(元)撃っちゃったよ 俺。
(真澄)あれ? まだ 生きてる。
(元)でも 悪いのは
こいつだよな?
せっかくの 金づる 売ったのに。
(真澄)で どうすんのよ?
(元)ほっといたら
死んじゃうよな。
でも 助けたら 捕まる。
ああ。 どっちも選べない。
(真澄)埋めちゃおっか?
(元)おいおいおい。
埋めちゃえば いいんじゃないの?失踪に 見せ掛けてさ。
いやいやいや。
それは どうだろう?
(真澄)で 逃げる。
(元)逃げるって どこに?
金づるのところに。
(真澄)よいしょ。


(真澄)「ファイト!
闘う君の唄を」
(ハミング)
「ファイト!」
(元)OK。
(真澄・元)せーの。
(元)見つかったら 殺人だな。
(真澄)見つからなかったら
失踪だよ。
(元)見つかんないよな?
(真澄)見つかんない見つかんない。
(元)よし。
(元)よっ。
(ハミング)
≪(足音)
(元)見つかっちゃうよ。
(真澄)銃は? あんた 銃は?
(元)一緒に 入れちゃったよ。

(警察官)おい。 いたぞ。
≪(走行音)
(隊員たち)上げます。 1・2・3。
お願いします。
(隊員)はい。
馬場 純。
なぜ 助けた?
なぜ 俺を助けた!
なぜだ?
(隊員たち)上げます。 1・2・3。
(隊員)乗ってください。
うっ!?
(足立)係長。
よかった。 田辺のやつら
殺人未遂で 逮捕しましたから。
やつは どこへ 行った?
(足立)えっ?
馬場 純は どこだ?
(足立)もしかして
会ったんですか?
(足立)えっ? まさか
係長を 助けた人って?
《なぜ 俺を助けた!》


外(梢のメッセージ)お父さん。
どうしよう?
慎さんが。 慎さんが。
(梢)お父さん ごめん。
慎さんが 家に来て
いきなり 目の前で 倒れたから
私 動揺して。
お騒がせして
申し訳ございません。
碓氷 慎と 申します。
(慎)別れた方がいい。
梢さんが そう 言いだしたので
会いに 伺ったんです。
私の 政治家としての
将来のこと。
何より お父さんのことを
気に掛けてらっしゃいました。
(慎)お父さんが いなかったら
今の自分は ない。
血のつながらない 自分を
全力で 愛してくれた。
その お父さんの 悲しむ顔は
見たくないって。
でも 私は 諦めるつもりは
ありません。
人は いつ 死ぬか
誰にも 分からない。
それは 今
この瞬間かもしれない。
だから 後悔する選択は しない。
(慎)東日本大震災のときから
覚悟を 決めています。
(慎)私の目の前で
親友が 亡くなりました。
(慎)自分が 生き残り
あいつが死んだのは なぜか?
(慎)その答えは…。
偶然。
(慎)はい。 死んでいたのは
自分かもしれない。
だったら 生き残った者には
何が できるのか?
生きたくても 生きられなかった。
亡くなった あいつに
恥じない生き方をしたい。
それが 今の自分の原点です。
不思議な縁だな。
えっ?
君は 政治家らしくない。
青臭いですか?
ああ。
でも 君の 言うとおりだよ。
後悔する選択は
するべきではない。
交際は 許してくれると?
一般論だよ。
≪(梢)慎さん。 先生が捜してたよ。検査したいって。
(慎)分かった。
2人で 何 話してたの?
(慎)政治の話だよ。
(唯)《あの子が
幸せになれるなら
私は 何だってする》
《梢を お願い》
≪(戸の開く音)
梢。 碓氷君のことだけど。
梢?
(梢)慎さん。 検査したら
劇症肝炎って 病気だった。
すぐに 移植手術した方が
いいんだけど
慎さんの家族に
同じ血液型の人は いないの。
特殊な血液型みたいで。
特殊な血液型?
Rh マイナス O型っていう。
(太一郎)何の用だ?
慎と あなたの娘さんの
交際のことなら…。
私の肝臓なら お孫さんに
移植することが できます。
Rh マイナス O型です。
(太一郎)移植には 壁がある。
はい。
ドナーになれるのは 親族。
生体肝移植の場合は
6親等内の血族か 配偶者。
または 3親等内の姻族に
限られます。
君と 娘さんは
本当の親子じゃない。
そのとおりです。
移植するためには
2つの手続きが 必要です。
まず 戸籍上 梢の父親である
徳田さんと 私が 養子縁組し
梢と 親族になる。
その上で
お孫さんと 梢は
結婚する必要が あります。
(太一郎)つまり 慎との結婚を
認めろと?
私は かつて 移植が必要だった
弟を 救えなかった。
今まで 生き延びてきた意味が
分かったような気がします。
君が どういった人間なのか?
過去に 何が あったのか?
今 調べている。
その必要は ありません。
あなた方に ご迷惑を
掛けるようなことは ありません。
(瑛里華)私の肝臓と
適合するか 調べてください。
もし 移植できるんだったら…。
(岸田)ドナーは
すでに 見つかった。
大丈夫だ。
よかった。
あのう。 ドナーは どなたが?
(岸田)慎さんが 交際している
彼女の お父さんだ。
(真澄)馬場 純の 過去は
金になる。
あいつのせいで
私は 今 ここにいる。
むしり取るだけ むしり取って。
恋敵は つぶせるし
あんたにとっても
悪い話じゃ ないでしょう。
(瑛里華)お父さんも
同じこと 言ってた。
(真澄)当然の権利よ。
うん?
例えば 私が 病気で
移植が 必要になったら
お母さん ドナーになってくれる?
(真澄)はっ?
(瑛里華)答えて。
お母さんなら どうする?
(真澄)それは ほら。
私んじゃなくて どっか
誰かんでも いいじゃない?
ああ。 高くないなら
そういうの 扱ってるところから
買ってもいいし。
お父さんも おんなじこと
言ってた。
(真澄)まあ 親としては 当然ね。
理不尽よね。
子供は 親を選べない。
でも ようやく 覚悟が できた。
お母さんと お父さんと
縁を切る。
私は 私の人生を やり直す。

ホントに いいんですか?
君は 偶然にも
目の前に 移植できる人間がいる。
その偶然を 大切にしなさい。
はい。

(足立)はっ? えっ?
係長。 ケガ 大丈夫なんですか?
戸籍が 動いた。
(足立)えっ?
14年間 渡辺 拓海の 戸籍は
そのままだった。
それが 動いた。
なぜだ?

≪(女性)徳田さんなら
たぶん 病院じゃないかしら?
今日 確か 手術って
言ってたから。
すいません。
(女性)はい。
徳田さんの部屋は どちらですか?
(看護師)では また
後ほど 来ますね。
(梢)よろしく お願いします。

(徳田)斎藤さん。
やはり あなたが ずっと
馬場 純を 助けていたんですね。
あなたは 犯罪者に
手を貸した。
(徳田)ええ。 手を貸しました。
やつは 人を殺し
罪を償わず 脱走した揚げ句
渡辺 拓海の 戸籍を使い
成り済ました。
(徳田)馬場 純が
あなたの お父さんを
図らずも 殺してしもうたのは
正当防衛。
少年刑務所を 脱走したのは
弟を 助けたいと 思たから。
渡辺 拓海として
生きたのは
本人から 命のバトンを
渡されたから。
私は そう 思てます。
それが 真実か どうか
どこにも 証拠はない。
ええ。 証拠はない。
でも 真実は あなた ご自身が
分かってるのと ちゃいますか?
(徳田)20年以上 あなたは
馬場 純の背中を 追い掛けてきた。
(徳田)彼が どういう選択をして
今まで 生きてきたのか?
誰を信じ 誰を守ろうとして
生きてきたのか?
(徳田)今 あいつは
捕まるのが 分かってて
自分の肝臓を
娘が 愛する男に
提供しようとしている。
(徳田)あなたが 許せないのは
当然やと 思います。
(徳田)でも もう少しだけ
待ってやってください。
手術が 終わるまで。
お願いします。
待ってやってください。



(梢)ちょっと。
何ですか?



(医師)術後の経過も 順調です。
もうすぐ 退院して
普通に 生活が 送れますよ。
(慎)ありがとうございます。
(梢)ありがとうございます。
(医師)でも 無理は
しないでくださいね。
免疫力は 落ちていますから。
(梨沙子)すいません。
まだ…。
(梨沙子)徳田さん?
(徳田)久しぶりやな。
(梨沙子)そっか。
あの人 馬場 純のこと
捕まえなかったんだ。
(徳田)恨むべき相手を
普通に 恨むことが できたら
どれだけ 楽やったろうかな?
相手を 憎むと同時に
知れば知るほど
認めることになる。
自分でも 自分の気持ちが
分からんようになる。
しんどいわな。
もし 2人が こんな 出会い方
してなかったら。
純と 拓海。
2人のように
掛け替えのない友に
なってたかもしれんな。
(歌織)私の息子ね 東京の大学に
通ってるんです。
卒業したら 刑事になるって。
お兄さん 家族は?
家族は ずいぶん前に
壊れました。
親父が 詐欺まがいのことを
やって
母さんが それを言われたとおりに手伝ってたんです。
俺は 昔から そのことに
気付いてました。
それが 嫌で 大学のときに
東京に逃げた。
俺が 親父を止めることが
できたかもしれないのに。
母さんを 守ることが
できたかもしれないのに。
俺は 逃げた。
それを認めるのが 怖くて
人を 恨み続けることで
自分の 本当の気持ちから
目を 背けてきたのかもしれない。
(歌織)怖いから いうて
目 背けたらあかん。
うちの息子が
よう 言うてます。
(歌織)お兄さんも 元気 出して。
新しい年 始まったんやから。
なっ?

ごめん。 母さん。


(梢)ただいま。
お父さん?

「梢へ」
「梢に 最後に聞いてほしいことを
書き留めておきます」
「これまで 話せなかった
梢の父親になる前の話です」
(太一郎)あの男は
殺人犯だった。
お前の政治生命を絶つ
爆弾になる。
すでに 縁戚関係は 抹消した。
これは あの男自身も
望んだことだ。
《全てが うまくいったら
姿を消します》
《私は…》
《私は 梢の元を 去ります》
梢と 私のことを 思って…。
あなたが 結婚に賛成したふりを
したのは
結果 こうするために?
(太一郎)そうだ。
ふざけるな!
犯した罪は 消えない。
でも それでも 人は
やり直せる。
それに 私にとって 命の恩人。
大切な父親です。
選んでください。
梢の お父さんを
家族として 認めるか?
それとも 私と 縁を切るか?
生意気を 言うようになった。

「思えば 私は 長い間
自分を偽り 生きてきたのです」
「真実から 目を背ける 惨めな
生き方だったのかもしれない」
「しかし 私は 多くの人に出会い
生かされてきました」
「梢の お母さんは
間違いなく その一人です」
「お母さんは 強い人でした」
「たった一人で 梢を守り
深く愛し 生きてきました」
「梢が 自分を
お母さんにしてくれた」
「そう 言っていました」
「梢のためなら
何だって できると」
「私は お母さんと
約束しました」
「梢を守り
必ず 幸せにする」
「その約束を
果たせたか どうか?」
「私の人生に 梢を巻き込まない
選択も あったのではないかと
思うときも あります」
「ただ これだけは言えます」
「梢の 父親になり 家族になり
私は 生きる喜びを知った」
「梢の 笑った顔。 泣いた顔」
「リンゴを かじるときの
うれしそうな顔」
「全てが いとおしく
梢の成長に 触れるたびに
あしたも 生きる意味がある。
そう 信じることが できました」
「そして 梢が 大人になり
碓氷君と 出会い
新しい家族を つくっていく」
「こんなに うれしいことは
ありません」
「梢。 私は 今日をもって
自分を偽る人生を 終わらせます」
「本来の自分に戻り
罪を償います」


逃げる理由が
もう 私には ありません。
自分を偽る必要が
なくなりました。
馬場 純に 戻ります。

理由は どうあれ
私が あなたの お父さんを
殺したのは 事実です。
そして その罪を 償わずに
脱走した。
長い間…。
本当に 長い間
お待たせしました。
あなたを 許しはしない。
あなたも
私の父親を 許さなくていい。
それで いいんだ。
平成31年 1月6日。
馬場 純。 逮捕。
行こうか。
はい。

 

ドラマ「レ・ミゼラブル 終わりなき旅路」ネタバレ感想やあらすじまとめ

 

ヴィクトル・ユゴーの小説「レ・ミゼラブル」はミュージカル、映画、ドラマ、アニメなどで世界中に愛される名作中の名作。運命に翻弄されながらも困難に立ち向かうジャン・バルジャンをはじめとする登場人物の生きざまは、読む人を惹きつけてやみません。

その現代版リメイクとなれば、楽しめること間違いないでしょう。

W主演のディーン・フジオカさんと井浦新さんをはじめとする豪華出演陣の演技も見ものです。

そんな、ドラマ『レ・ミゼラブル』の原作のネタバレとドラマ『レ・ミゼラブル 終わりなき旅路』を詳細に掲載していますので、ぜひご覧くださいね。

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