NHK総合テレビのスペシャルドラマ枠は、浜辺美波主演・夏休みのひとときに、家族そろって楽しめる推理サスペンス・ドラマ『ピュア!~一日アイドル署長の事件簿~』2019年8月13日からを3夜連続で放送です。
かわいいアイドルがコミカルに表と裏の顔を使い分け、警察の捜査を手玉に取りながら難事件に挑みます。犯人が仕掛けたトリックを、視聴者とともに解き明かしていく本格ミステリーの味わいも楽しめる、新感覚の推理エンターテインメント!!
こちらの記事ではドラマ『ピュア! 一日アイドル署長の事件簿(NHK版)』の初回(第1話)のネタバレや感想とあらすじを紹介していきます!
Contents
「ピュア! 一日アイドル署長の事件簿」初回(第1話)あらすじや感想とネタバレ
「ピュア! 一日アイドル署長の事件簿」初回(第1話)あらすじ
売れないアイドルの黒薔薇純子(浜辺美波)は清純派を装っているが、裏ではライバルの蹴落としを画策するような腹黒い女の子。マネージャーの阿部(六角精児)が何とか取ってきた一日警察署長の仕事で、純子がパレードのまっ最中に「正義の断罪人」を名乗る連続殺人犯による事件が起きてしまう。イベントが中止になり納得のいかない純子は、得意の腹黒い計略で刑事の東堂(東出昌大)をだまして一緒に事件捜査に乗り出した。
初回(第1話)の感想やネタバレ
初回(第1話)の感想
初回(第1話)のネタバレ
何だと!? 何で お前が…!
ヘッ… ヘヘヘヘ。
「本当に本当におめでとう!
絶対応援するからね!」。
送信。
「そうだ みちるが言ってた
体幹トレーニングマット 私も買ったよ。
これってバランス取るの難しいよね!」。
はい 頂きやした!
で こっちの発言を削除して
スクショを撮る。
(シャッター音)
ヘヘヘヘ…。
ヘヘヘヘ。
我ながら
こういうことだけは天才だな。
あとは これをどうばらまくか…。
(笑い声)
朝から ご機嫌だな。
おおっ! アハハ。
いえいえ
笑顔と発声の練習をしてただけですよ。
お前 くれぐれも警察からは
犯罪事件だけは起こしてくれるなと
言われてる。
分かってるな。
やるわけないじゃないですか。
行くぞ。
お…。
(笑い声)
(笑い声)
(ため息)
(ノック)
失礼します。
お呼びでしょうか。
(吉村)これを。
今朝 署に送られてきたものだ。
「本日 汚れた魂の人間に
裁きを下す予定でおります。
正義の断罪人」。
(長岡)最近 都内で起きている
連続殺人事件のことは知ってるよね?
それは犯行予告だ。
問題は 今日のイベントを
どうするかということだ。
(吉村)当然 中止すべきでしょう。
犯罪防止キャンペーンの最中に
殺人事件を起こされちゃ
シャレになりません。
(浅川)いや しかし
ただのイタズラだったら
どうするんですか? 脅迫におびえて
イベントを中止したなんてことが
世間に知れたら
それこそ署のメンツに関わりますよ。
今日は 我々刑事課の方でも
各所に警官を配置する予定です。
そんな殺人事件を引き起こすなんて
不可能ですよ。
分かった。
ただし 警備には万全を期してくれ。
了解です。
どうも どうも おはようございます。
どうも 黒薔薇純子でございます。
どうも ご苦労さまでございます。
どうも 皆様 おはようございます。
ご苦労さまでございます。
どうも。
黒薔薇純子でございます。
どうも どうも。
黒薔薇純子でございます。
よろしくお願いします どうも。
どうも どうも。
お世話になります。
よろしくね!
ピッ。
ピッ。
ピッ。
ピッ。
ピッ。
ピッ。
いやいや 黒薔薇は本当に今
若い子たちに大人気なんですよ。
黒薔薇のせいでパレードの沿道が
パニックになっちゃったりなんかしてね。
その点は お任せ下さい。
私が あの おでんでんに入って
エスコートしますから。
去年 商店街で作った ゆるキャラです。
わあ! か か… かわいいな。
かわいいな かわいいな…。
おでんでんだと? ダサい ダサすぎる。
私と並んで歩こうなど 100年早いわ!
(笑い声)
(ノック)
失礼します。
署長
本日 一日署長を務めて頂く
黒薔薇純子さんです。
どうも。
花言葉は いちずな愛!
あなただけに愛をささげます。
黒く あでやかに咲く バラのように!
みんな ご存じ
じゅんぴょんこと 黒薔薇純子です!
一日署長 よろしくね!
逮捕しちゃうぞ バンバン!
署長の長岡です。
東洋芸能の阿部でございます。
いつもお世話になっております。
いつも警察にお世話になってちゃ
まずいか。
ハハハハ…!
では署長 よろしくお願いします。
「委嘱状 黒薔薇純子殿
あなたに山吹警察署の
一日警察署長を委嘱します」。
本日 山吹警察署の
一日署長を務めさせて頂きます。
皆さん ご存じ
じゅんぴょんこと 黒薔薇純子です!
フォ!
よろしくお願いします。
え 市民の皆様には
平素より警察活動全般にわたり
深いご理解と ご協力を賜りまして…。
おい。
おい!
俺 別の現場があるんで出るから。
終わったら電話くれ。
え?
しっかりやれよ。
(長岡)安心して暮らしていける町づくりに
一役買って頂くことに…。
こんにちは。
じゅんぴょんだよ。
警察署長を務めています。
じゅんぴょんこと 黒薔薇純子です。
何だ 歩きかよ。
オープンカーくらい用意しろよな。
こんにちは。
キャ かわいい!
おっ。
こっち見て こっち見て!
かわいい!
かわいいだと? 当然だ。
ついに私の時代が来たか。
おでんでん こっち見て!
何だ!?
おでんでん!
おでんでん!
おでんでん こっち見て!
おでんでん!
おでんでん!
皆さん 皆さん こんにちは!
こんにちは。
こっち見て。
こんにちは。
あ こんにちは。
こんにちは!
バカな… こんなやつに負けるなんて。
こんにちは。
こんにちは。
(シャッター音)
おっ。
あっ! あっ…。
(シャッター音)
私のファンか お目が高い。
ヘッ。
しかもイケメン! ヘッヘッヘ。
ありがとう!
ありがとう。
あれ? こっち おでんでんじゃないの?
間違えちゃった。
待って 待って!
待って待って待って。
こっちでいいのよ 僕。
はい どうぞ。
わん おでんでんがよかったのに!
(泣き声)
ちょっと何なの あなた!?
行きましょう。
すんません。
おっ。
あっ あ! あっ お待たせしました。
すいません 今 書きますね。
こ… これは
私のデビューシングル発売時に
30個限定で作られた幻のグッズ。
あっ これに書くってことですね。
はい ありがとうございます。
え くろばら。
ありがとうございます。
あっ じゃあ これどうぞ。
あっ!
あ! すいません。
あっ こんなところにヒビが。
よかったら まだ事務所に
別のがあると思いますんで…。
あっ。
はい。
まだ先は長いな…。
こんにちは 純子です。
こんにちは 純子です。
こんにちは 黒薔薇…。
黒薔薇純子です こんにちは。
すいません 今日 一日警察署長
お邪魔してますんで すいませんですね。
よろしくお願いします。
おっ。
何だ あれ?
ヘッ。
お邪魔しやす。
あ?
ん?
(悲鳴)
お疲れさまです。
(東堂)どうだ?
ああ 先輩。
胸 刺されてますよ。
凶器は まだ見つかってないっす。
また 例の犯人か。
(西沢)多分 そうっすね。
それと 持ってた免許証から
こいつの身元が割れました。
土田良平 42歳。
住所は府川市畑中 この辺っすね。
何だ これ?
もしもし 純子ですけど。
無事 終わったか?
それが パトロールの途中で
死体が見つかっちゃって。
何だって!? まさか お前が…。
いやいや… 私じゃないっすよ!
私は死体を見つけただけで。
超ビビりましたよ。
それを早く言えよ。
で みんなパニくっちゃってて
私 今 一人なんですけど
このまま帰っちゃっていいっすかね?
俺が知るわけないだろ。
そんなことより 今 手が離せないんだよ。
後で連絡する。
どうも 井上さん。
どうも。
(舌打ち)
ヘッヘッヘ。
まあ いいか
これで私も悲劇のヒロインと。
ん? 何だ?
私のことが
ひと言も載ってないじゃないか!
おでんの野郎 どこまで人の邪魔を…!
さすがに ひと言言わな
純ちゃん気が済まんで しかし!
どこだ? おでんの野郎。
おでんでん!
いないか。
おお! これが 噂の捜査本部か。
どれどれ?
おお。
おっ?
ほう 今朝 予告状が。
確かに
今までの連続殺人犯のものと同じですね。
で こんなものが届いたのにもかかわらず
あなたたちは署を挙げて
実に能天気なイベントをやっていたと。
あ… いや こういう時だからこそ
むしろイベントをやった方が
犯人も犯行をしにくくなるんじゃ
ないかと…。
なるほど なるほど。
犯罪防止キャンペーンをやれば
犯人も犯行を思いとどまって
くれるだろうと。
いや 結構 結構!
実に すばらしい考えです。
何だ あの いけすかない男は。
あの こんなこと言うのも何ですが
本庁の方々が
さっさと犯人を捕まえていてくれれば
まあ こんなことには…。
確かに。
(浅川)ねえ。
ところで 遺体のそばに
こんなものが落ちていました。
これが何か分かりますか?
あっ。
あっ!
それ 黒薔薇純子さんのグッズです。
サインも彼女のものだと思います。
黒薔薇純子?
今日 一日署長をお願いした
アイドルの方です。
死体を発見したのも彼女で。
黒薔薇純子 聞いたことがないな。
フッ。
まあ 二流の署には
二流のアイドルがお似合いか。
あ?
とりあえず 会って話を聞く。
今 どこにいる?
(ノック)
失礼します。
大丈夫ですか?
はい…。
でも 人が死んでるのを見るのは
初めてだったんで
純子 とってもショックで…。
申し訳ございません
大変な体験をさせてしまい。
こちら 警視庁捜査一課の東堂刑事です。
あなたに話を聞きたいとのことです。
痛っ!
時間がないので手短に答えてくれ。
まず名前。
黒薔薇純子です。
死体を発見したのは 君だね。
はい。
パトロールの途中に
変な飾りつけを見つけて。
これに見覚えは?
これ 今日 私が
ファンの方にサインしたものです。
渡そうとしたら落っことしちゃって
あの ここにヒビが入っちゃったんです。
サインをした相手の顔 覚えているか?
うん…。
こいつじゃなかったか?
あの 今日は ファンの方が
すっごくすっごく 多くって
お一人お一人 顔までは…。
(ため息)
(ため息)
俺の目をよく見ろ。
は?
何が見える?
嘘つき女の姿が映ってはいないか。
何言ってんだ こいつ。
とある目撃者の証言によれば
サイン会の時
君の前には ほとんど人がいなかった。
では私は 別の用がありますので。
失礼いたします。
さっさと思い出せ。
こっちは
君の見栄につきあってる暇はない。
マスクとサングラスで顔を隠していたので
どんな人かは ちょっと。
怪しいとは思わなかったのか?
ファンの方の中には
時々そういう人がいるんです。
そういえば
何日か前にも似たような人がいて…。
で 君が これにサインをしたのは
何時ごろだったか覚えているか?
うん 確か…。
まだ先は長いな…。
10時12分?
随分 正確だな。
サインし終わって時計を見たんです。
ハッ。
よっぽど暇だったようだな。
まあ その分 こっちは助かる。
貴様 せっかく思い出してやったのに!
◇
あっ 管理官。
ほう 間もなく こちらに?
ええ。
いえ ご安心下さい。
捜査の方は私が仕切っておりますので…。
(ドアの開閉音)
このコート 触ったか?
いいえ。
あの もういいでしょうか?
待て。
財布がない。
お前 今 俺の財布 盗んだな!?
バカなこと言わないで下さい。
もともと なかったんじゃないですか?
そんなことはない。
さっき
ICレコーダーを取り出した時には
確かに右の内ポケットに入っていた。
ちゃんと見たんですか?
返せ!
あ…。
東堂だ。
女の警官を一人よこしてくれ。
何するんですか?
身体検査をさせてもらう。
私 とってません!
警察をなめてもらっては困る。
このコートは
ずっと そこに置いてあった。
お前以外 犯人はいない。
(ノック)
(岡田)どうされましたか?
この女が俺のコートから
財布を盗んだんだ。
調べてくれ。
えっ?
私 やってません。
何かの間違いなんじゃ?
東堂刑事 財布とは これのことですか?
どこにあった?
左の内ポケットに。
いつもと違う場所に入れてただけじゃ
ないのでしょうか。
バカな…。
ひどい ひどすぎる!
(泣きまね)
一応 このことは
管理官に報告しておきます。
ひどいよ ひどすぎる!
(泣きまね)
よかったら お菓子でも。
そうだ 君 CDも出してるんだってね。
そういうことは 早く言ってくれないと。
僕も是非1枚買いたいと思って。
うん?
じゅ 10…。
10?
あっ 10枚 もちろん買うよ!
すまん。
本当にすまなかった。
だから どうか機嫌を直してくれないか。
君の機嫌が直るまで
捜査本部には戻ってこなくていいと
管理官から言われてるんだ。
それと さっきのことは
絶対にSNSにあげないと約束してくれ。
お前の心配は 結局そこか。
うん?
私の目を見ろ。
何が見える? バカで まぬけな刑事の姿が
映ってはいないか?
お前…。
ヘッヘッヘ。
さっき コートを調べるふりして
財布をポケットに戻したんですよ。
ちゃんと見たんですか?
返せ!
貴様 だましたのか!
ヘッ。
どこへ行く?
真実を報告しにだ。
ハッ。
二流のアイドルに
手玉に取られましたってか?
さぞかし いい笑い者だろうな。
お前 いつも こんなことやってんのか?
いつもじゃない。
一度だけ
これでドラマのオーディションに通った。
(ため息)
今日一日だけ 私の言うことを聞け。
そしたら許してやる。
今日は 私が お前の一日署長だ!
ヘッ ヘヘヘ。
先輩!
はい これが今までの捜査資料です。
悪いな。
で あの腹黒純子とかいう
女の機嫌は直ったんすか?
腹黒じゃない 黒薔薇だ。
うん?
まあ なんとかな。
だったら さっさと戻ってきて下さいよ。
ここの所轄のやつら
使えねえやつばっかで。
あっ それと先輩
一つ奇妙なことがあるんすけど。
ああ?
現場に落ちてた
あの しょぼいグッズなんすけど
腹黒純子が
あれにサインしたのは
午前10時過ぎのことでしたよね?
確か 10時12分。
んで 死体が見つかったのが
午前10時50分。
ということは 被害者が殺されたのは
午前10時12分から
10時50分の間ってことになりますよね?
ああ。
ところが どっこい!
あの倉庫周辺には午前10時以降
パレードの警備の警官が立っていて
その間 誰も出入りしてないって
言ってるんすよ。
とすると 犯人と被害者は どうやって
あの倉庫に出入りしたんすかね?
(笑い声)
俺 全然分かんないんすけど。
まあ 何か分かったら
真っ先に教えて下さいね。
いつもみたいに
手柄独り占めは なしっすよ。
分かった分かった。
いね いね。
はい。
確かに犯人は どうやって現場の倉庫に
出入りしたんですかね。
そんなことは警察が調べる。
そういうわけにはいきません。
被害者の遺体のそばには 私がサインした
グッズが落ちてたんですよ。
ということは もしかしたら被害者は
私のファンだったかもしれないんです。
それにですね
さっきは内緒にしてましたけど
私だったら 東堂さんの力に
なってあげられるかもしれませんよ。
何?
ヘヘヘヘヘヘ。
こちらが 今朝殺された
土田良平の遺体です。
あの 右手を見せてもらえますか?
え?
遺体の第一発見者だ。
はい。
どうも。
東堂さん あの人は
私のサインをもらいに来た人じゃ
ありませんでした。
何?
私のサインをもらいに来た人は
右手に小さなホクロがありました。
でも あの遺体の手には
それがありませんでした。
つまり 現場に
あのグッズを落としていったのは
被害者ではなく犯人ということか。
はい。
とすると 今回の連続殺人事件の犯人は
君のファン。
えっ 私のファンに
そんな悪い人はいませんよ。
あっ。
そういえば ここで
さっき すれ違った女の人なんですけど。
殺された土田さんの奥さんだ。
遺体の確認に来たんだ。
つらい役目だな。
あんまり悲しんでるように
見えなかったんですけど。
お前は 人間を悪く悪く見る天才だな。
は?
まあ 当たってるかもしれんが。
犯人が現場に残した書き置きには
被害者が高校時代の同級生だった女性と
不倫していたと書かれていたんだ。
奥さんにとっては やりきれない話だ。
警察の者です。
ご主人の事件のことで
少し お話よろしいでしょうか。
(美代子)あの こちらは?
一日署長の黒薔薇純子です!
逮捕しちゃうぞ バンバン!
やめろ。
犯人が残した書き置きの件でしたら
先ほど 警察でお話ししたはずです。
同級生の女性と不倫なんて
「根も葉もない」デタラメです。
奥さん お気持ちは分かりますが…。
主人は 中学 高校と男子校だったんです。
え?
お疑いでしたら高校の卒業アルバムを
お見せしましょうか。
あっ いえ…。
では 念のためですが
ご主人を恨んでいる人物に
誰か心当たりはありますか?
あるいは ご主人が
何かトラブルに巻き込まれていたとか。
それも先ほど 警察でお話しいたしました。
全くございません。
そうですか。
主人は何の落ち度もないのに
殺されたんです。
殺人事件は これで4度目だそうですね。
あなたたち警察は
一体 何をやってるんですか?
今日のところは これで失礼します。
被害者の高校すら調べていなかったなんて
随分と ずさんな犯人ですね。
確かに変だな。
もしかしたら 今回の犯人は
今までの3件とは別人かもしれないな。
え?
今までの3件は
どれも書き置きの内容は正確だった。
つまり 今回の犯人は
連続殺人犯の仕業に見せかけようと
しているだけってことですか。
ああ。
今までの犯人が どうやって
被害者の秘密を知っていたのかは
分かってるんですか?
それは今 捜査中だ。
SNSをチェックしてたってことは?
ハッ。
は?
そんなことは
俺たちも とっくに考えた。
被害者たちのSNSをくまなく調べたが
それらしい情報は どこにもなかった。
ハッ。
バカか お前は。
何?
本人のSNSだけ調べて どうする。
ネット上に転がっている細かな情報を
少しずつ組み合わせていけば
本人が秘密にしているようなことでも
結構 分かっちゃうんです。
モザイクアプローチっていうんですけど。
モザイクアプローチ?
フフフ… うまっ。
で 例えば ここに樋口かんなっていう
アイドルの子がいます。
この子は 去年の12月24日に
ラゾリエのクリスマスイベントに
イルミネーションを見に行っている。
こんな所 一人で行くわけないのに
この子のSNSには
一緒に行った相手のことは
一つも書かれていない。
ここをまず怪しいと
思わなくちゃいけない。
で よく見ると ここに
スマホで盛んに写真を撮っている
女子高生どもがいる。
制服から学校を特定し
クラブ活動のページなんかから
中の一人を特定する。
フッ。
そいつがSNSに投稿した
12月24日の写真を見ると…
おっ おっ おっ! ハハハ。
男と手をつないでいる樋口かんなが
ばっちり写っている。
これを拡散されて こいつは
ジ エンドというわけだ! ヘッヘッヘ。
お前 いつも こんなことやってんの?
私じゃないんです。
例えば こういう話があったというだけで。
いや どう見ても お前だろ。
ストーカーなんかも この手を使って
アイドルの自宅なんかを
割り出しちゃうんです。
世の中ってのはな
お前ら警察が考えてるほど
甘いもんじゃねえんだ。
ボッと生きてんじゃねえよ!
今度の犯人が
連続殺人犯の仕業じゃないとすると
本当の犯人は 土田さんが殺された時に
真っ先に疑われる動機がある
人物ってことになりますね。
だから 連続殺人犯の仕業に
見せかける必要があった。
よし 東堂
土田さんの周辺の事情を探ってみるぞ。
偉そうに…。
ごちそうさん!
(ヨネ)土田さんね 最近 土地のことで
いろいろ もめてたのよ。
もめていた?
(寿美子)土田さんの家の周り
広い畑になってるでしょ。
再開発業者が そこを狙っててね。
何て言ったかしら? あの感じの悪い男。
大山。
そう 大山。
そいつが その土地を狙っててね。
まあ あそこは
再開発には うってつけの場所だから。
そしたら大山が
次から次へと嫌がらせしてさ。
しかし 土田さんの奥さんの話では
トラブルは抱えていなかったと。
そりゃそうよ。
奥さんは手っとり早く 金が欲しいのよ。
土地を売りたくて売りたくて
たまらないってわけだから。
それにね ここだけの話…。
大山と奥さん できてるって話なのよ。
(ヨネ)2人がホテルから出てきたのを
見た人がいるのよ。
(シャッター音)
ねえ。
(笑い声)
土地のことなんて 私は何も知りません。
しかし あなたは大山さんが
ご主人に嫌がらせしていたことを
私たちに隠していましたよね。
ご主人が亡くなれば
あなたは土地を売って
大金を手にすることができる。
バカなこと言わないで下さい!
私は本当に何も知りません。
あの 大山が
勝手にやったことなんじゃないんですか。
ほう 大山さんが何を?
確かに私は大山と一緒になって 主人に
この土地を売らせようと考えていました。
でも 大山とは もう手を切ったんです。
それはまた どうして?
私 最近になって
大山が怖くなったんです。
大山は 私に「あんたの旦那が
この世から消えてしまえば
全てうまくいく。
そのためのいい方法を
俺は知っている」なんて言いだしたんです。
いい方法? どんな?
知りません。
私は
バカなまねだけはしないでくれと
大山に言ったんです。
それだけです。
それに今日の午前中 私は
行きつけの歯医者に行っておりました。
調べてもらえれば分かります。
奥さんが何も知らないというのは
恐らく本当だろう。
奥さんが犯人ならば
あんなすぐに嘘とバレる書き置きを
残す必要がない。
じゃあ その大山って男が…。
行くぞ 東堂。
開けろ 東堂。
雨だ 雨だ!
子どもか。
行くぞ。
(大山)確かに私は土田さんの土地を
買いたいとは思っていました。
あそこを畑にしておくなんて
もったいない。
だが もめていただなんて とんでもない。
土田さんだって
畑を売りたがっていたんですよ。
本当にそうでしょうか?
私を疑っておいでなんですか。
では逆に 事件について
詳しいお話を聞かせて頂きましょうか。
土田さんが殺されたのは今日の何時です?
午前10時過ぎから
11時ちょっと前までの間。
現場は芝浪7丁目にある倉庫です。
今日は警察が何やらイベントを
やっておられたそうですね。
警備の警官は
そこにいなかったんですか?
どうなんですか?
確かにいました。
でしたら その警官は
犯人を見ていなかったんですか?
用がお済みなら お引き取り下さい。
私も忙しいので。
強がりを言っていられるのも
今のうちです。
いずれ また参ります。
あっつ! あ…!
何やってんだ 気を付けろ。
お前がな。
もういい。
さっさと帰って下さい。
あっ。
何か?
あの 大山さんは
もしかして黒薔薇純子という
大人気アイドルの
ファンではありませんか?
黒薔薇純子…
さあ 聞いたことがありませんね。
今日 山吹署で一日署長を務めていた
超絶大人気で とてもかわいらしい
売れっ子アイドルなんですけど。
さあ 私は仕事が忙しくて
見に行ってる暇はなかったので。
そうですか。
失礼します。
今日 サインもらいに来たの
あの人ですよ。
何!?
大山の手には サインをもらいに来た人と
同じホクロがありました。
じゃあ 彼は君のファンっていうわけか。
いや とてもそうは見えなかった。
第一 君が目の前にいるのに
彼は何の反応も示さなかった。
知らないふりしてたんですよ。
あの人 一瞬ちらっと私の方を見て
あとは ずっと目をそらしてました。
犯人が大山であることは間違いない。
問題は 大山が
あの時間 どうやって
あの現場の倉庫に出入りできたかだ。
やつは 俺たちが それを崩せないという
絶対の自信があるんだ。
待って下さい。
何日か前にも同じように顔を隠して
グッズにサインをもらいに来た人がいた
って話しましたよね。
あれが確か 5月27日だったから…。
これです。
すごい人気じゃないか。
だろう!
いや 待て。
これは隣の子のだろう。
君の前には誰もいないじゃないか。
まあ 細かいことはいいじゃないか。
で そのサインをもらいに来たのが
この男です。
(舌打ち)
これじゃ分からないな。
うん。
うん? あっ これ 大山ですよ。
何?
このホクロ
大山の手にあったのと同じです。
6日前にも大山は君のサインを
もらいに来てたってことか。
しかし 何のために?
よほど私のファンじゃ…。
んなわけあるか。
やつは 君を利用したんだ。
うん…。
うん…。
(くしゃみ)
ヘッヘッヘ。
分かりましたよ。
大山が どうやって
あの殺人現場に出入りできたのか。
分かっちゃったんですよ。
うん?
大山は まず最初に
同じグッズを2つ手に入れたんです。
で 6日前 そのうちの一つを持って
顔を隠し
私にサインをもらいにやって来た。
あっ!
あっ これ!
で もらったあと そのグッズの後ろ側に
わざとヒビを入れておいたんです。
被害者の死体のそばに落としておいたのは
それだったんですよ。
そして今日 大山は あらかじめ同じように
ヒビを入れておいた
もう一つのグッズを持って私のところへ
やって来て サインをさせた。
ヒビは後ろ側に入っているから
サインをする時には気付かない。
受け取る時に
わざと落として私に拾わせ
ヒビが
その時に入ったかのように思わせた。
現場に落ちていたグッズと
今日 君がサインをしたグッズは
別物ということか。
はい。
そうすれば
犯行現場の倉庫に警備の警官がつく
午前10時までに
犯行に及ぶことが可能です。
なるほど。
つまり大山は
大きなミスを犯したということか。
サイン会の時
長蛇の列が出来ていたんで
てっきり 君を
人気のアイドルだと勘違いし
サインをもらいに来た人間の顔など
いちいち覚えていないと思ってしまった。
だが 列は隣のもので 君にサインを
もらいに来た人間は ほかに全くおらず
そのために君は
彼のことを覚えていたということか。
君が絶望的に人気がないことが
功を奏したな。
大手柄じゃないか 黒薔薇純子!
(舌打ち)
(ドアが開く音)
まだ何か?
また来ると言ったはずです。
あなたは黒薔薇純子というアイドルを
知らないと言いましたよね。
だが あなたは6日前
彼女にサインをもらいに行っている。
これが証拠です。
その黒薔薇純子が目の前にいるのに
あなたは 全く反応を示さなかった。
その演技力だけは
褒めてさしあげましょう。
ああ 思い出しました。
6日前 確かに私はサイン会に行きました。
おいっ子に頼まれましてね。
ただ おいっ子から頼まれたのは
隣にいた つぼみぷりんちゃんの方です。
列がすいていたんで
つい黒薔薇さんの方に
並んでしまったんですよ。
だから黒薔薇さんの顔も
よく覚えておりませんでした。
お前…!
私の限定グッズまで持ってきておいて
白々しい。
まあ おかげで あなたが仕掛けた
くだらないトリックも解明できました。
犯行時刻は 午前10時より前だったんだ。
署まで ご同行願えますか。
待って下さい。
でしたら犯人が
あの倉庫で土田さんを殺したのは
何時だったということに
なるんでしょうか?
検視の結果 土田さんの死亡推定時刻は
午前9時以降。
従って午前9時から10時の間。
ああ それでしたら
やっぱり 私に犯行は不可能です。
その時間 私は ある顧客に
契約書を届けに行っていました。
ここから車で30分くらいのところに
住んでいる 村上玲子さんという方です。
ここを出たのが9時前で
戻ってきたのが10時過ぎでした。
どうぞ お調べになって下さい。
午前9時以降に
ここで被害者を殺害し
村上という顧客の家まで行き
君にサインをもらった会場に
10時12分までに たどりつけるか。
ちゃんと時間を計っておけ。
大山のアリバイが成立するかどうかが
かかってるんだからな。
分かってますよ。
はい ゴーゴーゴー!
あっ そうだ!
人のスマホで何やってる?
これ すごい便利な機能があるんですよ。
こうやって登録しておくと
私がSNSを更新する度に
自動で
メッセージが届くようになるんです。
いらん。
消せ。
で この「まいど」ってボタンを押すと
その度にポイントが加算されて
後で お金に換えられるんです。
「まいど」。
お金たまったら
ごはん おごってあげてもいいですよ。
「まいど まいど まいど まいど まいど」。
その換えられる金は
一体 どこから出てくるんだ?
それは全然気にしなくて大丈夫です。
自動で東堂さんの口座から
引き落とされますんで。
やめろ 返せ!
前を見ろ 前を見ろ!
通報するぞ 東堂。
ヘッ。
「まいど まいど まいど まいど…」。
ヘッヘッヘ。
何分かかった?
25分15秒。
ギリギリだが
10時12分までには間に合うな。
(玲子)大山さんでしたら
今朝 確かに お見えになりました。
朝の「おはようチャイム」っていう番組が
終わった頃でしたから
9時15分くらいだったと思います。
大山さんは どれくらいおられましたか?
契約書を置いて すぐに
お帰りになりましたよ。
お茶でも どうぞって言ったんですけどね
急ぎの用があるからとおっしゃって。
どうも ご苦労さまでした。
9時15分か。
死亡推定時刻は9時以降なので
被害者を殺害してから ここに来ることは
不可能ですね。
でも 契約書を届けたあと
すぐに ここを出れば。
9時40分か45分には
倉庫に着ける。
あらかじめ呼び出しておいた
土田を殺害し
サイン会の会場に向かう。
倉庫からは すぐなので10時12分に
君にサインをもらいに行くことは可能だ。
大山のやつ
アリバイでも何でもないじゃないか。
◇
東堂だ。
先輩 凶器見つかったっすよ。
ナイフです。
被害者の血が付着していたんで
間違いないっすね。
どこにあった?
えっと 武蔵山体育館裏の草むらっす。
毎朝 そこを掃除する
おばちゃんが発見して
交番に届けてきました。
武蔵山体育館?
はい。
あっ…。
おっ ここから車ですぐだぞ。
行くぞ。
今朝 掃除をしてたら ほら その草むらに
ナイフが置いてあったんです。
誰かの落とし物かと思って
保管してたんですけど
後で よく見たら血がついてて
もう びっくりして交番に届けたんです。
見つけたのは 何時ごろでしたか?
10時ちょっと前だったと思います。
毎朝その時間に来ますもんで。
10時ちょっと前…。
あの さっきは警察の方に
お話しし忘れちゃったんですけど
ちょっと思い出したことがありまして。
3日ぐらい前 変な電話が
清掃事務所にあったんです。
毎朝 ここを掃除するのは
何時ごろかって聞いてきたんです。
どんな相手だったか覚えていますか?
男の人です。
あ 名前は言いませんでした。
分かりました。
ありがとうございます。
あっ…。
殺害現場の倉庫から ここまでは
村上さんの家と同じくらい
やっぱり 25分くらいかかるんですよね。
大山は 9時15分に
村上玲子さんの家に契約書を届け
9時40分過ぎに
倉庫で土田さんを殺害した。
でも また そこから
ここまでは 25分かかるわけだから
10時前に ここに
凶器を捨てに来ることは不可能。
もちろん 10時12分に
私のサインをもらいに来ることも不可能。
バカな…。
大山のアリバイは成立ってわけか。
でも絶対 何か裏があると思うんですよね。
毎朝の清掃の時間を聞いてきた人が
大山だったとしたら…。
大山は何としても
10時までに凶器を発見させたかった。
そうすれば 自分のアリバイが成立する。
しかし どうやったら10時前に
ここまで凶器を捨てに来れる?
あっ。
何だ?
私たち
何だか大山に操られてる気がしません?
何?
大山は
サインのトリックが見破られることを
はなから想定していたんじゃ
ないでしょうか。
だから わざわざナイフのアリバイを
用意しておいたんです。
私たち 大山の罠にはまって
何か大事なことを
見落としている気がするんです。
よし もう一回
最初から考え直してみましょう。
土田さんが殺された現場に行ってみるぞ。
お疲れさまです。
お疲れ。
あれ? えっ ちょっと…。
第一発見者だ。
確認したいことがある。
あれ? あれれれれ…?
どうした?
これ 血の形
左右対称になってると思いません?
あ?
これと これ。
これと これ。
これと これ。
同じ形ですよ。
偶然ですかね?
確かに。
どういうことだ?
うん… うん?
ん? うんうん。
おっ うんうん。
うん!
あっ 被害者が殺されたあと
このシートが一度
畳まれたってことじゃないでしょうか。
その時に反対側にも
同じ血の跡がついてしまったんですよ。
畳んだ? なぜ わざわざ そんなことを?
うん。
あっ もしかしたら犯行現場は
ここじゃないってことじゃ
ないでしょうか。
何?
大山は どこか別の場所で
土田さんを殺害した。
多分 村上さんの家の近くのどこか。
それが午前9時過ぎ。
そして 土田さんの死体とシートを
車に積み込み
9時15分に
村上さんの家を訪ねた。
それから武蔵山体育館で凶器を捨て
死体とシートをここに運んだ。
そうすれば 10時前に全てを終えることが
可能です。
なるほど。
しかし 証拠がない。
本物の殺害現場を見つけ出せば
いいんじゃないでしょうか。
大山に そこを片づけている
時間的余裕はなかったはず。
今なら まだそこに
何か証拠が残っているかもしれません。
そんなことは分かってる。
問題は
どうやって その場所を見つけるかだ。
フッ。
少しは頭を使え 東堂!
何?
土田さんの死亡推定時刻は
9時以降。
大山が村上さんの家を訪ねたのが
9時15分。
許される時間は 15分。
車に死体を
積み込んだりする時間を
考えれば
殺害現場は
村上さんの家まで
せいぜい5分か10分で
行ける場所
ということだ!
フッ。
その程度のことか。
俺の考えでは プラス人目につかず
しばらくは絶対に人が立ち入らない場所
ということだ!
うん!
この先 もう繁華街ですね。
あっち行ってみましょう。
あれ? あっ。
東堂 これ。
前 見ろ。
これ。
前 見ろ。
フッ。
この辺に倉庫か工場 ありそうなんすよね。
あ?
見ろ さびが落ちている。
最近 誰かが出入りしたんだろう。
ヘヘッ。
おい 東堂。
返り血の跡だ。
片づける時間まではなかったようだな。
これで決まりですね。
手袋しろよ 東堂。
殺害現場にあった作業着から
大山のDNAが検出された。
これで やつも言い逃れできない。
あとは こっちに任せろ。
あの 感謝状とか警視総監賞は?
俺は これから取り調べがある。
気を付けて帰れ。
(舌打ち)
今回は本当に危なかったですよ。
「終わりよければ全てよし」だ。
ですね。
さすが先輩っすよ!
一人で犯人見つけ出しちゃうんすもん。
ちょっと少しは手柄分けて下さいよ。
気になることがあると
つい一人で突っ走っちまうたちでな。
クッ!
そういや あの腹黒純子とかいう
アイドルは 無事 機嫌を直したんすか?
ああ。
構ってもらいたくて
だだをこねていただけだ。
ああいうチャラついたやつ
超迷惑っすよね。
一日署長なんかやらすから
つけあがるんすよ!
お疲れさまでした。
どうです? これから一杯。
◇
あっ…。
もしもし。
黒薔薇です。
一日署長 終わりました。
何だ まだやってたのか。
「何だ」じゃないですよ。
もう すっごく大変な一日で…。
気を付けて帰れよ。
それから
犯罪だけには 十分気を付けてな。
絶対にやるなよ。
そっちかよ。
お前は 土田良平の持っている土地が
どうしても欲しかった。
土田さえ殺せば
奥さんは お前の言いなりになる。
だから連続殺人犯の犯行に見せかけて
土田を殺害した。
そうだな?
そうですよ。
これを送ってきたのも お前だな。
いいえ 違います。
(西沢)とぼけるなよ!
本当に知りません こんなもん。
あ 遠い… 駅遠い!
これだから田舎は…。
あ。
あの 黒薔薇純子さんですよね?
今日 一日署長をやられていた。
あっ すいません。
ああ あなた。
えっ 覚えててくれたんですか?
僕のこと。
もちろんです。
ありがとうございます。
うれしいな。
あっ よかったら乗りますか?
駅まで送りますよ。
えっ!? でも でも。
どうぞ どうぞ。
じゃあ まあ お言葉に甘えて。
フフッ。
僕 前から
あなたのファンだったんです。
ブログとかSNSとか
いつも楽しく拝見させて頂いてます。
ありがとうございます。
いやいや…。
何か 青葉れなちゃんって
引退されるみたいですね。
おお! これで目障りなやつが
一人減ったな。
黒薔薇さん 仲よかったんですよね?
そうなんです。
もう だから
とっても さみしくて。
彼女 宮崎れもんちゃんっていう子と
仲が悪くて
いろいろ もめてたみたいですよ。
お互いに 悪口言い合ったりして。
それが原因で人間不信になったみたいで。
そうなんですか。
でも 黒薔薇さんって
本当に心の優しい方ですよね。
れなちゃんの言うことも
れもんちゃんの言うことも
一生懸命に聞いてあげて
それでいて どちらにも
「私は絶対に味方だよ」なんて
言ってあげたりなんかして。
れなちゃんが信じられなくなったのって
本当は誰だったんでしょうかね?
あの この辺で降ろしてもらっても
いいですか?
あの 駅こっちじゃないんですけど。
すいません 降ろして下さい!
もう一度だけ聞くぞ
本当に お前が書いたんじゃないんだな?
そう言ってるじゃないですか。
先輩 ひょっとして これ
本物の連続殺人犯からじゃないっすか?
運転中は静かにしてもらえますか。
危ないですから。
あの この時間
SNSで いつもファンの方に
メッセージを送るようにしてるんです。
何もないと みんな心配するんじゃ
ないかと思うんですけど…。
どうぞ。
あなたの最後のメッセージに
なるでしょうから。
ただし アップする前に
内容を確認させてもらいます。
はい…。
あっ そこ! 止めてもらえますか。
じゃあ 撮ります。
(シャッター音)
じゃあ 打ちます。
いいでしょう。
◇
「たのしかった1日が終わり
すてきな明日を夢見る時間
けっして戻らない一日一日を
てきとうなんかで済ませたくはない
ときどき
うまくいかない日もあるけれど
うんめいなんて変えられる
どんなにつらい時でも
うえを向いて歩かなきゃ」。
フッ。
くだらん。
うん?
待って下さい!
私は あなたが思っているような
腹黒い人間ではありません。
もう遅いですよ。
全部 分かってますから。
動くな!
警視庁捜査一課の東堂だ。
正義の断罪人 年貢の納め時だ!
おい。
はい。
楽しませろよ この野郎。
何だよ だらしねえな。
正義の断罪人 確保!
(西沢)あっ 先輩
いいところだけ ずるいっすよ!
ヘッ。
危ないところだったな。
やつが本物の連続殺人犯だった。
随分 時間かかりましたね。
当たり前だろ。
君がSNSにあげた
メッセージを縦読みしたら
「たすけてとうどう」になった。
後ろに写ったゴミ出しの貼り紙から
君が どの地域にいるのかを特定した。
燃えるゴミ 燃えないゴミ
瓶 缶 プラスチック ペットボトル
全てが この曜日と合致する地域は
あの周辺にしかなかった。
付近の防犯カメラの映像から
車のナンバーを割り出し
あとは それを追跡して
行き先を特定した。
東堂 お前も成長したな。
ところで「年貢の納め時だ」って
あの決めゼリフ あれダサいな!
あと東堂 お前 実は弱いだろ。
あの感じの悪い部下に戦わせて
おいしいとこだけ横取りしてたな。
ハッ。
俺は 上に報告があるんでな。
黒薔薇さん。
大変でしたね。
何か飲まれますか?
あ… カフェラテを。
分かりました。
あっ 無脂肪乳で
キャラメルシロップ追加で…。
分かりました。
ヘッヘッヘ。
これで私も 今度こそ悲劇のヒロインと。
うん? 何だ!?
これじゃ私が
心の汚い人間みたいじゃないか!
黒薔薇純子です!
呪い殺すことができるのです!
キエ!
(悲鳴)
痛っ!
また こんな所で会うとはな。
犯人は向こうから勝手にやって来るんじゃ
ないかと思うんですよね。
毒ガスだ! おい!
分かりましたよ。
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