2019年7月12日金曜21時より日本テレビ系列金曜ロードSHOW!で映画『未来のミライ』が地上波で初放送されます。
映画としては2018年4月13日に公開され、地上波では初放送で1年後の放送となります。
こちらの記事では映画『未来のミライ』のネタバレや感想とあらすじを紹介していきます!
映画「未来のミライ」あらすじと感想やネタバレ
映画『未来のミライ』のネタバレや感想とあらすじを紹介します。
映画「未来のミライ」のあらすじ
とある都会の片隅の、
小さな庭に小さな木の生えた小さな家。ある日、甘えん坊の“くんちゃん”に、
生まれたばかりの妹がやってきます。
両親の愛情を奪われ、初めての経験の連続に
戸惑うばかり。
そんな時、“くんちゃん”はその庭で自分のことを「お兄ちゃん」と呼ぶ、
不思議な少女“ミライちゃん”と出会います。“ミライちゃん”に導かれ、時をこえた家族の物語へと旅立つ“くんちゃん”。
それは、小さなお兄ちゃんの
大きな冒険の始まりでした。待ち受ける見たこともない世界。
むかし王子だったと名乗る謎の男。
幼い頃の母との不思議な体験。
父の面影を宿す青年との出会い。そして、初めて知る「家族の愛」の形。
さまざまな冒険を経て、
ささやかな成長を遂げていく“くんちゃん”。
果たして、“くんちゃん”が
最後にたどり着いた場所とは?
“ミライちゃん”がやってきた本当の理由とは―それは過去から未来へつながる、家族と命の物語。
映画「未来のミライ」の感想
映画「未来のミライ」のネタバレ
ミライのテーマ
息を吐く音
息を吐く音
くんちゃん
ん…
息を吐く音
あっ
まだかな
ばあば
そう
よかった
待ってるよ
うん
うん
はい
気を付けて
くんちゃん
おかあさん
これから帰って来るって!
ホント?
ホント
楽しみ?
楽しみ!
わん!
わんわん!
まるで子犬ね
わん
わん
わん…!
くんちゃん
赤ちゃんは
清潔なお部屋がうんと好き
だから
お片付けする?
うん!
自分でできる?
うん!
じゃあ
お願い
うん!
ばあば
上にいるからね
うん!
しかし
おかしげな家
建てたもんだね
建築家と結婚すると
まともな家には
住めないってことなのかしら
ねぇ
ゆっこ
ゆっこの
あっ
くんちゃん
さっきより
散らかってるんですけど…
赤ちゃん
E233系とあずさと
どっちが好きかな?
さぁて
どっちだろうね?
あっ
ゆっこ
お庭で遊びたそうにしてるよ
ホント?
行って来なよ
行く!
ばあばが片付けておくね
急げ
急げ!
行くよ
はい!
アハハっ!
行くよ
はい!
あっ
あっ
あっ
あっ…
不思議…
車の走行音
あっ
くんちゃん
息を吐く音
来た?
ゆっこの
おかあさん!
おかあさん!
おとうさん
さぁ
お姫様
着きましたよ
あ…
おかあさん
ただいま
くんちゃん
おかあさん
おかえりなさい
寂しかったよ!
風邪治った?
ごめんね
家にいなくて
それ
赤ちゃん?
フフ
見せて!
見せて!
くんちゃんの妹だよ
妹?
おかあさん
かわいい?
不思議…
おかあさん
そっとね
あっ
起きた
くんをじっと見てる
おかあさん
まだ見えてないよ
でも
じっと見てる
おかあさん
これから仲良くしてね
うん
おかあさん
何かあったら守ってあげてね
うん
ありがと
ウフフフ…
ウフフフ…
あっ
くんちゃん
赤ちゃんの名前どんなのがいい?
名前?
うん
えっとね
うんとね…
のぞみ
のぞみ
のぞみか…
なるほどね
悪くないなぁ
あとね
つばめ
つばめ
つばめねぇ…
つばめ?
それ
新幹線の名前でしょ?
あ
何だ!
ハハハ…!
おかあさんばあば
ハハハ…!
ばあば
もう少し
いてあげられたら
いいんだけど
病院に
ひいばあばも
見に行かなきゃいけないし
大丈夫
助かったよ
ホント
ばあば
でも
また
いつでも呼んで
ありがとうございます
父さんに
よろしく
ばあば
くんちゃん
新幹線でまた来るね
バイバイ
赤ちゃんも
またね
またね
」
って
学校のチャイム
汽笛
おかあさん
おはよう
くんちゃん
おはよう
おかあさん
おはよう
赤ちゃん
はい…
熱っち!
トースターのタイマー終了の音
あっ
はいはい
熱っち
熱っち…!
熱っち
おかあさん
もっと牛乳
はいよ
イヤっ!
おかあさん
バナナ
はいよ
イヤっ!
おかあさん!
はいよ
もう!
掃除機かけるから
おもちゃ広げないで
おかあさん!
はい
すっきりしましたね
もう!
あぁ
くんちゃん
ママたち
おめでとうございます
ありがとうございます
ママ
かわいいでしょ?
いや
こんなに
小っちゃかったかななんて
ママ
2人目だし余裕ですよね?
いや
上の子の時はどうだったか
なんて忘れちゃうもんですね
ママたち
あ
今回は
ゆみさん
早めに
育休
切り上げるんですって?
ええ
編集部のお世話になった
先輩が産休に入っちゃうので
これから旦那さんが代わりに
家のこと
おやりになるって
いやいや
ちょうど僕が会社辞めて
フリー
になる
タイミング
だったんで
まぁ
家で仕事する合間に
家事をやるってだけですけど
ママ
え
すごい!
いやいやいや…
ママ
立派なもんですよ
いやいやいや…!
鼻歌
ん?
何?
別に
気になるな
何?
何?
じゃあ
言うけどさ
うん
前から好きだよね
他のおかあさんの前で
優しいおとうさんの顔するの
え?
でもね
見透かされてるんだよ
あ…
あっ!
あ!
熱っ!
拭かなきゃ…
それ
テーブル拭く布巾
え?
あっ!
私
3月から職場復帰するんだから
カッコだけじゃなくて
ちゃんとやってもらわないと
絶対に回って行かないからね
はい
前みたいに
私1人じゃ
もう無理だからね
はい
くんちゃんね
赤ちゃんに
いろんなこといっぱいしてあげる
あくび
一緒にお散歩して
虫の名前教えてあげます
トンボ
あと
雲の形が何に見えたか
知らせてあげます
サソリ
しゃっくり
それから…
おかあさん
外に出るのはまだ早いな
もう少し大きくなったらね
はい
オニババ対ヒゲ
オニババは
顔を真っ赤にして
怒ると
ヒゲを追い掛けました
ヒゲは
さらりとよけると
E235系山手線に
飛び乗りました
オニババ
は
E233系京浜東北線に
乗って追い掛けました
ところが
田端駅を過ぎると
なんと
オニババとヒゲは
離れ離れに…
や
め
て!
赤ちゃんのお昼寝の邪魔しちゃ
ダメよ
もう!
もっと
もっと?
ぐっと突っ込む
新生児
怖い
おかあさん!
ちゃんと
くわえさせないと
空気
入っちゃう
おとうさん!
もっと
こう…
おとうさん!
吸い込み
全然違う
飲み終わったらゲップさせて
おかあさん!
ゲップしないよ
何事にも最初はあるから
お
か
あ…!
肌着は
こっちの洗剤を使って
靴下は?
靴下も
えっ…
ど
どこまでが肌着?
あ!
ハァ
ハァ
ハァ…
フッ
クックックッ…
ハハハ…
クックックッ…
ハハハ…
泣き声
どうしたの?
くんちゃん
何したの?
仲良くするって
約束したじゃない!
仲良くできないの
お願い
赤ちゃんを大事大事して
できないの
ねぇ
お願い
できない!
くんちゃん!
で
き
な
い!
泣き声
泣き声
何すんの
生まれたばっかりなのに
信じられない!
泣き声
泣き声
泣き声
遠吠え
泣き声
泣き声
見てないで
ちょっと!
あ
はいはい
くん!
赤ちゃんのお兄ちゃんでしょ!
お兄ちゃんじゃないの!
お兄ちゃんなの!
おかあさんも
おかあさんじゃ
ない!
じゃあ
何だっていうのよ?
オニババ!
オニババ!
な…
何ぃ
はぁ
泣き声
泣き声
おとうさん!
泣き声
泣かないで
泣かないで
泣き声
泣かないで
よしよし
泣き声
泣き声
もう!
泣き声
泣き声
うぅ
うぅ
うぅ…
泣き声
クックックッ…
ぶざまですな
え?
謎の男
ハハハ…!
謎の男
今のあなたの気持ちを
当ててみましょうか?
ずばり
嫉妬です
しっと?
しっと
」
って
なあに?
謎の男
今まで
おとうさんと
おかあさんの愛を
独占していたのに
何の前触れもなく
突然やって来た小っこいヤツに
2人の愛を
根こそぎ奪われてしまった
手を上げたら叱られるのは
分かってる
でも
どうしても我慢できずに
やってしまった
フフ…
図星でしょ?
だあれ?
王子様ですよ
王子様?
そう
この家の
あなたが生まれる前のね
さぁ
王子の御前ですよ
ひざまずきなさい
おとうさんと
おかあさんは
私のことを
それは
それは
大事にしてくれました
いつも
そばにいてくれて
お前はホントにかわいいね
」
と
優しく頭をなでてくれたものです
ところが!
あなたが
やって来てからというもの
私は
どんどん隅に追いやられ
食事も好きな味から
特売のものに変わり
一日に少しのおやつもなく
褒められもせず気にもされず
何かといえば叱られてばかり
その時
私は悟ったのです
愛を失ったのだ
と
それが
どんなに悔しく
惨めでつらかったことか
あなたに分かりますか?
分からない
分からない
分からないですって
あ
そうですか
まぁ
いいでしょう
でもね!
他人事じゃ
ない!
いずれ
あなたも
こうなる日が近いのですよ!
いい気味です!
はぁ
あっ
ん?
はい!
おっ
はい
はい!
はい!
あっ!
謎の男が走る音
はい!
ん?
はい!
あっ!
オーライ
オーライ!
やっぱり
痛っ!
何したの!
はぁ?
や
め…
うわ!
わっ!
ああっ!
わん!
返して!
しっぽを返して!
アハハハ…!
アハハハ…!
待て!
もう!
ん…
これなら
どうだ!
そりゃっ!
あっ
しまった!
ああっ
待て!
アハハハ…!
わんわん!
こっちだよ!
わんわん
」
じゃ
ない!
ふざけないで
返して!
ヤダ!
もっと遊ぶ!
遊ばない!
痛っ!
あ
やめて!
何だ
何だ?
ハハハ…!
おい
ゆっこ
おい
あっ
何してんの
もう!
アハハ!
わんわん!
ゆっこ
どうしたの?
ゆっこは
さぁ
くんちゃん
ゆっこだよ!
フフフ!
あ
頼むから
返してよ
わんわん!
ハハハ…!
鳴き声
わんわん!
さっきまで赤ちゃん返りで
暴れてたのに
もうこれだもん
頑固者のくせに
切り替えが早いんだから
赤ちゃん返りじゃなくて
ゆっこ返りなの
じゃあ
ゆっこの言ってること
分かるの?
うん
もっとおいしい
ドッグフード
が
食べたいよ
」
って言ってるよ
ちっ!
そっかぁ
分かった
じゃあ
今から新しいのを
買って来るかな
ん!
幸せ
ホントに
君の代わりが務まるのかな?
ミルク
飲んでくれないから?
僕が抱いても
全然泣きやまないのに
君は抱いただけでピタっと
うまく行かなくて当然だよ
えっ
くんちゃんの時は
何にもしなかったんだし
ごめん
仕事に逃げてました
そのくせ
私の顔色ばっかりうかがって
最悪な父親だね
男の人は
赤ちゃんに
興味ないんだと思ってた
あっ
でも
興味出て来た
え?
ウソでしょ?
ホント
ホント!
すごく
出て来たぞ!
ほら!
アハハハ…!
ほらほら!
絶対ウソでしょ
それ
アハハハ…!
ハハハ…!
あっ
えっ
何?
今
思い付いたんだけどさ…
振動音
どう?
うん
いいね
道しるべっていうかね
うん
いいと思うよ
あくび
おかあさん
おはよう
くんちゃん
おはよう
ねぇ
後ろ見てごらん
何て書いてあるの?
命名
ミライ
ミライ?
赤ちゃんの名前は
ミライちゃんだよ
ミライ…
ちゃん…
ミライちゃんか!
アハハ!
変な名前!
よいしょっと
それ
なあに?
おひなさま
女の子のお祝い
お祝い?
健やかに育ちますようにって
お祈りすることだよ
お!
やめて!
ミライちゃんのだから
触っちゃダメ!
くんちゃんも欲しい!
くんちゃん
男の子でしょ
ゆっこも触んない
男の子でしょ
チャイム
じいじ
やぁ
いらっしゃい
横浜は暖かいね
ばあば
かわいい
やっぱり女の子は
男の子と違って
服の着せがいがあるね
あくび
もう3か月か
早いな
体重
生まれた時の倍だもん
首
据わった?
うん
もう
ほとんど
ミライちゃん
じいじだよ
ミライちゃん
ミライちゃん
あ
わっ!
じいじ
くんちゃん
邪魔しないで
これ
ひいばあばに見せるやつだから
ミライちゃん
くんちゃんのビデオも撮って!
撮って!
じいじ
分かった分かった
分かった
分かった…
お
いいね
うん
お
カッコいい
ミライちゃん
くんちゃんのビデオ撮って!
じいじ
はいはい
はい
お
ミライちゃん!
はい!
あ…
あれ?
ばあば
え?
これ
アザ?
どこ?
じいじ
ここ
ばあば
あら
ホント
おかあさん
それ
生まれた時から
ばあば
ちゃんと診てもらった?
おかあさん
うん
でも消えるか残るか
分からないって
ばあば
そう
残ると後で
本人が気にしちゃうかもね
じいじ
うん…
ばあば
女びなと男びなは夫婦
おかあさんと
おとうさん
ばあばと
じいじ
ひいばあばと
ひいじいじ
みたいなね
おかあさん
くんちゃん
去年ひいじいじの
お葬式に出たの覚えてる?
うん
そういえばさ
ひいじいじと
ひいばあばの言い伝えって
ホントかな?
どんな?
ひいじいじが
池田医院で見初めて
結婚を申し込んだら
駆けっこして私に勝ったら
してもいい
」
…って
ひいばあばが言って
それで
ひいじいじが勝ったから
一緒になったって話
そんな話
本人たちから聞いたこともない
え!
だって
お葬式で
大和おじちゃんたちも
言ってたもん
おじいちゃん
股関節悪かったからな
眉唾だよ
何だ
ウソ?
ばあば
さぁ?
だから言い伝えなんでしょ
じいじ
あれ?
おひなさまにも
言い伝えあるの
あれ何だっけ?
ばあば
お節句過ぎてもしまわないと
結婚が遅れるって
あれでしょ?
おかあさん
今どき
そんなの
誰も気にしないでしょ
で
遅れるって
どのくらい?
ばあば
一日ごとに一年っていうけどね
おかあさん
はぁ
もう
何の根拠で
その数字出してるんだろうね
ばあば
言い伝えよ
ただの言い伝え
おかあさん
ひゃ!
ヤバ!
遅れちゃう
くんちゃん
おかあさん
今日明日
出張のお仕事でいないからね
イヤっ
いい子でお留守番しててね
イヤ!
出そうになったら
おとうさんにちゃんと言ってね
行かないで!
じゃあ
子供たち
よろしく
おかあさん
抱っこ!
はい
キスする音
行かないで!
あとさ
おひなさま
今日中にしまって
あっ
はいはい
じゃあ
いってきます
おかあさん!
カッコいい!
どうしよう
どうしよう…!
おかあさんがいい!
行くよ
おとうさん
ヤダ!
はいはい
おはよう
あっ
すいません
泣き声
はいはいはい…
あ!
えと
このマークは…
おおっ!
泣き声
お
反り返る!
泣き声
あっ
もうこんな時間!
泣き声
おとうさん
ヤダ!
はいはい
さぁ
お昼寝しましょうね
泣き声
ハァ
ハァ…
いびき
おとうさん
遊んで
ゆうちゃん家で遊ばないの?
うん
おとうさんと
おとうさん
イヤだったんじゃないの?
イヤじゃないの
だから遊んで
うん
分かったよ
絵本
読んで
うん
ビデオ見せて
うん
こま回し大会して
うん…
うん…
ミライちゃん
ミライちゃん
くじら
見たことある?
やっぱり
ミライちゃん
好きくないの
ん…
ん!
鼻歌
鳥の鳴き声
あれ?
まただ
鳥の鳴き声
何かが砕ける音
はっ
何?
これ
あっ
くじらのお菓子だ!
あっ!
こっちも!
アハハ!
まただ!
ウフフフ…!
ウフフフ…!
あっ
お兄ちゃん
えっ?
私の顔で遊ぶの
やめてよ
お兄ちゃん
えっ?
私の顔で遊ぶの
やめてよ
だあれ?
今までだって
叩いたり泣かしたり…
フゥ
でも
それは置いておく
今
問題なのは…
あれ!
あ…
もしかして…
未来の…
ミライちゃん?
見ないで!
一日ごとに一年
何だ
たった一年か
」
って思うでしょ?
でも毎年
一年ずつ
積み重なると
どうなっちゃう?
どうなっちゃうの?
好きな人と
結婚できないかもしれない
な…
何?
好きな人って
だあれ?
しょしょ…
将来の話
ねぇ
駆けっこするの?
ねぇねぇ
駆けっこして
結婚…
とにかく
おとうさんに
早くしまってって言って来てよ!
イヤ!
何で?
ミライちゃん
好きくないの
何で好きくないの?
仲良くできないの
ねぇ
私
おとうさんに
自分で言いに行けないの
何で?
ねぇ
だからお願い
お兄ちゃん
くんちゃん
ミライちゃんの
お兄ちゃんじゃないの
ハァ
ほうほう
そうですか
そうですか
はん
じゃあ
そうやって
ひとのお願いを聞かないんなら
ハチゲームだからね
ハチゲーム?
お尻を振って
お散歩して
ちくちくちく…!
ハハハ…!
ハァ
ハァ
ハァ…
どう?
言うこと聞く?
ねぇ…
もっとやって
鳥の鳴き声
もっと
おとうさん
はい
おひなさま
見てごらん
うん
しまうってのは
どう?
うん
おとうさん
はい
もう…
じゃあ責任取って
お兄ちゃんが
しまってよ
うん
分かった
分かったって
ちょちょちょ…
ちょっと待って!
何?
手
見せて
手?
うっ!
汚ったない!
泥だらけじゃない
やっぱいい
何で?
あ
もういい
頼まない
何で?
やめて!
フゥ
仕方ない
箱…
箱…
あった
キーボードを打つ音
うん…
キーボードを打つ音
ん?
ん?
ん?
うぅ…
ん?
あっ
あれ?
いない!
ミライちゃん!
どこ?
どこ?
ミライちゃん!
あっ!
何だ
ずり落ちただけか
フゥ
ミライちゃん
よいしょ
ゆっこ
今の見ましたか?
赤ちゃんが消えたと思ったら
また出て来ましたよ
不思議ですね
一体
どういうことでしょうね?
つまり
未来のミライちゃんと
赤ちゃんのミライちゃん
同時には存在しない
ってことですかね
存在?
あんたこそ自分の存在が
自分で不思議じゃないの?
人間の言葉をしゃべってるくせに
あっ
そういえば
全然
ハァ
問題は
そこじゃ
ない
今はおひなさまを
どう
しまうかって
それだけ
不思議がってる暇があったら
ゆっこ
え?
あんたも手伝って
あっ
はい
お兄ちゃんは
おとうさんの気を引いて
え?
何?
さっきの
え?
もう1回やって
さっきのって?
ハハハ!
アハハ!
アハハハ…!
アハハハ…!
フフフ…
アハハハ…!
何が
そんなに楽しいのかな
うん…
おとうさん
ん?
あのね
くんちゃんね…
何?
どうしたの?
もじもじして
キレイ
えと…
あれ?
出ちゃう?
そうじゃなくてね…
えと
これ外してと
あと
これ…
と
ゆっこ!
ここで分解してどうするの!
あ…
すいません!
戻さなくていいの!
あぁ…
ん?
ん?
何で落ちたんだ?
うん…
どういう物理現象だろう?
ゆっこ
息しちゃダメ
え?
ん?
ん?
ん?
何だこれ
あっ!
うぅ…
あっ!
この現象は
どういう…?
出ちゃう
え?
出ちゃう
あ…
待って待って!
待てないの
待って!
待って!
もうちょっと待って!
もうちょっと
我慢
我慢!
はぁ!
死ぬかと思った!
今のうち!
トイレの水洗音
あっ
あっ…
お手手
自分で拭ける?
うん
分かった
フゥ
うまく行った?
あ…!
なあに?
笏がない!
しゃく
」
って?
手に持ってる板みたいな
あれ
どうしよう
笏がないと
ちゃんと
しまったことにならない!
ねぇ
しゃく
」
って
あれのこと?
え?
え?
あ…
あった
キーボードを打つ音
笏が床に落ちる音
ん?
ハァ
ミライちゃん
の声
お兄ちゃん
ありがと
何か一緒のことをすると
仲間意識ができて
仲良くなることもあるんだって
どう?
私のこと少しは好きくなった?
うん…
あっ
ううん…
フゥ
あっそ
じゃあ
いいよ
もう
ドアが開く音
おかあさん
ただいま
おとうさんくんちゃん
おかえり
おかあさん
疲れた
ミライちゃん
すぐ
おっぱいあげるね
あっ
おひなさま
しまってくれて
ありがとう
あっ
忘れてた
あ…
あれ?
君が帰って来てから
しまったのかい?
何?
その冗談
全然
面白くないんですけど
おひなさま
くんちゃんがしまったんだよ
え?
あとね
ミライちゃん
ミライちゃん?
あと
ゆっこ
あっ
そうだ
くんちゃんね
未来のミライちゃんに会ったよ
へぇ
どんなことしたの?
ハチゲーム
ハチ?
あと
だるまさんがころんだ
そっか
いいな
おとうさんも大きくなった
ミライちゃんに早く会いたいな
ねぇ
おかあさん
そうね
でも
おかあさんは
ゆっくりでいいかな
今はまだ
赤ちゃんの
ミライちゃんがいいや
くんちゃんも
赤ちゃんの
ミライちゃんがいいや
3人
ハハハ…!
ふぅ
キーボードを打つ音
これ
だれだ?
えと
おかあさん
当たり!
くんちゃんは
どこ?
おなかの中
この後
くんちゃん生まれたんだよ
どんな赤ちゃんみたいだった?
今のミライちゃんみたいだった
ミライちゃん
好きくない
そんなこと言わないの
あっ
これ
だれだ?
えと
おかあさん
キレイ…
でしょ!
痩せてる
うるさいな
ここからは
こっち
これはね
おとうさんと出会った時
働き始めた頃
大学の卒業式
高校
中学
もう暗黒時代
小学校
楽しかった!
入学式
あっ
見て
これ葉一
よういち?
おかあさんの弟
結婚式でお祝いしたよね?
仲良しじゃなかった?
仲良しだったよ
年子だったから
双子みたいだったよ
猫だ
あ
これ
縫いぐるみ
お誕生日のプレゼントに
ひいばあばから
もらったの
くんちゃんもプレゼント
えっ
何で?
えと
お誕生日だから
全然
まだまだ先でしょ?
自転車がいいの
何で?
誕生日でもないのに
ねぇ
自転車
あっ
あ
何よ
これ
もう
さっき
キレイにしたばっかりなのに
この色がいい
ばあばが来るの
だから片付けて
この色がいい!
ねぇ
くんちゃん!
おとうさんと片付ける
今日はお仕事でいません
じゃあ
できないの
片付けしない子は全部捨てるよ
ヤダ!
なら
もう
何にも買ってあげないからね
ヤダ!
なら片付けて
ヤダ!
泣き声
フゥ
また怒っちゃった
泣き声
ミライちゃん
好きくないの!
あっ!
ダメ!
叩いちゃ!
仲良くしてって言ってるでしょ!
チャイム
ゆっこの
もう
ばあば来ちゃったじゃない
ゆっこの
ゆっこの
戸の開閉音
ゆっこの
待っててね
すぐ戻るね
チャイム
ゆっこの
はいはいはい
もう!
もう!
オニババ!
おかあさんのオニババ!
おかあさん
好きくないの!
もう!
水泡音
あぁ…
好きくないじゃないでしょ
あっ
未来のミライちゃん
それに
お兄ちゃん
また私のこと
新幹線で叩こうとしたでしょ
新幹線じゃないもん
新幹線は人を叩くものじゃないよ
スーパーあずさだもん
どっちでもいいの!
フゥ
どうして
おかあさんを大事にしないの?
大事にできないの
たまにしかない休みなのに
意地悪して困らせたら
かわいそうでしょ
ねぇ
お兄ちゃん
くんちゃん
かわいくないの
えっ?
ミライちゃんや
ゆっこは
かわいいの
でも
くんちゃんは
かわいくないの
あ…
え…
そ…
そんなことないよ!
お兄ちゃん
かわいいよ!
ううん
かわいくないの
かわいいよ
だからさ…
泣き声
あっ
待って!
お兄ちゃん!
うっ!
泣き声
お兄ちゃん!
泣き声
うぅ…
う…
プルルル…
あっ
あれ?
ここ
どこ?
少女の泣き声
少女の泣き声
何が悲しいの?
泣き声
泣き声
よしよし
泣かないで
泣き声
ありがとう
優しいのね
あ…!
でも
本当に泣いてたわけじゃ
ないんだ
手紙書くのに感情を込めたほうが
いいと思って
フフっ
何て書いたの?
おばあちゃんへ
猫が飼いたいのです
お許しをください
」
猫
私
動物に好かれるたちで
どんな子だってすぐ仲良くなるの
でも
おばあちゃん
動物アレルギーだから
絶対ダメだって
飼うなら外で飼いなさいって
でも
外で飼ってるお家なんて
ないよね
だから
お許しが出るまで
何十通でも書き続ける
おばあちゃんが根負けするまで
絶対やめないつもり
うなり声
よしよし
おいで
怖くないよ
友達になろう?
猫の激しいうなり声
わっ!
猫の鳴き声と足音
猫の鳴き声
あんた
きょうだいいる?
いる
どっち?
妹
私は弟
私より勉強ができなくて
弱っちいから
すぐにシクシク泣くんだ
だから
母さんは
弟より私のほうが好き
もし
おばあちゃんがダメでも
母さんがきっと
猫を飼ってくれると思うのよね
ああ
弟が泣き虫で
ホントによかった
着いた
あっ
物音
あっ!
弟のおもちゃで遊んでいいよ
でも
叱られるんじゃない?
だって
散らかってるほうが
面白いもん
あ…
確かに!
おなかすいてない?
あっ
あんたも食べていいよ
でも
叱られるんじゃない?
だって
散らかして食べると
おいしくなるんだもん
おいしい!
でしょ?
おいしい!
おいしい!
2人
おいしい!
アハハハ…!
アハハハ…!
ハハハ…!
ヒュ!
ハハハ…!
ハハハ…!
2人
アハハハ…!
じゃあ
こういうのは?
ハハハ!
イェイ!
ハハハ…!
楽しい!
イェイ!
アハハハ…!
わ!
じゃあ
こういうのは?
えいっ!
イェイ!
ハハハ…!
面白い!
2人
アハハハ…!
ハハハ…!
ハハハ…!
アハハ…!
ハハハ…!
ハハハ…!
ハハハ…!
鍵を開ける音
雷鳴
母さんだ…
どうしよう
怒られる
もう帰って
あっ
信じられない!
こんなに散らかして
どういうつもり
もう
あったまに来た!
あんたのおもちゃ
全部捨てるからね!
少女
母さん
ごめんなさい!
少女の泣き声
もうお菓子も
二度と買ってあげないから!
少女
ごめんなさい
母さん
ごめんなさい!
ごはんは?
おかあさん
起きない
くんちゃんは
私の宝
ばあば
それ
昔の私のセリフでしょ
おかあさん
今は私のセリフ
ばあば
フフフ…
おかあさん
結局
猫は飼ってもらえなくて
悲しかったな
お気の毒さま
私のほうが葉一より
絶対愛されてると思ってたのに
手がかかる子のほうが
親に愛されるなんて知らなかった
あんただって
だいぶ手がかかったよ
強情で
面倒くさくて
怒鳴ってばっかりだった記憶しか
ないな
忘れた
いっつも散らかし放題でさ
だって私
片付けられるようになったの
結婚してからだもん
あきれた
仕事しながらだって
子育ては
なるべくベストを
尽くそうと思ってるんだ
けど
気付いたら怒ってばっかり
こんな
おかあさんで
いいのかなって
不安になっちゃう
でも
少しでも
幸せになってほしいから
それが分かっていればいいんだよ
子育てに願いは大事だよ
願い…
か
ん…
よしよし
セミの鳴き声
汽笛
うまい方法だな
おかあさんの靴の中に手紙って
そういうの
どこで覚えたの?
おとうさんもやってみようかな
あ
あぁ
はいはい
ミライちゃん
ん…
ばぁ!
ん…
ぼぉ!
ん…
ばぁ!
あ…
全然
笑ってくれないな…
男の子
イェイ!
男の子
あっちにも行こうよ!
男の子
いいね!
男の子
やった!
男の子
じゃ
今度
あっち行こ!
男の子
ヒャッホ!
じゃあ
こっちに行く?
イェイ!
あっ!
あっ!
男の子たち
イェイ!
えっ!
ホントに補助輪
取るの?
うん
今から?
うん
じゃあ乗れるように練習するの?
うん
ホントにホント?
うん!
男の子たち
イェイ!
ん…
ん…
くんちゃん
教えて
えと
え…
ペダルに足を置いて
ギュっと踏むと進むから
あっ!
待って!
あっ!
あ
じゃあ
出発
よし
行った行った
よしよし…
わっ!
あっ…!
痛くない?
痛い!
右
左
右
そう
右
左
右…
あっ!
痛て
右
左
右…
あ!
とっとっと…
そうそう…
あっ!
う!
自転車
怖い!
泣かない
泣かない
怖い!
男の子
乗るの初めて?
え?
練習してるの?
男の子
教えようか?
男の子
簡単だよ
泣き声
あっ
泣き声
じゃあ
お兄ちゃんたちに
教えてもらう?
え…
はいはい
おとうさん!
泣き声
泣き声
あっ
すいません
ホントに
泣き声
地面を蹴るようにするんだよ
勢いつけて浮かすの!
前
出てみなよ
先で待ってるよ!
よっしゃ!
ついておいで!
泣き声
よしよし
かわいいね
おとうさん…
おとうさん…!
女性
今
何か月?
あれ?
どうしたの?
何かあった?
7か月になったんです
男の子
あっ
泣いてる!
男の子
えっ
マジで?
男の子
何で
何で?
おとうさん!
おとうさん!
もう!
好きくないの!
痛てて…
ごめんよ
でも
また乗りに行こう
もう自転車
乗らないの!
そんな
何事にも最初はあるよ
何事もないの!
もう!
うわ!
あっ
くんちゃん!
戸の開閉音
ハァ…
フゥ…
あ
あっ
ん?
それはね
ひいじいじ
あ
おとうさん
好きくないの!
あっ
えっ?
あぁ…!
うわ!
わわわ…!
わ!
あ!
あ!
わわわ…!
あ!
せき込み
あれ?
え?
エンジン音
エンジン音
はっ!
何か用かい?
あっ…
ううん
あ…
あ…
こいつに興味あるだかい?
ううん
乗ってみるかい?
ううん
遠慮しねえでいいって
ホントは乗りてぇだろ?
ううん
何だ
乗らねえのか
残念だな
何事にも最初はあるになぁ
何事にも?
そう
最初はあるっていうだろ
足
ん?
足
痛い?
こいつか
これはな
戦争の時
乗ってた船がひっくり返って
こうなっちゃってな
でも
慣れちまえば
案外
不便じゃねえけどな
いななき
青年
おぅ
入りな
いななき
見るの
初めて
ほぉ
初めてだって?
馬を?
うん
見んのが?
うん
ホントか?
うん
ふん…
フッ
誰かいるかい?
2人
はい
青年
馬装
頼めるかい?
もちろんです
すぐ準備します
ご苦労だっけなぁ
おら
おら
おら
よいっと
あ…!
わ!
すごい!
ほぉ
えっ?
できない…
わっ!
あ…
あぁ…
あぁ…
おとうさん!
おとうさん!
おとうさん?
オラが?
あ
怖がらねえ
怖がると馬も怖がる
行くど
<データ放送で…>
<…を楽しもう!>
<見続けると…>
もう馬は怖がってねえ
オラたちを受け入れたんだ
怖くねえだろ?
少し…
なら
ずっと先を見る
下は見ねえで
何があっても遠くだけを見る
わぁ
あっ
あれって…
なぁ?
これだと怖くない
うん!
フフフ…
わぁ!
あぁ…
あぁ!
遠くを見る
いいぞ
速度
上げるど
あすこ
オラが前に勤めてた
飛行機の会社
まだ怖えぇかい?
怖くない…
地平線
見えるかい?
見える
船だ!
どんな乗り物だって
コツは同じだに
一つ乗れたら
何でも乗れるようになる
馬だって
船だって
飛行機だって
おとうさん…
ん?
カッコいい
そうだろ
こいつは
オラが作ったんだから
じゃなくて…
フッフフ…
ごめんよ
何で
こんな大事な書類
出し忘れるのよ!
だから
ごめんよ
お願いしておいたじゃない
フゥ…
そんなに怒らないでよ
おとうさん
ん?
おはようです
何?
くんちゃん
それ敬語?
公園
行くです
え?
自転車
乗るです
え?
です!
ホントに1人で大丈夫?
大丈夫
あぁ…
あっ!
んっ!
うぅ…
あ!
あっ!
あぁ!
頑張れ
くんちゃん!
ハァ
ハァ…
遠く
遠く…
あっ
あっ
あっ!
倒れた音
あぁ!
あ!
あぁ…
ハァ…
あっ!
遠く
遠くを…
おぉ!
すごい!
あ!
あ!
あぁ…!
あぁ…
ハァ!
すごい
すごい!
やった!
くんちゃん
やった!
やったよ!
フゥ
フゥ…
乗れたじゃん
あっさり
簡単でしょ?
遊ぼうよ!
一緒に行こう!
男の子たち
イェイ!
うん!
アハハ…
アハハ…!
アハっ!
すごい
くんちゃん
すごい!
くんちゃん
おとうさんが
応援してくれたから
頑張ったんだよ
そ…
そうかな?
そうだよ
鼻歌
子供って
すごいね
誰に教わったわけでもないのに
突然
ポンっと
できるようになるんだからさ
そういえばさ
ミライちゃん
あなたに抱っこされても
泣かなくなったよね
え?
安心した顔してる
あなたの抱っこの腕も
上がったんじゃない?
いやいや…
僕のことなんて
どうでもいいんだよ
今は
とにかく
くんちゃんが
すごいってことだよ
フフフ…
はいはい
あっ!
これ
おとうさん
ん?
どこ?
これ
フッ
違う
違う
これ
ひいじいじだよ
ううん
おとうさん
違うって
ひいじいじ
去年
亡くなった
ひいじいじ?
ひいじいじ
戦争中は
戦闘機のエンジン作ってたのね
その後
徴兵されて
船で体当たりする特攻隊に
入れられたんだけど
運よく死なずに済んで
戦後は…
なんだ
そうだったのか
ありがとう
ひいじいじ
鳥の鳴き声
イヤだ!
うん…
じゃあ
これは?
イヤ!
黄色いのは?
今
洗濯中
黄色いのがいい!
まだ乾いてないし
イヤだ!
じゃあ
パンツのままで行く?
イヤだ!
だったら
はいて!
ほらほら!
あっ!
あ痛たたた…
ゆっこの
あっ
あ
何かお探しですか?
未来飛行
さぁ
お着替えしましょう
ゆっこの
おかあさん
黄色いズボンがいいの!
ゆっこ
黙って
頭に響くから
ねぇ
黄色いのがいい!
似合ってるよ
とっても
もう時間だよ
分かってます
荷物を積まなきゃ
分かってるって!
あぁ
はいはい
ごめんなさい
もう口答えしません
何
その言い方!
いや
いやいや…
もう!
何でも
ないない!
青いズボン
大嫌いになったの!
え?
黄色いのがいいの!
あ
脱がない
脱がない!
ねぇ!
はい!
はいはいはい!
やっぱり
くんちゃんより
ミライちゃんのこと大好きなの?
ねぇ!
もう出掛けるよ!
行かない!
じゃあ
どうするの?
家出する!
家出って上のお部屋に?
うん!
家出する!
階段を上る音
くんちゃん?
階段を上る音
ハァ…
もう!
くんちゃん
いなくなったよ!
もう!
くんちゃん
いなくなったよ!
もう!
何で来てくれないの
あっ!
あれ?
どこ?
みんな
くんちゃんを
置いて行っちゃったの?
泣き声
みんな好きくないの!
泣き声
良くないな
え?
良くない
何かって
その態度
ああ
良くないな
だあれ?
これからキャンプに行くんだろ?
昆虫採集して
お祭りの花火見て
じいじと
ばあばの家に
泊まるんだろ?
みんな楽しみにしてた
夏の休日じゃん
いい思い出つくっちゃおって
張り切ってるわけじゃん
それをさ
好きくない
」
じゃないだろ
だから
だあれ?
ズボンと
いい思い出
どっちが大事なんだよ
なぁ
分かるだろ?
分かったら
ごめんなさいして来いよな
ズボン
え?
好きくないじゃないじゃない
はぁ?
好きくないじゃないじゃない!
好きくないじゃないじゃない
じゃない!
好きくないじゃないじゃない
じゃないじゃない!
好きくないじゃないじゃない
じゃないじゃない!
好きくないじゃないじゃない…!
好きくないじゃないじゃない…!
乗るな!
まさか
乗らないよな?
笛の音
あっ
待て!
待て!
ハァ…
ガキが
あっ!
タンク車だ!
コンテナ車だ!
成田エクスプレスと
上野東京ラインと
山手線だ!
奇妙な音の警笛
あっ
あっ!
あれ
何系の新幹線?
アナウンス
電車が来ます
ご注意ください
アナウンス
東京
東京
ご乗車ありがとうございました
この電車は回送電車となります
えっ!
アナウンス
引き続きのご乗車には
なれませんのでご注意ください
引き続きのご乗車には
なれません
はい
ドア閉まります
ご注意ください
ドア閉まります
ドア閉まります
あっ
あっ…!
タァ!
□
多言語の
アナウンス
が流れている
えい!
警笛
あっ!
わ!
新幹線だ!
ブザー
うわっ!
機械音声
お乗りになれません
切符ないもん
機械音声
お乗りになれません
もう帰る!
でも
どうやって帰ったらいいの?
呼び出しのチャイム
アナウンス
迷子のお知らせをいたします
はいはい
はいはい
はい!
アナウンス
ガヤガヤ区からお越しの
ダイスケ君
ダイスケ君
銀の鈴の下で
お母様がお待ちです
ダイスケくん
おかあさん!
ダイちゃん!
呼び出しのチャイム
アナウンス
迷子のお知らせです
はいはい
はいはい
はい!
アナウンス
ムサムサ市からお越しの
サエちゃん
サエちゃん
猫の鈴の下で
お父様がお待ちです
サエちゃん!
サエちゃん
おとうさん!
サエちゃん!
あっ!
おとうさん!
ん?
違った
おかあさん…
あっ!
おかあさん!
ん?
おかあさん!
オ…
オニババ…
ハァ…
ん?
子供ばっかり
はぁ
駅員
次の人
あっ
忘れ物ですか?
どんな荷物をなくしました?
ううん
何も
こちらは遺失物届け出窓口です
他のご用の場合は…
僕
迷子になったの
迷子…
では
なくしたものは
自分自身というわけですね
うん
分かりました
それでは呼び出しに必要な
いくつかの質問をします
まず
あなたの名前をどうぞ
くんちゃん
チャイム
登録しました
次に
お母様のお名前をどうぞ
おかあさんの名前?
えっと
何だっけ?
お名前をどうぞ
あれ?
何で?
えっと
その…
ブザー
登録できませんでした
次に
お父様のお名前をどうぞ
おとうさんの名前?
えっと
えっとね…
えっと!
ブザー
登録できませんでした
他のご家族のお名前をどうぞ
ゆっこ!
ブザー
ペット
等は呼び出しできませんので
ご了承ください
他のご家族のお名前をどうぞ
えっと…
他のご家族のお名前をどうぞ
えっと…
えっと…
え!
ブザー
登録できません
では
呼び出ししなくても
よろしいですね?
しないと
どうなるの?
ここは
とても大きな駅です
毎日
毎日
あなたのように
たくさんの迷子がやって来ます
もし誰も迎えに来なかった場合
その子たちは穴の中にある
特別な新幹線に
乗らなければなりません
乗ると
どこへ行くの?
行き場所のない子供の行き先は…
独りぼっちの国です
あぁ…
あ…
アナウンス
新幹線
間もなく
到着します
あれれ?
何で僕ここにいるの?
奇妙な音の警笛
あっ!
奇妙な音の警笛
新幹線
アナウンス
乗車できます
イヤだ!
あぁ!
あ!
新幹線
アナウンス
乗車できます
イヤだ!
新幹線
アナウンス
乗車できます
あっ!
イヤ!
ハァハァハァハァ…!
新幹線
アナウンス
乗車できます
乗車できます
イヤだ!
あっ!
新幹線
アナウンス
乗車できます
んっ!
ん!
あっ!
イ
ヤ
だ!
駅員
ならば自分で自分自身を
証明する必要があります
くんちゃんは…
くんちゃんは…
おかあさんの子供
0系
誰だって?
くんちゃんは…
おとうさんの子供
系
えっ
誰?
くんちゃんは
ゆっこの
おやつをあげる係
系
おかあさんって誰?
おかあさんは
部屋を片付けるのが苦手
系
おとうさんって誰?
おとうさんは
ミライちゃんを
抱っこするのが下手
ミライちゃん
好きくない
ミライちゃんは…!
ミライちゃんは…
くんちゃんの…
くんちゃんの…
あ!
はっ!
あぁ!
ミライちゃん!
何で
ここに?
あうあ…
あ!
そっち行っちゃダメ!
あっ!
新幹線
アナウンス
乗車できます
ミライちゃん!
新幹線
アナウンス
乗車できます
乗車できます
乗車できます
乗っちゃダメ!
新幹線
アナウンス
乗車できます
あぁ!
あう
くんちゃんは…
くんちゃんは…
あう
くんちゃんは
ミライちゃんのお兄ちゃん!
チャイム
アナウンス
駅員
お呼び出しを申し上げます
イソイソ区からお越しの
ミライちゃん
ミライちゃん
地下新幹線ホームでお兄様の
くんちゃんがお呼びです
あっ
あれ?
いない!
見つけた!
あっ!
この手は!
未来のミライちゃん!
家出したくせに
迷子になるなんてバカみたい!
ハァ…
随分
捜したんだから
行くよ!
うわ!
行くよ!
うわ!
ハァ…
じゃあ
次の人
うわ!
未来飛行だ!
あれ?
あれれ?
もしかして
落っこちてる?
そう!
うわ!
あそこに見えるの
何か分かる?
えっと…
お庭のカシの木?
そう見えて
あれ実は
わが家の歴史の索引なの
さくいん?
図書館の本を整理する
インデックスってあるでしょ?
あんな感じで
うちらの家の
現在と過去と未来が
全部
カードになって収まってる
その中から
お兄ちゃんのいる
時間のカードを見つけなきゃ…
見つけなきゃ?
帰れない!
え!
飛び込むよ!
あ…
自転車
見える?
うん
あれ
おとうさん
え?
実は
おとうさん
体が弱くて
小学校になっても
自転車に乗れなかった
今
泣きながら
練習しているところ
おとうさん…
頑張れ!
くんちゃんミライちゃん
頑張れ!
あの子
だあれ?
ゆっこだよ
え?
もうすぐ
おかあさん犬と別れて
うちに
もらわれて来る
ゆっこ…
ゆっこ!
あっ
おかあさん!
手に持ってるのは
野良猫にイタズラされて
落ちてしまったツバメのひな
この時から
おかあさん
あんなに好きだった猫が
苦手になっちゃったんだ
爆撃音
ハァ
ハァ
ハァ…
あ
あの木までで
いいかい?
ハァ…
青年
よいしょ…
お恵ちゃんは
足が速えぇな
負けるかと思った
えっ?
ウッフフ
おかしい
もし
ひいじいじが
あの時
必死に泳がなかったら
もし
ひいばあばが
この時
わざとゆっくり走らなかったら
私たちまで
つながってなかった
こんなふうな
ほんのささいなことが
いくつも積み重なって
今の私たちを形作ってるんだ
今?
お兄ちゃん
父さんと母さんが
呼んでるよ
お前さ…
何?
朝飯ぐらい座って食えよ
食べる?
いらないよ
あっ
未来のミライちゃん
ううん
違う
ここでの私は
今を生きてる私
つまり…
さっきのあれ
誰か分かる?
うん
ウフフ
そういうこと
あっ
1人で帰れるよね
もう迷子にならないでね
お別れなの?
何言ってんの
これから
うんざりするほど
一緒にいるじゃん
頭痛
治った?
おかあさん
やっと
大事にしてね
よっ…
最近
優しくなったね
俺?
昔は
そんなじゃなかった
昔っていつ?
くんちゃん生まれる前
そんな前か
いつも仕事でピリピリしてた
だったら君だって
私?
どう変わった?
動じなくなった
へぇ
前は神経質で
すぐ不安がってたのに
あぁ
もうやめて
思い出させないで
まさか
お互いこんなふうになるとは
きっと
子供たちのせいだね
こんなでも前より
父親らしくなったのかな?
まぁ
そこそこ?
そこそこか
私はどう?
母親らしくなった?
まあまあ
でも最高じゃないな
そこそこで十分
最悪じゃなきゃ
いいよ
フフ…
ウフフ…
ハハハ…
ハハハ…
ハハハ…
ゆっこ
仲いい
あ
あ
食べる?
あ
あっ
あ
はい
あう
おかあさん
くんちゃん!
ミライちゃん!
準備できたよ!
は…!
あ!
あう!
うぅ
が!
イヒヒ…!
うわ!
おかあさん
さぁ!
みんなで
お出掛けしよう!
息を吸う音
はい!
映画「未来のミライ」ネタバレ感想やあらすじまとめ
そんな、映画『未来のミライ』のネタバレを感想を詳細に掲載していますので、ぜひご覧くださいね。