2019年春のフジテレビ系列 月曜日夜9時枠は、窪田正孝さん主演のドラマ『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』が4月8日からスタートしました。
窪田正孝さん演じる天才放射線技師と本田翼さんが演じる放射線科医の奮闘を描きます。
これまで描かれたことのない、医療を縁の下で支える放射線技師。医療の”写真家”として、写真に写る真実を見つけ出すことが出来るのか!前代未聞の医療ドラマです!
こちらの記事ではドラマ『ラジエーションハウス(ラジハ)』の特別編~旅立ち~【ラストフライト!!】のネタバレや感想とあらすじと第5話あらすじと期待の声や展開予想等を紹介していきます!
Contents
ドラマ「ラジエーションハウス(ラジハ)」特別編~旅立ち~【ラストフライト!!】あらすじや感想とネタバレ
特別編~旅立ち~【ラストフライト!!】あらすじ
「あなたが手出しできないくらい、優秀な放射線科医になってみせます。だから……必ず戻ってきてください」。
唯織(窪田正孝)は、杏(本田翼)との“新しい約束”を胸に、ラジエーションハウスの仲間たちに別れを告げてアメリカへと旅立った。その機内で1枚の写真を見ていた唯織は、不意に背後から「いい写真だね」と声をかけられる。その声の主は、世界的な写真家の菊島亨(イッセー尾形)だった。以前、唯織は、頭痛を訴えて甘春総合病院に搬送されてきた菊島が、寄生虫におかされていたことを突き止めていた。菊島は、サンフランシスコ経由でアラスカに向かい、流星群を撮影する予定だという。
同じころ、甘春総合病院には、高校球児の平山良平(前田旺志郎)がやってくる。右ヒジの痛みを訴える良平のレントゲン検査を始める小野寺(遠藤憲一)。一方、良平が将来を有望視されている投手だと知った軒下は(浜野謙太)は、裕乃(広瀬アリス)にサインをもらってくるよう命じ……。
菊島は、唯織が意中の人に告白できないまま、また離れ離れになると知って憐みの目を向ける。そんな矢先、機内で外国人男性が突然苦しみ出した。アナウンスで医療関係者を探すCAの鶴田夏葉(須藤理彩)や内田彩(東加奈子)たち。すると、乗り合わせていた東和医大の内科医・黒川守(中島歩)が男性の元へと駆け寄った。しかし男性は、発作を起こしていて黒川の質問にも答えられない。そのようすをつぶさに観察していた唯織は、男性の腹部に発赤があることに気づくが……。
特別編~旅立ち~【ラストフライト!!】のゲスト
ゲスト:前田旺志郎・須藤理彩・東加奈子・イッセー尾形・中島歩
特別編~旅立ち~【ラストフライト!!】の感想やネタバレ
特別編~旅立ち~【ラストフライト!!】の感想やネタバレのまとめです。
特別編~旅立ち~【ラストフライト!!】の感想
特別編~旅立ち~【ラストフライト!!】のネタバレ
[ここに 1つのお守りがある]
[健康祈願 恋愛成就 合格祈願]
[人の数だけ 願いがある]
[かなうかどうかは分からない]
[それでも 人は なぜ
願い続けるのだろうか]
いい写真だね。
(唯織)えっ 菊島さん?
あっ ご無沙汰してます。
ホホホ!
(工藤)チェック 始めろ。
(深澤)はい。
お前が緊張してどうする。
別に そんなこと ありませんよ。
パイロットに必要なのは
どんなときでも平常心。
乗客400人の命を
預かってるんだからな。
その話 400回ぐらい 聞きました。
さっさと 準備しろ。
(深澤)ラジャー。
(夏葉)
当機は間もなく出発いたします。
シートベルトを腰の低い位置で
しっかりとお締めください。
(工藤)セット パワー。
80。
V-1。
(深澤)ローテイト。
V-2。
ポジティブ。
ギアアップ。
(深澤)ギアアップ。
(菊島)それにしても 奇遇だな。
ここで…
ここで君に会えるなんてね。
ホントですよ。
その後 具合 いかがですか?
全然 OK。 うん。
ばっちりだよ。
今日はね
サンフランシスコ 行って
アラスカ 行って
流星群を撮るの。
なるほど。
君は どうして?
僕ですか?
うん。
僕は 彼女との新しい約束のためにワシントンへ。
ワシントン 遠いね。
はい。
ふん。 で?
彼女に 告白したんでしょ?
どうだった?
いや…
こっ 告白は
まっ まだですかね。
告白してない。
で また 離れ離れ。
か…。
えっ?
何ですか…。
(悲鳴)
(工藤)オートパイロットが
トリップオフした。
他のシステムをチェック。
(深澤)はい。
目前に積乱雲があります。
コースを変更する必要がある。
管制に連絡。
(深澤)はい。
東京コントロール RH0627。
あ…。
すいません。
(夏葉)この先
激しい揺れが予想されます。
皆さま しっかりと
シートベルトを着用してください。
積乱雲か。
わ!
あっ!
すいません あの…
取ってもらってもいいですか?
(黒川)どいていただけますか?
すいません。
痛っ! いた…。
あっ ちょっと…。
あっ すいません。
それ 取ってもらっても
いいですか?
ごめんなさい。
(黒川)何か?
いっ いえ…。
自然が相手のこの仕事は
何十年 飛んでたって
同じシチュエーションはない。
情報収集を怠るな。
(深澤)分かってます。
キャプテン?
少しばかりか
お前の緊張がうつったようだ。
もう少しで 雲を抜ける。
元のトラックに戻すぞ。
(深澤)はい。
あ もう 大丈夫だね。
は。
ですね。
あっ よかったら どうぞ。
(菊島のいびき)
(彩)機内に具合が悪くなった
お客さまがいらっしゃいます。
お客さまの中に 医療関係者は
いらっしゃいますでしょうか?
どいてください。
痛っ!
お 大丈夫かよ。
(夏葉)お医者さまですか?
(黒川)ええ。
東和医大で内科医をしています
黒川です。
よかった。
お客さまの具合 いかがですか?
(黒川)呼吸が浅く 脈も少し弱い。
《意識障害 頻脈 呼吸不全》
(夏葉)機内に急病のお客さまが
いらっしゃいます。
皆さまの ご理解とご協力を
お願いいたします。
(黒川)どうも。
あの 機長に
容体 報告したいんですけども。
現状 確かなことは
分かりかねます。
ですが 最悪の場合
脳卒中や心不全を起こしている
可能性も否定できません。
その場合 一刻を争う状態です。
失礼します。
発赤があります。
君は 医療関係者?
はい。
例えば 食物アレルギーとか。
(黒川)お財布 失礼しますね。
ありました。
ピーナツだ。
いや
手を付けた様子はありません。
じゃあ 何だっていうんだ…。
(トーマス)ああ…。
ハァ ハァ ハァ…。
[死者の声を受け継ぐ
法医学者の娘と 刑事の父]
[人々の生きた証しが示す
最後のメッセージとは?]
「教えてください」
(たまき)やだやだ 一人で
感傷に浸っちゃってるわけ?
(杏)たまきさん…。
何だかんだ あいつに
助けられてきたもんね。
いえ 別に 彼が来る前の病院に
戻っただけなので。
ドギマギしてる あんた
カワイイわ。
えっ?
フフフ!
もう うちの連中 駄目だわ。
何かさ セミの抜け殻
みたくなっちゃっててさ。
はい?
(エレベーターの到着音)
(高橋)あの…。
(裕乃)五十嵐さん
今ごろ 空の上ですかね?
(悠木)あいつが いなくなった
おかげで 平和ですね。
(威能)余計なトラブル
起きることもなくなりましたしね。
(軒下)いつまでも
いなくなったやつのこと
考えてたって しょうがないだろ。
(高橋)あの すいません。
(4人)ハァ…。
(小野寺)何だよ お前ら
その ふ抜けた格好。
(小野寺)ほら 仕事!
(4人)はい。
(高橋)あっ すいません。
(裕乃)はい 何ですか?
(高橋)あの
興雲大学の高橋ですけど
画像データ 受け取りに来ました。
あ 画像データ
ちょっと 待ってください。
《短い間でしたが
お世話になりました》
《なあ
一つだけ 聞いていいか?》
《はい》
《何で 医者じゃなくて
技師として 働いたんだ?》
《それは…》
《それは?》
(一同)《それは?》
《昔 約束したんです。
甘春先生と》
(杏)《だから 唯織はね
世界一のカメラマンになって
私のお手伝いをするの。
分かった?》
《僕と 杏ちゃん
ホントは 幼なじみなんです。
あのとき 約束したから》
(杏)《唯織!》
(唯織)《杏ちゃん!》
《僕は 世界一の放射線技師になるって決めたんです》
《絶対に 忘れない》
《一番の技師になるためには
病気のこと分かってなきゃ
いけないって思って》
《たくさん勉強して
気付いたら 医学部行ってて》
《でも あのときの約束…》
《杏ちゃん 全然 覚えてなくて》
《五十嵐 唯織です》
《どなたですか?》
《だから…》
《ん?》
《お前 バカか?》
《えっ?》
(たまき)《ホント 読めないやつ》《何で?》
《どうせ また すぐ首になるわ。
ねえ 技師長》
《うん
どうせ お前みたいな変わり者
大歓迎なのは
うちぐらいなんだからさ》
《また 戻ってこいな》
《はい!》
お疲れさまです。 プロトコール
そこに置いておきますね。
(小野寺)はいよ。
セミの抜け殻…。
えっ?
あっ いえ 大丈夫ですか?
その…
元気がなさそうに見えたので。
(裕乃)えっ?
あっ すいません…。
あの ちょっと 不安で…。
えっ?
私 いつも 五十嵐さんに
助けてもらってたので。
五十嵐さんのことは もちろん
応援してますけど
でも やっぱり さみしいですよね。
《私…》
《絶対に負けませんから》
《あなたが
手出しできないくらい
優秀な放射線科医に
なってみせます》
《だから…》
《必ず 戻ってきてください》
《約束です》
《はい。 約束します》
(軒下)《待てよ!》
《おい 五十嵐 お前 甘春先生によ例のこと言わなくていいのか?》
《いいんです!》
(小野寺)《えっ?》
《今 新しい約束ができました》
《では》
《また お会いしましょう!》
《甘春先生
約束 忘れないでくださいね》
《はい》
(シャッター音)
どうも。
症状が これ以上 ひどくなれば
最悪の場合
呼吸不全に陥る
危険性があります。
近くの病院に 緊急着陸するほか
ないかもしれません。
(夏葉)機長に 報告してきます。
(黒川)お願いします。
あの 昨日 病院に行ってます。
ハァ ハァ ハァ…。
治療か何かの検査か?
熱いな。
間違いありません。
これは 造影剤による 遅発性の
アナフィラキシーショックです。
えっ!?
普通
造影剤アレルギーは 投与後
すぐに 症状が出ます。
ですが まれに
24時間以上 たってから
遅れて
発症する場合があるんです。
確かに 症状は当てはまる…。
抗アレルギー薬を投与すれば
発作が治まるはずです。
(夏葉)すいません。
機長に確認したところ
最寄りの空港まで
あと2時間 かかるそうです。
機内に アドレナリンか
ステロイド剤は ありますか?
はい ドクターズキットの中に。
すぐに持ってきてください。
彼を この場で治療します。
お願いします。
分かりました。
(小野寺)痛いの右肘だよね?
(良平)はい。
(良平)部員の打ったボールが
当たっちゃって。
そっか。 じゃあ ここに座って
右肘 出してくれるかな?
はい。
ちょっと 待ってね。 いいよ。
結構 痛むか?
(小野寺)良平君。
(小野寺)良平君。
(良平)はい。
結構 痛むか?
(良平)あっ いや…。
(軒下)
技師長が検査してる高校生さ
どっかで 見たことある気が
するんだよな。
(裕乃)そうですか?
(悠木)あっ 彼じゃないですか?
(裕乃)
あっ このピッチャーの子だ。
少し前にイケメンって
話題になってた。
(軒下)思い出した!
(悠木)うるせえ…。
高校生にして完璧なスライダー。
将来 プロ野球どころか
メジャーも夢じゃないって
騒がれてた。
(悠木)駄じゃれ?
広瀬 サイン もらってこい?
(裕乃)はっ? 何で 私が?
将来 高値で 売れますわ。
(裕乃)最低。
実は
そんなに 痛くないんです 右肘。
えっ?
練習 サボんのに
ちょうど いいかなって。
あの ついでに
骨が折れてるように
見える写真とかって
撮れたりしませんか?
そっか。
前にさ
今の君と同じような顔した子供
ここで 検査したことあったよ。
(良平)えっ?
(小野寺)《健太郎君
痛むの 右膝だったよね》
(健太郎)《僕 ちょっと 大げさに
痛いって言っちゃったんだ》
(健太郎)《お母さん?》
(大樹)《大丈夫ですか?》
(健太郎)《僕のせいだ》
《僕が
わがままなんて言ったから》
《レントゲン検査だけでは
不十分です》
(美佐子)《申し訳ありませんが》
《千葉さん》
《健太郎?》
(健太郎)《お母さん…》
(大樹)
《検査を受けてあげてください》
《腹痛の原因は おそらく
膵炎でしょう》
《すぐに 良くなると思います》
《千葉 健太郎君の膝のMRIを
差し込みたいんです》
(小野寺)《調べたとこで 何も
見つからない可能性がある》
《だけど 調べて 病気がなけりゃ
それで いいじゃねえかよ》
《しばらく
離れて暮らす母親によ
あなたの息子 元気ですって 心から言ってやりてえじゃねえかよ》
《とにかく
検査 準備 急いでくれ。 なっ?》
(鏑木)《医師のオーダーもなく
勝手なことして!》
《この検査に 一人の少年と
その母親の未来がかかってます》
《今 うちの部下が その大事な
検査をしてるとこです》
《邪魔しないでいただきたい!》
《これは 骨肉腫》
《骨のがんです》
《私たち 放射線科チームは
これから先 いつだって
千葉さんと健太郎君のことを
見守り続けます》
《もし 万が一 何かあった場合も
いち早く 病気を見つけだし
早期治療に臨めるよう
努めてまいります》
《どうか
われわれを 信じてください》
《一緒に 頑張りましょう》
《がんになりやすいって
いうんだったらよ
検査のたびに 俺たちが 早期に
見つけだしてやりゃいいんだろ》
《それが 俺たちにできる
仕事じゃないかよ ホントによ》
《んだよ》
(健太郎)《お母さん
ごめんなさい》
《50万人に
1人しかならないような
病気になっちゃって》
《君も 絶対 負けんな》
(健太郎)《うん。 僕 大丈夫だよ。
ねっ? お母さん》
おじさんに できることはさ
正確な写真を撮るだけだ。
世の中にはさ
自分の病気と向き合って
真剣に検査を受けに来る人が
たくさん いるんだ。
そんだけは 分かってな? んっ?
はい。
(小野寺)よし 始めよう。
(通知音)
(辻村)軽い打撲だろうから
すぐに痛みもひくと思うよ。
そうですか。
ありがとうございました。
(里美)お大事に。
(里美)大丈夫ですか?
(良平)すいません。
立ちくらみかな?
ちょっと 練習での疲れが
たまってるだけなんで 大丈夫です。
あれ?
(辻村)どうかしましたか?
ないんです お守りが。
(辻村)えっ?
大丈夫。 しまっていこう。
(裕乃)しまれないです 私。
無理ですよ。
(軒下)俺も一緒に行ってやるから。
よしよしよし。
あの… すいません。
(裕乃)えっと
何か 捜してるんですか?
あの!
えっと…。
平山 良平君ですよね?
(良平)そうですけど。
(裕乃)あの すいません。
えっと 以前
テレビで 拝見したことがあって。
えっと その…
サイン もし よかったら
頂けませんか?
おばさん
何か 勘違いしてません?
おっ おばさん!?
それは 去年の話で
俺 今 ベンチにも 入れない
落ちこぼれなんで。
野球も もう やめるし。
(良平)あった。
失礼します。
お大事に。
何てことしてくれたんですか!
(軒下)そうだぞ お前
去年の記事じゃねえか おめえよ。
(悠木)何で 僕のせいなんですか。
(威能)にしても 不思議ですよね。
かつて あれだけ 騒がれてた
天才ピッチャーが
たった1年で戦力外ですか。
(たまき)んっ? あ はい。
(裕乃)
何か ひどいことしちゃったな。
このお守り…。
(威能)仲間の活躍を
ベンチの外から見るなんて
かつてのエースとしては
屈辱的でしょうね。
あの夢も 夢のまんま
終わっちゃうんですかね。
(沙也加)《いけ!》
(ブザー)
(生徒たち)《やった!》
(沙也加)《結果は
負けに終わっちゃったけど
みんな 最後まで やりきったし
みんな 全力で 頑張ったよ》
(恭子)《ねえ 聞いた?
沙也加 推薦 駄目だったって》
(沙也加)《高校最後のことしこそ
みんなで 全国 行きたいの》
《うん。 頑張ろ!》
(恭子)《さすがの沙也加も
落ち込んでて》
(美紀)《そうだよね》
このまま 逃げだしたら
一生 後悔すると思います。
(軒下)んっ?
良平君
一生懸命 必勝祈願のお守りを
捜していたんです。
ホントは まだ 野球
やりたいんじゃないかなって思って。
(軒下)だからって 俺らに
どうすることも できねえだろ。
それは そうですけど…。
既往歴は 特になしか。
(裕乃)えっ?
いや
さっきの高校生なんだけどさ…。
《結構 痛むか?》
(小野寺)《良平君 良平君!》
《はい》
《結構 痛むか?》
(良平)《いや…》
今 思えば 右耳が
聞こえづらいんじゃないかって
ちょっと 気になってよ。
そういえば…。
《すいません》
(裕乃)《えっと
何か 捜してるんですか?》
私が 話し掛けたときも
そうでした。
右耳が 聞こえづらいってのは
間違いなさそうね。
でも 既往歴には
何も書かれてないんですよね?
ああ。
こんなとき 五十嵐なら
どうするでしょうね。
《できることがあるなら
諦めたくなくて》
私 聞いてきます。
(たまき)ちょっと 威能
何 たきつけてんのよ。
(悠木)また 余計な仕事
増えちゃうじゃないですか。
(軒下)そこまでするのは
技師の仕事じゃねえんだって。
(威能)そんなこと言って
皆さん 顔 うれしそうですよ。
仕事。
(悠木)うぃ。
ったく お前ら
性格 ひん曲がってんな ホントに。
(たまき)あんたもね。
(小野寺)ハハハ!
(たまき)喜んじゃった。
(小野寺)軒下
広瀬のデータ整理 手伝ってやれ。
俺っすか?
(小野寺)いいだろ ほら。
いいですよ。
僕が 代わりに やっときます。
すごいね。 よく 分かったね。
いえ 僕 技師なんで
普段から 造影剤 使った 検査
よく するんです。
だから アレルギー症状には
いつも 気を付けていて。
さすがだな。
病の写真家。 ねっ?
やめてください。
(菊島)いやいや
世界一のカメラマンを
目指してるだけのことはあるよ。
ありがとうございます。
技師…。
ご協力 ありがとうございました。
いえ とんでもないです。
先ほどは
ありがとうございました。
(黒川)いえ。
薬が効いて 容体も
落ち着いたようで よかったです。
実は 今日
機長のラストフライトでして。
ええ。
(夏葉)機長には
大変 お世話になったので
はなむけに
最高のフライトをプレゼントしたいって
みんなで 話してたんです。
だから 黒川先生には
ホントに感謝しています。
(黒川)あっ いえ…。
(夏葉)失礼します。
(黒川)失礼します。
どうして 俺が
ラストフライトのコーパイに
お前を指名したか分かるか?
どうせ 一番 ビビりで
この先が不安だからとか
言いたいんですよね?
そのとおりだ。
それなのに さっきは何だ?
緊急着陸の要請ぐらいで
あたふたしやがって。
キャプテンこそ
最後の最後ぐらい
純粋にフライトを楽しんだら
どうですか?
相変わらず 口だけは 達者だな。
トイレに行く。 代われ。
(深澤)はい。
ユー ハブ。
(深澤)アイ ハブ。
(夏葉)
キャプテン お疲れさまです。
大丈夫ですか?
(夏葉)キャプテン!
キャプテン!
大丈夫ですか!? キャプテン!
(夏葉)
キャプテン お疲れさまです。
大丈夫ですか?
(夏葉)キャプテン!
キャプテン!
大丈夫ですか!? キャプテン!
(菊島)それで?
22年と128日ぶりに
会ったっていうのに
君は 何を してたの?
それは…。
《言っておきますけど
あなたには 負けませんから》
《えっ?》
《あの これ
軟水と硬水があるんですけど…》
《昨日 私 お水 頂きましたか?》
《はい》
《それは その…》
《ありが…》
《ありが?》
《甘春先生》
《ちょっと…》
(辻村)《甘春 ちょっと
見てもらいたい写真が
あるんだけど いいか?》
《じゃあ 僕も》
《医者同士の相談》
《技師さんは 技師としての仕事を続けてください》
(辻村)
《負けるつもりはありませんよ》
(辻村)《仕事も 恋愛も》
《痛い痛い痛い…!》
いや 何も…。
でも あっ 新しい約束を
ちゃんとしました。
女心と秋の空は
そっくりだっていうよ?
はい?
ゲーテだよ。
移ろいやすく変わりやすい。
やめてください。
そんなこと 言わないでください。
(バイブレーターの音)
(菊島)今の時代 便利だよな。
飛行機ん中 乗ってても
ネット つながんだからね。
もしかして 娘さんですか?
(菊島)うん。
時々ね こうやって ほら
星の写真を 送ってきてくれんの。
奇麗ですね。
ああ まさか 娘と
こんなやりとりができる日が
来るなんて 思いもしなかったよ。
全部 君のおかげだよ。
いえ。
あらためて ホントに ありがとう。どういたしまして。
黒川先生 すいません
少し よろしいですか?
はい。
(菊島)何だ また 急患か?
僕 ちょっと 見てきます。
そうだね 行った方がいいな。
慌ただしいな。 ねえ。
こちらです。
(黒川)
急患って まさか 機長ですか?
はい。 息が しづらいようでして。
(黒川)この便の操縦は
大丈夫なんですか?
(夏葉)今 副操縦士の深澤が
一人で操縦してます。
ご迷惑をお掛けして申し訳ない。
(黒川)いえ。
また 君か。
ここは 私一人で 大丈夫です。
鶴田君。
(夏葉)はい。
深澤に容体が安定したら
必ず戻ると言ってくれ。
あいつに伝えたいことがあるんだ。(夏葉)分かりました。
何か既往歴はありますか?
(工藤)ありません。
ちょうど 昨日
検診を受けたばかりで
問題ないと言われました。
しばらく 安静にしていたら
治まると思います。
分かりました。 酸素を投与して
しばらく 様子を見ましょう。
はい。
(黒川)失礼します。
呼吸苦は甘く見ない方が
いいと思いますよ。
写真を撮るだけの技師が
余計な口を挟むな。
写真?
《時々ね こうやって ほら
星の写真 送ってきてくれんの》
検査 受けた病院の名前
教えてください。
(工藤)成田中央総合病院です。
ありがとうございます。
すいません。
呼び戻すようなまねしちゃって。
いえ。
(裕乃)ホントは
こんなの
技師の仕事じゃないんですけど。
それより 話って 何ですか?
あの…
勘違いだったら すいません。
もしかして 右耳 少し
聞こえづらいんじゃないですか?
実は 1年ほど前から
時々 耳鳴りがするんです。
えっ 治療は?
どこか 病院には行きましたか?
症状が出始めたころ
近所のクリニックに。
でも 特に異常はなくて。
精神的なストレスから
来るものだろうって。
ストレス…。
(良平)はい。
実は そのとき
野球の方が スランプで。
どんなに 練習しても
うまいこと いかなくて。
バッテリー 組んでる相方にも
迷惑 掛けて。
どんどん 焦るばっかで。
俺のメンタルが弱いから
こんなことになったんです。
だから 気にしないでください。
本当は 野球の方も ずっと
やめるタイミング 探してて。
肘のケガを理由にやめれると
思ってたんですけど。
どうだった? 良平君。
やっぱり
右耳が聞こえづらいらしくて
耳鳴りの症状があるそうです。
でも おそらく
精神的なものが理由だろうって。
で?
(裕乃)えっ?
いや だから 何で右耳だけなの?
(裕乃)えっ それは その…。
どうしてですかね。
おいおい お前 ホント
駄目ちんだな。
俺が せっかく お前の雑用
引き受けてやったのによ。 俺が。
すいません。
五十嵐さんだったら もっと 色々
気付いたかもしれないのに。
そろそろさ
五十嵐 頼んの やめろよ。
(裕乃)えっ?
もう一人 いるでしょ。
《技師の方は
医者の指示に従って
マニュアルどおり 検査だけ
行っていてください》
《このままでは こちらは
診断が できません》
《何とかしてください
それが皆さんの仕事ですから》
(たまき)《気持ちいいくらい
上から目線》
(軒下)《生まれたときから
この病院のお嬢さまなんて
人生勝ち組もいいとこだよな》
《だから あんなに 上から目線で
偉そうなんですね》
《意見は求めましたが
ここから先は
医師に任せてください》
《私からも お願いします。
検査をさせてください》
《どうか お願いします》
《お願いします》
(小野寺)
《案外 いいチームでしょ?》
《フフフ そうですね》
《あれ? 甘春先生
何か 最近 変わりました?》
《えっ?》
《いやいや いい意味で》
(田中)《大きな手術には
おそらく 耐えられない》
《では IVRを?》
《僕たち 技師が
サポートに入ります》
《大丈夫です
僕たちを信じてください》
《いったん 腹部大動脈まで
戻して 上へ進み
上腸間膜動脈に
カテーテルを入れます》
《そこで 造影剤を吹いて
小腸の出血箇所を特定しましょう》《はい!》
(たまき)《上腸間膜動脈の入り口
3Dで作って》
《もう できてます》
(軒下)《この入り口なら
今 使ってる カテのまま
いけそうですね》
《あとは この箇所で
コイルを詰めれば…》
《コイルは…》
《2mm 4cmで
どうでしょう?》
《それにしましょう》
《切断しました》
《そこの分岐を
右に進んでください》
《早い…》
《ループを越えた先に
出血点があるように見えます》
《そのまま
ゆっくり 進めてください》
《迷いがなくなった》
(小野寺)《止まった》
(里美)《篠原さん
バイタルも安定してきました》
(小野寺)
《やった! お疲れさん!》
《とても 初めてとは
思えなかったぞ》
《ありがとうございます》
(裕乃)
《患者さんを助けてくださり
ありがとうございました》
《まだまだ
医療には限界があります》
《でも 必ず 誰よりも
うまくなって
この手で
多くの人を救ってみせます》
《先生…》
《こちらこそ ありがとう》
(辻村)
《すごいな うちの技師たちは》
《彼らは 麗洋病院が見落とした
胃がんを 見つけたんだ》
《そうですか》
《大事なのは
立場とか場所とかじゃなく
何をするかなんじゃないかなって
最近 私は 思っています》
(小野寺)《大丈夫か?
もし ほら この検査でさ
虫垂腫瘍なんてことになれば
鏑木先生の診断
否定することになるだろ》
《そうなったら 今後 仕事
やりづらくなるんじゃないか?》
《鏑木先生は
プライドの塊だからね》
《だからといって もし本当に
虫垂腫瘍だった場合
取り返しのつかないことに
なります》
《われわれは 患者さんの命を
最優先に考えるべきです》
《フッ… まあ
そう言うと思ってたよ。 フフ》
そうですね。 確かに。
仕方ねえな。
俺が行ってくるよ。
(たまき)へ
いつになく 積極的じゃん。
(小野寺)ハハ…。
あいつ 一度 挫折してるからさ
良平君の気持ちが分かんだよ。
耳鳴り?
あと おそらく 難聴も。
どっちもさ 右側だけってのが
気になってて。
1年前の検査で異常なくとも
後になって 隠れた病気が
見つかる可能性って
あるのかなと思って。
他に 何か 症状は?
え…。
イケメン!
(辻村)呼びましたか?
(軒下)うおっ!
先生が 言っちゃ
冗談にならないんすよ。
バカーン くそっ。
それより 彼だけど
少し目まいがするみたいだったな。
それは マジか?
本人は 練習の疲れだって
言ってたけど。
ありがとう。
うん。
耳鳴りに 難聴に 目まい?
それに 右耳だけ…。
あの… 忙しいのに
すいませんでした。
あっ いえ…。
(受信音)
来た…。
(菊島)何か分かりそうかい?
(菊島)分かったんだな?
分かったんだ。 分かったんでしょ?
分かったんだよ。
慌ただしいもん。
(黒川)ウェスターマークサイン?
わずかですが
無血管野が見られます。
おそらく 機長は肺塞栓症です。
肺塞栓症って こんな わずかな
所見で決め付けるのは早いだろ。
普通 肺塞栓症は
CT検査で発見できます。
だから
この胸のレントゲンだけでは
気付くことが
できなかったんだと思います。
おそらく このレントゲンを
撮ったときよりも
症状は
かなり悪くなっているはずです。
このまま 進行が続けば
命が危険です。
まさか
緊急着陸しろっていうのか?
機長の命を
確実に助けるためです。
(夏葉)《実は今日
機長のラストフライトでして》
目的地まで あと5時間だ。
今は容体も安定してる。
しばらく様子を見よう。
すぐに緊急着陸すべきです。
何かあってからでは
遅いんです。
(工藤の苦しむ声)
機長。
(黒川)機長 大丈夫ですか?
ゆっくり呼吸してください。
頸静脈が怒張してます。
一刻を争います。
すぐに処置をしないと。
(工藤の苦しむ声)
落ち着いて呼吸してください。
(夏葉)えっ!? キャプテン!
しっかりしてください。
大丈夫ですか?
大丈夫なんでしょうか?
キャプテン…。
(工藤の苦しむ声)
しっかりしてください。
大丈夫…?
副機長に連絡してください。
緊急着陸が必要です。
えっ?
頭の検査?
はい。
良平君の耳鳴りについて
うちの技師から聞きました。
原因を 一度 きちんと
調べてみませんか?
ああ… それなら以前
耳鼻科で検査を受けたときに
異常ないって言われました。
精神的なものが原因だって。
でも 時々
目まいもするんだよね?
それはそうですけど…。
体調が悪いのに
検査で どこにも異常がない
って言われたら
自分の心の問題なのかな?って
思ってしまいますよね。
えっ?
私の身近にも いたんです。
そういう人が。
《この病院で
半年前に受けているんです》
《そのころから 父は
うつ病に悩まされ始めていて》
(鏑木)《甘春院長! 院長!》
《大丈夫?》
(正一)《すまないね…》
《頭痛の原因となるような
病変は 見られなかったんです》
《おそらく
精神的なものだと思います》
《お父さまの検査を
僕にさせてください》
《甘春先生のお父さまは
おそらく うつ病ではありません》
《これは 低髄液圧症で
間違いないと思います》
《外傷だけでは
まず 分かりません》
《なので
うつ病と診断されてしまう
ケースが多いんです。
この病気は
ブラッドパッチという
治療法で治せるかもしれません》
《すぐに 専門医を探しましょう》《はい!》
《よかった…》
良平君の場合も 必ず
そうなるという保証はありません。
でも まれにあるんです。
耳の調子が悪いのに
原因は まったく別の箇所にあったというケースが。
諦めずに検査をすることで
本当の原因が見つかり
見違えるように
元気になれることもあります。
だから まずは
正しい検査を受けてほしいんです。
(夏葉)はい…。
最寄りのアンカレッジ空港まで
あと1時間はかかるそうです。
1時間か。 取りあえず
点滴で様子を見るしか…。
サチュレーションが下がってます。
このままでは
心停止の恐れがあります。
だからって どうすることも…
ここは空の上なんだぞ。
ドアックがあれば…。
えっ?
血液を さらさらにする薬です。
それがあれば
血栓の予防ができます。
これ以上の症状の悪化を
防げるかもしれません。
抗凝固薬なんて
都合良くあるわけないだろ。
ないなら 探しましょう。
はぁ!?
できることをしましょう。
皆さんで。
アナウンスで
呼び掛けてください。
分かりました。
メーデー メーデー メーデー。
RH0627 ウィ ハブ
シリアス シック パーソン。
機内に 体調を崩された
お客さまがいらっしゃいます。
当便は アンカレッジ空港に
緊急着陸いたします。
(夏葉)大変申し訳ございません。救命のため 抗凝固薬
血液を さらさらにする薬を
探しております。
お客さまの中に お持ちの方は
いらっしゃいませんか?
(彩)すみません。
血液を さらさらにする お薬
お持ちじゃないでしょうか?
(女性)持ってないです。
(女性)ごめんなさい。
失礼します。
薬 お持ちでしたら
見せていただいても
よろしいですか?
(女性)ごめんなさい ないです。
ありがとうございます。
すいません 薬 お持ちでしょうか?手伝おうか?
じゃあ このエリア お願いします。OK。
薬 お持ちですか?
ないですか? 薬。
人の命に…。
ドゥー ユー ハブ メディシン?
(女性たち)ソーリー。 ノー。
(菊島)ソーリー ノー?
内田さん。
ここは 私たちに任せて
あなたは
副機長のサポートお願い。
分かりました。
お薬 お持ちじゃありませんか?
(女性)持ってないです。
ありませんか?
(黒川)血圧もサチュレーションも
落ちてる。
すいません。
薬 お持ちではないでしょうか?
お薬 お持ちではないでしょうか?(男性)持ってないです。
ありがとうございます。
お薬 お持ちではないでしょうか?
ありがとうございます。
(小野寺)おう 来たか。
(良平)よろしくお願いします。
じゃあ 靴脱いで
ここ上がってくれるかな?
はい。
(小野寺)こっち頭にしてね。
で これ 握って。 何かあったら
これ押せばいいから。
はい。
(軒下)甘春先生。 オーダー
ありがとうございました。
いえ。
じゃあ よろしく。
はい。
ありました!
お水 お願いします。
機長 薬ありましたよ。
外します。
1 2 3。
よいしょ。
機長 薬です。
お水 いきますね。
どうなんすか?
これは…。
(バイブレーターの音)
これは 聴神経腫瘍です。
(裕乃)えっ 腫瘍?
良性な腫瘍ではありますが
これが小脳を圧迫し
耳鳴りや 目まい
体に倦怠感などの症状を
引き起こしていると思われます。
それって もしかして…。
野球で 長期間にわたる
スランプに陥っていたのも
この腫瘍が原因かと。
えっ…。
聴神経腫瘍は
初期症状が 突発性難聴などと
酷似しているため
正確な診断がつくまでに
数年はかかると いわれています。
良平君も おそらく それで
見過ごされてしまって
いたのでしょう。
この腫瘍を取り除けば
治るんですか?
難しい手術が必要にはなりますが
症状は劇的に良くなると思います。
あ よかった。
これで 思いっきり
野球ができるってわけだ。
ただ…。
(悠木)この腫瘍を取り除けば
治るんですか?
難しい手術が必要にはなりますが
症状は劇的に良くなると思います。
あ よかった。
これで 思いっきり
野球ができるってわけだ。
ただ…。
(良平)手術…。
はい。
経過にもよりますが
手術が必要になると思います。
じゃあ… 治るころには
夏 終わっちゃってますよね?
そうですよね。
ああ 別にいいんです。
どうせ もう諦めてたし。
本当の原因 知れるだけで
十分です。
ありがとうございました。
私も良平君くらいのときに
大事な試合を前に
ケガしたことがあります。
だから 気持ち…
少し 分かります。
今は きっと
目の前が真っ暗になって
それが世界の全てのような
気がしちゃうと思うけど
でも 実際は
今の夢だけじゃありません。
良平君の未来は
これからも ずっと続いていきます。
社会に出れば 新しい夢だって
出会いだって
きっと たくさん待っています。
こんな私ですら
見つかったんだもん。
良平君にだって
必ず見つかるって。
おばさん そう信じてます。
すいません。 何か いきなり
変なこと言って。 すいません…。
(良平)いえ。
(良平)そうですね。
俺 諦めません。
必ず病気治して
どんな形でもいい
大好きな野球
絶対 続けてみせます。
そのときは
試合 見に来てください!
えっ?
お礼に特等席 用意しときます。
(裕乃)えっ… いえ あの…。
そんな! 私… えっ えっ?
(小野寺)ああ 頼んだぞ。
(裕乃)何だ そっちか…。
(たまき)何 勘違いしてんのよ。
おばさーん。
(裕乃)たまきさんだけには
言われたくないです!
私は お姉さんです。
(悠木)いや おばさんですよ。
見事 病気に勝って
将来 プロ野球選手になったら
俺にも女子アナ紹介して…。
(威能)ハウス! ハウス!
ホント 懲りないっすね。
(小野寺)サインもらえ。
(軒下)サイン… サインだけ
サインだけでも。
(良平)サインですか?
(たまき)抜け殻は抜け殻でも
大きく脱皮したみたいね。
誰かさんのおかげで。
はい。
何で お前…
お前じゃないんだよ!
お前じゃない。
やめろよ やめろ! おい!
(深澤)着陸10分前です。
えっと…。
ランディングフラップは…。
あの… 大丈夫ですか?
(深澤)大丈夫です。
僕一人でやるしかないんです。
僕一人で。
(風の音)
くそっ… 横風が強過ぎる。
どうしたら…。
(工藤)深澤 聞こえるか?
(深澤)キャプテン。
(工藤)
情報収集を怠るなと言っただろ。
現在の状況は?
着陸ランウェイ07ですが
横風 20ノットで
ガスト 30もあります。
お前なら どうする?
フラップ25で
速度は プラス10ノット。
そのとおりだ。
一つ 伝え忘れたことがある。
お前は 誰よりもビビりだ。
その分 誰よりも おごることなく
慎重に飛べる。
キャプテン…。
(工藤)自信を持て。
それから パイロットに必要なのはどんなときでも…。
(深澤)平常心。
乗客 400人の命
預かってるんですもんね。
頼んだぞ。
任せてください。
横になりましょう。
アンカレッジ アプローチ。
RH0627。
リービング
1,000ディセンディング。
リクエスト レーダーベクター
フォー ランウェイ07 ライト
ファイナルコース。
(深澤)フラップス 25。
1,000。
(深澤)ノーフラッグス。
500。
(深澤)スタビライズド。
(彩)アプローチング ミニマム。
(深澤)チェック。
(彩)ミニマム。
(深澤)ランディング。
100。
(深澤)50。
30。
20。
10。
着きます。
10。
着きます。
ハァ…。
ご迷惑をお掛けしました。
いえ。
情けないです。
36年間
無事故 無欠勤だけが取りえで
ずっと それだけを誇りに
パイロットを続けてきました。
それが…。
最後の最後に
こんな終わり方をするなんて。
見事なコンビネーションだったと
思います。
えっ?
機長と副機長
きっと お互いを理解して
尊重し合ってるからこそ
成し遂げることができたんだと
思います。
それに
最後ではないと思いますよ。
えっ?
さみしいなんて 思う必要
ないのかもしれません。
機長が 皆さんと過ごした日々は
そう簡単に消えるものでは
ないと思います。
五十嵐さんと過ごした日々は
簡単に消えるものでは
ないと思います。
どんなに離れてても。
たとえ どんなに離れたとしても。
皆さんの中に
残り続けると思います。
だからこそ彼は
ずっと そばにいる。
そんな気がします。
《五十嵐 唯織です》
《どなたですか?》
《えっ?》
《ちょ… ちょっと 待って
待って》
《こっ これ あの… 不可抗力》
《警察 呼びますよ!》
(裕乃)《脳がとけてる!》
《菊島さんの検査を
もう一度 僕にやらせて
いただけないでしょうか?》
《技師の方は
医者の指示に従って
マニュアルどおり
検査だけ 行っていてください》
《菊島さんの頭の中に
何かあるかもしれません》
《僕 助けたいんです》
《待ってください!》
《検査を中止してください》
《原因なら 他に見つかりました》
《レントゲン検査だけでは
不十分です》
《今のままでは
あなたの体のどこかに
命に関わる病気が隠れている
可能性を否定できないんです》
《CT検査を
受けてくれませんか?》
《お願いします》
《超音波検査を
受けてもらえませんか?》
《あなたは デンスブレストです》
《最後に 自分の命を守れるのは
自分だけなんです》
《まずは 超音波検査を
やらせてください》
《葉山さんが
検査を受けてきた時間は
決して無駄ではありません》
(今日子)《いろんな病院で
検査を受けてきましたが
デンスブレストについて
教えてくれたのは
あなただけでした》
《もう 曖昧なことは
聞きたくありません》
《真剣に…
真剣に検査を受けてきた
彼女の気持ちに応えたいんです》
《もう二度と 曖昧なレポートは
書きたくありません》
《どうか お願いします》
《お願いします》
《五十嵐さんは?
一応 意見を聞いてみたいです》
《ちなみに これ
トリミングしてませんか?》
《どうして わざわざ
照射野を絞らずに
広めに撮ったんですか?》
《せっかく 俺が トリミングした画像
元に戻して どうすんだよ!》
《これって…》
《撮影条件が 肩関節にあったので分かりにくいですが
肺尖部の濃度が 他の肺野に比べてわずかに黒いです》
《広瀬さん この患者さん
すぐに胸部の条件で
再撮してもらえますか?》
《はい》
《五十嵐さん!》
《言い忘れてましたけど…
色々と ありがとうございました》
《お疲れさまでした》
《一人じゃありません。
僕たち技師がサポートに入ります》
《大丈夫です。
僕たちを信じてください》
《すいません。 あの もしかして
僕 また 差し出がましいまね…》
《んっ? おっ? んっ?》
《甘春先生! 聞こえますか!
五十嵐です!》
《はい!》
《今 ドアを開けます》
《できるだけ離れててください》
《久美ちゃんは 本当に
心の優しい子だと思います》
(雅子)《ありがとうございます》
(小野寺)《あいつ 時々
空気読めないこと やるけどよ
誰よりも
人の心が見えるのかもな》
(茜)《骨でも折れてるんじゃ
ないかって 心配で》
《ん 少し 骨が曲がっていて
赤ちゃんにしては O脚が少し
目立ってる気がするんです》
《言われてみれば 確かに》
《光君が骨折しやすいことに
理由があるかもしれないんです》
《えっ?》
《もしかすると 神経芽腫を
併発してるかもしれません》
(野村)《神経芽腫だと?》
《場合によっては
いつ呼吸障害が出ても
おかしくありません》
《胸腹部CT?》
《それを撮るのが どれだけ
難しいことか分かってんのか!?》
(鏑木)《乳児の場合
大人を撮るのとは
訳が違うんだ》
《専門でもない君たちが
できるはずがない!》
《でも 今やらないと
光君は 手遅れに
なってしまうかもしれません》
《体の小さい赤ちゃんです》
《一瞬でも呼吸が止まれば
命が危険にさらされます》
《しかし…》
《私からも お願いします》
(鏑木)《甘春先生》
《腫瘍のある場所によっては
一刻を争うかもしれません》
《お前の考えそうなことなんて
お見通しだ》
《どうせ また 何か
見えちゃったんですよね》
《いつまでも 抜け駆け
させるわけに いかないからな》
(威能)《こっちにも技師としての
プライドがありますからね》
(小野寺)
《ほら さっさと準備しろ》
《はい》
《皆さん オーダーが出なかったら
どうするつもりだったんですか?》
《何が何でも出させるでしょ?
あんたたちなら》
(悠木)
《さっ 残業 頑張りましょう》
(たまき)《OK》
(裕乃)《はい》
(たまき)《広瀬 奥に回って》
(裕乃)《はい》
(茜)《光!》
《必ず いい写真を届けます》
《子供の場合 指示どおりに
呼吸 止めることできないから
技師が自分の目で呼吸に合わせた
造影剤のタイミングや線量
全てを 正しく
見極めなくちゃならない》
《あいつの一瞬の判断に
かかってんだ》
《答えなら
全て その画像の中にあるだろ》
《えっ?》
(鏑木)《これは 呼吸の影響もなく造影のタイミングも完璧な写真です》
《ありがとうございます》
《杏ちゃん!》
《杏ちゃん… 杏ちゃん?》
《杏ちゃん!》
《辻村先生》
《甘春先生の肩ですが
やはり 再検査をお願いします》
《技師が思い付きで
物を言わないでいただきたい》
《患者に対する責任を負ってるのはわれわれ医師です》
《検査をして おしまいという
技師とは違うんです》
《彼女は 僕の患者です》
《先生ご自身で 再検査のオーダーを
出していただけませんか?》
《お願いします。
僕に写真を撮らせてください》
《何でも言ってください。
力になりたいんです》
《お父さん!?》
《お父さまの検査を
僕にさせてください》
《前院長は 低髄液圧症です》
《私が やります》
《お父さん…》
《代わります》
《えっ?》
《僕がやります》
《待ってください!》
《私 絶対に負けませんから》
《必ず 戻ってきてください》
《約束です》
《はい》
《約束します》
《甘春先生》
《約束 忘れないでくださいね》
《はい》
(シャッター音)
(悠木)《IVRの知識なら
僕 誰にも負けないんですけどね》
(小野寺)
《五十嵐 お前 サポートに入れ》
《いや でも…》
《分かんないこと あったら
何でも聞いて》
《お前 逃げんなよ》
《戻ってきたら 次は 僕が勝つ》
《はい》
(威能)《頭部と心臓部の
コンベンショナルを追加した
4回撮影だ。
ご遺体だからできる撮影条件だ》
《威能さんは
どうして Aiの認定を
受けようと思ったんですか?》
《その人の最後の写真を
撮ってあげるってことだろ?》
《その写真を撮れるのは
俺たち 技師だけだからな》
《そうですね》
(威能)《向こうに行ったときは
家 泊めてくださいよ》
《あっ でも…》
《戻ってくる方が 早いですかね》《はい》
《軒下さんの言葉で
あらためて 気付かされたんです》
(軒下)《結局
検査じゃ 患者 救えねえか》
《技師って 何なんだよ》
《少しでも
助かる可能性があるなら
できることはしたいって思って》
《どうしてくれるんだよ》
《すっかり マッチングアプリやる時間
減っちまったじゃねえか》
《ワンチャン…
金髪美女 連れて帰ってこいよ》
《はい》
《それぞれの患者さんに適した
診断やシステムの実現を
目指す人たちもいます》
《でも 最後に…
自分の命を守れるのは
自分だけなんです》
《私 生きるために決断した
あなたを心から尊敬しています》
《技師は 検査したら終わりって
割り切って やってきた》
《だから
あんたみたいに暴走するやつ
ホント 迷惑だったんだよね》
《お土産はさ 向こうの
カップラーメンで いいから》
《はい》
《これは 技師長にしか撮れない
左右の均一が
見事にとれた写真です》
《がんになりやすいって
いうんだったらよ
検査のたびに 俺たちが 早期に
見つけだしてやりゃいいんだろ》
(小野寺)《一人じゃ 無理でもよ
誰かの助けがあれば
どうにかできることだって
あんだよ》
《俺たちはよ
検査のスペシャリスト揃いなんで》
《どうせ お前みたいな変わり者
大歓迎なのは
うちぐらいなんだからさ》
《また 戻ってこいな》
《はい!》
《1番 不安なのは ご本人です》
《えっ?》
《頑張りましょう》
《もう一度
再検査をしてあげたいんです》
《もし 原因が分かれば
治せるかもしれないから》
《関節も奇麗に抜けてましたし
ポジショニングも完璧で
その… とてもいい感じでした》
《それと 機転を利かせて
広めに撮影したのは
間違いなく
広瀬さんのファインプレーです》
(裕乃)《五十嵐さんのような
技師になりたいです》
《もっともっと勉強します》
《今度 会うときは もう少し
距離を縮めておけるように
頑張ります》
《はい》
(深澤)そうですよ キャプテン。
深澤。
キャプテンから学んだことは
しっかりと
僕たちが引き継いでいきます。
何かあるたび きっと
キャプテンのこと思い出しますよ。
ねえ?
(彩)ですね。
お前ら…。
それはそれで 勘弁してくれ。
またまた。
ホントは うれしいくせに。
素直じゃないんだから。
(彩)ハハハ…。
ホントに
ありがとうございました。
ありがとうございました。
(渚)今ごろ どうしてるかしらね?五十嵐君。
(小野寺)
まあ あいつのことですから
きっと どこかで
誰か救ってますよ。
(渚)そうね。
技師長は確か
お馬が好きでしたよね?
(小野寺)ええ… まあ。
(渚)はい ニンジンジュース。
老眼に効くらしいわよ?
ああ…。
どうも。
あの…。
ところで あの…。
昨日 お返しした
あれなんですけど…。
(渚)フフッ
もう 欲しくなっちゃった?
まあ…。
やっぱり あいつ含めての
ラジエーションハウスなんで。
(加奈子)休みの日まで勉強?
(加奈子)マイナーな職業な上に
つまんない人生。
放射線科医には放射線科医の
プライドってものがあるんだよ。
《な… 何やってんの?》
《この患者さん
もう一度 検査した方が
いいと思います》
《再検査の必要は ありません》
(鏑木)《これは呼吸の影響もなく
造影のタイミングも完璧な写真です》
《鏑木先生》
《ありがとうございます》
《お礼を言われる筋合いは
ありません》
《私は私の仕事をしただけです》
《君たち技師が責任を持って
撮影した 正確な写真を
われわれ放射線科医が
責任を持って診断し
治療方針を導く》
《それが われわれ
ラジエーションハウスの仕事です》
(鏑木)《どこ行っても
自由にやれると思ったら
大間違いですよ》
《少しは大人になって
戻ってきてくださいよ》
《はい》
負けてられませんからね。
(加奈子)ふーん。
何かカッコイイじゃん。
今 何つった? 加奈子。
何つったの 加奈子。 ねえ。
ねえ 何て?
何て言ったの? ねえ!
いってらっしゃいませ。
いってらっしゃいませ。
ないな…。
もう諦めようか?
乗り換えの時間もあるし。
駄目なんです。
あれだけは…。
(黒川)捜し物は これですか?
うん?
あ! ありがとうございます!
よかった…。
今回は助かりました。
まさか君のような技師がいるとは。
ありました!
世界は広いですね。
よかった!
聞いてますか?
えっ?
まあ いい。
次会うときは負けませんよ。
えっ?
じゃあ。
はい。 はい…。
(菊島)やっぱり いい写真だね。
はい!
[ここに 1つのお守りがある]
[健康祈願 恋愛成就 合格祈願]
[人の数だけ 願いがある]
[かなうかどうかは分からない]
(軒下)っていうか
新人募集しないとだな。
(裕乃)そうですね。
(威能)鏑木先生にお願いしますか。
(悠木)もう いいですよ。
[それでも 人はなぜ
願い続けるのだろうか]
[それは…]
また会えるといいね。
会えます。
必ず。
約束しましたから。
[忘れないため
なのかもしれない]
(小野寺)あ チクショー。
相変わらず だるそうに。
二日酔い?
違う。 あさっての
アンギオの研究会の予習してたら
遅くなっちまったんだよ。
どうだったんすか?
久しぶりの家族だんらんは。
何話していいか 分かんないね。
さっぱりね。
ずっと別居でしたもんね。
(たまき)自業自得。
うっせ!
何で お前 ここにいんだよ?
新人は早く来て 装置の点検だろ。
(裕乃)自分 もう新人じゃないんで。
(小野寺)そういえばよ
今日から 新人の技師 来んぞ。
フレッシュ新人
ワンチャン 女子だろう。
やらしいこと考えてました?
(軒下)考えてない!
あいつの後釜だからね。
相当 できるやつじゃないとね。
ですね。
(田中)おはようございます!
今日より お世話になります
新人技師の田中フクオと申します。
フレッシュ ぴちぴち 45歳。
よろしくお願いいたします。
(たまき)フレッシュ ぴちぴち…。
(田中)よろしくお願いいたします。
(軒下)おっさんじゃん!
(小野寺)新人に 年 関係ねえだろ。おい 広瀬。 色々教えてやれな。
(裕乃)えっ 無理ですよ。
(小野寺)軒下 教えてやれ。
(軒下)俺っすか?
(田中)軒下さん。
よろしくお願いいたします。
お前さ 眼鏡 かぶってんだよ。
よしと。 じゃあ 私の席は
その空いてる…。
そこ いるから!
ここは 大切な仲間の席なんです。
仲間?
(裕乃)はい。
じゃあよ しばらくよ ここな。
(悠木)はい ここ。
(田中)あっ ここ? ここに?
私の席? はい。
座ればいいですか?
《私のこと
忘れないでね》
《うん》
約束
忘れないでくださいね。
はい。
《唯織!》
《杏ちゃん!
ドラマ「ラジエーションハウス(ラジハ)」の見逃し配信を無料視聴する方法
ドラマ『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』ネタバレや感想以外に特別編~旅立ち~【ラストフライト!!】の見逃し配信を無料視聴する方法は以下のリンク先に書いていますので気になる方はみてみてください。
ドラマ「ラジエーションハウス(ラジハ)」特別編~旅立ち~【ラストフライト!!】のネタバレ感想やあらすじの紹介まとめ
以上でドラマ『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』特別編~旅立ち~【ラストフライト!!】ネタバレや感想についてまとめました。
2019年春のフジテレビ系列 月曜日夜9時枠は、窪田正孝さん主演のドラマ『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』が4月8日からスタートします。
第10話のネタバレまとめとしては、
この記事では、ドラマ『ラジエーションハウス(ラジハ)』特別編~旅立ち~【ラストフライト!!】を詳細にネタバレとあらすじや感想を更新していきますので、ぜひご覧ください!